「Christine Sprankle モダン」ROUND6 菊池康平vs関谷暢謙
タグ:カバレージ, グランプリ・神戸2015, モダン
「Christine Sprankle モダン」ROUND6 菊池康平vs関谷暢謙
text by Seigo Nishikawa
スイスドロー6回戦で行われた今回の大会は、ROUND5終了時点で全勝は一人となった。菊池康平がその選ばれしプレイヤーである。恐らくこの試合の勝敗によらず、菊池の優勝は動かないと思われる。それでも1敗を喫してしまっている他の4人も諦めるわけにはいかない。
そんな4人の思いを受けて菊池に挑戦状をたたきつけるのが関谷暢謙。菊池の王者宣言にまったをかけるべく、立ちふさがっていく。
Game1
先手の関谷は、《湿地の干潟》を起動すると《神無き祭殿》にライフを支払うかを悩むも、思いとどまり《平地》を選択、そこから《セラの高位僧》をキャストする。
一方で菊池はこれに《大草原の川》で応える。ここまで唯一の5連勝を成し遂げることで、バトルランドはモダンでも十分にプレイアブルであることを証明しているのが菊池だ。ただこの土地に少し怪訝な表情なのは関谷。続くターンに《桜族の長老》が戦場に現れ、それが《セラの高位僧》の攻撃を受け止めつつ《平地》へとその姿を変えると、さらに悩みこむ関谷。《平地》?
関谷は《湿地の干潟》から今度こそ《神無き祭殿》ショックインし、《未練ある魂》で戦場をにぎわせる。
菊池は《遥か見》。今度は《蒸気孔》だ。黒以外の4色が取りそろう。
関谷の攻撃宣言に合わせて菊池がまったをかけ、《風立ての高地》に目を向けるが、ここは踏みとどまり、攻撃を許可する。
関谷は《幽霊街》をセットすると、《魂の従者》とつなげた上で、《風立ての高地》から《イーオスのレインジャー》。しかしこれには菊池からは《差し戻し》。
土地を淡々と並べ続ける菊池。森をセットすると《神の怒り》で戦場を更地に戻す。頷く関谷。菊池のデッキはまだ全貌を見せない。
関谷は先ほど跳ね返された《イーオスのレインジャー》をキャストしなおすが、再び《差し戻し》で手札へと追い返される。
三度《イーオスのレインジャー》。三度目の正直でこれが通り、《セラの高位僧》と《砂の殉教者》を確保すると、すぐさま《セラの高位僧》を追加しターンを返す。
気合をこめてカードを引き込む菊池。《繁殖池l》をアンタップインすると、《白日の下に》をキャスト。遂にそのデッキの一端を露にした。残りの土地からも3マナを生み出すと、ライブラリーからサーチするのは《風景の変容》だ。
8枚の土地は、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》2枚とギルドランド・バトルランドを交えた6枚の山に変化する。吹き上げたマグマが関谷に襲い掛かる。これを受けて自身を2度焼けるだけのダメージを受けた関谷は、デッキを片付けた。
菊池 1-0 関谷
Game2
両者共にマリガンとなってしまうも、関谷は《魂の従者》《清浄の名誉》と順調な立ち上がり。菊池も《桜族の長老》で貴重な1ターンを稼ぎ出す。
《遥か見》で土地を伸ばすと菊池は淡々と土地を置き続け、噴火に向けての準備を着々と整えていく。
そのなか1体でこつこつと攻撃をしかけていた《魂の従者》に待望の援軍、《イーオスのレインジャー》が現れ、《セラの高位僧》と《魂の管理人》を確保。これらの力を受けて、菊池の爆発の射程圏外まで逃れたいところ。
菊池は《大草原の川》でターンを終了しこれで6マナ。そして関谷のアタックに対して、《清浄の名誉》を《破壊的な享楽》で破壊し、ダメージを抑える。
ここで思案に耽る関谷。先ほどは菊池が8マナを揃えた段階で敗れた。今菊池の場にあるランドは6枚だ。
場にある自身の4枚のランドから《幽霊街》を使ってよいのかを悩みぬくも、最終的には《砂の殉教者》を出すと、《魂の管理人》《セラの高位僧》《流刑への道》を公開して、そのまま《魂の管理人》《セラの高位僧》を戦場に。ライフを31まで伸ばすとともに一気に押し切ってしまうことをプランを選択する。
フルタップになるが、このライフであればいけるはず。
菊池、これに対して7枚目の土地を置いて……何もできず。関谷の意を決した全軍アタックを受け止めきれず、苦い顔。
菊池 1-1 関谷
Game3
Game3にして先手を得た菊池が先に必要な土地を並べきるか、関谷が菊池の手の届かないところまで逃げ切るか。
菊池は《明日への探索》《桜族の長老》、関谷は《魂の管理人》《オーリオックのチャンピオン》と両者共に順調にスタート。菊池は《稲妻》を《魂の管理人》に向け、関谷のライフ獲得を抑制していく。
関谷の第3ターンは《幽体の行列》。だがこれには《差し戻し》が当てられ、リズムがやや崩されたか。その菊池は《踏み鳴らされる地》をショックインし《遥か見》。これで土地は早くも7枚。先ほどは次の一枚をセットできずに敗北した7枚、Game1は乗り越えて勝利へとつないだ8枚。この1枚が試合をわかつか。
関谷、再びの《幽体の行列》は《謎めいた命令》で弾かれる。これを受けて、Game1を今再び思い出す関谷、少考の後《幽霊街》で《大草原の川》を破壊するのだが、菊池は《平地》を変わりに戦場へ。
関谷からは「あるかぁ……」と悲痛な声が漏れる。
かくして菊池は8マナにたどり着き、後は試合を決める1枚を引くだけだ。関谷に時間は残されていない。
関谷は再び勝負に出る。Game2を再現すべく《イーオスのレインジャー》で《砂の殉教者》と《魂の管理人》。相手の動きに自分の命運をゆだねる。
菊池ここで気合をいれるが、引き込むのは土地。悔しくも手札が付いていかない。
関谷の祈りは結実し、《砂の殉教者》は関谷に15点のライフがもたらす。自身のライフを37とし、手を合わせ祈りを込め、再びターンを返す。菊池は気合を入れて引き入れた《未開の狩り》をキッカーでキャスト。これでもう1枚カードを引き入れるだけの時間を得た。《白日の下に》でも《風景の変容》でも、いっそ《予知するスフィンクス》でも何でもよい。
菊池のドローは……《桜族の長老》。ここまで菊池を支え続けたこの心強い存在だったが、この段階では菊池の望む1枚ではなかった。
菊池 1-2 関谷
残念ながら、全勝とは行かなかった菊池だが、オポーネントポイントの勝負の結果、無事そのまま1位を獲得。無事優勝となった。
「Christine Sprankle モダン」優勝は菊池康平!