朴高志のスタイリッシュ!マジック・オリジンリミテッド
タグ:マジック・オリジン, 朴高志text by Boku Takashi
こんにちは!今回もリミテッドの記事を書く事になりました、朴高志と申します。
つい先日開催された『マジック・オリジン』のプレリリース、地元のお店にも、たくさんの人が来ていました。
中にはこのオリジン発売をきっかけにマジックを始める人や復帰する人などもいて、いかに今回の基本セットが面白そうな印象を与えるかが伝わってきました。
と、いうわけで、早速ですが今回は『マジック・オリジン』のリミテッドにおいて優秀なカードについて書いていきます。
「デッキに優先して入れたいカード」
強力なレア、例えば今回だと《搭載歩行機械》や《衰滅》などですね。
当然優先順位は高いです。
しかしやはりレア、シールドの場合は限られた枚数(Foilを除けば6枚)しか出ず、ドラフトではこれらのカードが入っているパックを開けた人がそのまま取ってしまう事が多いので、そうやすやすと遭遇する事は出来ません。
ですが、コモンやアンコモンならばレアよりもずっとたくさんの枚数を得ることが出来、当然それだけ欲しいカードをデッキに投入出来る確率も上がります。
つまり、コモンやアンコモンなら、それらにある程度の優先順位を付ける事に意味が生まれてきますね。
ドラフトならピック、シールドならデッキに投入する際に、カードの優先順位が分かっていた方がずっと勝ちやすくなるはずです。
では実際に、各色におけるコモン・アンコモンの「これは優先して入れたい!」というカードをいくつかピックアップしていきますね。
「白」
優秀な低マナ域が揃っており、序盤からの攻撃に長けています。
飛行クリーチャーもそれなりにいるので、後半もあまり息切れせずに攻撃を続けられるでしょう。
相方の色としては赤か黒が使いやすいです。・コモン
《トーパの自由刃》
2マナパワー2で高名1、そして警戒付きと、極めて優秀なコモンクリーチャー。
序盤にひとたびこれの攻撃が通ってしまえば、あとは3/3警戒で殴るだけ。
相手のパワー2以下の高名クリーチャーに対して防御面で強くなれるのも素晴らしいですね。《アクロスの看守》
1マナのタッパー。
タップコストは3マナと少々重いですが、1ターン目《アクロスの看守》、2ターン目に高名持ちクリーチャー、3ターン目に相手のクリーチャーをこれでタップしながら高名達成という動きはなかなかに強力。
特に上述の《トーパの自由刃》とは相性がよく、両方コモンなので揃えやすいです。《抑制する縛め》
4マナのオーラで、つけられたカードはほとんど何も出来なくなります。
実質確定除去として機能し、相手の強力なクリーチャーを無力化する事が出来ます。
除去はリミテッドでは優先順位が高くなる傾向にありますが、このカードも例にもれず、ですね。
・アンコモン
《迅速な報い》
2マナの除去です。
タップ状態のクリーチャーを破壊と、少々使いづらそうに見えますが、このカードのすごいところは魔巧を達成しているとインスタントタイミングで唱えられるという点。
つまり攻撃してきたクリーチャーをその場で討ち取ることが出来ます。軽い確定除去はどんな時でも強力です。絶対にデッキに入れましょう。
《領事補佐官》
2マナ高名先制攻撃。
高名になるとパワー3の先制攻撃と、序盤はほぼ止まらず。しかも一緒にアタックする仲間まで強化してくれるようになります。
欠点はダブルシンボルという色拘束。基本デッキが2色になるリミテッドにおいて、2マナのカードでもダブルシンボルのものは安定して唱えられないため実質3マナ以上とみなした方が良いです。ですが、それを補って余りある強さです。
《族霊導きの鹿羚羊》
オーラをサーチ出来るクリーチャー。
《抑制する縛め》を持ってくれば除去として機能し、強化オーラを持ってくれば自軍の強化を図れます。とても便利で確実なアドバンテージが取れて、タフネスも5もあると頼りになるカードです。
「青」
飛行クリーチャーが充実していて、呪文も結構強力なものが揃っています。
ただ、2マナのクリーチャーと地上クリーチャーのサイズが少々寂しいので、それを補える緑や白、また青のテーマであるアーティファクト関連のシナジーが狙える赤と組むのがおすすめです。
・コモン
《狩漁者》
タフネスが3と、青にしてはちょっと頑丈な3マナのクリーチャーです。
能力によってパワーを上げられるのがポイントで、これで大きめのクリーチャー相手でも相打ちが取れます。
《分離主義者の虚空魔道士》
場に出たときにクリーチャーを1体バウンス。
高名クリーチャーがいる今回のリミテッドでは、こういったバウンスは普段のリミテッドよりも優先度が高いです。お膳立てをして育てたクリーチャーをまた0からやり直しさせるわけですから、強力です。
もちろん高名持ち以外のクリーチャーに対しても、序盤の時間稼ぎや地上で攻める際にも有効です。
《護輪のフクロウ》
5マナで飛行と果敢が付いて3/3!
これでコモンだからすごいですね、まるでアンコモンのような性能です。
リミテッドではブロックされにくいクリーチャーは積極的に採用したいです。
その上このフクロウはサイズも果敢もあるので、強い部類ですね。
・アンコモン
《つむじ風のならず者》
4マナで1/1飛行のトークンを2体を連れて出てくるすごい奴。
そう、レアにいるあいつと同じ!
レア並みの打点展開力を持ち、さらにはブロック不可にする能力も打点も素晴らしい、の一言。
《スカーブの大巨人》
ザ・フィニッシャー。
「黒」
いつも通り除去に優れ、クリーチャーはそれなり。
白と組んで複数の確定除去と安定したクリーチャーを用いた戦い方もいいですし、緑と組んで地上戦に重きをおいてもいいですね。
・コモン
《死橋のシャーマン》
3マナで手札破壊の能力が付いているエルフ。
相打ちしやすい3/1というサイズ&墓地に落ちれば手札破壊と、相手にしたら結構厄介なクリーチャーです。1:2交換を嫌がってアタックorブロックを躊躇してくれることでしょう。
《魂裂き》
2マナの不確定除去なのですが...不確定と言っても思ったよりも範囲が広く、使いやすいです。
主に軽量=低パワーのクリーチャーがメインとなる序盤の攻防で活躍しますが、後半でも多くの飛行クリーチャーなどに使える優秀な呪文です。
《不浄な飢え》
インスタントの確定除去。
5マナと重めですが、その分相手を選ばずなんでも倒せるので便利。
どんな強力クリーチャーとも1:1交換が取れるのは素晴らしい。
・アンコモン
《残酷な蘇生》
こちらも5マナの除去。
自分の墓地にあるゾンビを回収出来るので、アドバンテージをとれる可能性があります。
もちろん、ゾンビが墓地にいなくても除去呪文として積極的にプレイ出来る性能です。
《血による聖別》
+2/+2修正で、誰でも手軽にフィニッシャーに。
コストがかかりますが一応再生も付くので、強いクリーチャーをさらに強く・死ににくくするという選択肢もあります。
「赤」
2マナ域のカードが薄く、今回の赤はちょっと頼りない感じですが...火力の強さは健在。
アーティファクト関係で青と組むか、サイズフォローで白や緑と組むのが良さそうです。
・コモン
《焦熱の衝動》
1マナ2点火力。所謂《ショック》です。
十分便利ですが、しかし魔巧達成により3点火力=《稲妻》にもなり得る、というのがすごいところ。
これで本体に飛ばせたら・・・それは贅沢、ですね。
《稲妻の投槍》
こちらは4マナ3点ソーサリー。占術1がオマケでついています。
同じダメージを1マナで与えられるカードがあるため、ちょっと見劣りしますが...それでも、本体に撃てたりと優秀な火力には違いありません。
《ギラプールの歯車造り》
赤のコモンの中でも、群を抜いて優秀なクリーチャー。
2マナ域が頼りない分、このカードが3マナ域で頑張っています。
赤を使うのであれば、デッキコンセプトがなんであれ間違いなくデッキに入れていいカードです。アーティファクトや生け贄のシナジーがあるのならばなおさら。
・アンコモン
《残虐無道の猛火》
強烈なX火力。
除去として使うだけでも強いのに、魔巧達成していたらプレイヤーにも同時に飛ぶという弾けっぷり。
《飛行機械技師》
《ギラプールの歯車造り》みたいなものなのですが、アーティファクトクリーチャーへの速攻付与能力が見た目よりも結構強いです。
「緑」
クリーチャーの性能は、さすが緑の一言。
青と組んで飛行クリーチャーをもらうか、赤や黒と組んで除去を補うとより良い感じです。
・コモン
《葉光らせ》
2マナパワー2のマナクリーチャー。
一見地味なカードですが、緑のコモンの中でもトップクラスの優先度です。
タフネス2の相手と相打ちが出来て、序盤は殴れて、重いクリーチャーに繋げられる。
プールにあるだけ・ピック出来た分だけデッキに入れましょう。
《野性の本能》
緑の貴重な除去。
+2修正も割とばかにならず、除去した後に高打点で殴る事が出来ます。《エルフの幻想家》
キャントリップ付のエルフ。
リミテッドではとにかく"デッキを事故しにくい構成にする"事が安定した勝利への近道なので、こういった事故を緩和するカードは価値が高いです。
・アンコモン
《地底街のトロール》
高名になったら止めるのは難しく、そうでなくても序盤は再生のせいでブロックしたくない=高名されてしまうと、極めて厄介なクリーチャー。後半引いてもブロッカーとして勝利に貢献してくれます。
《空網蜘蛛》
6/6到達警戒。
そのワンランク上のサイズと到達でほとんどのクリーチャーをシャットアウト出来、警戒で隙も生まれないと、もはや盤面にあるこのカードをこすっているだけで勝ててしまうレベルの性能。
「土地・アーティファクト」
優先したいカードは少ないですが、それでもどんな色のデッキだろうと入るのは魅力。
ちなみに多色のカードはどれも色があっていれば文句なく強いです。
・コモン
《護衛する自動機械》
ドラフトでは、流れてきたパックの中に取りたいカードが特にないときにピックしておくと、そこそこ便利。
シールドでは必ずしも自分の使う色に軽量クリーチャーが十分いるとは限らないので、こういう良スペックの無色クリーチャーは助けになってくれる事があります。
《進化する未開地》
この環境のリミテッドは基本、2色、たまに3色で組むことになります。
なので、事故を防ぐためにこういった土地はいい助けになってくれます。
とりあえずピックしておきましょう。
・アンコモン
《領事の鋳造所》
土地を多めに入れたいけど、土地ばかり引くのは怖い・・・
そんな悩みを解消してくれるのがこれです。
出てくるトークンも1/1飛行が2体と結構ばかにならず、起動マナコストもギリギリ許容範囲。
重いカードがタップリ目なため土地を18枚入れたい...なんて時にはピッタリです。
「ドローカードの価値」
シールドでは何枚採用するか悩み、ドラフトではいつ取るか悩むドローカード。
便利ですけども、それ自体が勝負を決めてくれる訳ではないですからね。
今回はコモンに《骨読み》という使いやすいドローカードがあります。
《骨読み》はかなり性能が高く、結構な確率で期待通りの仕事をしてくれます。
シールドでは2枚出たら2枚入れていいくらい強いです。
ドラフトでは1枚か2枚か、デッキと相談して入れる必要があるでしょう。
対して《工匠の天啓》は、デッキがどんな形であれ1枚入れるかどうか、でいいと思います。
アーティファクトが有るか無いかで強さが変わってしまうものの、事故はある程度防いでくれます。
「おまけ」
今回は高名持ちのクリーチャーによる攻防が序盤から行われるため、早めにクリーチャーを出したいところです。
デッキのクリーチャーのマナカーブは、大体ですが、
1~2マナ域・・・4~7
3マナ域・・・3~5
4マナ域・・・3~4
5マナ域・・・1~3
6マナ以上・・・0~3
くらいで、合計で大体15枚~18枚クリーチャーを入れたいですね。
呪文は残りの範囲で入れますが、例えば黒なら《不浄な飢え》が多く入るようならそのマナ域のクリーチャーは減らすなどして調整し、土地は色の組み合わせにもよりますが大体17~18枚入れたいです。
そういえば、同じ名前のカードを参照するサイクルのコモンが各色にいますよね。
これらは何枚あればデッキに入れて力を発揮出来るのか、それも参考までに自分の考えを書いておきます。
・1枚でもOK!
《前線の僧侶》
2マナで2/2、最初の1体でも2点ゲインと全く文句無しの高性能。
特に白黒で組んだ場合、《骨読み》に始まるライフを要求するカードを使う場合は重宝します。
・2枚あればOK
《アンデッドの召使い》
普通に1枚目でもそれなり、2枚目以降はぐっと強くなります。
2枚でも最低限の活躍はしますが、使うなら出来るだけ多く集めたいですね。
《伝染性渇血症》
これも2枚あれば結構強いです。
オーラということもあって、これを入れ過ぎて肝心のクリーチャーを引けない!となってしまっても微妙なので、2枚が理想の枚数と言えそうです。
・3枚以上欲しい!
《フェアリーの悪党》
2枚目以降が場に出ると1枚ドロー。
除去や能力で簡単に死ぬのが怖いため、出来るだけ間髪入れず連続で出したいところ。
《森林群れの狼》
デッキに3枚で強いかなという印象。2枚だと並ぶ確率も低いですからね。
1枚だけしか場にいないとただの2/2なので、これもいち早く大きくするために連続で出したい...そうするには、ひたすら枚数を取るしかないです。
3枚以上場に出ればさすがに強いですね。
いかがでしたか。今回は発売されたばかりのセットのリミテッドに関する記事でしたが、皆さんがリミテッドを遊ぶ際にカード選定で迷った時、少しでも参考になれば幸いです。
プレリに何度か出て、『マジック・オリジン』はリミテッドの練習をたくさんしたくなるような、いいセットだと感じました。
自分もたくさん練習して、今月末開幕するPTバンクーバーでいい結果を出せるよう頑張ろうと思います!!ノシ