岩SHOW Card of the Day -今日の1枚-「Vapor」
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Vapor
5月は誕生月なので特に好きな月である。五月晴れという言葉も好きだ、5月の雲1つ無く晴れ切った空を見ると心がスッキリする。こんなところにいたくない、青空の元ピクニックに繰り出そう!バーベキューしよう!と思っても、そうはいかないのがジャパニーズ・サラリーマン。ビルの工事の音が外から響いてくる窓際の席で、PCに向かうことしか許されていないのだ。何と悲しいことか現代人!今一度狩猟と農耕で暮らす時代、立ち返らんかねぇ。なんて思って窓の外を眺めても、ビルの谷間にうごめく陽炎のみが見えるだけ。そう、今年の5月は暑いね。例年にも増してパワフルなようで、早くも30度越えした地方もあるそうな。Oh my. 僕は暑さも寒さも強い方だが、暑いと何もしていなくても体力をじわりじわりと奪われるのが辛いところ。カリフォルニアのようにカラッと暑いのはまだいいが、日本は湿気がね。むわんむわんと蒸し暑いのはかなわん。
マジックではしばしば"蒸気"をその名に冠するカードが登場する。今日はそういったカードを取り上げよう。僕は趣味でライブを観に行くことがあるのだが、お客さん同士で音楽に合わせて押し合い圧し合い大おしくらまんじゅう状態になることはしょっちゅうで...所謂モッシュってやつだ。モッシュが起こるほど激しいライブに行くと、それこそ蒸気で会場が覆われることがある。これが終盤ならいいが、フェスの真ん中とかだと、正直なところ死を覚悟する。勿論大げさに言ってはいるが、熱中症のような症状にだけは気をつけんとなぁと。この《致死の蒸気》はそれのアッパーバージョンとかなのだろうか。もわぁっと湯気が上がってるなぁとか思ってたら、死ぬ。有毒の蒸気が戦場の周囲を覆う、といったフレイバーのエンチャントなのだろう。戦場に新しく加わろうとするクリーチャーは、この蒸気を吸い込むことになり、命を落とす...既に戦場に居るクリーチャーには影響を及ぼさないのは、上記の層を抜けた中で戦っているからとか、そういうことなのだろう。自分は破壊不能クリーチャーを用いるなどして、対戦相手のみクリーチャーを新規展開出来ない状況に追い込みたい。嫌がった相手はこのエンチャントの自身を破壊する起動型能力を使ってくることだろう。1ターン飛ばすというリスクはなかなかに厳しいものだが、かと言ってクリーチャーデッキがこのエンチャントの影響下で勝てるかというとそれは無理ってなもんよ。強いカードではあるが、盤面には何の影響も及ぼさないのが辛いところ。EDHでも勿論いやらしいことこの上ないが、ヘイト値が尋常ではないので使わない方が良いんじゃないかな...。
黒い蒸気繋がりで、こちらは試してみたことがあるプレイヤーもそれなりにいるんじゃないだろうか。対象のプレイヤーがクリーチャーを1体生け贄に捧げる、所謂エディクト系のカードで、その中では重めの4マナソーサリー。生け贄に捧げられたクリーチャーのタフネス分回復することが出来、おまけに反復付き。2体除去ってどんなに少なくとも2点回復出るわけだ。上手く相手の小物は他のカードで排除して、大物を潰して大量回復を狙いたいものである。自分に1発撃ってタフネスの大きいクリーチャーをサクってライフを得て、反復で相手に睨みを利かせるなんていう、典型的うまぶりプレイも出来る。ほぼやらないだろうけども、そういうアドリブが出来ることがマジックにおいては重要。見た目はむちゃくちゃ強そうなんだが、構築ではさほど活躍しなかったな。そういう時代じゃなかったんだよなぁ。
ガラの悪い蒸気ばかり紹介してきたので、ここらで癒し系を。蒸気を使ったリラクゼーションとかもあるし、本来僕らの生活にとっては有り難いものだからねと。この多色インスタントは《衝動》《予期》といった、青特有のライブラリーを掘り進める呪文であり、同時に回復手段でもある。量的なアドバンテージは得られないが、特定のカードにアクセスしたい類のデッキ・状況ではこの手のカードは役に立つ。オマケにカードが重ければ重いほど、ドカンと回復付き!...うん、これだけ褒めていることから察してもらえるかもしれないが、勿論活躍したことは無い。無茶苦茶マニアックなデッキで使われていることもあったが、普通は《嘘か真か》が最優先される。こっちは4マナインスタントで3枚は引ける、枚数が少なくてもライブラリーを5枚掘った中での強いカードが手に入るというこの時代の青を支えたドローカード。対して《生き返りの蒸気》はどう足掻いても手札が増えない。What the ...
なんや蒸気カードあんま強くないのばっかやん、とか思われるのもよろしくないので、強いカードも紹介しないとね。《蒸気の絡みつき》は「《送還》に1点ついてくるだけでこんなに強くなるのか」と世界中のプレイヤーを驚かせた軽量バウンスの代表格。たった1マナでクリーチャーを戦場から離脱させる...しかも本体に1点ダメージ(正確には失わせる)付きとくれば、軽量クリーチャーでビートを仕掛けるで使わない手はなく。しかもスタンダードにて《秘密を掘り下げる者》《瞬唱の魔導士》と共演だってんだから、使われる側はたまったもんじゃなかったよ。当時はブロッカーになり得るクリーチャーを展開してターンを返し(お願いヴェイパーはなしで、ターン返ってきたら逆転できるから!1点残ればいけるから...!)と、祈りをささげたものである。大抵、現実は非常だったね...。
最後はちょっと思い入れのあるこのカード。《蒸気のつる》、つるは植物の蔦のことであり、英名もSteam Vines。植物で緑じゃないカードというのも珍しいが、火山などの高温地帯に植生するつる状のものだから赤、ってなことなんだろう。イラストも、なんだかうっそうと生い茂ったよくわからないものから蒸気が立ち上っており、怪しげである。このつるは土地に悪影響をもたらす。これに覆われた土地は、タップ状態になると破壊され、さらにつるは土地のコントローラーに1点のダメージを与える。マナが引き出されると蒸気がブシューッとなってとてもじゃないが生命の住まえる場所じゃなくなってしまう、みたいなニュアンスかな。荒廃した土地のコントローラーは、このオーラを他の土地につける。相手の土地に貼るとこちらにつけ返されることになる。破壊は連鎖していく...。『オデッセイ』当時、ランデスが好きだった僕はこれを使ってみることにした。で、気付く。弱い。ドヤ顔でペタっと貼って、放置されるか...いや放置はまだ良い。一番ダメなのが土地破壊のくせに即効性がないこと。「ふ~ん、まあ割れるけどじゃあ3マナで《獣群の呼び声》」って動かれた時に、こっちがその象さんに対処するために土地を放棄せざるを得ないという...アホやん。まあ、多人数戦では色々と力を発揮するので、昔多人数戦タワーマジックとか定期的にやってた頃には必需品でした。地獄要素があった方がパーティーゲームは盛り上がる!
今回はこんな感じで。むわ~っときそうなカードの紹介だったけど、カードに熱中しすぎてバタンキューとならんように水分はしっかりとって、涼しいところで過ごせよ!(かと言ってクーラーつけてひきこもるってのもアカン)