岡本桂多のKill them All!~『イニストラード:真夜中の狩り』編~

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お久しぶりです!BIGWEB統率者戦担当の岡本桂多です!

皆さん楽しい統率者戦ライフをお過ごしでしょうか?

9月に『イニストラード:真夜中の狩り』が発売され、年に一度のスタンダードローテーションも起き、様々なフォーマットが賑わってきましたね!

 
今回の新たなテーマは日暮/夜明(≒変身)、集会、降霊。
統率者戦というフォーマットで考えるとこの3種の中では集会が最もよく見かけるかもしれませんが、正直な所どれもちょっとインパクトに欠けるキーワードです。
もちろん《不吉な首領、トヴォラー》デッキで変身ギミックを活用する等特定の統率者でフィーチャー出来たり、《心悪しき隠遁者》《怪しげな密航者》《敬虔な新米、デニック》のようにキーワードがあろうがなかろうが強いカードもあるため、一概に統率者戦では弱いエキスパンションとはいえません。

早速個別のカードをピックアップしていきましょう!


目次

・各色の注目カード

・統率者デッキを強化しよう!

 

・各色の注目カード

・白

粗暴な聖戦士/Brutal Cathar
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放逐する僧侶》の系統のカード。
今回は昼になるたびにどんどん追放するカードを増やせるという中々面白いデザイン。
基本的に1ターンに複数回行動をしていく統率者戦では昼にする事自体は容易です。
問題は夜にする事で、何もしないターンが1ターンでもあると展開が非常に遅れてしまうためあまり夜になる事はありません。
可能なら「Aさんがコントロールしてるあのクリーチャーヤバいので、一番影響が大きいBさん、1ターン何もしないで夜にしませんか?」など交渉に使えると良いですね。
もう一つ問題があるとすると固有色に赤も含んでしまうため採用出来るデッキに限りがあるという点でしょうか。

追放能力を何度も使う事に拘らず、シンプルに追加の《放逐する僧侶》として使うだけでも強力です。
特に人間であることが重要な《軍団のまとめ役、ウィノータ》デッキなどで追加の除去手段としての採用が考えられるでしょう。

 
聖戦士の奇襲兵/Cathar Commando
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白単色、マナ総量の小さいクリーチャーでアーティファクトとエンチャントを後腐れなく除去できるものは中々いませんでした。
レオニンの遺物囲い》は一時的に追放するだけ、《誠実な証人》は起動にタップと手札コストが必要、とどれもちょっと一癖あります。

しかしアーティファクトとエンチャント破壊だけのカードとして見ると、単に分割払い可能な3マナ《解呪》となってしまいます。
浄火の戦術家、デリーヴィー》《祖神の使徒、テシャール》《軍団のまとめ役、ウィノータ》のような、軽い人間クリーチャーである事を活かせるデッキに入れる事で自然とアーティファクトとエンチャントへの耐性を高める事が出来るでしょう。

 
剛胆な敵対者/Intrepid Adversary
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自分のクリーチャー全体に修正を与える事が出来るクリーチャー。
戦場に出た時に支払ったマナの分特殊なカウンターが乗るので、一度戦場に出してから後で明滅させる事が出来る《隠された領域のローン》や墓地から回収出来る《夢の巣のルールス》などで採用すると意外な所から火力をグッと上げる事が出来るのでオススメです。

カウンターが乗る、という事で増殖を用いるのも手です。
胞子の教祖、ゲイヴ》《野生の意志、マラス》などはコンボ寄せの構築が主流の統率者ですが、増殖や《倍増の季節》《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》《巻きつき蛇》を使って自分のクリーチャー全体に+1/+1カウンターをばら撒いて圧殺するような構築もこのカードのおかげで強力になるでしょう。

 
シガルダの輝き/Sigarda's Splendor
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珍しく白単色で追加ドローが出来るカード。
ライフを維持するという条件は普段プレイしている卓に応じて重さが変わってきますが、追加ドローのためならそこまで厳しくはないでしょう。

ライフを得る能力も持ち合わせており、《幽霊議員カルロフ》《老いざる苦行者、アローロ》《太陽冠のヘリオッド》《救う者、レグナ》《月の踊り手、トレラッサーラ》のようなライフを得る事を軸に据えた統率者で追加のドロー手段としての採用が見込めます。

 
シガルダの先兵/Sigarda's Vanguard
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5マナとちょっとコストの重い天使ですが、複数のクリーチャーに二段攻撃を持たせる事が出来ます。
誘発条件や二段攻撃を持たせる対象も緩いため、統率者ダメージを狙うデッキで使う《銀刃の聖騎士》のように統率者に二段攻撃を持たせるためだけに使っても良いですし、ある程度横に並べるデッキで打点を上げるために使っても良いでしょう。

 
大群退治/Vanquish the Horde
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今回の白の全体除去枠。
冒涜の行動》はよく統率者戦で見かけるカードですが、戦場に出ているすべてのクリーチャーを数える都合上、結構な頻度で赤1マナで唱えられています。
となれば同じコスト軽減能力を持つこのカードも使いやすいのは明らかです。

もちろんクリーチャーを全然並べないコンボデッキばっかりの卓では思うようにコストが軽減されませんが、その場合はそもそも全体除去カード自体がいらないはずなので、あまり気になる事はないでしょう。

毒の濁流》を擁する黒、《冒涜の行動》を擁する赤、(ちょっと違いますが)《サイクロンの裂け目》を擁する青とは異なり、白の全体除去はどうしても4マナの《神の怒り》を越える全体除去は中々ありませんでしたが、この《大群退治》は白で全体除去を使う場合は真っ先に名乗りを上げるカードとなるでしょう。

 
哀悼の壁/Wall of Mourning
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手札に加わるタイミングが遅い上に条件つきですが、《前兆の壁》よりも手札が増える壁。
集会という条件はある程度クリーチャーが盤面に並ぶデッキなら容易に達成でき、タイムラグがあるとはいえ手札が増えて嬉しくないデッキはないはずなので、デッキ内にクリーチャーが10枚ぐらいしか入っていないようなデッキでなければ採用を考えてもいいでしょう。

 

・青

大鉈のスカーブ/Cleaver Skaab
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生け贄に捧げたゾンビのコピートークンを生成出来るゾンビ。
一度に2体トークンを生成出来るのでシンプルながら強力です。
縫込み刃のスカーブ》《戦墓の隊長》など、全体強化出来るゾンビを増やしていけばそれだけで盤面の戦力がどんどん跳ね上がっていきます。
コンボ寄せではなくゾンビを並べて殴るようなデッキで採用するとより一層強く扱えるでしょう。

難点としては色が青なのでどんなゾンビデッキでも使えるというわけではない点や、ゾンビ絡みの無限コンボ(《墓所這い》+《ファイレクシアの供犠台》コンボなど)を狙うデッキでは特に意味がない点などがあります。

それでも青を含むゾンビデッキなら一度は採用を考えた方が良いと言えるぐらいには強力なゾンビシナジーカードです。

 
研究室の総ざらい/Empty the Laboratory
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ゾンビ用の《集団変身》《不屈の独創力》のようなカード。
ギサとゲラルフ》《アンデッドの王》《グール呼びの詠唱》《邪悪な岩屋》など、生け贄に捧げたゾンビを回収する手段が豊富なためコストはさほど気になる事は無いでしょう。

墓所這い》+《ファイレクシアの供犠台》コンボ、《アーチリッチ、アサーラック》+《屋根の上の嵐》コンボなど、特定のゾンビを必要とするコンボはいくつかあり、そういったコンボパーツをピンポイントで探す事も出来るこのカードは今後の青絡みのゾンビデッキで必要不可欠になるかもしれません。

 
溺神の信奉者、リーア/Lier, Disciple of the Drowned
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炎の中の過去》を内蔵しているスゴい伝説のクリーチャー。
統率者として使う場合は青単色になりますが、ドロー・サーチ呪文を繰り返し使ってコンボパーツを集めにいくような構成になるでしょう。
最近はあまり見かけませんが《High Tide》+《パリンクロン》による無限マナコンボが《High Tide》を1ターンに2回唱える事で成立させやすくなります。(本来は《》6枚必要な所を4枚で済む)

もう1つの能力の呪文が打ち消されなくなる能力は相手の呪文にも適用されてしまうため、妨害の多くを打ち消しに頼らざるを得ない青単にとっては強烈なデメリットです。
一応打ち消し呪文でしか基本対処が出来ない《タッサの神託者》+《パラダイム・シフト》or《地ならし屋》のコンボを安全に完遂する時にはメリットになるため、このコンボを仕込んでおくのも良いですね。

《溺神の信奉者、リーア》がいる時にマズい呪文を通さないよう、安全のために打ち消し以外の方法で呪文を打ち消すカードを採用するのも良いでしょう。
非実体化》《ゼロ除算》《ナーセットの逆転》《徴用》《造物の学者、ヴェンセール》など。
コストが重く物によっては意味のない《徴用》以外は手札に戻すだけなので一時しのぎにしかならない点に注意が必要です。

 
戯れ児の縫い師/Poppet Stitcher
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オモテ面は《つぶやく神秘家》《完成態の講師》のようにトークンを生成してくれるクリーチャー。
オモテ面だけでも《空召喚士ターランド》や《双対の声、ヴェイラン》など、インスタントやソーサリーを軸にしたトークン戦術の統率者で採用出来そうです。
生成されるトークンは腐乱を持ってしまうため、《爆破基地》で生け贄に捧げたり《頭蓋骨絞め》を装備して無駄死にさせないようなギミックも用意しておきたいですね。

ウラ面はちょっと珍しい方法でオモテ面で生成したトークンを強化するデザイン。
ウラ面に注目するとどちらかというと緑とかみ合うと強力で、《目覚めの領域》などからエルドラージ・落とし子トークン、《ゼンディカーの報復者》などから植物トークンをたくさん生成しておくと、それらも全て3/3というサイズになるので一気に打点が上がります。
特にクリーチャータイプは失わないため《ゼンディカーの報復者》の上陸能力によって更にトークンを強化していく事ももちろん出来ます。

統率者ごとに見ていくと《フラクタルの理論家、ディーカ》《警告となるもの、ザクサラ》は0/0のトークンに+1+1カウンターを乗せて強化していますが、《戯れ児の縫い師》のウラ面はその基本のパワーとタフネスを更に強化してくれるので一気に打点があがるので相性がとてもいいですね。

変身する能力もタイミングは限定されますが任意で誘発させられるという使い勝手の良さもあり、青絡みのインスタントとソーサリーを軸にしたデッキ、小さいトークンをばら撒いて制圧するデッキ、今後はどちらでも活躍のチャンスがありそうなカードです。

 
怪しげな密航者/Suspicious Stowaway
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コー追われの物あさり》のようなオモテ面。
シャドーも大概ブロックされませんが、こちらは無条件でブロックされないという能力を持っています。
一旦ウラ面になってしまうと今度は完全にブロックされない《影魔道士の浸透者》。

もちろんオモテ面よりもウラ面の方が強力ですが、オモテ面だけでも軽いクリーチャーでガシガシ殴っていく《トレストの密偵長、エドリック》《浄火の戦術家、デリーヴィー》などでの採用が考えられます。
変身ギミックは持っているもののあまり変身に頼りすぎずに運用出来る珍しいカードですね。

 

・黒

素晴らしき復活術師、ギサ/Gisa, Glorious Resurrector
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新たな黒単の統率者候補、《グール呼びのギサ》が戻ってきました。
以前は自分のクリーチャーを生け贄に捧げてゾンビにしていましたが、今度は破壊した対戦相手のクリーチャーをよみがえらせるデザイン。
同じく黒単統率者の《恐怖の神、ターグリッド》と似たようなデザインで、同じような構築にしてしまうと見劣りしてしまうので差別化が必要です。

統率者単体では何も出来ないので、他のカードでサポートして相手のクリーチャーを死亡させる必要があります。

《恐怖の神、ターグリッド》とは異なり《殺し》などのシンプルなクリーチャー破壊を使ってもいいですが、それだけでは対処しきれない事は明白です。

複数回クリーチャーを処理できる《煙突》《墓への呼び声》《墓穴までの契約》《忘れられた神々の僧侶》《悪ふざけの名人、ランクル》《囁く者、シェオルドレッド》は出しておくだけで盤面を制圧できるのでオススメです。

単発ながらもコストが軽く一度に複数体処理できる《深淵の門番》《肉袋の匪賊》《無慈悲な処刑人》《疫病造り師》《貧民街の刈り取るもの》も採用しておいて不意をつけると一気に複数体戦場に戻す事ができるのでなるべく採用したいですね。

《恐怖の神、ターグリッド》との差別化として、破壊したクリーチャーもちゃんと呼び戻せるという点に注目したカードも採用しましょう。
漸減》《黒死病》《スランの医師、ヨーグモス》などの継続的に除去が出来るカードを採用しておくとクリーチャーデッキに対して非常に強力なデッキに仕上がるでしょう。

 
グールの夜遊び/Ghouls' Night Out
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コストが軽くなった代わりに色々とマイルドになった《闇の領域の隆盛》のようなソーサリー。
統率者戦でよく使われるクリーチャーはすぐに仕事が出来るようなもの、永続的に能力を発揮してくれるものが多いため、腐乱を得てしまうというデメリットはさほど大きなものではない事が多いでしょう。

もちろん選択肢が多ければ多いほどいいので、《恐怖の神、ターグリッド》のような手札を捨てさせる手段や切削する手段を多く採用するデッキで使う方が強力ですが、そこまで意識せず普通に黒いデッキに採用するだけでもしっかりと活躍してくれる良カードです。

 
ネファリアのグール呼び、ジャダー/Jadar, Ghoulcaller of Nephalia
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継続的にゾンビトークンを生成してくれるシステムクリーチャー。
伝説のクリーチャーではありますが、生成するタイミングが自分のターン終了時だけとちょっとスピードが遅いため他の黒単統率者に比べると見劣りしてしまいます。

どちらかというと統率者ではなくクリーチャーを生け贄に捧げる事がメインの統率者デッキに採用する事が多いでしょう。
特に腐乱トークンが戦場に残っているとトークンを生成してくれないため、《ロークスワインの元首、アヤーラ》《仲介人、フェイン》《グール呼びのギサ》《フェイに呪われた王、コルヴォルド》など何度もクリーチャーを生け贄に捧げる事ができる/必要がある統率者での永続的なコスト供給源として採用するのが良いでしょう。
苦花》《戦慄衆の侵略》《増殖槽》《蛇術師》のような使い方ですね。

 
食肉鉤虐殺事件/The Meathook Massacre
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黒の全体除去枠。
単なる《黒の太陽の頂点》とは異なり、常在型能力も持ちあわせています。
1つ目の誘発型能力は《血の芸術家》《ズーラポートの殺し屋》などのように自分のクリーチャーが死亡するたびに対戦相手のライフを攻める事ができる能力。
無限頑強コンボや《墓所這い》+《ファイレクシアの供犠台》のような戦場と墓地を無限に行き来するコンボをする際に横にこのカードが置いてあるだけでフィニッシュ手段となり得ます。
コンボパーツとして使う場合はX=0で、除去として使う場合はしっかりとマナを支払って、臨機応変に使えるので無駄になりにくいですね。

2つ目の誘発型能力は自分のライフが回復するだけなので能動的に使う機会は中々ないでしょう。強いて言えば《幽霊議員カルロフ》デッキでライフ回復手段としての使い道ぐらいでしょうか。

黒の全体除去は《毒の濁流》《滅び》など競合相手が多いため真っ先に入れるべし、とまでは言えません。
1つ目の誘発型能力を上手く有効活用できるようなクリーチャーが戦場と墓地を行き来する《胞子の教祖、ゲイヴ》《夢の巣のルールス》デッキなどで全体除去カードとしての採用が考えられます。

  
病的な日和見主義者/Morbid Opportunist
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黒によくあるクリーチャーが死亡するたびにドローできるカード。

同じコストの《不気味な腸卜師》《真夜中の死神》と異なりトークンが死亡しても誘発する点などから今までのものとはちょっと違った強みがあります。

欠点はやはり毎ターン1回しか誘発しない点。
胞子の教祖、ゲイヴ》《血の魔女リゾルダ》などのように対戦相手のターンにも気軽にクリーチャーを死亡させる事が出来るギミックがあるとより強く使えますが、単純に追加の《不気味な腸卜師》《真夜中の死神》として採用してしまっても悪くないでしょう。

  

・赤

献身的な精霊術士/Ardent Elementalist
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赤い《古術師》・・・と呼ぶとどうでも良さそうに見えてしまいますが、実は赤単色・戦場に出るだけでインスタントorソーサリーを回収できるクリーチャーは多くありませんでした。
『モダンホライゾン2』で6マナの《革命主義者》が出るまではキッカーコストが必要な《ギトゥの年代記編者》ぐらいしかありません。

統率者の固有色に青を含んでいれば《古術師》などでもいいですが、それにしてもシングルシンボルの《献身的な精霊術士》の方がちょっと使いやすい所があります。
青を含まずインスタントやソーサリーを多用する《贖いし者、フェザー》《炎の踊り手、リオーニャ》《略奪の母、汁婆》《面晶体の掘削者、ザダ》などでは出番がありそうです。

 
喪失の光景/Visions of Ruin
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統率者戦では《秘儀の印鑑》を始めとするマナアーティファクトは非常に多く採用されています。
そういったアーティファクトを1枚で複数枚処理できるこのカードは中々腐る盤面はないでしょう。

4マナというコストの重さも気になりますが、ついでに宝物トークンを生成してくれるためそのまま次の行動を取る事も出来ますし、そのまま温存しておいて次のターンに重い呪文を唱えるためにマナを蓄えておく事も出来るため見た目ほどの重さは感じない事が多いでしょう。

  
・緑

秋の占い師/Augur of Autumn
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クルフィックスの狩猟者》のようなクリーチャー。
今回は集会を達成していると《生類の侍臣》のようにクリーチャーも唱える事ができるようになりました。

《クルフィックスの狩猟者》は残念ながらスタンダード当時に比べると統率者戦での活躍はあまりありません。
せいぜい《迷える探求者、梓》《怒りの座、オムナス》などの土地を戦場に出す行為が強い統率者で少し採用されている程度ですね。

やはり真骨頂は集会を達成した時のボーナスです。
クリーチャー多めの《精霊の魂、アニマー》《伝承の語り部、チュレイン》などでの追加の《生類の侍臣》としての採用がシンプルで良いでしょう。
《生類の侍臣》とは異なりライブラリーの一番上の土地をプレイしてドローの質を高めやすくなっている点も見逃せませんね。

また、ライブラリーの一番上をいつでも見られるという事で《映し光るもの、アマレス》《ハンス・エリクソン》《シミックの幻想家、モミール・ヴィグ》のような、ゲーム中にライブラリーの一番上のカードを知っておく必要がある統率者で追加ののぞき見手段としても採用できますね。

 
辺境地の罠外し/Outland Liberator
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聖戦士の奇襲兵》と同様にクリーチャーでありながらアーティファクトやエンチャントを処理できるクリーチャー。
緑の場合過去にも生け贄に捧げるなら《苛性イモムシ》《打ち壊すブロントドン》、戦場に出た時能力なら《再利用の賢者》など、ライバルが多く存在します。
《辺境地の罠外し》の場合は裏面に変身できると攻撃するたびにアーティファクトやエンチャントを破壊できるという利点、2マナというマナコスト(《出産の殻》や《放浪の吟遊詩人、イーサーン》などマナコストを散らしている事が重要)などから採用出来るチャンスがありそうです。

  
バイパーの牙、サリス/Saryth, the Viper's Fang
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ちょっと特徴的な能力を持った緑単統率者候補。

1つ目の接死を持たせる能力は《トリスケリオン》《歩行バリスタ》《終末を招くもの》のようなクリーチャーの能力と組み合わせる事で1点で致死ダメージにできる点が優秀です。
突き抜けの矢》《ヴィリジアンの長弓》のようなダメージを与える能力を持たせる装備品との相性も抜群です。
アゾカンの射手》のような戦場に出た時に格闘するクリーチャーを使う場合は《バネ葉の太鼓》や各種機体(特にダメージを与える能力を持つ《バリスタ突撃車》《領事の旗艦、スカイソブリン》がオススメ)を使うのが良いでしょう。

2つ目の呪禁を持たせる能力は《バイパーの牙、サリス》の起動型能力を使ったり《千年霊薬》《威圧の杖》などを使って除去を回避できるような工夫を凝らしたいところ。

統率者として使う場合は1つ目の能力を活かしてクリーチャーへのプレッシャーを与える、緑単らしくないコントロールデッキを組めそうです。

 
不自然な成長/Unnatural Growth
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何やらド派手にサイズをパンプアップしてくれるエンチャント。
追加コストがかからないので《歓楽の神、ゼナゴス》のような使い勝手でしょうか。

各戦闘の開始時に誘発し、パワータフネス両方とも、自分のクリーチャー全て強化、追加のコストは一切なしととても使い勝手が良い強化エンチャントです。

難点は色拘束を含めたコストの重さ。
すでに戦場にそこそこのサイズのクリーチャーがいれば第1メインフェイズに唱えてすぐに効果を発揮してくれますが、唱えた時はどうしても隙が出来てしまいがち。

また、自分のクリーチャーの元々のサイズが小さければ小さいほど修正値が小さくなるため、元々強いクリーチャーや他の強化手段と併用しないと爆発的な打点にはしにくいというのもあります。

緑単色だけで見ても《忠実な相棒、モーウー》《原初の飢え、ガルタ》のような統率者ダメージを狙う統率者でも、《背教の主導者、エズーリ》のような打点サポートが出来る統率者でも相性のいいカードですし、多色まで範囲を広げればいくらでも採用出来そうな統率者は見つかりますね。

 
威圧の光景/Visions of Dominance
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活性化のうねり》のほぼ上位互換。
+1/+1カウンターを活用する統率者はあえて列挙する必要もないほど古今東西無数に存在するため、このカードも脳死で採用する統率者はいくらでもいます。
今回はコストが変動するもののフラッシュバックも持っており、他のカードよりも優先して採用する事が多いでしょう。

 

・多色

縫込み刃のスカーブ/Bladestitched Skaab
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シンプルなデザインのゾンビロード。
ゾンビ専用のロードでは最もマナ総量の小さい2マナ、2/3というシステムクリーチャーにしては頑丈な本体スペックとシンプルながらも強力です。

固有色に青を含んでしまうため採用出来るゾンビデッキは限られてしまいますが、その問題さえクリアできれば優秀な強化カードです。
パワーを上げるだけではあるので、コンボ寄せのゾンビデッキの場合はあまり強く使えません。
ある程度ゾンビを並べる事を前提にした統率者デッキ、《背信の王、ナーフィ》《リッチの女王、ヴァリーナ》《腐敗の大鉈、ウィルヘルト》などで追加のロードとして採用するのが良いでしょう。

  
未練残り/Can't Stay Away
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発掘》のようなマナ総量の小さいクリーチャーを戦場に戻せるカード。固有色的に《回生+ 会稽》の方が近いでしょうか。
白黒系のクリーチャーデッキは《療治の侍臣》や《族樹の精霊、アナフェンザ》絡みの無限頑強コンボなどを採用しやすいためこういったクリーチャー回収カードは強く運用できます。
少しコストは重いもののフラッシュバックもついているので1枚で2枚分仕事が出来るのも見逃せません。

《未練残り》にはデメリットもありますが、《移ろいの門》などで手札に戻したり《テレポーテーション・サークル》などで明滅させる事でそのデメリットを消すことが出来ます。
戦場に出たとき能力を駆使してプレイするデッキではどちらも採用され得るカードなので、覚えておくとより強く運用出来ます。

夢の巣のルールス》《大衆扇動者、ブリーナ》のような軽量クリーチャーメインのデッキ、《隠道のセフリス》《薄暮薔薇、エレンダ》のようなクリーチャーが死亡しやすいデッキなどで採用が考えられます。

 
敬虔な新米、デニック/Dennick, Pious Apprentice
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オモテ面は《地の封印》のような疑似的な墓地対策。
スカラベの神》《狂気を操る者チェイナー》《覇者シャルム》のような墓地利用統率者に対しては効果抜群ですが、《幽霊の酋長、カラドール》《縞痕のヴァロルズ》のような墓地のカードを対象に取っていない墓地利用統率者に対しては効果がありません。
墓地対策としてこのカードを採用するのは微妙ですね。

ウラ面はクリーチャーカードが墓地に置かれるたびに調査を行う、という中々強力な能力を持ちます。
1ターンに1回しか誘発しない事、ドローするために2マナ必要な事はデメリットとしてありますが、相手のクリーチャーが墓地に落ちても誘発するため思っている以上に誘発するタイミングが多く、ドローできる機会は多いでしょう。
可能なら手掛かりトークンというアーティファクトが戦場に出る事も意味がある《エーテリウム造物師、ブレイヤ》のような統率者で採用したいですね。

 
戦墓の再誕/Diregraf Rebirth
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こちらは《未練残り》とは異なり軽く唱えるための条件がある代わりにマナ総量に制限がありません。
フラッシュバックコストも含めて素のコストが非常に重いため、軽く唱える事が出来ないデッキでは採用しない方が良いでしょう。

魂浸し、ダイナ》《胞子の教祖、ゲイヴ》《カーの空奪い、プローシュ》のような軽いコストでクリーチャーを生け贄に捧げられる統率者、《ネル・トース族のメーレン》《墓場波、ムルドローサ》のようなデッキ内に生け贄に捧げるカードを多めに入れる統率者などでの採用が考えられます。

 
グール呼びの収穫/Ghoulcaller's Harvest
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ちょっと癖のあるトークン生成カード。
大量にトークンを生成するには墓地をしっかり肥やす必要があります。

幽霊の酋長、カラドール》《血の暴君、シディシ》《ゴルガリの死者の王、ジャラド》のようなクリーチャーカード多めのデッキは大量にトークンを生成出来ますが、腐乱持ちのトークンを上手く活用する手段を別に考える必要があり、あまり強く使えないかもしれません。

胞子の教祖、ゲイヴ》《甦る死滅都市、ホガーク》など出てきたトークンを+1/+1カウンターやマナなどの別のリソースにあてたり、《クロールの死の僧侶、マジレク》《ネル・トース族のメーレン》など腐乱を持っている事自体がギミックに役立ったり、統率者次第で非常に強力に使えるカードと言えるでしょう。

 
忘れられた大天使、リーサ/Liesa, Forgotten Archangel
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新たな白黒の統率者候補の天使。
本体スペックは5マナ4/5飛行絆魂と中型~大型ぐらい、軽い全体除去に巻き込まれにくいもののちょっとマナ総量の重さが気になる程度。

統率者として組む場合1つ目の能力がキーとなります。
すぐに戦場に戻るわけではないものの、自分のクリーチャーが死亡しても再利用できるのは中々に強力。
また自分のターンに戻ってきたら再展開する必要があるので、なるべくマナ総量が軽いクリーチャーで生け贄に捧げられるものを多く採用したいですね。

命の恵みのアルセイド》《心優しきボディガード》《無私の救助犬》など、他のクリーチャーを除去から守れるクリーチャーは是非採用しましょう。
基本的には複数枚の除去カードがないと統率者に触れなくなるため、統率者を維持しやすくなります。
統率者が5マナと決して軽いコストでは無いので何度も出し直しは出来ないため、これらのカードを駆使して守る事は非常に重要です。

ネクロマンサーの弟子》《不吉な儀式の僧侶》《報奨密偵》《聖戦士の奇襲兵》など、マナ総量が軽くて出し直しやすく、生け贄に捧げる事で効力を発揮できるクリーチャーも欲しいですね。
《忘れられた大天使、リーサ》がいれば(ほぼ)毎ターン使用できるものばかりです。
夢の巣のルールス》デッキのようにこういった軽量システムクリーチャーを駆使して戦うトリッキーなデッキになりそうです。

統率者の2つ目の能力は対戦相手への妨害能力なので能動的に活用できるものではありません。
相手がクリーチャーベースの統率者を使っているとたまに光るかな、程度のものですが忘れないようにしたいですね。

 
年経た枝指/Old Stickfingers
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特徴的な能力を持った黒緑の統率者候補。

1つ目の能力は墓地にクリーチャーカードを落とす能力。
たくさんクリーチャーカードを落としたい場合はその分マナがかかるので、マナ加速に関しては普段よりも意識して採用した方が良さそうです。
デッキ内のクリーチャーカードを3枚程度に抑えて、それらのカードをピンポイントで墓地に落とすための能力、とひねくれた使い方も出来ます。
例えば《不浄なる者、ミケウス》と《トリスケリオン》だけデッキに入れて、X=2で統率者を唱え、《犠牲》を使ってさっさと即死コンボをしてしまう、等。
もちろんこのままの構成にすると《不浄なる者、ミケウス》をどうにかされてしまうと再起不能になってしまうので複数の勝ち手段を取り入れる必要はありますが、普通のデッキとは相当異なる構造のデッキになるので、作り甲斐がありそうです。

2つ目の能力は統率者のパワータフネスに直結する能力。
この統率者でデッキを組みたい場合はこちらを活用する方が作りやすいでしょう。
1つ目の能力で墓地を肥やしてもよし、《ブラッド・ペット》などの生け贄に捧げる事で能力を発揮するクリーチャーを多く採用してもよし、と様々な構成が考えられます。

本体に回避能力がありませんが、《豪腕》《不浄》は1つ目の能力で墓地に落ちてくれるとスムーズに統率者をサイズの面でも回避能力の面でもサポートしてくれる良カード。
その他各種装備品やオーラを使ってサポートするのがよさそうです。

クリーチャーカードをたくさん墓地に用意出来るので、サブプランとして《死闘》による特殊勝利を目指すのも良いでしょう。
そもそも2つ目の能力を活用するためのカードがそのまま《死闘》の勝利条件にもつながるので不覚をついて急に勝利する事が出来ます。

 
調和の儀式/Rite of Harmony
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緑によくある《垣間見る自然》の系統のカード。
今回は唱えるたびではなく戦場に出るたびなので誘発するチャンスが増えています。
エンチャントにも反応するようになっていますが、クリーチャーに比べると1ターンに何度も戦場に出す事はちょっと難しいのでオマケ程度に考えておいた方がいいかもしれません。

クリーチャーカードを唱える事だけでなく、トークンが戦場に出る事、頑強や不死などのキーワード能力で戦場に出る事、《儚い存在》《隠された領域のローン》《霊の通り路》などの明滅能力で戦場に戻る事、等々誘発タイミングは多いです。

本家の《垣間見る自然》に比べるとコストの重さ、固有色が増えてしまっている事など使いにくい部分もあります。
クリーチャートークンをたくさん出せるような《胞子の教祖、ゲイヴ》《ブレタガルドの守護者、メイヤ》《野生の意志、マラス》デッキなどでとりあえず採用しておくと結構な枚数ドロー出来、強く扱えるでしょう。

 
大スライム、スローグルク/Slogurk, the Overslime
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新たな青緑の統率者候補。
土地カード、+1/+1カウンターに関する能力を持っています。

まず1つ目の能力は墓地に土地カードが置かれるたびに+1/+1カウンターが置かれるというもの。
青緑という色の組み合わせだとこれを誘発させるのは非常に容易で、青の《マーフォークの物あさり》を始めとする引いて捨てる系のカード、《狡猾の宮廷》《サテュロスの道探し》のようなシンプルな(疑似)切削カード、緑の《ゴルガリの墓トロール》を始めとする発掘カード等々。
発掘などで一度に複数枚土地カードが墓地に落ちてもその枚数分誘発して、結果的に複数個の+1/+1カウンターが乗る事になるのでガツガツ土地カードを墓地に叩き込んでいきましょう。

この1つ目の能力を何度も誘発させて統率者を強化していくのが分かりやすい勝ち手段の1つです。
統率者ダメージを狙いやすいようにトランプルが最初から備わっているのも良いですね。
もちろん《硬化した鱗》などの過去の+1/+1カウンター参照カードもバッチリ噛み合うのでこの方向性で割と簡単にデッキが作れそうです。

2つ目の能力は統率者を手札に戻す能力。
統率者ダメージを狙う統率者にとって致命的な除去やコントロール奪取をマナコスト不要で回避できるこの能力は優秀です。
起動する事自体は少ないかもしれませんが、持っているだけで相手からすると非常にやりにくい事でしょう。

3つ目の能力は墓地から土地カードを回収するというもの。
2つ目の能力で統率者を手札に戻し、3つ目の能力で墓地から土地カードを回収し、また統率者を出し直した後で墓地に捨てて1つ目の能力によって強化し直す、というデザイン的です。

この3つの能力をフル活用して《迷える探求者、梓》などの土地のプレイ回数を増やすカード、《大スライム、スローグルク》、《永劫での歩み》で無限ターンのようなコンボも可能です。
《永劫での歩み》をバイバックで唱えて《大スライム、スローグルク》に+1/+1カウンターを3個乗せ、2つ目の能力で手札に戻し、3つ目の能力でバイバックコストに充てた土地を回収し、追加された土地のプレイ回数によってそれらをまた戦場に出す、という中々強引な手順になります。
必要なパーツ数や下準備が多いため、揃えばラッキー程度に考えて頭の片隅に置いておくのが良いでしょう。

 
不吉な首領、トヴォラー/Tovolar, Dire Overlord
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新たな赤緑の統率者候補。
フレイバー通り、狼男デッキを作るための統率者と言えるでしょう。

1つ目の能力は《トレストの密偵長、エドリック》のようなドロー能力。
狼や狼男と種族が指定されていますが、非常に強力な能力なのでどんどん誘発させるために軽いものは全て採用したいところ。もちろん多相持ちの似非狼、似非狼男も全力で採用しましょう。

2つ目の能力は昼/夜を切り替えにくい統率者戦で狼男をちゃんと活用できる強力な能力。
統率者戦では基本的に昼で戦う事が多いので狼男デッキは今まで統率者デッキとしては存在できませんでした。
統率者としては無くてはならない能力です。

過去の狼男は昼/夜による変身の切り替えではありませんでしたが、この能力は恐らく統率者戦で使われることも考慮され、ちゃんと過去の狼男も一緒に変身させてくれるという親切設計。
残念ながら『異界月』の《ケッシグをうろつくもの》などの狼男・ホラーたちは変身させてくれませんがそこまで望むのは欲張りかもしれません。

ウラ面の起動型能力は《ケッシグの狼の地》のような能力。
戦闘ダメージをプレイヤーに与えないとドローできないため、X=0でトランプルを付与するためだけでも使い道のある地味ツヨ能力です。

大量の狼や狼男、全体強化手段、追加戦闘フェイズカードとデッキを構成する要素は非常にシンプルで分かりやすく、構築しやすい統率者といえるでしょう。
プレイ中は昼/夜の管理、オモテとウラの管理が非常に面倒なのでそこだけ注意が必要です!

 
星の大魔導師、ヴァドリック/Vadrik, Astral Archmage
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新たな青赤の統率者候補。
自分が唱えるインスタントやソーサリーが統率者のパワー分コストを軽減できるという非常にきな臭い能力を持っています。

固有色的にも能力的にも《イズマグナスのミジックス》と近しい構成のデッキになりそうです。
こちらも条件を満たせば《反復》+《捨て身の儀式》(などの赤2マナ以上加えるカード)で無限赤マナコンボが完成します(《反復》のバイバックコストも統率者の能力で軽減させる事が出来るため)。
コンボパーツを《火想者の予見》で探してくる事を考えるならそのまま《ふにゃふにゃ》を無限に唱えてフィニッシュするのがスマートです。

《イズマグナスのミジックス》は経験カウンターを4個以上得る事が条件でしたが、こちらは統率者のパワーが4以上になる事が条件です。
自身の能力に頼って昼/夜を何度も切り替えて強化していくのではもちろん時間がかかりすぎるため、《粗暴な力》など一時的にでもいいので統率者を強化出来るようなカードを使ってさっさと条件を満たしましょう。

経験カウンターをじっくり貯めないといけない代わりに一度得た経験カウンターはまず干渉される事のない《イズマグナスのミジックス》、統率者を対処されてしまうとつまづいてしまう代わりにすぐに無限コンボの条件を満たせる《星の大魔導師、ヴァドリック》、どちらも長所と短所があるので使う人の好みで選ぶといいでしょう。

 

・無色

月銀の鍵/Moonsilver Key
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マナアーティファクトを探せる新しいタイプのアーティファクト。
よく持ってきそうなのは《玄武岩のモノリス》《ファイレクシアの供犠台》《アシュノッドの供犠台》《クラーク族の鉄工所》などの無限マナコンボに使えるアーティファクトや《かごの中の太陽》《魔力の篭手》などの誘発型マナ能力を持つ単色デッキサポートアーティファクトですね。

基本的には先述の無限マナコンボを一直線に目指すようなデッキでの採用が考えられますが、《永遠王、ブレイゴ》デッキでのフィニッシュ手段《隕石》を探すために使う等、意外な所でも出番があるので覚えておいて損はないカードです。

 

・土地

さびれた浜/Deserted Beach
憑依された峰/Haunted Ridge
草茂る農地/Overgrown Farmland
落石の谷間/Rockfall Vale
難破船の湿地/Shipwreck Marsh
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今回の新たな2色土地のサイクル。
よほど高速環境でない限りはほぼ問題なくアンタップ状態で出せるため、《雲海》などのバトルボンド土地のように色が合うならとりあえず入れておいて問題はないでしょう。

 

・統率者デッキを強化しよう!

この項目では『イニストラード:真夜中の狩り』から統率者戦を始めるプレイヤー向けにどういった指針で強化していけばいいのかの解説、そして最初のステップとしての簡単なIN-OUT例(大体20枚前後)を紹介していきます。
デッキリストは公式サイトからご確認いただけます。

 

「集会カウンター」

統率者候補は《秋の君主、レノール》か《シガルダ教の使者、カイラー》。

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この2枚の統率者から選ぶとしたら《シガルダ教の使者、カイラー》の方が強力で方向性が分かりやすい統率者になります。
《秋の君主、レノール》の能力は統率者にしてデッキを組むには決定力に欠け、勝ちきる事が難しい統率者になってしまいます。

《シガルダ教の使者、カイラー》は能力がシンプルで分かりやすい統率者です。

1つ目の能力は人間クリーチャーを戦場に出すだけで容易に誘発させる事が出来ます。
2つ目の能力は統率者にカウンターが乗っていればなんでもよく(大抵+1+1カウンターになりそうですが)、1つ目の能力を誘発させるためにばら撒いた人間をそのまま強化してくれます。

どちらの能力も使いやすく、初心者にはぴったりの統率者と言えるので、今回は《シガルダ教の使者、カイラー》を統率者にする方向性でデッキを考えていきましょう。

 
デッキの基本的な動きとしては
1.人間クリーチャーを並べる
2.統率者を出す
3.更に人間クリーチャーを並べて1つ目の能力を誘発させる
4.統率者に+1/+1カウンターを乗せて2つ目の能力の威力を上げる
5.攻撃して勝利!
というものです。

1.でも3.でも必要になる人間クリーチャーですが、シンプルに強力な能力を持っている人間クリーチャーを入れておくとゲームを有利に進める事が出来るのである程度採用したいところ。

1枚で複数回統率者の1つ目の能力を誘発させるわけではないので、どちらかというと1.のタイミングで欲しいカードです。

心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard
ルーンの母/Mother of Runes
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・・・主に統率者を守るためのクリーチャー

威圧する君主/Imposing Sovereign
異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar
粗暴な聖戦士/Brutal Cathar
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・・・安易にブロックされないように妨害するクリーチャー

光輝王の野心家/Luminarch Aspirant
サリアの副官/Thalia's Lieutenant
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・・・サイズを上げるクリーチャー

ドラニスの判事/Drannith Magistrate
エスパーの歩哨/Esper Sentinel
雨ざらしの旅人/Weathered Wayfarer
ドーンハルトの主導者、カティルダ/Katilda, Dawnhart Prime
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・・・その他優秀な能力持ちのクリーチャー

 
3.のタイミングで欲しいのはカード1枚で1つ目の能力を複数回誘発させる事が出来るカード。

町民の結集/Gather the Townsfolk
踊りへの参加/Join the Dance
ハンウィアーの民兵隊長/Hanweir Militia Captain
輝かしい聖戦士、エーデリン/Adeline, Resplendent Cathar
銅纏いの呼集/Call the Coppercoats
スレイベンの破滅預言者/Thraben Doomsayer
太陽の宿敵、エルズペス/Elspeth, Sun's Nemesis
自由の勇者、トリン/Trynn, Champion of Freedom
高まる献身/Increasing Devotion

コストが軽いものや1枚で3回以上誘発させられるインパクトの強いものを中心に選別しています。

 
IN 20
心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard
ルーンの母/Mother of Runes
威圧する君主/Imposing Sovereign
異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar
粗暴な聖戦士/Brutal Cathar
光輝王の野心家/Luminarch Aspirant
サリアの副官/Thalia's Lieutenant
ドラニスの判事/Drannith Magistrate
エスパーの歩哨/Esper Sentinel
雨ざらしの旅人/Weathered Wayfarer
ドーンハルトの主導者、カティルダ/Katilda, Dawnhart Prime
町民の結集/Gather the Townsfolk
踊りへの参加/Join the Dance
ハンウィアーの民兵隊長/Hanweir Militia Captain
輝かしい聖戦士、エーデリン/Adeline, Resplendent Cathar
銅纏いの呼集/Call the Coppercoats
スレイベンの破滅預言者/Thraben Doomsayer
太陽の宿敵、エルズペス/Elspeth, Sun's Nemesis
自由の勇者、トリン/Trynn, Champion of Freedom
高まる献身/Increasing Devotion

 
OUT 20
無限地帯/Myriad Landscape
アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin
哀悼の壁/Wall of Mourning
アブザンの鷹匠/Abzan Falconer
ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder
カストーディの霊魂縛り/Custodi Soulbinders
鱗衛兵の精鋭/Elite Scaleguard
戦争の伝令/Herald of War
ケッシグの檻破り/Kessig Cagebreakers
勝利の特使/Victory's Envoy
安らかに旅立つ者/Dearly Departed
ソンバーワルドの獣使い/Somberwald Beastmaster
トロスターニの召喚士/Trostani's Summoner
収穫の祝賀者、クルビス/Kurbis, Harvest Celebrant
絡みつく網の呪い/Curse of Clinging Webs
成長の発作/Growth Spasm
収穫の宴/Celebrate the Harvest
服従の呪い/Curse of Conformity
獣性の脅威/Bestial Menace
死の存在/Death's Presence


ここから更に発展させていく場合、《スレイベンの守護者、サリア》《輝きの乗り手》などの相手の動きを遅くさせるようなヘイトベアと呼ばれるようなクリーチャーをより多く採用していく構成が考えられます。
その場合は統率者の2つ目の能力を複数回誘発させるようなカードの採用数が減ってしまうため爆発力は少し失われてしまうかもしれません。

相手への妨害を最小限にしてより爽快感を求める構成にしたい場合は緑によくある+1/+1カウンターの数を倍にする《活性化のうねり》系統のカードを採用して統率者に乗ったカウンターを爆発的に増やしていって自軍の人間クリーチャーをムキムキにして攻撃していくのが良いでしょう。
トランプルを持たせる事も重要になるので《圧倒する暴走》《踏み荒らし》などの採用も考えられます。

白緑らしく素直にクリーチャーを並べて一斉攻撃!という構成になりやすいので、先述した通り初心者にオススメの統率者です。

 

「アンデッド解放」

統率者候補は《腐敗の大鉈、ウィルヘルト》と《ネファリアの捜索者、エロイーズ》。

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こちらは集会カウンターとは異なりどちらの統率者もそれぞれの長所を活かせるような統率者デッキを組むことが可能です。

せっかくなので今回は青黒のゾンビシナジーデッキを《腐敗の大鉈、ウィルヘルト》統率者で組んでみましょう。

 
《腐敗の大鉈、ウィルヘルト》はゾンビに関する誘発型能力を2つ持っています。

1つ目の能力は他のカードのコストで生け贄にしたり、戦闘で破壊されてしまったりしても(腐乱を持っているとはいえ)ゾンビトークンが補填されるため戦線を維持しやすい能力です。

戯れ児の縫い師》が変身して《戯れ児の工場》になっていると、1つ目の能力で生成されるトークンが3/3のゾンビになって腐乱を失うため、無限生け贄コンボが出来ます。
ファイレクシアの供犠台》《アシュノッドの供犠台》なら無限マナ、《爆破基地》なら無限ダメージ、《屍肉喰らい》なら無限パンプアップ、等々。
爆破基地》以外はすぐにフィニッシュしてくれるわけではありませんが、更に横に《ズーラポートの殺し屋》《戦墓の隊長》《ロークスワインの元首、アヤーラ》《疫病吹き》がいればフィニッシュにつながります。

また、元から《屋根の上の嵐》が入っているので、せっかくなのでこれも活用したお手軽無限コンボも採用しましょう。
アーチリッチ、アサーラック》を追加で入れるだけで無限ダンジョン探索のコンボが出来ます。
他には《墓所這い》+生け贄手段(+戦場に他にゾンビ)で墓地から《墓所這い》を0マナで唱え続けて無限生け贄コンボも出来ます。

どのコンボパーツも無限コンボしていない時にもそこそこの働きをしてくれるので無理なく採用出来るコンボですね。

 
2つ目の能力はゾンビをドローに変換できる能力。
1つ目の能力で生成された腐乱トークンを生け贄に捧げるのが一番無駄になりにくい使い方ではありますが、誘発するタイミングが自分のターンの終了時だけと少し遅く、アドバンテージの稼ぎ方もマイルド。
コンボパーツを集めにいく時にちょっと便利程度のものなので、毎ターン忘れないように誘発させましょう。

 
あとは構築済みデッキでは採用されていないゾンビシナジーのカードをピックアップしていきましょう。

縫込み刃のスカーブ/Bladestitched Skaab
アンデッドの王/Lord of the Undead
アンデッドの戦長/Undead Warchief
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・・・ゾンビの打点を上げてくれるカード。
特に腐乱持ちのトークンで攻撃する場合は1回しか攻撃出来ないので、なるべくしっかりとしたサイズに育ててから攻撃したいですね。

死体の収穫者/Corpse Harvester
墓所破り/Cryptbreaker
墓生まれの詩神/Graveborn Muse
冥府の世話人/Infernal Caretaker
無情な死者/Relentless Dead
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・・・手札リソースを確保してくれるカード。
コンボパーツを探す都合上ドローやドローに変換できるゾンビカードを確保できるこれらのカードは必須です。

墓への呼び声/Call to the Grave
有毒グール/Noxious Ghoul
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・・・ゾンビ以外に破滅をもたらす除去カード。ゾンビで固めるならぜひ。

旗印/Coat of Arms
運命の扉/Door of Destinies
勝者の戦旗/Vanquisher's Banner
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・・・ゾンビに限らず部族デッキなら採用を検討したいカード。特に打点を上げてくれるものは今回のデッキにぴったりです。

 
今までの項目にあてはまらなかったので紹介できませんでしたが、死亡しやすいorしても回収しやすいゾンビ、すぐ死亡する腐乱持ちクリーチャーを使うという事で《頭蓋骨絞め》がデッキ的に非常に強く使えます。
コンボパーツを探しにいくためにもぜひ採用しましょう。

 
IN 24
戯れ児の縫い師/Poppet Stitcher
ファイレクシアの供犠台/Phyrexian Altar
アシュノッドの供犠台/Ashnod's Altar
爆破基地/Blasting Station
屍肉喰らい/Carrion Feeder
ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat
ロークスワインの元首、アヤーラ/Ayara, First of Locthwain
疫病吹き/Plague Belcher
アーチリッチ、アサーラック/Acererak the Archlich
墓所這い/Gravecrawler
縫込み刃のスカーブ/Bladestitched Skaab
アンデッドの王/Lord of the Undead
アンデッドの戦長/Undead Warchief
死体の収穫者/Corpse Harvester
墓所破り/Cryptbreaker
墓生まれの詩神/Graveborn Muse
冥府の世話人/Infernal Caretaker
無情な死者/Relentless Dead
墓への呼び声/Call to the Grave
有毒グール/Noxious Ghoul
旗印/Coat of Arms
運命の扉/Door of Destinies
勝者の戦旗/Vanquisher's Banner
頭蓋骨絞め/Skullclamp

 
OUT 24
詰まった河口/Choked Estuary
ボジューカの沼/Bojuka Bog
亡骸のぬかるみ/Mortuary Mire
煌めく監視者/Gleaming Overseer
真夜中の死神/Midnight Reaper
灯を刈り取る者/Spark Reaper
忘れられた作品/Forgotten Creation
影族/Shadow Kin
アンデッドの錬金術師/Undead Alchemist
永遠衆の天空王/Eternal Skylord
縫い師、ゲラルフ/Stitcher Geralf
無情な死牙/Ruthless Deathfang
マラキールの解体者/Butcher of Malakir
希望喰らい/Eater of Hope
墓甲羅、ゴーレックス/Gorex, the Tombshell
戦慄衆の侵略/Dreadhorde Invasion
眠れぬ死者の呪い/Curse of the Restless Dead
霊気渦竜巻/AEtherspouts
解放の呪い/Curse of Unbinding
忌むべき者の軍団/Army of the Damned
戦慄の召喚/Dread Summons
夢まみれ/Drown in Dreams
永遠の刻/Hour of Eternity
死の権威、リリアナ/Liliana, Death's Majesty

ここから更に発展させていく場合、せっかく青が入っているので打ち消し呪文をある程度採用して妨害力/コンボ完走力を高めていくと良いでしょう。
その際どうしても自分の動きを伸ばすカード(ゾンビカード、戦力を増強するカード、ドローカード)を減らさざるを得ず、そうなると自分の動きが少し遅くなってしまいます。
バランスを考えつつ調整するようにしましょう。

もしくはゾンビを並べて攻撃するプランを捨てて、無限コンボを一直線に狙う形にしても良いかもしれません。
その場合もやはり打ち消し呪文を採用して、ゾンビに関わらずドロー&サーチ呪文を採用していく事になります。

 
ゾンビを並べて攻撃しつつ、無限コンボが揃ったらすぐに勝利を狙える、割とアグレッシブな形のデッキになりました。
「集会カウンター」《シガルダ教の使者、カイラー》は統率者を対処されてしまうと一気に苦しくなってしまいますが、それに比べると「アンデッド解放」《腐敗の大鉈、ウィルヘルト》の場合はそこまで統率者に依存していないため統率者を対処されても被害は大きくありません。

しかも盤面が整っていなくとも《屋根の上の嵐》+《アーチリッチ、アサーラック》のような別の角度から決める無限コンボも搭載されているため、粘り強く戦えるデッキです。

アグレッシブに攻撃するプランと無限コンボを揃えるプランの両方を狙えて、統率者戦らしい戦い方を学べる、初心者にオススメのデッキです。

今回の『イニストラード:真夜中の狩り』編の記事はこれで終了です。

テーブルトップのイベントが再開されているため、スタンダードなどのフォーマットで遊ぶ方が増えており、そちらに注目がいっている人が多いかもしれません。
久々にご友人と顔を合わせて遊ぶ統率者戦も絶対に楽しいので、ぜひ新しい統率者、新しいコンボパーツを活用して楽しい統率者戦ライフを過ごしてください!

では次回の『イニストラード:真紅の契り』編でお会いしましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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