亡霊の出現/Ghostly Visit

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/07/31

亡霊の出現/Ghostly Visit

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 三国志が面白いのは、曹操がいたからだ。時に冷酷な判断をこともなげに行う完璧超人。完璧すぎるが故に、人間味あふれる劉備に対する悪役として描かれることが多いが...彼が居なければ、漢王朝を取り囲む諸勢力がやりたい放題の大暴れで、三国どころかカオスな中華になっていたであろう。劉備も無茶苦茶悪いヤツになってたりしてね。


 

 そんな悪役として描かれることの多い曹操。その最期として一般的なものは、かの関羽の首を孫権から送られ、その怨念により病死したというエピソード。曹操自身は関羽の首を国をあげて手厚く葬り、その功績を讃えているんだが...無念の戦死を迎えた関羽の恨みは底知れずといったところか。個人的には、このエピソードは曹操が可哀そうに思えてしょうがない。曹操と関羽は主従の関係であった期間もあり、敵同士でありながら不思議な関係にある、というのが魅力だ。有名な「げぇっ、関羽」のシーンなんかも最高じゃないか。

 

 さて、マジックにおける曹操の最期は、この一般的な関羽の恨みENDではなく、自らが殺した皇后や臣下の霊にとり殺されて死亡というエピソードをチョイスしている。「幽霊ウィーク」ラストを飾るのは《亡霊の出現》。最後に相応しい、恐怖のシーンをカード化したものだ。

 

 亡霊が現れる=恐怖。恐怖=《恐怖》=クリーチャーが死亡する、ということで『ポータル三国志』における確定除去呪文として作られたのがこのカードだ。ポータルシリーズはクリーチャーでない呪文はソーサリーしか存在しないため、自ずとこのカードもソーサリーに。結果、インスタントにて同様の効果である《闇への追放》《破滅の刃》の下位互換となっている。しかし面白いことに、アーティファクトが存在しない世界だからこそそれに関するテキストがないため、《恐怖》より効果範囲が広いものに仕上がっている。まあこれぐらいしかまともな除去はないため、『ポータル三国志』環境では貴重な1枚。

 

 曹操は亡霊に呪われ死んだとのことだが、《魏公 曹操》は黒いカードなので、これを以て死亡させることは出来ない。デザイン上仕方ないとは言え、やや矛盾を抱えてしまっているのは惜しい。むしろメンタルが強そうな関羽や趙雲がやられてしまうというのも面白いところ。曹操は65歳で亡くなり、遺言に葬儀は小規模で、金をかけるんじゃないと遺していた。それこそ桁違いの殺戮を行い怨念を背負ったが、彼も新たな時代を切り開いた英雄であり、一人の人間であると思う。


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