大石弓/Heavy Arbalest
タグ:Card of the Day, Heavy Arbalest, MTGシングル, ミラディンの傷跡, 大石弓, 岩SHOWCard of the Day -今日の1枚- 2015/12/19
大石弓/Heavy Arbalest
「重ッ!/Heavyウィーク」、最後には...実は《死別》というカードを紹介して「空気重ッ!」というエンディングにしようと思っていたのだが...いざ書こうと思うと、自分の心まで重たくなってきたので急きょ取りやめ。というわけで一度書く候補に入れておいて哀愁的に没にした《大石弓》を敗者復活させよう。特に導入もオチも考えず書きなぐっていこう、面白い話が出来るか、果たして...。
《大石弓》は『ミラディンの傷跡』のアンコモン装備品。マシーンワールド、ミラディンにしては原始的なルックスの武器を使っているものだな。テカテカ金属ウェポンが溢れかえる次元らしくない、赤と黒を基調とした外見が特徴的である。その名の通り、大きな石製の弓なのかなと思うが...英名はHeavy Arbalestで、大きさと言うよりはそのズッシリ量感が注目ポイントのようだ。Arbalestという単語自体が、大きな弩弓を意味している。弩弓は機械仕掛けの弓、所謂クロスボウ・ボウガンのことで、読みは「どきゅう」あるいは「おおゆみ」...そして「いしゆみ」。石弓と書いていしゆみと読むものは、実は全く違うものを指す。これは正式には、城壁などに備える防衛用の仕掛けを意味するもの。敵が攻めてきた時に綱をスパッと斬ると石がゴロゴロと落ちてゆく...弓とは全く関係のない兵器であり、このカード名も厳密に言うと誤訳である。何故この石弓と弩弓が同じ読みなのか、そもそもそこに問題があるのでしょうがない。石弓、弓でも何でもないしな...。
話がそれてしまったが、とにもかくにも大型でめちゃくちゃ重いクロスボウ。何せ、装備したクリーチャーが普通にはアンタップできなくなるほどだ。どれだけパワーが高い超大型クリーチャーでも、このクロスボウを担ぐことは大変な労力を要するのだ。《グリセルブランド》があの手で自分より小さな弩弓をヒイヒイ言いながら支えている図はなんとシュールだろうか。この装備品はサイズ修正は一切与えず、クリーチャーに起動型能力を付与するタイプのもの。その能力は、2点のダメージを対象のクリーチャーかプレイヤーに与えるという、なかなかに激しいもの。2点与えれば2・3マナ圏のクリーチャーなら大方除去することが可能で、リミテッドであればこれ1枚で完封されることもあるだろう。そりゃ、アンタップ制限というデメリットと付け替えの装備コストを重く設計されるわけだ。4マナとクリーチャー1体タップで毎ターン2点飛ばせる(クリーチャーを2体以上コントロールしている必要アリ)、額面だけで《ふにゃふにゃ》が泣いて田舎へ帰るレベルではないか。
実際に使うとなると、唱えてから装備するまでに確実にラグが発生するのがどうしてもネックとなる。ドラフトでも取るか取らないか、なかなかに評価の難しい1枚であった。その評価を定まらないものにしている要素が2つ。1つは、"感染"クリーチャー達。コイツらが2点のダメージをばらまけば、大型クリーチャーもジワジワと弱らせることが出来るし、プレイヤーに飛んだ時の威力も純粋に倍増。感染デッキをドラフトしていれば1枚あれば良い仕事をする時もあるし、てんで間に合わないこともあり...絶妙な調整がされているなと、ドラフトジャンキーだった当時思ったものだ。
もう1つ、このカードの評価に大きな影響を与えているのは...《ソリトン》。5マナ3/4でピリッとしないこのクリーチャーも、《大石弓》を担げば青マナ1つでアンタップできる能力が輝く。ソリトン砲の乱れ撃ち、コモンとアンコモンで出来るコンボにしちゃ本当にイカれた強さだったなぁ。