水銀の短剣/Quicksilver Dagger

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/09/25

水銀の短剣/Quicksilver Dagger

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 何度も言うが、シルバー・ウィークは終わったのだ。とは言え、数日を乗り切ればまた休みはやってくるではないか。この終わりは絶望であると同時に希望でもある。社会人も学生も、皆で戦おう。

 

 前回はシルバーにちなんで《銀のマイア》を紹介した。マジックで他に、銀と名のつくカードと言えば...「水銀」にちなんだものが多い。水銀って、結局何なのか。常温・常圧で凝固しない唯一の金属、と平たく言えばそんなところか。液状の金属であり、マジックで登場する際も流動性の銀色の金属の何かがイラストに描かれている。水銀はその特性として恐ろしい毒性も持っている。生物にとっては猛毒なのだが、かつて始皇帝なんかは長生きの薬として水銀を摂取していたという。結果、水銀中毒で寿命を大きく減らしているのだから、皮肉な話だ。マジックにおいて、その生物への毒性をフィーチャーした水銀にまつわるカードというのはほぼない。ないが...この《水銀の短剣》が、それだと言えるか。

 

 他色・それも対抗色の組み合わせをメカニズムの中心としたセット『アポカリプス』にて登場した《水銀の剣》。これまでにはなかった青赤のエンチャント(オーラ)がクリーチャーにもたらすのは、追加の起動型能力。タップしてプレイヤー1人に1点のダメージを与える、これだけだとちょっと格が落ちる...《錬金術の研究》《霊力》は青単色でプレイヤーだけでなくクリーチャーにもダメージを与えることが出来る。それと比べると、プレイヤー限定で1点というのは少々...まあ、悪くはないよ。クリーチャーがにらみ合っている状況でターンエンドに起動して1点と、確実に削って行けるのは悪くはないんだが。2色なんですから、もう一声!

 

 しゃーねーな、じゃあ1ドローあげよう。ありがとうございます!え、1ドロー?ダメージを与えると同時にカードを1枚引ける。これは熱い。2回起動すれば、その時点でアドバンテージ獲得。この手のオーラの弱点はアドバンテージを失っている点だが、それを克服しているのは素晴らしい。リミテッドではディフェンシブなクリーチャーでにらみ合っている状況を作り、その状況を維持するのに必要なリソースをここから確保していきながらゲームを進めていくのが理想の運用ではあるが、アグレッシブな5色ビートなどで息切れ防止として採用するのもアリだったなぁ。

 

 個人的に気になるのはイラスト。変幻自在の水銀を短剣に変形させ投げつけている構図もさることながら、この投げている人物。青紫っぽい肌も気になるが、その装飾品・兜が...ハチかトンボの頭部のようだ。この肌の色とフレイバーテキストから察するに、彼女はドワーフの様だ(『アポカリプス』に登場するドワーフは肌が青い)。ドワーフと言えど掌サイズという訳ではないから、この昆虫も十分巨大なものである。こういった考察が出来るマジックのイラスト、ほんと最高。


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