統率の取れた突撃/Coordinated Assault
タグ:Card of the Day, Coordinated Assault, MTGシングル, テーロス, 岩SHOW, 統率の取れた突撃Card of the Day -今日の1枚- 2015/11/12
統率の取れた突撃/Coordinated Assault
闇雲に荒れ狂う攻撃を繰り広げる巨体で多数の敵軍を、統率者の指令の元に乱れぬ陣形を形成し迎え撃ち、戦況をひっくり返す...時代物アクションとかでよく見る展開である。所謂ファランクスを組んで猛攻に耐え、ジワリジワリと槍で押し返していって、そこに増援が到着して敵軍一旦退却みたいなね。SFとかだと軍隊がエイリアンなんかの化け物相手にパニックになるもリーダーが無線で皆を落ち着かせて的確な行動をとって状況を打破...戦闘において大事なことは、個々の戦闘力よりも軍勢の統率かもしれない。
マジックにおいてもその価値観は同一のようで、クリーチャー1体をバキバキに強化する呪文よりも、複数体の戦闘能力を底上げするカードの方が強いことが多い(勿論状況にもよるし、《強大化》×《ティムールの激闘》のような飛びぬけた例外も存在する)。戦闘中に使用する奇襲的呪文群、所謂"コンバットトリック"も、1体のクリーチャーを強化してやるより複数に触れる方が強力で便利だ。まあそんな話、安くはないよね...えっ、1マナで統率の取れたコンバットトリックを?
《統率の取れた突撃》はたったの1マナながら戦況をがらりと変え得る1枚。クリーチャーを最大2体対象とし、それのパワーを1上昇させるとともに先制攻撃を与えるインスタントだ。これがね~一見地味ながら、めちゃくちゃいい仕事をするんですわ。ブロックされた自軍のクリーチャーに使ってブロッカーを一方的に乗り越えてよし・あるいは、赤いデッキではあまりしたくないが受けに回ってこちらのブロッカーに使って相手の裏をかいてもよし。どちらで用いても1マナと非常に軽いため、展開を阻害せずに用いられるのは素晴らしい。
スタンダードでは、"英雄的"の能力を持った赤い小型クリーチャーと合わせてこのカードを用いる「赤単スライ」がなかなか強かった。《サテュロスの重装歩兵》が強化され《アクロスの十字軍》がトークンを生みつつ、ブロッカーを一方的に打ち取る。こんなん、勝ったも同然だ。上記のクリーチャーに加えて"果敢"でこのカードの火力を底上げする《僧院の速槍》、先制攻撃で高いパワーを生かして低いタフネスを気にせずに攻める《ゴブリンの熟練先導者》など、相性の良いカードには恵まれていた印象を受ける。ずっと使われる側だったから、このカードには個人的に強い苦手意識がある。シャクられまくったな~。
混沌を司る赤にして、統率の取れたというカード名もなかなか面白い。ただフレイバーテキストは昔からの赤っぽさが感じられて、統率だといっても野蛮な色には変わりないんだなと一安心したり。