刃の雨/Rain of Blades
タグ:Card of the Day, MTGシングル, Rain of Blades, スカージ, 刃の雨, 基本セット2013, 岩SHOWCard of the Day -今日の1枚- 2015/06/23
刃の雨/Rain of Blades
マジックの世界はその名の通り、魔法の世界。何を今さら、されど今さら。大抵の現象は魔法という言葉でどうにかなってしまう...その割に、荒唐無稽な現象が頻発している訳でもない。炎を操ったり、竜巻を起こしたり。そういった魔法は、変な表現だがリアルではないか。
自然界に存在するものなので、それらを構成する元素...即ちマナを操作すれば起きうる現象だ。同じマジックでも「手品」の方のそれでは、それこそ帽子から鳩が出たりペンが2本に増えたりと、起こりえないこと・生み出しえないものを成し遂げることが多い。
ともすれば現実の魔術よりもリアルな魔法の世界であるマジックの多元宇宙にも、時折「奇術ショー」とでも言うべき超現象を起こしているカードがある。本日の1枚、《刃の雨》もその1つ。文字通り刃が雨の如く降り注ぐ、恐ろしいこと極まりない魔法だ。
同じ雨でも、《石の雨》ならばその辺の岩石を射出するのでわからなくはない。この《刃の雨》の刃も、その辺にあるものなのだろうか?あるいは、マナの結晶体的な...いずれにせよ、見た目としては石が降ってくるよりも遥かに恐ろしい光景だろう。
《剣の壁》と言い、白は剣を創りだし宙に浮かせる魔法が得意の様だ。何を言っているかわからないと思うが、大丈夫。僕もわからない。とりあえず、思っていたよりも白の魔法は怖いという事だ。
1マナで攻撃クリーチャー全体に1点ダメージを与える、防御専用除去呪文だ。マナの軽さとカードパワーが絶妙なバランスの1枚であり、『スカージ』以降2度再録されているあたり、デザイン側もこのカードを気に入っているのではないだろうか。白にはこういった、交戦状態のクリーチャーに対して処罰を与える除去呪文が多数存在する。
このカード自体は、『アラビアンナイト』が初出の《砂嵐》のリメイク...というか色変更版だ。《砂嵐》は緑だったが、緑で直接ダメージを与える呪文、というのは時代が進むにつれ色の役割に合わなくなっていった。
『オンスロート』以降、色の役割が改めて定義されそれに基づいたカードが多数登場したのだ。この《刃の雨》もそんな時代の潮流を表わすカードの1つなのだ。
攻撃クリーチャー全体にとは言え1点ダメージ程度では...とがっかりする必要はない。当時幅を利かせていたビートダウンとは、即ちゴブリン。《神の怒り》がないブロック構築では、ワラワラ群がってくる赤いチビ共の頭上に、正義の刃を降らせたものだ。