岩SHOW マジック：ザ・ギャザリング『Jumpstart』プレビュー
タグ：Jumpstart, MTGシングル, プレビュー, 岩SHOW, 読み物BIG MAGICの『Jumpstart』プレビューへようこそ！2020年はマジックの新商品がまさしくラッシュの如く発売され、エキサイティングな日々が続くことが約束されている。7月17日に製品発売予定で、MTGアリーナでもリリース予定の『Jumpstart』は、この夏をアツくする可能性に満ちた新しいマジック体験をお届けするものだ。
『Jumpstart』はリミテッドを楽しむために作られたセットだ。リミテッドとは、各種構築フォーマットと異なり、その場でパックを開封してデッキを作り対戦を行うフォーマット。シールド及びドラフトはマジックというゲームの醍醐味が詰まったそれはそれは楽しいものなのだが...マジック初心者にとっては「どうやってデッキを作ったら良いのかわからない」これが厚い壁となっており、少々手を出しにくいものになっているという話を耳にすることが多い。イベントを主催する際にもどうしたら初心者にリミテッドを遊んでもらえるか、そこのところが難題だったのだが...『Jumpstart』はそれに対するアンサーとなってくれそうだ。
このセットはとりあえず2パック用意すれば対戦を始められる。シールドやドラフトだとパックの他に基本土地も用意しなければならないが、『Jumpstart』の前ではそれすらも不要。1パック20枚入りで、これを2パック開封して混ぜる。これだけで40枚のデッキが完成し、対戦を楽しむことが出来る。
仲間内で集まった際にも「2パック剥いて混ぜて、それで対戦しよう！」これだけで説明が終わるので大変に楽！マジック初心者も誘いやすい！『Jumpstart』のパックに含まれる20枚は、各種のテーマに沿ったカード達とその色にあった基本土地。同一のテーマでもその内訳が異なるパターンが複数存在し、その総数は121通り。テーマというのは、例えばゴブリンに関するカードが集められた赤いパックだったり、ゾンビで固められた黒いパックだったりというもので、これらを組み合わせて対戦を行うのは初心者はもとよりリミテッドに慣れ親しんだプレイヤーでも楽しむことが出来るはずだ。
さて、今回のプレビューはカード単体という訳ではなく、このテーマの1つを紹介するというもの。BIG MAGICが担当することになったテーマは...
LEGION！その意味は軍団。かつては『レギオン』としてセット名にもなっているフレーズだ。単体では小粒でも、群れを成すことで巨大な敵も打ち破る大軍団を結成する。古来より白が得意としてきた戦術であり、『Jumpstart』でもLEGIONは白が扱うテーマとなる。ところで上記の画像は、パック内に含まれるテーマカードというもので、これを見ればそのパックのテーマが判明する。これだけを確認して、他のカードは見ずに2パック混ぜて遊ぶってのも楽しそうだね。
LEGIONテーマはその名の通り、白が得意とするクリーチャーを横並びさせて数で押すデッキ構築を推進するものだ。そのパターンは全部で4種類。収録されているカードの多くは『基本セット2021』と被る部分が多いので、先にリリースされる基本セットに触れておけば良い予習になることだろう。早速だが1つ目のパターンから確認していこう。以下にリストと画像でまとめよう。
パターン①
《Blessed Sanctuary》
《無私の救助犬/Selfless Savior》
《隼使いの達人/Falconer Adept》
《流刑への道/Path to Exile》
《バスリの結束/Basri's Solidarity》
《勇敢な駿馬/Valorous Steed》
《夜明けの突撃獣/Daybreak Charger》
《間に合わせの大隊/Makeshift Battalion》
《鼓舞する突撃/Inspired Charge》
《牙の騎士/Knight of the Tusk》
《軍団の裁き/Legion's Judgment》
《急報/Raise the Alarm》
《Thriving Heath》
《平地/Plains》×7
『基本セット2021』の白のコモンとアンコモンを中心に、『Jumpstart』のシンボルを持った再録カード、そして『Jumpstart』独自のカードから構成されている。注目すべきはやはりレアカード、《Blessed Sanctuary》。このカードの能力を以下にテキストで記そう。
「あなたやあなたがコントロールするクリーチャーに与えられる、すべての戦闘ダメージでないダメージを軽減する。
トークンでないクリーチャーが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、白の2/2ユニコーン・クリーチャー・トークンを1体生成する。」
クリーチャーを火力や格闘などのダメージ除去から護り、ついでにプレイヤーに直接ダメージが与えられて負けることも防いでくれるエンチャントだ。かなり防御的な作りだが、2/2のユニコーンを生成する能力で攻めも後押ししてくれるところが有難い。構築で使用するには少々重いカードとなるが、リミテッドであればカード1枚でクリーチャーを複数体提供してくれる強力なレアとして機能することだろう。これや《隼使いの達人》でトークンを並べて《バスリの結束》《鼓舞する突撃》で強化するというのが目指したい勝ち筋となるだろう。もう1つのパックも細かいクリーチャーを展開するものであれば噛み合ってより強力になること間違いなし。
クリーチャーだけでなく、除去においても《流刑への道》が入っているので安心だ。この万能1マナ除去はモダンなどのフォーマットでも使えるカードなので、ちょっとしたお土産Getにもなる。このカードも再録が多く、そのバージョンが増えたことはコレクターにとっても見逃せないポイントになっている。
また『Jumpstart』独自の土地カードにも注目しよう。《Thriving Heath》のテキストは以下のようなもの。
「Thriving Heathはタップ状態で戦場に出る。
Thriving Heathが戦場に出る際、白でない色を1つ選ぶ。
タップ：Wか選んだ色のマナを加える。」
2つ以上のパックをランダムに混ぜる『Jumpstart』ではその特性から2色以上のデッキになることがほとんどだろう。それにより引き起こされかねない色事故を解消するために、このような片方の色のみ固定されている2色土地が用意されている。折角のエキサイティングなゲームを色マナが出ないという理由で負けるというのは勿体ないからね。細かな気遣いに感謝。また、基本土地は再録となるイラストが5種類、そしてテーマごとに用意されている新規イラストが用意されているようだ。LEGIONテーマではその名の通り、大軍団が平地を埋め尽くしている光景が描かれた《平地》が手に入る。これもなかなかカッコイイなぁ。
パターン②
《栄光の頌歌/Glorious Anthem》
《包囲戦の打撃者/Siege Striker》
《信仰の足枷/Faith's Fetters》
《Release the Dogs》
《バスリの結束/Basri's Solidarity》
《勇敢な駿馬/Valorous Steed》
《夜明けの突撃獣/Daybreak Charger》
《間に合わせの大隊/Makeshift Battalion》
《堅牢な盾仲間/Staunch Shieldmate》
《鼓舞する隊長/Inspiring Captain》
《軍団の裁き/Legion's Judgment》
《急報/Raise the Alarm》
《Thriving Heath》
《平地/Plains》×7
こちらのパターンではレアは『基本セット2021』より《栄光の頌歌》。永続的な全体強化であり、リミテッドでは勝負を決める可能性がある強力レアだ。《Release the Dogs》でばらまいた犬トークンをこれで一気に強化したり、あるいは《包囲戦の打撃者》の強化のためにタップするのも良いね。こちらのパターンではアンコモン除去は《信仰の足枷》。クリーチャーのみならず起動型能力を持つパーマネント全般に効果があり同時に回復も出来る名カードだ。
パターン③
《栄光の頌歌/Glorious Anthem》
《包囲戦の打撃者/Siege Striker》
《信仰の足枷/Faith's Fetters》
《Release the Dogs》
《バスリの結束/Basri's Solidarity》
《勇敢な駿馬/Valorous Steed》
《夜明けの突撃獣/Daybreak Charger》
《間に合わせの大隊/Makeshift Battalion》
《堅牢な盾仲間/Staunch Shieldmate》
《補強/Fortify》
《軍団の裁き/Legion's Judgment》
《急報/Raise the Alarm》
《Thriving Heath》
《平地/Plains》×7
先ほどのパターンとほぼ同じで《鼓舞する隊長》は《補強》に置き換わっている。『Jumpstart』をやり込めば「隊長を既に見たから戦闘中に《補強》を撃たれる心配はないな」みたいなハイレベルな読みが出来るようになるのかも。パック固定セットの面白いところだ。
パターン④
《無私の勇者、レナ/Lena, Selfless Champion》
《弱者の師/Mentor of the Meek》
《包囲戦の打撃者/Siege Striker》
《信仰の足枷/Faith's Fetters》
《無私の救助犬/Selfless Savior》
《バスリの結束/Basri's Solidarity》
《勇敢な駿馬/Valorous Steed》
《夜明けの突撃獣/Daybreak Charger》
《間に合わせの大隊/Makeshift Battalion》
《補強/Fortify》
《軍団の裁き/Legion's Judgment》
《急報/Raise the Alarm》
《Thriving Heath》
《平地/Plains》×7
最後のパターンは再録レアが2枚入り、《無私の勇者、レナ》と《弱者の師》。どちらもトークン戦略においては強力なカードであり、この2枚で複数枚カードを引くコンボも狙える。アンコモンの選定も各パターンの中間といったところで、《無私の救助犬》で《弱者の師》を護ることが勝利へと繋がる一手になりそうな予感。
以上、『Jumpstart』よりテーマの1つであるLEGIONを紹介させていただいた。これらはあくまでテーマの1つであり、パックに封入されるパターンは先にも触れた通り121種類。中には「神話レアがテーマのパックがある」とのことで、それも含めて一体どんな内容になるのか非常に楽しみなセットだ。およそ500種類のカードが再録されるということで、これがリリースされるMTGアリーナではヒストリックにて使えるカードが一気に増えるということでもある。『Jumpstart』で新しいマジック体験を気軽にプレイし、集まったカードでデッキを作る...そんな流れを楽しめたら、日本の猛暑も難なく乗り切れるかも？7月17日発売予定の『Jumpstart』、お買い求めの際は当サイトBigweb及びお近くのBIG MAGICで！
※新型コロナウイルス感染症の影響により、日本での発売の延期が見込まれます。詳しくは下記のリンクをご覧ください。
『Jumpstart』発売延期のお知らせ(外部リンク)
