精神ねじ切り/Wrench Mind
タグ:Card of the Day, MTGシングル, Wrench Mind, ミラディン, 岩SHOW, 精神ねじ切りCard of the Day -今日の1枚- 2015/09/01
精神ねじ切り/Wrench Mind
マジックというゲームはフレイバーを重視している。戦場にも墓地にも出ていないカード、即ち手札やライブラリー。これらは、フレイバー的にはあなたというプレインズウォーカーの精神・記憶・知識...そういったものに基づく、脳内に秘められし呪文達を表していたりする。記憶を失うことでライブラリー破壊されたり、精神を腐敗させられることで手札を失ったりするのだ。体感的にわかりやすく、好きな設定である。知識を得たり先祖の記憶が蘇って手札が増えるとか、めちゃくちゃわかりやすい。
今日の「ヤバい」1枚は、そんな精神に関するカードの1つだ。その名も《精神ねじ切り》。響きがヤバい、既に破壊力がある。精神と言う眼に見えず実体のない物を、ねじ切るという呪文。フレイバーにもあるが、どんな音が鳴るのか...格闘技なんか見てると、劣性の選手が明らかに今のキックで心折れたな...みたいな瞬間は確かにある。ただ、「ねじ切る」とは。魚肉ソーセージの包装みたいに、しっかりと掴んでグリングリンと捻りそして引っ張ってプツンと精神の一部を...マジック的には戦意に関する部分とかだったりするのかな。
黒の2マナの手札破壊であり、その効果は目立たないながらも強力。これを撃ちこまれたプレイヤーは、アーティファクトを1枚捨てるか、その他の手札を2枚捨てるかの2択を迫られる。つまりは、相手の手札にアーティファクトがなければ無条件で2ディスカード、1マナ安い《精神腐敗》となるのである。2マナで1:2交換とはなかなか強力ではないか。同じコスト、同じ1:2交換と言えば《Hymn to Tourach》という先輩がいる。先輩はどんな条件下でも2枚を無作為に捨てさせる鬼のカードなので強さはちょっと比べようもないが...。
偉大な先輩がいるならば、違う階級で勝負すればよいだけの話だ。モダンなら、このカードが2マナハンデスとしてはナンバー1。「親和」相手には弱いが、それ以外の相手には2ターン目に頭を抱えさせることが出来るかもしれない。緑黒のミッドレンジ系のデッキや、《小悪疫》などと併せた「メガハンデス」なんかで採用されることもある。再度に追加のハンデスでとるか、メタゲームを読み切ってメインから投入するか...プレイヤーの能力が試される、イージー呪文に見えて奥が深い1枚と言えよう。
登場したのはアーティファクトに溢れた世界『ミラディン』。セットの半分がアーティファクトという狂った世界だったからこそ、このような呪文がコモンに設定されていたのであろう。コモンであるが故にコモン限定構築・Pauperの「黒単信心」なんかでも使われていて、これを回避するためにアーティファクト・土地をとりあえず数枚デッキに入れておく、と言う構築術があるそうだ。精神、切らせへん!という意志が見えるこういうテクニック、大好き。