汚物の雨/Rain of Filth
タグ:Card of the Day, MTGシングル, Rain of Filth, ウルザズ・サーガ, 岩SHOW, 汚物の雨Card of the Day -今日の1枚- 2015/06/26
汚物の雨/Rain of Filth
汚物?ちょっと、いくらなんでもハードコア過ぎないか?読んで字の如く汚い物。一体何が降り注いでいるのか考えたくもないが...ウルザ曰く「ベトベトに油っぽいよだれのようなもの」とのこと。想像するだけで、汚ったねぇぇぇぇ。ファイレクシアの禍々しさを知ることが出来る、非常にわかりやすい秀逸なフレイバーだ。
カードとしては、これが結構面白い/独自性に溢れた1枚。《暗黒の儀式》が代表する、マナを生み出すカードの系譜に名を連ねているのだけど...カードタイプが"マナ・ソース"じゃない点に注目。このカードが収録されている『ウルザズ・サーガ』の時点ではまだ、マナを生み出すカードはマナ・ソースという独自のタイプを持っていた。この《汚物の雨》もマナを生み出すカードなのだが、そのタイプはインスタントである。これはこのカード自身がマナを増やすわけではないため。マナを生み出す能力を、あなたがコントロールするすべての土地にターン終了時まで与えるという、実にユニークな1枚なのだ。
これを唱えれば、あなたの土地は生け贄に捧げることで黒マナを1つ生み出すという能力を得る。使い捨てにすることで、この土地1枚が2マナを生み出すようになるのだ。これ自身を唱えるのに1マナ必要だが、その1マナを捻出した土地を生け贄に捧げれば1マナ生み出すことが出来るため、ちょっとしたフリースペルのようなものだ。かつて猛威を振るった《資源の浪費》のインスタント版と言って良い。
面白い点は、例えばそれ自身がマナ能力を持っていない土地・フェッチランドなんかをマナとして用いられる点だ。レガシーではよくライフの問題や対戦相手の妨害によりフェッチを起動できないという状況に遭遇するが、そんな状況でも最低限土地1枚分の仕事を与えられるのは悪くない。タップインの土地にも同じことが言える。
レガシーでは「ANT」というコンボデッキで1枚挿しされていたりするシブい1枚。土地を生け贄に捧げるという問題も、そのターンの内に勝負を決めてしまうコンボデッキには関係ない。墓地を肥やせるため、同デッキに積まれている《陰謀団の儀式》のスレッショルドをサポートできるのも見逃せない。
個人的には『ウルザズ・サーガ』スターターデッキを購入した時に封入されていた、長い付き合いになる1枚。当時は《黒死病》コントロールにこれを積んで、最後のダメ押しと10マナぐらい生み出して一気に勝負を決めたりしたのも良い思い出だ。めちゃくちゃ強い訳ではないが、なんとなく使っていて「テクいな」と感じられるのが良かった。イラストに描かれている、ファイレクシア特有の長い口吻を持った犬がカワイイ。