岩SHOW マジック:ザ・ギャザリング『イニストラード:真夜中の狩り』プレビュー
タグ:MTGシングル, イニストラード:真夜中の狩り, プレビュー, 岩SHOW, 読み物今年の夏は例年よりも早く終わりを告げた。9月に入るや否や、涼しい風が吹くようになり...夕方などは肌寒いとさえ思えるほどだ。最近は10月くらいまで夏のように暑いことが多かったので、このまま速やかに秋へと突入していくのは新鮮に思える。
マジックの秋のセットと言えば10月にリリースされるイメージがあるが、今年は少し早めの9月リリース...そして11月にももう1セットやってくるという、例年とは異なるスケジュールがマジックプレイヤーを待っている。この秋の2大セットに向けて、夏から切り替えて行かないとね!
というわけで今回は2021年9月24日(金)発売予定の『イニストラード:真夜中の狩り』の新カードをプレビューだ!
イニストラード...この次元への訪問は3度目となる。『イニストラード』ではフラッシュバックが再録、変身カードが初登場。《瞬唱の魔道士》や《秘密を掘り下げる者》、《ヴェールのリリアナ》といった唯一無二の名カード達が多数登場。
『イニストラードを覆う影』ではマッドネスが再録、墓地を用いる新たな能力として昂揚・手掛かりトークンを生成する調査がそれぞれ初登場。《不屈の追跡者》《ウルヴェンワルド横断》などこちらも人気カードを輩出。
そして今回のイニストラードはその名も『真夜中の狩り』。狩りという響きと先行公開されたアートから狼男が主役のセットというイメージを抱いた方も少なくないだろう。コンセプトは初代『イニストラード』の頃のゴシックホラーへの回帰で、『異界月』以降また闇の勢力が力を増し、人々を脅かす恐怖の存在を中心にカードが作られているようだ。
真夜中という名が示すのはこの次元に起きた大きな変化。なんと太陽が昇る時間がどんどんと遅くなり、そして沈むのは早い。つまり...文字通り長い夜が訪れる日々が続いている。狼男をはじめ、吸血鬼やゾンビなどの人々を狩る悪しき者がはびこる次元で、人々は...新たな信仰を見つけ、怪物に負けないための希望を見失わないように生きているという。それが我々から見て、正気に見えるかどうかは別として...。
ゲームにおける新たな状態、昼と夜が登場。以前までの狼男が有していた変身に関する条件は、日暮と夜明という能力になりよりわかりやすいものとなった。またスタンダードでクリーチャーが変身を繰り返す光景が見られると思うと、楽しみになってくる。今回のプレビューカードも実はそんな変身するクリーチャー...なのだが、これの変身には昼や夜は関係ない。ではどうやって変身するのか?それはもう実物を見て確認してもらおう。それじゃあプレビューカード、公開~ッ。
屍術の俊英、ルーデヴィック UB
伝説のクリーチャー 人間・ウィザード
屍術の俊英、ルーデヴィックが戦場に出るか攻撃するたび、カード1枚を切削する。
XUUBB、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードをX枚追放する:屍術の俊英、ルーデヴィックを変身させる。Xは0にできない。起動はソーサリーとしてのみ行う。
2/3
ルーデヴィック!彼はネファリア州に隠れ住む、狂気に満ちた屍錬金術師だ。
複数の死体を縫い合わせたゾンビであるスカーブ作りの名士であり、数々の生命を冒涜する邪悪な実験を繰り返し、独自のテクノロジーを発展させていった伝説的な存在だ。彼はその研究により作り出した薬の摂取、また実験により発生した蒸気の吸入により喘息持ちとなり、老体というのもあって今では一線を退き、商売のためにその知識を用いていると言われていた。が、まだその実験をやめてはおらず、闇の中で彼の実験の犠牲となる者は後を絶たないという噂も流れている...という設定があった。
かつては《屍錬金術師、ルーデヴィック》として統率者にてカード化されてもいる。そんなルーデヴィックが再登場、色は青赤から青黒に変更されており、その姿を見るに実験を辞めてはいないという噂はどうやら真実だったようだ。中世ヨーロッパ風の世界観で人々は木の杭で吸血鬼と戦ったりしているその陰で、めちゃくちゃ電子機器を用いて実験しているマッドサイエンティストがいるというのはなんとも味わい深い。
で、ルーデヴィックの2枚目のカードとなる《屍術の俊英、ルーデヴィック》。2マナで2/3と青黒のクリーチャーにしてはなかなか優秀なスペックをしている。自身のライブラリーを切削し、もう一つの能力のためのクリーチャーを準備する。派手なコストのその能力は、墓地のクリーチャーを追放しながら変身するというもの。その姿を見ないとこのカードの真価は図れない。それじゃあ、ひっくり返して...
ルーデヴィックの傲慢、オーラグ
伝説のクリーチャー ゾンビ
このクリーチャーがルーデヴィックの傲慢、オーラグに変身するに際し、名前が「ルーデヴィックの傲慢、オーラグ」であり、4/4であり、他の色やタイプに加えて青黒の伝説のゾンビであることを除き、これによって追放されているクリーチャー・カード1枚のコピーになる。ルーデヴィックの傲慢、オーラグの上に、これによって追放されているクリーチャー・カードの枚数に等しい数の+1/+1カウンターを置く。
4/4
お、おい...なんだこのルックスは。顔は白い長髪の老人、身体にはルーデヴィックがまとっていたようなパイプ付きのアーマー、でも首から下からタコのような触手が伸びており、ケンタウルスのような四つ脚の獣の下半身、ムカデの如き歩脚の並んだ尻尾に、極めつけは馬でいう蹄の部分はノコギリのような鉤爪だ。
なんだこの合成魔獣、異形の怪物は...ルーデヴィックから変身し、彼の傲慢というその名から、このオーラグという化け物はルーデヴィックが実験を重ねた末に変化した成れの果てなのだろう。《秘密を掘り下げる者》は望んで《昆虫の逸脱者》となったが、ルーデヴィックの場合も自身に不死の肉体をもたらそうとしたのか、あるいは事故や事件でこうなったのか...その辺はカードからはわからないが、生命をもてあそんだ心無き実験を繰り返した彼には相応しいラストを迎えたと言えよう。
カードとしては、少々テキストはややこしいものになっているのだが、要するに変身時に追放したクリーチャーが合体した姿になるというニュアンスだ。追放した中から1枚のコピーになり、追放された枚数分サイズアップするということ。基本のサイズは4/4なので、それより小さいサイズでかつ能力を沢山持ったクリーチャーのコピーにしてやることで、本来味わえないような楽しいことが出来るというデザインになっている。変化球なリアニメイトと認識して、そういうカードと共に使うことで専用のデッキが作れそうだ。
まず人間時として唱えるのに2マナ、ゾンビへの変身能力の起動に最低5マナと合計で見ればそのマナコストは割高ではある。しかしながら墓地が整う前から先に出しておけるし、自身の能力で墓地を満たせるという自己完結した能力の持ち主であるという点はそのコストに見合うものになっていると言えるだろう。後から2枚目を引いてきても、オーラグとルーデヴィックという形で2体並べられるのは伝説のクリーチャーながら安心できるポイント。
このような他のカードのコピーとなるカード、リアニメイト系のカードの常として、これ単体での強さの評価は難しい。何を追放し、何のコピーになるか?また他に墓地にカードを貯めるカードで優秀なものはあるか?ここらが《屍術の俊英、ルーデヴィック》がスタンダードなどの構築シーンで活躍できるかのキーポイントとなる。
オーラグになる際に追放して面白そうなものは...とりあえずサイズは4/4固定、追放する枚数次第で大きくなることを踏まえて、打点を求めるなら二段攻撃に注目。また回避能力としての飛行や、変身してすぐ除去されて何もせずに終わるのを防ぐための呪禁や護法に速攻などもあればなお素晴らしい。《シャドリクス・シルバークイル》《運命の天使》《岩山鎧のベイロス》《砂漠滅ぼし、イムリス》《西門の主》《星界の大蛇、コーマ》《ヴェロマカス・ロアホールド》...既存のスタンダードセットにありローテーション後に残るカードをざっと見ただけでも、組み合わせて...否、縫い合わせて楽しそうなクリーチャーには困らない。あとは自身に切削などして墓地にそれらのカードを置ければデッキが組めそうだ。
『イニストラード:真夜中の狩り』のカード情報はまだこのプレビュー作成時には出始めたばかりで、公開される頃にはルーデヴィックを主役としたデッキを組むには必須とも言えるカードが出ているかもしれない。あるいはこれが公開された後に出てくるかもしれない。いずれにせよ、ワクワクするような墓地利用デッキを誕生させるポテンシャルに満ちたカードだね。
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パック開封と言えば、最近のセットではすっかりお馴染みとなった通常版と異なるアートや枠デザインのカード、ショーケースを引き当てるというお楽しみを忘れちゃいけない。そして今回のプレビューカード、ルーデヴィックとオーラグにも特別仕様のカードが存在する!真夜中の狩りにおける2種類のショーケースの内の一つ、「永遠の夜/Eternal Night」仕様のカードをご覧いただこう!
アメコミ風のモノクロイラストが雰囲気抜群のカードに仕上がっているが...オーラグ、小鳥を手に乗せて微笑んでる...愛でているのであれば、ある意味ルーデヴィックだった頃よりも人間らしい表情と言えるのだが、あるいは...。この雰囲気抜群のアートがカード1枚で楽しめるとは、これはお得だしコレクター魂をくすぐるものだね。伝説のクリーチャーでもあるのでこれを主役に統率者戦やブロールのデッキも作ってみたいところだ。それでは、9月24日、イニストラードにて終わらない夜にお会いしましょう。
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