岡本桂多のKill them All! ~『ストリクスヘイヴン:魔法学院』編~
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お久しぶりです!BIG MAGIC統率者戦担当の岡本桂多です!
皆様『カルドハイム』や『時のらせんリマスター』発売後の統率者戦ライフは楽しんでいますでしょうか?
また、コマンドフェストオンライン等で統率者戦モチベーションも上がっている事でしょう!
今回は『ストリクスヘイヴン:魔法学院』の記事です!
新しいシステムで統率者戦に影響がありそうなのは魔技ですね。
厳密には新しいシステムではありませんが、「インスタントやソーサリーを唱えるかコピーする」たびに誘発するので、
・インスタントやソーサリーを唱える回数を増やす統率者
・インスタントやソーサリーをコピーする統率者
(《二つ反射のリクー》《面晶体の掘削者、ザダ》《略奪の母、汁婆》など)
・インスタントやソーサリーを主軸に戦う統率者
(《イズマグナスのミジックス》《贖いし者、フェザー》《空召喚士ターランド》など)
と、実際の魔技を持つカード次第ではありますが数多くの統率者デッキでの採用が見込めます。
講義に関してですが、現段階の統率者戦のルールでは(簡単に言うと)ゲーム外のカードをゲーム内に持ち込む効果は何も起こさない、というルールがあるため、残念ながら影響がありません。
講義カードは基本的に効果に対してコストが重く、履修をするカードも講義カードを引っ張ってくるという追加効果があるため元の能力が少し弱めにデザインされてしまっているのであまり影響は無さそうです。
目次
・各色の注目カード
・統率者候補
(いつもであれば統率者デッキを強化する項目もあるのですが、今回の統率者デッキは5種類と多いため別の記事にて紹介します!)
・各色の注目カード
では早速いつも通り各色の統率者戦目線で見た注目カードを紹介します。
統率者としてデッキを組む場合は次の項目で紹介しますので、今回は統率者としてではなく、98~99枚のデッキの方に採用する場合のコメントをします!
・白
白では初の呪禁を持たせるインスタント。
白にはプロテクションや破壊不能を持たせることでクリーチャーを守るインスタントが多くありました。
他の競合相手は多いものの、プロテクションだと自分のオーラを外してしまう危険性もあるため、このカードを採用する可能性もあります。
《学生の代言者、マビンダ/Mavinda, Students' Advocate》
簡単にいうと自分の墓地にある、「自分のクリーチャーを対象とするインスタントかソーサリー」にフラッシュバックを持たせる能力を持ちます。
《贖いし者、フェザー》との相性が抜群で、この能力で唱えた呪文はフェザーの能力で手札に戻す事が可能です。
統率者《贖いし者、フェザー》デッキにはほぼ間違いなく採用されるでしょう。
また、《帰還した探検者、セルヴァラ》も《力の噴出》や《エメラルドの魔除け》で自身をアンタップして何度も能力を起動する動きがメインになるので、採用してこれらのカードの水増しが出来ますね。
・青
魔技するたびにドローというシンプルながら強力な能力を持つクリーチャー。
青は《劇的な逆転》+《等時の王笏》、《劇的な逆転》や《転換》+《石成エンジン》などで無限に唱えるコンボが採用できるため、その横にこのクリーチャーがいればそのまま無限にドローも出来て他のフィニッシュ手段にたどり着くことが出来ます。
単純に打ち消し呪文を唱えるだけでドローがついてくるだけでも強く、ここまでの能力であれば、先述の魔技と相性がいい統率者でなくてもインスタントやソーサリーが多めに入っているデッキであれば採用を検討できそうですね。
全体的にこぢんまりとした《露骨な窃盗》ともいえるデザインですね。
統率者戦ではあまりプレインズウォーカーは出てこないため、本家とは異なりほぼクリーチャー限定な点が残念。
統率者戦では戦場に出た後は特に仕事をしない《波止場の恐喝者》などもよく採用されているため、プレイする卓によって強さにムラがあります。
緑のマナクリーチャーはもちろん、《船殻破り》などのシステムクリーチャー、《トリトンの英雄、トラシオス》などの軽い統率者をまとめて奪うために採用しても良いでしょう。
・黒
戦場に出た時の能力が好きに選べるクリーチャー。
1つ目のモードはカード1枚でクリーチャー2体分稼げるため、生け贄ギミックを用いた統率者デッキで使えそうです。
2つ目のモードは《ファイレクシアの憤怒鬼》。これも地味ではありますがありがたい能力。
3つ目のモードは墓地対策。ソーサリータイミングの墓地対策のため、《生き埋め》+《再活性》でいきなりコンボを決めてくる相手には差し込むタイミングが無いという欠点があります。
ただ、統率者戦では上記のコンボ以外でも墓地利用をするデッキは一定数存在します。
墓地対策カードは墓地利用をしないデッキに対しては全くの無駄カードになってしまう恐れがあり、あまり採用されません。
最悪ドローにまわせるとはいえ《大祖始の遺産》でさえあまり見かけません。
このカードの1つ目と2つ目のモードはただのドローとは異なり2/1のクリーチャー+αの恩恵をもたらしてくれるため、無理なく墓地対策をデッキに採用できるようになる点が優秀ですね。
タップだけで《納墓》が出来るすごいクリーチャー。
唯一の欠点はそのタップというコストで、戦場に出たターンには(他のカードと組み合わせない限り)すぐに起動できないというテンポの悪さだけです。
《納墓》のようにピンポイントでカードを探して墓地に置けるクリーチャーはあまりおらず、《墓破りのラミア》《死体の鑑定人》《燃えルーンの悪魔》など、どれも《オリークの伝承魔道士》よりも重いものばかりです。
《ギサとゲラルフ》《幽霊の酋長、カラドール》などのピンポイントで墓地に落ちていてほしいカードがある統率者デッキで採用できるでしょう。
・赤
毎度おなじみの重くて派手な神話レアシリーズ。赤はコストが非常に重いもののXの5倍のダメージをXか所に与えるというシンプルながらも派手な設計。
Xの値を大きくして打点を増やそうとすると対象がその分必要になるという使いにくさがありますが、統率者戦ならまず対戦相手が3人いるのでX=3までは対象に困ることはないでしょう。
《イズマグナスのミジックス》はコストを軽くできる事やこのカードの点数で見たマナコストの重さを活用出来るので相性がいいですね。他にも《略奪の母、汁婆》や《二つ反射のリクー》などの重い呪文をコピー出来る統率者でも採用を検討してもいいでしょう。
《イフリートの炎塗り/Efreet Flamepainter》
《戦慄衆の秘儀術師》のような自分の墓地にインスタントやソーサリーを再利用出来るクリーチャー。
《戦慄衆の秘儀術師》と同様、《贖いし者、フェザー》との相性は抜群です。デッキの構造的に《イフリートの炎塗り》を強化したり攻撃を通しやすくするインスタントやソーサリーが多く、《贖いし者、フェザー》が戦場にいればこのカードで使いまわした呪文がまた手札に戻ってきます。
二段攻撃を持っているので、《贖いし者、フェザー》と一緒に攻撃して1回目の誘発型能力で《贖いし者、フェザー》の打点を上げる呪文を墓地から強化し、強化された状態の《贖いし者、フェザー》の攻撃を通す、というような使い方も可能です。
赤らしからぬ能力のインスタント。
これを唱えた後は何度もカウンターを置く能力が誘発するので、頑強持ちクリーチャー(《小型マスティコア》など)と生け贄手段(《ゴブリンの砲撃》など)で無限頑強コンボが完成します。
他の色が混ざればともかく、赤単色での無限頑強コンボはパーツ単体があまり強くないため統率者戦で採用される事は多くありませんが、このカードの登場によってパーツが増え、今後もよく見かける事になるかもしれません。
魔技するたびに宝物トークンを生成するというこれもシンプルながら強力なクリーチャー。
実質インスタントやソーサリーが1マナ軽くなるようなもので、《大あわての捜索》などのフリースペルに至ってはマナが増えます。
冒頭で紹介した魔技と相性のいい統率者はどれも相性がいいですね。特に《面晶体の掘削者、ザダ》は上手くデッキが回るとたくさん魔技が誘発するため、宝物トークンも多く生成出来て非常に強力です。
すぐにマナを出すわけではなく宝物トークンの形で置いておけるため、青の打ち消し呪文などを構えやすくなる点も良いですね。今後は様々なデッキで見かける事になりそうです。
・緑
《成し遂げた錬金術師/Accomplished Alchemist》
マナを加えられる新たなエルフ。ライフをたくさん得られれば《エルフの大ドルイド》などのように《暗黒のマントル》や《威圧の杖》と無限マナコンボが出来ます。
ライフを得られる統率者では《帰還した探検者、セルヴァラ》《放浪者ライズ》などのデッキと相性がよさそうです。
《爆発的植生》のように基本土地を多く探して来られるカードの新種。
上陸がキーになる《怒りの座、オムナス》《水底のドルイド、タトヨヴァ》などでの採用が考えられます。
代替コストで支払うと4枚のうち1枚は対戦相手、2枚は自分のコントロール下で戦場、1枚は自分の手札と、同じマナ域の《爆発的植生》に比べると自分の手札に1枚入る事が強み。
対戦相手の戦場にも1枚出てしまいますが、3人いる対戦相手のうち一番影響が小さそうな1人を自分で選べるので、スタンダードなどの1対1のフォーマットよりはデメリットは小さいといえるでしょう。
・多色
色拘束が強いものの、比較的軽いコストで二段攻撃を付与できるクリーチャー。
パワー2以下のクリーチャーという事で《帝国の徴募兵》や各種緑のクリーチャーサーチで探してくる事が比較的容易です。
今までも二段攻撃を全体に付与するカードはありましたが、《アクローマの意志》や《凶暴な打撃》のような使いきりだったり、《突き刺すケラトプス》や《ヴェリュス山の恐怖》のようなコストが重かったり、《狂戦士たちの猛攻》や《真実の確信》のようなちょっとサーチしにくいエンチャントだったりと何かしらの使いにくい点がありました。
今回も固有色が赤と白という事で採用出来るデッキに制限はあるもののそれ以外の条件が緩いため、よく見かける事になるでしょう。
統率者戦でただトークンを出すだけのソーサリーだとあまり強く使いにくいですが、Xが6以上のボーナスは非常に強力。
白黒のデッキだとマナ加速を必然的にアーティファクトに頼ってしまうため、意識的にマナクリーチャー(《金のマイア》や《鉛のマイア》など)や白の土地サーチカード(《土地税》《土地の寄進》など)を採用したり、緑も含む3色以上のデッキで採用する方が良いでしょう。
また、対戦卓に緑のマナクリーチャーに頼るデッキが多いと途端に威力が弱まってしまう事も難点です。
そういった場合でもトークン生成の効果を上手く活用出来るようなデッキで使いたいですね。
ライブラリーが普段よりも多い統率者戦ではすさまじいサイズのトークンが生成出来る事でしょう。
この後に《首席議長ゼガーナ》《リシュカーの巧技》を唱えればライブラリーを引ききれるので、《神秘を操る者、ジェイス》《研究室の偏執狂》《タッサの神託者》で特殊勝利が可能です。(《首席議長ゼガーナ》の場合は1枚多く引きすぎてしまうので注意が必要です)
特殊勝利以外の使い道では《圧倒する暴走》や《草分けるアイベックス》、他の色でいえば《戦嵐のうねり》や《ゴルガリの死者の王、ジャラド》などのパワー参照カードを用いた(ほぼ)即死コンボも良いですね。
新たな《クローン》枠のカード。今回は先に唱える必要があるという珍しいタイプ。
他の一般的な《クローン》シリーズに比べると自分のクリーチャーに限定される代わりに伝説のクリーチャーをコピーしても大丈夫な設計なので、自分の統率者を増やす事が可能です。
《円渦海峡の暴君、アシー》《浄火の戦術家、デリーヴィー》《永遠の造り手、ラシュミ》のような複数体コントロールしていると効果が跳ね上がるような統率者で採用したいですね。
《精霊の魂、アニマー》《石の賢者、ダミーア》など効果が薄い統率者もいるので盲目的に採用するようなカードではありませんが、青緑系でクリーチャーカードが多めの統率者デッキであれば採用を検討してもいいですね。
今までにないタイプのパワー参照ドローカード。
青緑のクリーチャーベースのデッキ、《精霊の魂、アニマー》や《伝承の語り部、チュレイン》デッキなどでの採用が考えられます。
難点としては、そういったデッキでは得てしてクリーチャーカードでない事がデメリットになる事(《生類の侍臣》がある時にライブラリーの一番上に来てしまう等)、クリーチャーはたくさん並ぶもののマナクリーチャー等のシステムクリーチャーで、ほとんどパワーが1しかない状況になりがちな事などが考えられます。
同じクリーチャーベースのデッキでも《進化の爪、エズーリ》のようなパワーの値がバラつきやすいデッキの方が使いやすいかもしれません。
墓地再利用カードと呼ぶにはあまりにも大雑把というか派手なカードですね。
《血の暴君、シディシ》のような切削をメインに行うようなデッキに入れておくと一気に手札を増やす事が出来ます。手札は補充できるものの、上限枚数は変わらないので使い切れるように、もしくは無限コンボをちゃっちゃと揃えて勝利を目指しましょう。
また、解決時の手札が墓地に捨てられてしまうというデメリットも一応あるので使用する際は気を付けましょう。
《スカージの使い魔》はとても相性がいいですね。重いコストの支払いの助けになり、捨てたカードも含めて手札に戻ってくるのでデメリットを事実上無くし、解決後に余った手札をまたマナに変えて更に呪文を唱えられる、と全てがかみ合っています。
新たなクリーチャーサーチカード。探すために条件が必要なものの、2マナという軽いコストで、探したクリーチャーを直接戦場に出せるという事で他のクリーチャーサーチカードと差別化は出来そうです。
また、必要なクリーチャーは自分のものでなくとも良いため、他のプレイヤー同士の戦闘や全体除去に便乗してこのカードを使って自分だけクリーチャーを探してくる事が出来るのも見逃せません。
《ストリクスヘイヴンの競技場/Strixhaven Stadium》
新たな特殊勝利(敗北?)カード。まずは得点カウンターを増やす必要があります。
真っ当にこのカードのマナ能力を起動したり、クリーチャーの攻撃を通したりしても良いですが、そこは統率者戦の豊富なカードプールを活用しましょう。
各種増殖カードや《育殻組のヴォレル》などのカウンターを増やすカードを使ってズルして得点を稼ぎましょう。最終的にクリーチャーの攻撃をプレイヤーに通す必要があるので、回避能力を持つ統率者などの工夫が必要です。
先述の《育殻組のヴォレル》デッキであれば得点を稼げる上に、デッキ的に《からみつく鉄線》でロックする事が主軸になるので攻撃も通しやすいですね。
・土地
(ほぼ)魔技をした時に自分のクリーチャーを強化できる土地。
インスタントやソーサリーを多く使うデッキはあまりクリーチャーの攻撃に頼らない事が多く、採用されない事もあります。
ただ、(今回何度も登場していますが)《贖いし者、フェザー》デッキなどのインスタントやソーサリーで統率者を強化して統率者ダメージを狙うようなデッキもいくつかあります。
そういったデッキであればタップだけで強化できるこのカードを土地枠に入れておくと忘れた頃に地味な活躍を見せてくれるでしょう。
・両面カード
《さまようアルカイック/Wandering Archaic》
《大界の探検/Explore the Vastlands》
オモテ面は対戦相手のインスタントやソーサリーを事実上2マナ重くするクリーチャー。
全体除去など一部の呪文に対しては効力を発揮しませんが、《アウグスティン四世大判事》などの呪文のコストを重くしてハーフロックしていくようなデッキで使われそうですね。
「コピーしてもよい」なので色の合わない契約(《否定の契約》など)を使われても別にコピーしなくてもいい親切設計です。
ウラ面は全てのプレイヤーが多大な恩恵を受けてしまうので忘れましょう。
《増強者の拳闘家/Augmenter Pugilist》
《残響方程式/Echoing Equation》
オモテ面はただの(というにはちょっとサイズが大きいですが)クリーチャー。
ウラ面は5マナと少々重いですが《二科目専攻》で紹介したような統率者とかみ合わせるとスゴイ事になるソーサリー。
《二科目専攻》とは違う注意点として、ターン終了時までとはいえすでに戦場に出ていたクリーチャー全てが上書きコピーされてしまう点。
特にマナクリーチャーなどのシステムクリーチャーを使っている場合はその能力も消えてしまう点には注意が必要です。
・統率者候補
最近の傾向と違わず、今回も統率者にして面白そうな伝説のクリーチャーが多いですね。
2つのちょっと方向性の異なる能力を持った統率者。
1つ目の能力は《薄暮薔薇の棘、ヴィト》のような能力。
あちらと同様《極上の血》と即死コンボが出来るため、これを主軸にデッキを作る事になるでしょう。
《薄暮薔薇の棘、ヴィト》デッキと異なり緑も使えますが、残念ながら《極上の血》を直接探す手段は増えません。
しかし、単純に緑のドローカードなどで《極上の血》にアクセスしやすくなる点や《夏の帳》などで妨害対策をしやすくなる点で差別化は容易です。
《薄暮薔薇の棘、ヴィト》と異なり一度にたくさんライフを得ても1点しかライフを失わせる事が出来ない点には注意が必要です。
2つ目の能力は他のクリーチャーを自分の力に出来る能力。
《ファイレクシアン・ドレッドノート》《残虐無道の裂け目ワーム》など、《野生の心、セルヴァラ》デッキで使われている「マナコストに対してパワーが異様に高いクリーチャー」を使うといいでしょう。
問題は自身の素のパワーが1と最低レベルのため、二段攻撃(《炎叫びの杖》等)、パワー倍化(《狂暴化》等)、感染付与(《汚れた一撃》《生体融合外骨格》等)など他のカードのサポートも必要な点です。
基本的には1つ目の能力を主軸にしたライフゲインデッキになりそうですが、2つ目の能力を主軸にしたガンガン殴るデッキに《極上の血》だけサブプランとして入れる構築も出来そうです。
今までになかった白赤のスピリットシナジー統率者。
注目すべきは2つ目の能力で、簡単に言うと自分のトークンでないクリーチャーが1回死亡してもトークンとして復活出来るような能力。
白赤は直接ドローがしにくい色でアドバンテージが稼ぎにくいものの、戦場に出た時能力が強力なクリーチャーは多く(《霊体の先達》等)、それらの能力を2回使えるようになるだけで結構なインパクトがあります。
白赤のクリーチャーベースの無限コンボはいくつかあり、有名な所では
《霊体の先達》+《目覚ましヒバリ》+生け贄手段
《太陽のタイタン》《星界の番人》+《蘇生の天使》+生け贄手段
《族樹の精霊、アナフェンザ》+《小型マスティコア》+生け贄手段
の「無限生け贄コンボ」
の「無限トークンコンボ」
などがあります。どちらのコンボもコンボパーツ単体が《霊鍛冶のホフリ》や他のクリーチャーと相性がよく、粘り強く戦えるデッキが作れそうですね。
また、他の色の組み合わせと異なり赤が入っているため生け贄手段が《爆破基地》だけでなく《ゴブリンの砲撃》で簡単にフィニッシュ出来るというのも強みです。
コンボ以外のプランとして《抹消》《ジョークルホープス》などの全体破壊カードを採用してもいいでしょう。
《霊鍛冶のホフリ》は守れませんが、それ以外のクリーチャーはトークンの形で戦場に残ってくれるため、更地の盤面に自分のクリーチャーだけ残る状況を作り出せます。
《ターナジール・クアンドリクス/Tanazir Quandrix》
青緑は毎度おなじみの+1/+1カウンターを活用した統率者。
今までに何度も登場したラヴニカのシミック系カードと今回も相性がいいですね。
1つ目の能力はクリーチャー1体の+1/+1カウンターの数を2倍にするというもの。
《ターナジール・クアンドリクス》が戦場に出た時の1回、1体限りなので戦場に出すタイミングが難しいです。
《水深の魔道士》は非常に相性がよく、なるべくなら4枚ぐらい引けるタイミングで戦場に出したいですね。
《シミックの隆盛》があれば特殊勝利も簡単に目指せそうです。
2つ目の能力は統率者が攻撃する必要がありますが、自分のクリーチャーのサイズがすべて《ターナジール・クアンドリクス》と同じになるというもの。
サイズが小さい代わりに殺傷力の高い《ぎらつかせのエルフ》《荒廃の工作員》などの感染クリーチャー、同じくサイズが小さい代わりに能力が強力な《冷淡なセルキー》などのシステムクリーチャー、単純に小さいがたくさん並べられるトークンクリーチャーなどのサイズを上げられればベストですね。
この2つ目の能力は解決時の《ターナジール・クアンドリクス》のスペックを参照するため、単純に《巨大化》などのサイズを一時的に上げる効果が全体に及ぶ事も見逃せないポイントです。
1つ目の能力に着目した+1/+1カウンターシナジーデッキ、2つ目の能力に着目したトークンデッキや感染デッキ等々、デッキ製作者の好みにあった様々な構築が可能な柔軟性のある統率者と言えるでしょう。
《ヴェロマカス・ロアホールド/Velomachus Lorehold》
白赤は《悟った達人、ナーセット》のような強力な能力を持つドラゴンの統率者。
今回はライブラリーの上から7枚も見れる点が目を引きます。
あちらとは異なり、能力が誘発した時に唱える必要がある事がネックです。
《連続突撃》等の戦闘フェイズ追加呪文のほとんどがメインフェイズ中に解決しないといけない事から、本家と同じように何度も戦闘フェイズを繰り返して勝利する事が難しくなっています(《凶暴な打撃》《世界大戦》は可能です)。
従って、《悟った達人、ナーセット》よりも高いスペック、回避能力を活かして強化する呪文を探しにいって一気にサイズを上げて畳みかけ、統率者ダメージを狙うデッキになるでしょう。
誘発型能力をコピーするカード(《ストリオン共鳴体》《石成エンジン》)、サイズを上げたり二段攻撃を持たせたりするインスタントやソーサリー、そして自身を除去から守るカードでデッキを固める事になりそうです。
《厄介な害獣、ブレックス/Blex, Vexing Pest》
《ブレックスの捜索/Search for Blex》
オモテ面はちょっと珍しい生き物をちょっと強化するクリーチャー。
修正値も修正を与える対象も地味なのであまり使う事はないでしょう。
ウラ面はソーサリーになった《月光の取り引き》のようなカード。
手札に加えたカード1枚につき失うライフが多くなっていますが、統率者戦では誤差のレベルでしょう。
ウラ面を何度も唱えてデッキ内の無限コンボを揃えるようなデッキになりそうです。
手札に加えなかったカードは墓地に落ちてくれるため、墓地利用カードを多めに採用する事でスムーズにコンボを揃えに行くことが可能でしょう。
《壊死のウーズ》絡みのコンボ、《犠牲》から一気に揃えられる《不浄なる者、ミケウス》《トリスケリオン》の即死コンボなど採用出来るコンボはたくさんありますね。
《オリークの首領、エクスタス/Extus, Oriq Overlord》
《血の化身の目覚め/Awaken the Blood Avatar》
オモテ面とウラ面でちょっと方向性の異なる統率者。
オモテ面は二段攻撃と、魔技で自分のクリーチャーカードを回収出来るというもの。
せっかく二段攻撃を最初から持っているので統率者ダメージを狙ってみたいところです。
魔技でクリーチャーカードを回収できるので、湧血持ちのクリーチャー(《焦土歩き》など)、生け贄に捧げたり勝手に墓地に行きながら効果を発揮するクリーチャー(《肉袋の匪賊》《ゴブリンのクレーター掘り》《不屈の護衛》《心優しきボディガード》等)などでサポートして統率者ダメージを狙いましょう。
ウラ面はクリーチャーの生け贄を各対戦相手に要求しつつ、3/6という珍しいスペックのトークンを用意するソーサリー。
唱えるためのコストが重いものの、クリーチャーを生け贄に捧げれば軽く唱える事が出来ます。
戦場に出た時能力だけで仕事が終わったクリーチャーなどを生け贄に捧げて軽くウラ面を唱え、オモテ面で唱え直し、生け贄に捧げたクリーチャーを魔技で回収という動きのデザインでしょう
統率者戦では少し悠長すぎるためあまりウラ面で唱える事はないかもしれません。
ウラ面をどうしても使いたい場合はデッキにトークンを生成するカードを多く採用し、可能な限り軽くウラ面で何度も唱えられるようにする必要があります。
幸い統率者税もこのコスト軽減能力で支払いにあてられるため、ちゃんとデッキを組めば何度もウラ面で唱えて盤面を制圧する事も出来るでしょう。
オモテ面、ウラ面どちらを主軸に据えてもデッキが組めるのでこれもまた自由度の高い統率者になりそうですね。
《アルケヴィオスの神託者、ジャズィ/Jadzi, Oracle of Arcavios》
《神託者への旅/Journey to the Oracle》
青緑の統率者2枚目は非常にコストが重いクリーチャー。
オモテ面は手札を1枚捨てると手札に戻せるという除去耐性持ち。
コストが重いので統率者税を支払うのは大変なのでこれはありがたいですね。
もう一つの魔技はライブラリーの一番上のカードをわずか1マナで唱えられるというもの。
青緑で重い呪文は数多くあり、それらをたった1マナで唱えられるのは言わずもがな強力です。
その呪文がインスタントかソーサリーであればまた魔技が誘発してどんどん唱え続ける事が出来ますし、《神秘の教示者》などでライブラリーの一番上に好きなカードを仕込む事ももちろん強力です。
欠点はやはり自身のマナコストの重さ、これに尽きます。
緑には土地を伸ばすインスタントやソーサリーが豊富にあるため、ジャズィを出す前であれば土地を伸ばして早く唱える手段として、出した後は魔技を誘発させる手段として、いつでも役割を持てるため多くデッキに採用する事になりそうです。
ウラ面は手札にある土地カードを好きなだけ戦場に出せるというもの。
《地平の探求》《芽吹くツタ》など、土地カードをたくさん探して手札に加える呪文を使った後にウラ面で唱えればすぐにでもオモテ面で唱えるためのコストにあてられますね。
しかも唱えた後、オモテ面で唱えられるぐらい土地が伸びていれば自身の能力で手札に戻り、統率者税をわざわざ支払い直す必要がありません。
青緑の土地を伸ばすタイプのビッグマナデッキに統率者は今までも多くいました。
上陸に着目した《円渦海峡の暴君、アシー》や《水底のドルイド、タトヨヴァ》、無色マナになるものの一気にマナを伸ばせる《彼方の神、クルフィックス》、ドローも出来、自身のクロックも高い《自然の怒りのタイタン、ウーロ》等々、ライバルはたくさんいます。
ジャズィはウラ面のおかげでマナ加速ができ、オモテ面がそのままフィニッシャー(を探しに行くカード)になれるので他のライバルとは異なった強さがあり、今後もよく見かける事になるでしょう。
《狡猾な相棒、ミラ/Mila, Crafty Companion》
《むら気な眷者、ルーカ/Lukka, Wayward Bonder》
《嘘の神、ヴァルキー》のようなオモテ面がクリーチャー、ウラ面がプレインズウォーカーの統率者。
オモテ面は防御的な能力を2つ持つクリーチャー。
どちらも能動的に活用する事が出来ないため、残念ながらあまりオモテ面で出す事はほとんど無いでしょう。
ウラ面のプレインズウォーカーは6マナという重さに見合った力を発揮してくれます。
1つ目のプラス能力で墓地を肥やしつつドローを進めるもの。
クリーチャーカードを捨てると2枚引けて、白赤という色にしては珍しくちゃんと手札が増えるデザインになっています。
2つ目の小マイナス能力は《御霊の復讐》のような墓地からクリーチャーを一時的に戦場に出すというもの。
対象となるクリーチャーの制限がなく、次の自分のアップキープまで戦場に残るため戦闘以外の用途に悪用したりでき、しかもコストも忠誠度マイナス2とコストパフォーマンスも良い、と至れり尽くせり。
この能力をメインに使っていく事になります。
戦場に出せるクリーチャーに制限がないため、せっかくなら重く強力なクリーチャーを出しましょう。
《災火のドラゴン》《業火のタイタン》《バーラ・ゲドを滅ぼすもの》などの除去能力を持ったクリーチャー、《魅力的な執政官》《大修道士、エリシュ・ノーン》のような対戦相手のターン中も強力な能力を発揮出来るクリーチャー等々好きなものを詰め込みましょう!
期限が来ると追放されてしまいますが、それまでに《高級市場》《嘆きの井戸、未練》などで生け贄に捧げたり《移ろいの門》《野蛮な地の鬼》などで手札に戻したりしてしまえば追放されません。
3つ目の能力は《戦嵐のうねり》の紋章を得るというもの。
もちろん弱い能力ではありませんが、2つ目の能力の強さが際立つためあまりこれを使っている暇が無さそうです。
白赤というちょっとドロー能力に乏しい色の組み合わせながらプラス能力によってデッキを回す事が出来、マイナス能力によってデカ物を繰り出す事が出来、ストレスなく動かせるデッキになりそうです。
《血流の学部長、ヴァレンティン/Valentin, Dean of the Vein》
《樹根の学部長、リセッテ/Lisette, Dean of the Root》
黒緑の2枚目の統率者はちょっとトリッキーな能力を持っています。
オモテ面は1マナと軽く、能力は対戦相手のクリーチャーの死亡時誘発を妨害するような能力。ついでにトークンも生成出来ますが能動的に使うにはコストがかかる上に出てくるトークンが地味過ぎるのであまり使うことはないでしょう。
ウラ面は4マナ4/4と及第点のスペック。
ライフを得るたびに+1/+1カウンターをばら撒く、《太陽冠のヘリオッド》のような能力。
モダンで流行の《スパイクの飼育係》とのコンボに近い事をするためにはリセッテの能力のためにマナを加える係(《水晶の這行器》《役馬》)が必要です。
無限ライフ、無限パンプ(《スパイクの飼育係》とマナを加える係以外)になるので、そのまま攻撃してもよし、《歩行バリスタ》も横に置いてフィニッシュするもよし、という盤面になります。
リセッテがついでにトランプルも持たせてくれるので、攻撃でフィニッシュしやすいのも良いですね。
緑と黒にかかればいくらでもコンボパーツを探す事が出来、このクリーチャーコンボを揃える事は容易です。
この無限コンボをメインにしても良いですし、ライフを得るたびに戦線を強化出来るためライフゲインシナジーのデッキにしても面白いデッキが組めそうですね。
『ストリクスヘイヴン:魔法学院』編の記事は以上で終了です。
今回は履修・講義が統率者戦で(ほぼ)使えないという事で少し短くなってしまいましたが、それ以外でも十分強力なカードがあり、統率者戦的には収穫は多いセットだったかと思います。
また、既存のデッキ(特に何度も登場した《贖いし者、フェザー》デッキなど)の強化が目立ったセットになりましたね。
皆さんも昔組んでいたデッキが強化されて作り直してみる、みたいな事が多いかと思います。
これを機に新旧問わずデッキを作り直してみるのはいかがでしょうか?
これとは別に統率者2021編も(この後急いで)書いていきます!
それではまた次の記事でお会いしましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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