焼身の魂喰い/Immolating Souleater
タグ:Card of the Day, Immolating Souleater, MTGシングル, 岩SHOW, 新たなるファイレクシア, 焼身の魂喰いCard of the Day -今日の1枚- 2015/09/08
焼身の魂喰い/Immolating Souleater
食らうことは、別離(わかれ)ること。他者を攻撃し、食らうことは生命が億を超える年数をかけて積み上げてきた歴史そのものである。野生の世界では、食うことは殺す事。1つの生命と出会い、そして別れる。まあ、僕らも自身では直接そうしないだけでやってることは変わらない。剥き出しの食欲は、そのまま攻撃性となる。「食らうものウィーク」2枚目、本日紹介するのは《焼身の魂喰い》は、そんな食欲に起因する攻撃性・凶暴さを体現したかのような1枚だ。
「魂喰い」という名を冠するカードは、『新たなるファイレクシア』の目玉能力である"ファイレクシア・マナ"を起動型能力のコストとして持つコモンのクリーチャーによるサイクルを形成している。全て無色のアーティファクト・クリーチャーであり、どんな色のデッキでも運用できるのが特徴だ。1つの有色マナを支払うか、代わりに2点のライフを支払うのか選べるという新しい形のマナであるファイレクシア・マナ。5色それぞれの能力を持った魂喰いの中で、《焼身の魂食い》はその名前からも想像できる通り、赤を担当している。赤に割り振られたその能力は、赤いファイレクシア・マナ1つでパワーを1上昇させるという、「パンプ」「ブレス」などと呼ばれる能力だ。2マナ1/1と軽量・小型クリーチャーながら、この能力を複数回起動出来れば他の2マナ圏のクリーチャーよりも大きなダメージを与えることが可能だ。この手のクリーチャーは過去にも存在したが、マナを払うということは除去をしたり展開をするためのマナを消費しているため、テンポが悪い。それらと比べると、赤マナでなくライフで支払うことも可能というのはなかなかに魅力的で、はっきりと秀でた部分だ。《ピグミー・パイロザウルス》の上位互換と言いきれるレベルだ。
ファイレクシア・マナはマナを払う代わりに2点のライフを払っても良いと言うデザインだが、魂喰いサイクルは使っていると逆に思えてくる。2点のライフを支払って能力を起動するカードだが、デッキの色が合えば痛い2点ではなく1マナでも払えるという選択肢をもたらすよ、というところ。特にリミテッドではとりあえずデッキに入れられて、色が合えばなお便利みたいなカードだった。《焼身の魂食い》はその攻撃性をむしろ相討ち用のブロッカーとして使われていたのも面白い。
一方で、構築ではその剥き出しの魂喰いっぷりを評価され、往年の名デッキ「ヘイトレッド」のようなスーサイド・デッキが作られた。3ターン目に18点のライフを支払いこれのパワーを10にした上で"二段攻撃"か"感染"を付与して一撃必殺、あるいは《投げ飛ばし》て二撃必殺を狙う、「ソウルイーター」というデッキは全世界の「そういうの」が好きな仲間達のハートを鷲掴みにしたものだ。