戦の只中/In the Web of War
タグ:Card of the Day, In the Web of War, MTGシングル, 岩SHOW, 戦の只中, 神河謀叛Card of the Day -今日の1枚- 2015/11/28
戦の只中/In the Web of War
今週はGPの激闘に準えて「戦(いくさ)ウィーク」をお届けしてきた。2015年内のGPはこれにて終了、皆様お疲れさまでした!...と言ったところで、年内のマジックのイベントが終了するわけではない。12月に入ってもまだまだ日本各地では人が集まるイベントが催されるし、ワールド・マジック・カップの中継もある。年を越すと、すぐにGP名古屋2016が!PT『ゲートウォッチの誓い』が!RPTQが!BMOが!GP東京2016が!...と、マジックプレイヤーの戦いは終わらないのだ。休まる暇はない、これは嬉しい悲鳴が出てしまう。我々はこのゲームを始めた時から、戦の只中に居るのだ。
《戦の只中》は『神河謀反』にて登場した、赤を代表するカード群・クリーチャーに速攻を付与するエンチャントの1つだ。今週の1枚目、《戦精神の象徴》とやや被るが、上述の我々は~のセリフが言いたいがためにこのカードで締めさせていただく。イラストとフレイバーによると、神河の大名・今田は兵達を険しい山々を越えて真火砦へと向かわせたが、彼らの道を阻んだのは厳しい自然環境のみでなく、殺意を剥き出しの神々の奇襲もあり、結果として兵は全滅した。そんなところだろうか。「神乱見聞録」なる書物が登場しているが、これは神河ブロックの複数のカードにその名をみることが出来る。その名の通り神の乱の詳細が書かれているのだろう。マジックを始めたころは、こういった固有名詞が織りなす世界観に惹かれたものだ。
カードとしては、上述のようにクリーチャーに速攻を付与するもの。《熱情》よりさらに2マナ重くなったこれは、その速攻を得たクリーチャーのパワーも上昇させる。+2/+0修正がかなり強力なのは言うまでもない、《軍族童の突発》1枚で突然の9点ダメージは目ん玉飛び出る。重いのがネックだが、非常に強力な恩恵を得られるエンチャントには違いない。
弱点としては、速攻付与が従来のカードと違って常在型能力ではなく誘発型能力へと変更されたことが挙げられる。クリーチャーが自身のコントロール下で戦場に出ることで速攻とパワー上昇のボーナスを受けられる能力であり、例えば対戦相手のクリーチャーのコントロールを奪ったり奪い返したりしても、このカードはうんともすんとも言わない。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》のような、戦場に出てからクリーチャー化するカードも恩恵を預かることは出来ない。なかなか無いケースではあるが、出来ると出来ないでは大いに異なるのがマジック。あと誘発型能力になったことで地味に《もみ消し》で打ち消されたり《倦怠の宝珠》に封じられたりする。
また、純粋に5マナという重いカードが出したターンに何も仕事しないというのも問題だ。今ならこれは常在型能力になっているかも。いや、それはそれでかなり強いか?カードの調整って難しいね。
Ron Spencer氏のギラついてオラついたイラストが最高。強いとか弱いとか抜きで、使いたくなるカードってのはあるもんだ。《未練ある魂》を爆走させるぞ。