黄泉からの橋/Bridge from Below
タグ:Bridge from Below, Card of the Day, MTGシングル, モダンマスターズ, 岩SHOW, 未来予知, 黄泉からの橋Card of the Day -今日の1枚- 2016/06/04
黄泉からの橋/Bridge from Below
「墓地からウィーク」のトリを飾るのはこの1枚しかない、《黄泉からの橋》。正真正銘、墓地にあってこそ効果を発揮する1枚だ。というか、戦場に出ても効果を発揮しないという謎のエンチャントである。なんともまあ『未来予知』らしい1枚で...今日はこんな、世にも奇妙な唯一無二の1枚について解説しよう。
このエンチャントには一応、マナコストが設定されてはいるが、そんなもの何の意味もなさない。唱えることなんて一度もないからだ。このエンチャントが墓地にある際に、あなたがコントロールするトークンでないクリーチャーが死亡した場合、2/2のゾンビトークンを1体戦場に出す。墓地という黄泉の国から橋を渡って、ゾンビが現世にやってくるのだ。これが墓地に落ちている限り、対戦相手はこちらのクリーチャーを除去してもほとんど意味がない。ズラッとクリーチャーを並べた返しに《神の怒り》?どうぞどうぞ、こちらはクリーチャーの総数は減りませんので...。
これだけなら超強力な除去対策として、墓地に落とす手段さえあれば採用できるカードだが...勿論そんな甘い話もなく。これが墓地にある時に、こちらではなく対戦相手のクリーチャーが死亡してしまうと、このエンチャントはツ放される・冥界とのパイプラインは閉ざしてしまうのだ。即ち、相討ち上等でクリーチャーを突っ込ませてもオイシクはないということ。使うには、相手のクリーチャーと接触せずにこちらのクリーチャーを死亡させてなんらかのアドバンテージを取るのが良い。
このカードを最大限に活かしたデッキが「フリゴリッド」「ナルコブリッジ」「ドレッジ」などなどの墓地利用コンボ系ビートダウンデッキ達だ。発掘でこのカードを墓地に落として《イチョリッド》のような自爆するクリーチャーや《陰謀団式療法》をフラッシュバックさせてゾンビを得る。複数枚墓地に落ちていれば、1体の死亡で複数体のゾンビがワラワラ。最も恐ろしいのは《戦慄の復活》との組み合わせだ。《ナルコメーバ》なんかを3体生け贄に捧げて6体とか9体のゾンビを呼び出し、釣り上げた《炎の血族の盲信者》に率いさせて速攻ワンパンチで勝利するのは最高のコンボの1つである。
カード名も効果も、おそらくは《墓石の階段》をオマージュしたものだと思われる。『モダンマスターズ』にて再録された際に使用された新規イラストも、黄泉から地上へと延びる岩石の橋がらせん階段状になっている。なかなかニクイ演出だと勝手に思ってるんやけども、実際どうなんかな。