【BMInvi】BIG MAGIC Invitational Round 3 人見 将亮(東京) vs 後藤 祐征(愛知)
タグ:BIG MAGIC Open Vol.9, BMInvi, BMInvi Vol.3, カバレージ, 読み物Text by 森安 元希
人見 将亮。BIGs所属のプレイヤーだ。
グランプリ・シンガポール2015優勝という輝かしい成績を筆頭にモダンを主戦場としている。
メタデッキを細かく腑分けする"かく語りき"シリーズの記事は内容のクオリティも去ることながら、
万人に対する読みやすさも受け入れられ、Big web随一の人気シリーズとなっている。
後藤 祐征もまた、モダンプレイヤーとして知る者が多いプレイヤーだろう。
【ハサミタルモ親和バーン】は代名詞の1つだ。
しかし後藤はスタンダードでもデッキビルダーとしての活躍を見せている。
先日のBMOでも【青黒《機械医学的召喚》コントロール】を持ち込み好成績を残している。
後藤「なんだかんだ、"みっくす"(人見)にいつも負けてるよ」
人見「RPTQとかね。あ、GP名古屋では負けてるよ。ゼンディカーのシールドかな」
競技プレイヤーとして戦績を多く残す2人は、旧知の仲だ。
試合を通じたコミュニケーションは友情を結ぶのにうってつけなのかもしれない。
後藤「モダンやってる?」
人見「やってるよ。やって分かるけど、モダンは運だよ(笑)」
人見が誰よりもモダンをやりこんでいるからこその、冗談だ。
笑い話もそこそこに。
まだ若いRoundだが観客たちも注目している。
人見のデッキは【機体】だ。
昨日のBMOでは【緑黒エネルギー】を持ち込んだようだが奮わなかったようで、"単純に強い"と評するデッキにしている。
対する後藤の【青白コントロール】は、Round 2の坂東ともまたリストが大きく違うようだ。
Game 1
人見は1ターン目《模範的な造り手》で始めたが、2ターン目は《鋭い突端》のタップイン処理で終えてアーティファクトを出せない。
後藤はそれを確認してから《予期》でハンドを整えてゆく。
3ターン目、人見の《キランの真意号》プレイは通るが、《模範的な造り手》は《停滞の罠》で追放された。
その後展開した《異端聖戦士、サリア》で搭乗した《キランの真意号》アタックには《鑽火の輝き》でライフを高く維持していく。
人見は《スレイベンの検査官》を追加するに留まり、なかなか攻め手を固められない。
後藤が《燻蒸》で《異端聖戦士、サリア》と《スレイベンの検査官》を流すと、
そのタップアウトのところで本命《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》をとおしていく。
この《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の本体とトークンによるアタックは1度だけ受け入れ、
《明日からの引き寄せ》X=3で手札を整えてから《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を《排斥》で追放。
《屑鉄場のたかり屋》に《停滞の罠》。
人見の攻勢を全て退けた後藤は《副陽の接近》で7点を回復し、致死圏から遥か遠くに遠ざかる。
次のターンもまた後藤は《副陽の接近》を唱えた―...ということは、2回目の解決だ。
おもむろに、後藤はゲームに勝利した。
マジックの歴史に時々ある特殊勝利条件カードだが、《副陽の接近》が求める条件は酷く実践的だ。
次に唱えるまでのターンを稼ぐためのライフを、それ自身が与えてくれる。
ライブラリーの7番目に戻るためにそのタイムラグが気になるところだが、
後藤のように複数枚採用すれば続けざまに唱えることも出来るだろう。
人見 0-1 後藤
Game 2
人見による3度の1/1《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar》アタックの解決まで、特に動きらしい動きはない。
4ターン目の《精神背信》で後藤のハンドを確認し、《燻蒸》と《副陽の接近》の2択から、《副陽の接近》を抜いた。
《燻蒸》で勝てなくなることはあるかもしれないが、《副陽の接近》は負けるのだ。
そのカードパワーは先ほど身を以て知っている。
翌ターン。
後藤の先までのハンドにカウンター呪文がなかったことを知っている人見が《先駆ける者、ナヒリ》をプレイする。
後藤「"そっち"かあ。奥義、いくつだっけ」
人見「奥義は、8」
後藤「はー。いいよ」
《先駆ける者、ナヒリ》が着地し、+2能力で人見のハンドを"回して"いく。
この《先駆ける者、ナヒリ》は着実にプラスを重ねて、10にまで達した。
そして《先駆ける者、ナヒリ》で得た《模範的な造り手》と《キランの真意号》をコントロールできている人見は、
《先駆ける者、ナヒリ》で《キランの真意号》に搭乗して2体アタックを仕掛けてゆくが、《停滞の罠》2枚で両方とも封じられる。
人見は食い下がり《異端聖戦士、サリア》、《大天使アヴァシン》と続けるが、
《燻蒸》《虚空の粉砕》の前に、クリーチャーを戦場に残せない。
人見の猛攻をしのぎ切った後藤は《副陽の接近》をプレイ。
次のターン、《明日からの引き寄せ》X=6を打ったところで人見は投了を宣言した。
人見 0-2 後藤
後藤Win!
人見「機械(《奔流の機械巨人》)も天使(《折れた刃、ギセラ》)もおらんの?」
後藤「なし。ゼロ!」
人見「間違えたなあ。少しくらい入ってくるかなって《無許可の分解》残したら、全部引いた」
人見「Xドロー(《明日からの引き寄せ》)多いね。4枚?」
後藤「4枚。これが使いたくて組んだデッキだからねえ!引いたあとに7点ゲイン(《副陽の接近》)したら、《スフィンクスの啓示》だよ」
人見「たしかに?7点ゲインも強いね。7点ゲインを2回引きに行く。っていうのは、浅原さんの【5色サイクリング】と同じアプローチだね」
矢継ぎ早に感想戦が繰り広げられいく。