岡本桂多のKill them All!~『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』編 前編~
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お久しぶりです!Bigweb統率者戦担当の岡本桂多です!
『ニューカペナの街角』も発売されてしばらく経ちましたが、皆さん楽しい統率者戦ライフをお過ごしでしょうか?
僕個人でも『ニューカペナの街角』の統率者でいくつか新しくデッキを組みましたが、最終的に《魂の養育者、ベス》が手に馴染んだので今後もアップデートしていく予定です!
今回はパック名にも入っている通り統率者用のセット、更に『ダンジョンズ&ドラゴンズ』とのコラボセットになります。
サイコロをふるカードが増えるということで《デヴィルに選ばれし者、ファリダ》《古き者どもの激怒、ヴロンディス》デッキが強化されそうですね。
新システムは背景選択&背景とイニシアチブ。
「背景選択」を持つ統率者と「背景」エンチャントを1枚ずつ自分の統率者にしてデッキを組んで良い、という共闘に似たシステムです。
「背景選択」統率者と能力的に相性が良い「背景」エンチャントを選んでデッキにするのがコンセプトですが、「背景選択」「背景」を選んで、それを活用するためにカラーマーカーとしてもう片方を選ぶようなデッキ構築も考えられます。
共闘の場合、相性が良い統率者2体を戦場に出した時、《毒の濁流》《神の怒り》などの全体除去を使われると2体とも処理されてしまい、展開し直すのに相当なマナがかかってしまう欠点がありました。
今回は「背景」がエンチャントなので、攻撃やブロックは出来ませんがクリーチャー除去に巻き込まれないという強力なメリットがあります。
色や構築によってはエンチャントに触れないデッキもあるので、より安定した動きのデッキが作れるでしょう。
イニシアチブは『ダンジョンズ&ドラゴンズ』らしい新たなダンジョン探索ギミック。
前回の『フォーゴトン・レルム探訪』の時はそこまで強力なダンジョン探索統率者はいませんでしたが、イニシアチブを維持している間はアップキープに勝手に探索してくれるので、ダンジョン探索がよりやりやすくなっていますね。
イニシアチブを維持するのは統治者を維持するのと同じぐらい難しいのでデッキ構築をそれ専用に尖らせる必要がありますが、その分デッキ構築のし甲斐があります。
目次
・
・背景選択と背景
・背景選択+背景デッキ案
・各色の注目カード
この項目では個別のカードを見ていきます。
「背景選択」統率者と「背景」エンチャントをそれぞれ統率者にする場合に関しては後編でまとめて紹介していきます。
・白
《エインシャント・ゴールド・ドラゴン/Ancient Gold Dragon》
エインシャントシリーズの白はトークン生成。
コストが重いですが、リターンは非常に大きいですね。
20面サイコロを1回振った時、出る目の平均値は10.5との事です。
戦闘ダメージが通るたびに10体の1/1飛行トークンが出ると考えると相当なカードパワーです。
どうしてもコストの重さがネックになるので、《アニマのメイエル》《謎めいた君主、イェンネット》《巨大なるカーリア》などのコスト踏み倒し系の統率者で追加の「当たり枠」として採用するのが良いでしょう。
《オグマの文書管理人/Archivist of Oghma》
白お得意のいわゆるヘイトベアクリーチャー。
今回は対戦相手のサーチ手段に対して自分も恩恵を受けられるというもの。
ヘイトベアとは表現しましたが、対戦相手の行動を阻害しているわけではないので《エイヴンの思考検閲者》《レオニンの裁き人》のようなロックを目的としての採用は出来ません。
ヘイトベアは対戦相手全員からヘイトを稼ぐため、しっかりとロック出来ないとただタコ殴りにされるだけだったり誰かに除去されて終わったりと、せっかく出したけど数ターン時間を引き延ばしただけになってしまい、使い方が難しいです。
《オグマの文書管理人》は出すタイミングを見極めればとりあえず1枚はカードを引けるので手札を失わないのは優秀です。
サーチが重要な統率者戦でこのカードが腐る事は中々無いので、今後は白ければ大抵の場合は入れ得カードとしてよく見かける事になるでしょう。
《アヴェルヌスからの上昇/Ascend from Avernus》
白によくあるクリーチャーを一気に戦場に戻すカードの最新版。
今回は元のコストが白3マナと重いデメリットはあるものの、《先祖の結集》のように戦場に戻ったカードは時間経過で追放されたり、《戦列への復帰》のようにマナ総量に制限があったり、そういったデメリットが消えており、総じて使いやすくなっています。
これまで通り《夢の巣のルールス》《幽霊の酋長、カラドール》などの墓地を第二の手札として活用するデッキで、無限頑強コンボなどクリーチャーベースの無限コンボを一気に揃える手段としての活躍が期待できます。
《世話焼き、エリン・ハーブリーズ/Ellyn Harbreeze, Busybody》
新たなトークンシナジーのカード。
起動にタップが必要なので毎ターンとは言えませんが《動物学者、ベニー・ブラックス》と似たような働きをしてくれます。
あちらとは異なり、一度にたくさんトークンを生成すればその分特定のカードを探しにいきやすくなるという強みもあります。
その性質の違いから、毎ターンコンスタントにトークンを生成してほしい《動物学者、ベニー・ブラックス》とは活躍できる統率者が異なってきます。
《キイェルドーの王、ダリアン》《薄暮薔薇、エレンダ》《シルバークイルの牙、フェリーサ》《アーボーグの暴君、ネビニラル》など、一度にたくさんトークンを生成出来る統率者であれば強く扱えるでしょう。
《燃える拳/Flaming Fist》
二段攻撃を付与してくれるエンチャント。
《決闘者の遺産》とほぼ似たような使い方になりますね。
あちらとは異なり統率者以外に二段攻撃を持たせられないので下位互換のような扱いになりますが、統率者ダメージを狙うデッキであれば二段攻撃は打点を稼ぐためにも非常に重要なので、採用の余地はあります。
《ティアのグレートソード/Greatsword of Tyr》
マナ総量、装備コストともに比較的軽く、それでいて打点も回避能力もそこそこ与えてくれる装備品。
打点だけ、回避能力だけで見れば他にも選択肢はありますが、これだけのコストの軽さであれば十分に採用の余地はあります。
《アッシュベイルの英雄、グウィン卿》《ブルーノー・バトルハンマー》《鋼の魂、ワイレス》などの装備品メインで統率者ダメージを稼ぐデッキ、《魂の養育者、ベス》《シルバークイルの牙、フェリーサ》《アラシンの守護者、ハムザ》などの+1/+1カウンターを活用するデッキで採用できそうです。
《ヴラーキスの勇者、ラエゼル/Lae'zel, Vlaakith's Champion》
実質《硬化した鱗》内蔵クリーチャー。
この系統のカードは他にも《議事会の導師》《空想小僧、ピール》など複数いるため、+1/+1カウンターを活用する《野生の意志、マラス》《胞子の教祖、ゲイヴ》などで追加として採用できます。
同系統のカードとは異なり自分がカウンターを得る場合にも働くため、《蘇りしダクソス》《イロアスの信奉者、カレムネ》《疫病をもたらす者、ケルシン》といった経験カウンター参照統率者にも採用できる点も見逃せません。
《竜渡り地区の巡回兵/Wyrm's Crossing Patrol》
最小マナ総量の無尽持ちクリーチャー。
自身も1マナ1/1回避能力なしと最低限のスペックしかないので無尽を発揮し続けるのは至難の業です。
とはいえ、うまく運用出来ればクリーチャートークンを3体戦場に出す事ができ、それによって「クリーチャーが戦場に出るたび」誘発する能力を3回誘発させられます。
《魂の養育者、ベス》《シガルダ教の使者、カイラー》などの統率者を強化するために使ったり、赤絡みのトークン統率者で《鍛冶の神、パーフォロス》の誘発回数を増やしたり、シンプルに《宴の結節点、ジェトミア》などのトークンで圧殺するデッキでクリーチャーの水増しとして使用したり、ただの1マナ1/1にしては活躍の機会は多いでしょう。
出てきたトークンが無駄死ににならないように《爆破基地》《ゴブリンの砲撃》なども使えるとなお良いですね。
《民衆英雄/Folk Hero》
部族シナジー用のカード。
これぐらいのコストの軽さ、誘発のしやすさ、リターンの大きさであれば背景選択でなくデッキに入れても十分に活躍しそうです。
統率者にドロー能力を持たせるため、《エドガー・マルコフ》のようなゲームの大半を統率領域で過ごすような統率者では残念ながら使えません。
《希望の源、ジアーダ》《シガルダ教の使者、カイラー》のようにクリーチャーを展開する前に統率者を戦場に出すタイプの部族デッキでドロー手段として強く扱えるでしょう。
《ディープ・ノームの地形術師/Deep Gnome Terramancer》
《オグマの文書管理人》といい、従来の白のヘイトベアとは異なるタイプのクリーチャー。
《レオニンの裁き人》のように「相手が利益を得るのを妨害する」というデザインではなく、「相手が利益を得るなら自分も同等の利益を得させてもらおう」というデザイン。
モダンやレガシーほどではありませんが、統率者戦でも《溢れかえる岸辺》のようなフェッチランドはよく使われますし、緑の《不屈の自然》などのマナ加速もあるため、ボーナスを得られる機会は多いでしょう。
単色でマナアーティファクトに頼るような赤単や黒単しかいないような卓では活躍できませんが、結構なレアケース。
緑のマナ加速でも《桜族の斥候》《成長のらせん》のような「土地を戦場に出す」カードだとボーナスを得られますが、《踏査》《迷える探求者、梓》のような「土地を追加でプレイできる」カードには反応しない点にも注意が必要です。
・青
《エインシャント・シルヴァー・ドラゴン/Ancient Silver Dragon》
エインシャントシリーズの青はドロー、更に手札上限も撤廃してくれるので引きすぎて使い切れない・・・という心配もありません。
ただし、サイクル中最高の8マナというコストが文字通り重くのしかかってきます。
それゆえどんなデッキでも採用出来るというわけではありません。
最も分かりやすく使いこなせるのは《始祖ドラゴン》ですね。
他にも《深海の破滅、ジャイルーダ》《願いの頂点、イルーナ》《死の波のアラウミ》など、ライブラリーや墓地からコストを踏み倒せる統率者での追加の当たり枠として採用できますね。
一回でも能力を誘発させられればほとんど仕事は終わったも同然なので、《騙し討ち》や《エレボスの鞭》など、一時的に戦場に出すようなカードで投げつけても良く、将来的に相性が良いカードも増えてきそうなカードです。
《ディスプレイサーの仔猫/Displacer Kitten》
クリーチャーでない呪文を唱える、という割と誘発させやすい条件で土地でないパーマネントを明滅させられます。
色々なコンボの香りがしてきますね。
《モックス・アンバー》や《金粉の水蓮》など色マナを出せる上に自身のマナ総量以上にマナを加えられるカードはコンボしやすいです。
例えば《秘教の思索》《ヴォルラスの気まぐれ》などのバイバックカード+《金粉の水蓮》で無限ストーム、白いパーマネントがあれば《上空からの視界》+《金粉の水蓮》で無限マナなど。
インスタントを構えておけば自分自身を明滅させる事で単体除去を回避したり、トランプルがなければクリーチャーの攻撃を防いだり、中々に場持ちの良いクリーチャーというのも高評価です。
《ローブ・オヴ・ジ・アーチマギ/Robe of the Archmagi》
マナ総量、装備コスト共に比較的重いだけあって結構な枚数カードを引かせてくれる装備品。
装備コスト4は重いので、ウィザード、邪術師、シャーマンでないクリーチャーに装備する事は(《希望の焚きつけ屋、ゲイリア》デッキなどの例外を除けば)考えない方が良いでしょう。
ウィザード、邪術師、シャーマンの統率者候補は結構いますが、あまり戦闘ダメージを通す事を得意とする統率者はいません。
《燃えがらの風、エイデリズ》《二柱に愛されしユートロピア》《パルン、ニヴ=ミゼット》《火想者ニヴ=ミゼット》《日照のトゥヴァーサ》デッキあたりが攻撃を通しやすく、かつパワーがそこそこあるのでドロー量も申し分ないレベルでしょうか。
邪術師はともかくウィザードやシャーマンは割と一般的なクリーチャータイプなので今後も追加が容易に考えられ、将来性もある装備品ですね。
《アーティフィサー・クラス/Artificer Class》
新たなクラスカード。
名前にもある通りアーティファクトに関する能力が詰め込まれており、アーティファクトメインのデッキで採用すると強力です。
レベル1能力は1ターンに1回だけとはいえ、アーティファクトを1マナ軽くしてくれます。《エーテリウムの彫刻家》とまでは言えませんが、序盤に出せるとその後の展開スピードが段違いになるでしょう。
レベル2能力はアーティファクトデッキで使うといわゆるハズレが多くなってしまうので、あまり強くないかもしれません。
レベル3能力はいわゆる奥義で非常に優秀ですが、コストが6マナと非常に重いので起動するタイミングには注意が必要です。
一応《時の篩》+《マイアの戦闘球》で《マイアの戦闘球》をコピーする事で無限ターンのコンボが出来るので、《時の篩》を強く使える《覇者シャルム》《エーテリウム造物師、ブレイヤ》などに忍ばせておくと良いアクセントになりますね。
・黒
《影盗賊団の工作員/Agent of the Shadow Thieves》
統率者が攻撃しやすくなる背景エンチャント。
背景として設定しても良いですが、これぐらいのマナ総量の軽さと能力であれば、普通にデッキに採用しても良いレベルです。
基本的には統率者ダメージを狙う統率者で使う事になるでしょう。
特に《荒廃のドラゴン、スキジリクス》を始めとする感染で攻めていくデッキで優秀です。
感染持ちで攻撃しても対戦相手のライフを減らさずに済むので「さっき攻撃したプレイヤーにもう一回攻撃したかったけどライフを減らしちゃったから条件を達成できない・・・」というジレンマに陥りにくくなります。
他には、接死を持たせてくれるので《転生するデアリガズ》《永遠の陽気もの、オツリーミ》《ネコルーの女王、ワシトラ》などのトランプル持ち統率者と合わせると接死+トランプルで非常に攻撃を通しやすくなったり、相性の良い統率者は結構いますね。
《エインシャント・ブラス・ドラゴン/Ancient Brass Dragon》
エインシャントシリーズの黒はクリーチャーを墓地から戦場に出してくれます。
他のエインシャントシリーズに比べると、(対戦相手でも良いとはいえ)墓地にクリーチャーを予め落としておく必要がある事、サイコロの出目によっては完全なスカが存在してしまう安定性の低さから少し使いにくい場面があります。
これもやはりマナ総量の重さもあるのでどんなデッキでも使えるというわけではありません。
《汚らわしき者バルソー》《墓場波、ムルドローサ》などの墓地肥やしがふんだんに採用されているデッキや《謎めいた君主、イェンネット》《死の波のアラウミ》などの踏み倒しが容易なデッキで追加のフィニッシャーとして使うのが良いでしょう。
《闇の大司法官、シャドウハート/Shadowheart, Dark Justiciar》
背景選択持ちの統率者候補。
コストにマナと自身のタップが必要ですが、《生命の遺産》を内蔵しています。
自身を生け贄に捧げられないという若干の使いにくさはありますが、並のドローカード以上のパフォーマンスを見せてくれます。
固有色に黒を含み、クリーチャーベースの統率者であればコストに困る事はないでしょう。
《汚らわしき者バルソー》《狂気を操る者チェイナー》《幽霊の酋長、カラドール》《甦る死滅都市、ホガーク》《ネル・トース族のメーレン》などなど、相性の良い統率者は無数に存在します。
《ボーラスの信奉者》に比べると即効性に欠けるものの継続してドローが出来るので、少し中長期戦を見越した構築の場合はこちらを優先して採用すると良いでしょう。
《闇市の人脈/Black Market Connections》
《ファイレクシアの闘技場》のような恒久的にアドバンテージを得られるエンチャント。
今回は3つのモードから1つ以上を選ぶことが出来ます。
基本的には1つ目と2つ目のモードを選ぶ事が多いですね。
3つ目のモードは緊急でブロッカーや生け贄用のクリーチャーが必要な時以外は選ぶ事はないでしょう。
2つ目のモードの毎ターン追加の1ドロー+2点ライフだと《ファイレクシアの闘技場》よりも弱いですが、宝物トークン+1点ライフも選べるのは非常に優秀。
特に序盤に《ファイレクシアの闘技場》を設置すると、しばらくは補充された手札を使い切るのが難しい事が多く、展開をサポートしてくれる宝物トークンは非常に便利です。
出した瞬間に仕事をしてくれないのは《ファイレクシアの闘技場》と同じですが、ある程度ゲームが長引きそうなデッキでは必須級のカードです。
《地下墓地より/From the Catacombs》
《墓場からの復活》しつつイニシアチブを得られるカード。
釣り上げたクリーチャーは墓地ではなく追放されるので、対戦相手の墓地利用を予防する事も出来るのは便利ですね。
イニシアチブを得るカードは大体単発で、イニシアチブを奪われた後は戦闘ダメージを与える事でしか奪い返せません。
このカードはコストこそ少々重いものの、脱出によって再度イニシアチブを得て無理やり取り返す事が出来るのが他のイニシアチブカードよりも優れている点です。
デッキ全体をダンジョン探索に偏らせる必要はありませんが、多少墓地利用が出来るデッキなどで1枚入れておくと追加でアドバンテージを獲得する手段としていぶし銀の活躍を見せてくれるでしょう。
・赤
《エインシャント・カッパー・ドラゴン/Ancient Copper Dragon》
エインシャントシリーズの赤は宝物トークンを生成します。
サイクル内で唯一の6マナというマナ総量の軽さと宝物トークンという青のドローと同じぐらい腐りにくいリターンのおかげで最強クラスと言えます。
これだけマナ総量が軽ければよほどデッキを軽量化していない限りは無理なく採用できるレベルでしょう。
6マナかけて《エインシャント・カッパー・ドラゴン》を出した後に更にマナを加速させるので、使い道は少々異なるものの《無双の古きもの、クラウス》《凶暴な熱口》《年老いた骨齧り》のようなクリーチャーを採用するデッキであればこのカードも一考の余地があります。
不安定ではありますが《追い討ち》があると(ダイス運が極端に悪くなければ)無限戦闘フェイズっぽい事が出来るので、《追い討ち》を採用しているデッキであればついでにこれも入れておくと良いでしょう。
もちろん《始祖ドラゴン》《鉤爪のジィーリィーラン》《ドラゴンの女王、ラスリス》などのドラゴンデッキではほぼ文句なしに採用出来るレベルです。
《カーネリアン・オーブ・オヴ・ドラゴンカインド/Carnelian Orb of Dragonkind》
ちょっと特殊なマナ加速。
3マナで赤1マナしか加えないのは《ダークスティールの鋳塊》《統率者の宝球》以下というちょっと弱めの効率。
ボーナスが魅力的で、このマナでドラゴンクリーチャー呪文を唱えたら速攻を持たせてくれます。
ドラゴンは《災火のドラゴン》《ヘルカイトの暴君》、そして新戦力《エインシャント・カッパー・ドラゴン》など、戦闘ダメージをプレイヤーに与える事で誘発する能力を持つクリーチャーが多く、そういったクリーチャーは速攻を持つかどうかで強さが段違いになります。
赤は元々速攻付与手段が豊富ですが、ドラゴンがいない時にもとりあえずマナアーティファクトとして使えるので腐りにくいのは強みですね。
《アヴェルヌスの憤怒、カーラック/Karlach, Fury of Avernus》
背景選択持ちの統率者候補。
赤お得意の追加の戦闘フェイズを加えてくれるカード。
《戦闘の祝賀者》のように自身が攻撃に参加する必要がないので即効性があり、《連続突撃》などのソーサリーとは異なりクリーチャーなので繰り返し使えて優秀な追加戦闘カードです。
《戦導者オレリア》《原初の嵐、エターリ》《ブリキ通りの重鎮、クレンコ》《軍団のまとめ役、ウィノータ》など、戦闘フェイズや攻撃するたびに誘発する能力を持つ統率者にとっては追加戦闘カードの選択肢は多ければ多いほどいいですね。
もちろん統率者としても背景エンチャントの色・能力によって様々な構成を考えられます。
例えば《激励する指揮官》を背景にしてデッキ内でトークン生成カードをふんだんに採用して白赤のトークンデッキにしたり、《犯罪者》や《巨人育ち》などを背景にして統率者ダメージを狙うデッキにしたり、自由度の高い構築が可能ですね。
《両手斧/Two-Handed Axe》
出来事持ちの装備品。
出来事の方は獰猛のなくなった《ティムールの激闘》。可もなく不可もなく、といった所。
装備品の方はパワーを2倍にするというシンプルながら強力な能力を持ちます。
統率者ダメージを狙ったり、毒殺を狙ったりするデッキでの採用が分かりやすいですね。
そういったデッキでは二段攻撃は非常に強力な能力ですが、二段攻撃を付与するだけのカードが複数枚来てしまうと2枚目以降は全く意味がなくなってしまいます。
このカードは二段攻撃が無い時は出来事で使えますし、他のカードで二段攻撃を付与できる場合は装備品として使う事で、元のパワーの4倍まで打点を引き上げてくれるという優れものになります。
装備品メインの《ブルーノー・バトルハンマー》《鋼の魂、ワイレス》などのデッキですんなりと採用できそうですね。
《魔法暴走/Wild Magic Surge》
《混沌のねじれ》系統の、なんでも処理出来るけどお詫びに何かを出させるカード。
共通のカードタイプのカードがめくれるまで公開していくようになっています。
《混沌のねじれ》は凶悪なクリーチャーがただの土地になったり、インスタントやソーサリーがめくれてノーダメージだったりしましたが、今回は少なくとも完全なスカは存在しません。
マナアーティファクトという明確な外れが存在するアーティファクト、害が少ない土地あたりが狙い目です。
デッキによっては極端に枚数が少ないクリーチャーやエンチャントも狙える場合があります。
もし1枚しかそのカードタイプが無ければ普通に単体除去として使えますね。
《混沌のねじれ》よりも1マナ軽いという事もあり、デッキ的にどうしても盤面に残っていたらマズいパーマネントが存在するデッキであればどちらも採用してしまって良いでしょう。
《面倒なクアジット/Bothersome Quasit》
使嗾を活用するクリーチャー。
《ひとつ目の暴君、カラジカール》などの使嗾メインのデッキで使っても良いですが、《面倒なクアジット》はクリーチャーでない呪文を唱えるという比較的誘発させやすい条件で使嗾させる事が出来ます。
《イズマグナスのミジックス》《星の大魔導師、ヴァドリック》のようなインスタント・ソーサリーを活用するデッキは往々にしてクリーチャー戦が苦手な事が多く、コンボを揃えるまでにライフを削られすぎるような事態に陥りやすいです。
《面倒なクアジット》はそういったデッキに入れると他に特に工夫する事なく簡単に使嗾を誘発させる事ができ、(他の対戦相手がいる限り)攻撃を防いでくれるので、見た目以上に良い働きを見せてくれるでしょう。
・緑
《エインシャント・ブロンズ・ドラゴン/Ancient Bronze Dragon》
エインシャントシリーズの緑は+1/+1カウンターを2体に置くことが出来ます。
エインシャントシリーズの中では黒に次いでちょっと使いづらいというのが正直な感想です。
マナ総量も7マナとしっかりと重く、戦闘ダメージを与えた後で強化するというちょっとしたテンポの悪さを感じてしまいます。
緑は他のエインシャントシリーズに比べるとマナ加速が豊富なためマナ総量の重さをカバーしやすい点が優秀です。
更に《鷺刃の精鋭》《円環の賢者》など、マナクリーチャーとしても使える上に《エインシャント・ブロンズ・ドラゴン》の能力で更にマナを飛躍的に加速させられるカードがある点も見逃せません。
他のエインシャントシリーズにも言えますが、二段攻撃を持たせた時のリターンが大きいのも良いですね。
先制攻撃のタイミングで1回誘発して強化して、通常攻撃のタイミングで強化された状態で戦闘ダメージを与える事が出来るので一気に相手のライフをもぎ取ってくれます。
《森の友、ジャヘイラ/Jaheira, Friend of the Forest》
背景選択持ちの統率者候補。
能力はちょっと特徴的で、トークンであればなんであっても緑マナを加えられるようになります。
これはもちろんクリーチャーである必要はないので、宝物であれば生け贄に捧げる必要なくマナを継続的に加えてくれますし、血・トークン、手がかりトークンなど通常であればマナとは無縁の存在のトークンからいきなりマナを生み出す事が出来るようになります。
クリーチャーでなければ召喚酔いの影響がないのもうれしいポイントですね。
手がかりトークンはともかく宝物や血は他の色の方が出しやすく、特に赤は《波止場の恐喝者》など宝物の生成は得意なので赤緑系のデッキで今後見かける事が多くなりそうです。
《巨人育ち/Raised by Giants》
緑の背景エンチャントですが、背景として設定しなくても十分に強いですね。
統率者の基本のパワーとタフネスを10にしてくれるので、統率者ダメージが一気に狙いやすくなります。
基本のパワーとタフネスをいじるので、その他の修正や+1/+1カウンターの計算が後から入るため、ちょっと強化するだけでパワーが11以上、つまり2回攻撃を通すだけで統率者ダメージ21点を狙えるようになります。
素のパワーが大きい《カーの空奪い、プローシュ》などの統率者よりも、素のパワーが小さい代わりにパワーを参照する《死体起こし、ジャイラス》《エルフの刃、ラスリル》《養育者、マーウィン》のようなデッキの方が恩恵を実感しやいでしょう。
・多色
《殺戮の王、ベハル/Bhaal, Lord of Murder》
黒赤緑の統率者候補。
1つ目の破壊不能を持つ能力は今回の神クリーチャー共通のもの。
条件達成が難しく、除去耐性がつくだけなので能動的に活用する事もあまりないのでオマケ程度に考えておきましょう。
2つ目の能力は使嗾させる事も出来ますが自分の頑強持ちクリーチャーが2体いれば無限頑強コンボのためのコンボパーツとしても使えます。(頑強クリーチャーAを生け贄に捧げて頑強クリーチャーBに+1/+1カウンターを乗せ、次にBを生け贄に捧げてAに+1/+1カウンターを乗せる、というループを交互に繰り返すと頑強の-1/-1カウンターを相殺しつつクリーチャーを生け贄に捧げ続けられます)
《殺戮の王、ベハル》は無限頑強を目指すクリーチャーコンボデッキとしては固有色が優秀です。
生け贄手段として非常に優秀な《ゴブリンの砲撃》も使えますし、生け贄手段として《臓物の予見者》など勝利に直結しないものを使ったとしても《残忍なレッドキャップ》というそれだけで勝ち手段につながる頑強クリーチャーも使えます。
また、コンボパーツの総数が多い上に万能サーチ呪文《悪魔の教示者》《悪魔の意図》も使えるため安定性が非常に高いのも良いですね。
《混沌の造り手、ヤン・ヤンセン/Jan Jansen, Chaos Crafter》
白黒赤の、この固有色にしては珍しくアーティファクトシナジーの統率者候補。
どうにかして何度もアンタップする事が出来れば統率者だけで無限マナ無限トークンが出来るようにデザインされています。
一度に2個ずつアーティファクトを生成してくれるので、統率者を《液鋼の塗膜》《液鋼の首飾り》でアーティファクトにしてから《前兆の時計》で統率者をアンタップするなどでしょうか。
固有色的には優秀で、《悟りの教示者》(墓地から回収ですが)《アーギヴィーアの発見》の白、《ゴブリンの技師》の赤、そして万能サーチ《悪魔の教示者》の黒と、《加工》を擁する青ほどではありませんがコンボパーツのアーティファクトを探す手段は豊富です。
コンボをせずとも《千年霊薬》《教術師の石》でアンタップしてやれば無理やり宝物や構築物トークンを展開させていく事も可能です。
こういった能力でマナや戦線を維持していって隙を見てコンボパーツを集めていくようなコンボデッキになるでしょう。
《純剣のパラディン、マジー/Mazzy, Truesword Paladin》
白赤緑のオーラシナジーの統率者候補。
固有色的にもクリーチャーを強化するオーラが多数あるので、《純剣のパラディン、マジー》を強化して統率者ダメージを狙うのが分かりやすい構成になりますね。
1つ目の能力はオーラが付いている攻撃クリーチャーに《怨恨》相当の能力を付与してくれます。
自分で能動的に使う分にはそこそこの強化量です。統率者にオーラが付いていれば4マナ5/4トランプル相当となるため、統率者ダメージも十分に狙えるスペックになってくれます。
1体につき1回しか修正が入らないので、複数体にオーラを付けた方が合計の修正値は高くなります。
ただ、オーラというカードの性質上複数体にオーラをそれぞれ付けるような使い方はあまりされないので、こだわる必要はないでしょう。
2つ目の能力はオーラ特有の「付いているクリーチャーが戦場を離れるとカード2枚分損してしまう」デメリットをちょっと軽減してくれます。
注意したいのは次のターンまでしか唱え直しのタイミングが無いので、たくさん追放してしまうとオーラを唱え直すために大量のマナが必要になってしまう点。
更に追放されたオーラを唱え直さなかった場合、追放されたままになってしまい、《再拘束》などでの再利用が出来ないというかみ合わなさにも注意が必要です。
2つ目の能力を活用する場合、対戦相手のカードにエンチャントする除去系のオーラを使う事を考えると良いでしょう。
特に《流動石の抱擁》《火の装い》《炎の供犠》などのパワーを上げてタフネスを下げるエンチャントは相性が良いですね。
タフネスが低いシステムクリーチャー等しか処理できませんが、ソーサリー除去として使った上で、他に処理できるクリーチャーがいなければこちらのクリーチャーにエンチャントしてパワーを上げる使い方も出来るので無駄になりにくいですね。
1つ目の能力も加わるとパワーの修正値もバカにならないので、対戦相手と結託して他の対戦相手のライフを削りにいく時にも活用できるのでオススメです。
シンプルに《ドライアドの歌》《ダークスティールの突然変異》などの強力な除去オーラを何度も使い回せるようにするのも強い使い方ですね。
《歩哨竜、ミーリム/Miirym, Sentinel Wyrm》
青赤緑のドラゴンシナジーの統率者候補。
今までドラゴンシナジーデッキといえば赤単の《鉤爪のジィーリィーラン》、赤黒の《帰ってきた刃の翼》、5色の《始祖ドラゴン》《始祖ドラゴンの末裔》でしたが、青赤緑という固有色の組み合わせは初。
能力はわかりやすく強力で、ドラゴンを出したらそのドラゴンのコピートークンを生成してくれます。
ドラゴンは基本的に重量級で単体でも十分強いものが使われますが、それが2倍出てくるとなると相当な戦力になります。
伝説のドラゴンでも伝説じゃないコピーを生成してくれるので《龍王アタルカ》《炎の大口、ドラクセス》《無双の古きもの、クラウス》《パルン、ニヴ=ミゼット》などの伝説のドラゴンも大量展開が可能と、夢が広がります。
ドラゴンがたくさん戦場に出るので、《峰の恐怖》《ヴァルカスの災い魔》《龍の大嵐》も是非採用したいですね。
特に《峰の恐怖》《ヴァルカスの災い魔》は自身もドラゴンのため普段よりも段違いの火力をたたき出してくれます。
これらを複数体出した上で適当にドラゴンを展開しているだけで攻撃せずとも対戦相手のライフをすぐに溶かしてくれるでしょう。
唱えるのではなく戦場に出るだけで誘発するので、《騙し討ち》《裂け目の突破》《鉤爪のジィーリィーラン》で一時的に戦場に出してもコピートークンを生成してくれたり、青の《幽霊のゆらめき》などの明滅カードを使って誘発回数を増やすのも良いですね。
特に《騙し討ち》などでコストを踏み倒して出したクリーチャーを明滅させるとターン終了時に生け贄に捧げる部分を帳消しにしてくれるので、《歩哨竜、ミーリム》の能力を抜きにしても相性が良いですね。
《骨の王、マークール/Myrkul, Lord of Bones》
白黒緑の統率者候補。
1つ目の能力は共通の破壊不能能力。
2つ目の能力は非常に特徴的で、自分のクリーチャーが死亡した時、クリーチャーじゃないエンチャントとして戦場に戻って来るようなイメージ。
分かりやすい無限コンボは《献身のドルイド》による無限緑マナコンボ。
《即時換装》や《星々とあるもの》で今までも出来ていたような無限マナコンボが出来るようになります。
無限マナからのフィニッシュ手段も必要ですが、統率者+1枚だけで無限コンボが出来るのは非常に魅力的。
特にコンボパーツの《献身のドルイド》は白黒緑という固有色であれば探してくる事は簡単なので、安定してコンボを狙う事が出来るでしょう。
この統率者でデッキを組む際の難点は統率者のマナ総量が7マナと非常に重い事と、似たようなデッキになりがちなライバルが強力な事。
前者はマナ加速である程度何とかなりますが、後者は《胞子の教祖、ゲイヴ》《幽霊の酋長、カラドール》《死の頂点、ネスロイ》とどれも一長一短ではあるものの強力な統率者たち。
《骨の王、マークール》ならではのギミックを採用した構築を考えたいですね。
《九本指のキーネ/Nine-Fingers Keene》
青黒緑の《迷路の終わり》デッキ専用統率者候補。
戦闘ダメージを与えるたびという誘発条件を満たしやすい威迫という回避能力、ライフが40点あるとはいえ流石に9点は厳しい護法という除去耐性、どちらも備わっていて強力です。
誘発型能力は門しか戦場に出せないので、安定してアドバンテージを稼げるかというと微妙なラインですが、9枚も見れるのは優秀ですね。
今回のバルダーズ・ゲートの戦いのおかげで、この3色の固有色でも門が11枚採用出来ます。
《シミックのギルド門/Simic Guildgate》
《ゴルガリのギルド門/Golgari Guildgate》
《ディミーアのギルド門/Dimir Guildgate》
《バルダーズ・ゲート/Baldur's Gate》
《バジリスク門/Basilisk Gate》
《黒竜門/Black Dragon Gate》
《ギルド門通りの公有地/Gateway Plaza》
《ガンド門/Gond Gate》
《岡門/Heap Gate》
《屋敷門/Manor Gate》
《海門/Sea Gate》
これらの門と《迷路の終わり》によって特殊勝利を目指すのがこの統率者の分かりやすい構成でしょう。
固有色に緑を含むので、《開門》《迂回路》《ピールの気紛れ》《森の占術》などで《迷路の終わり》を探す事も出来るので、想定以上のスピードで門を揃えて勝利する事が可能です。
万が一破壊された時のために《壌土からの生命》《ラムナプの採掘者》などの土地回収カードも採用しておくと良いですね。
《ゴアガッツ団の親分、ラッガドラッガ/Raggadragga, Goreguts Boss》
赤緑の統率者候補。
珍しくマナクリーチャーシナジーの能力を持ちます。
1つ目の能力はマナ能力を持つクリーチャーに修正を与えるもの。
この色でクリーチャーベースのデッキを組むと、《極楽鳥》《ラノワールのエルフ》などのマナクリーチャーを採用する事が多いですが、それらのサイズが二回り大きくなります。
これだけで殴り切るのは厳しいですが、変なシステムクリーチャーから雑に攻撃される事が減るだけでも十分強力です。
2つ目の能力はマナ能力持ちのクリーチャーが攻撃してもその後マナ能力を使えるようにしてくれます。
このおかげでせっかく修正が入っているのに展開したり妨害を構えたりするために攻撃できない・・・というジレンマから解放されます。
3つ目の能力は今までの能力とは異なり、マナ総量が大きい呪文を唱えるとクリーチャー1体に《樫の力》相当の強化をしてくれるというもの。
この強化を自身に付与して統率者ダメージを狙うような構築も考えられます。
マナクリーチャーを活用しながら勝ちに行く構成を考えるなら、《鷺刃の精鋭》《養育者、マーウィン》などの自身のパワー分マナを生成するマナクリーチャーを中心に構築するのが良いでしょう。
これらはある程度強化してあげれば《パルンズの剣》《威圧の杖》《暗黒のマントル》で無限マナが出来るコンボパーツにもなります。
デッキのバランスは少し難しいかもしれません。
マナクリーチャーを多く採用出来るので3つ目の能力を誘発させるためのマナ総量の大きいカードを多く採用しても良いのですが、どうしても引きムラに左右されやすいデッキになってしまいます。
普段以上にドロー操作を多めに採用した構築にした方が良いでしょう。
《重鎮、リルサ・レイル/Rilsa Rael, Kingpin》
青黒の統率者候補。
安定したイニシアチブ統率者は今回はこれだけですね。
他にもイニシアチブボーナスの伝説のクリーチャーはいますが、イニシアチブを得るカードをまず引いてこないといけない時点で安定性に欠けてしまいます。
地下街探索はダンジョン探索と違ってイニチアチブを得ている場合は自分のアップキープに勝手に次の部屋に進んでくれます。
これはダンジョン探索よりも優しいデザインですね。
欠点としてイニシアチブを維持する事(=戦闘ダメージを受けない)が中々難しいという点があります。
普通にブロッカーとなりそうなクリーチャーを多めに採用してもいいですが、《プロパガンダ》《集団監禁》などを使って攻撃されにくくする方が良いでしょう。
他の欠点として、普通のダンジョン探索とは異なり1か所しか入れない事、地下街は踏破した時の最後の部屋の能力が他のダンジョンに比べて少し弱めな事があります。
《アーチリッチ、アサーラック》《ユアンティの呪われし者》など従来のダンジョン探索カードを入れておくといいでしょう。
先に他のダンジョンに入ってからイニシアチブを得てもそのダンジョンの次の部屋に進む事が出来るので、《重鎮、リルサ・レイル》を出せてもあえて出さずに他のダンジョンに入るという選択肢も出てきます。
また、統率者がダンジョン探索系なので《ダンジョン探検家》も採用しておきたいですね。
本体は5マナ2/5接死と守備的なスペックですが、ダンジョンを踏破出来ていると+5/+0修正と威迫を持たせられるので急に統率者ダメージが現実的になります。
パワーが7になると統率者ダメージの21点を狙う場合3回の攻撃で済むのが良いですね。
従来のダンジョンや地下街を探索しつつアドバンテージを稼いでいき、各種無限コンボのパーツを集めたり、統率者ダメージによる勝利を目指したり、臨機応変な戦い方ができそうな統率者です。
《ンガスロッド船長/Captain N'ghathrod》
青黒のホラー統率者候補。
ホラーシナジーの統率者は今まで《恐怖の顕現、ウンブリス》ぐらいしかいませんでした。
他の伝説のホラークリーチャーは大体「ついでにホラーでもある」程度のものでしたね。
本体スペックは3/6と非常に守備的で、システムクリーチャーとしてはタフネスがしっかりしていて高評価。
パワーは低いので統率者ダメージは狙えないでしょう。
ホラークリーチャーで攻撃して切削し、対戦相手のリソースを奪う、というデザインの統率者です。
もちろんホラークリーチャーをたくさん詰め込んでもいいですが、ホラークリーチャーの選別は難しいところです。
たくさん並べればその分攻撃が通りやすいですが、コストが軽いホラーは大抵パワーも低いので切削枚数に限りがあります。
中途半端なホラークリーチャーを入れるぐらいだったら《正気破砕》《荒れ狂う騒音》など複数人に切削させるカードを入れた方がアタリを引きやすいでしょう。
また、《水没》《無し生み》などを使って対戦相手のやっかいなクリーチャーをライブラリーの一番上に置いてから切削するのも効果的です。
そのまま自分のコントロール下で出しても良いですし、エンチャントを処理しにくい青黒という固有色でありながらしっかりと処理する事も出来ます。
どうしても対戦相手のクリーチャーやアーティファクトのめくれ方によって状況が変わってしまうので能動的に勝ちに行くプランを立てにくい統率者ですが、青黒らしいトリッキーな戦い方が好きなプレイヤーにオススメです。
・無色
《貴族の印章/Patriar's Seal》
新たな3マナのマナアーティファクト。
オマケとして《教術師の石》のように伝説のクリーチャーをアンタップしてくれます。
もちろん攻撃に参加した統率者をアンタップして疑似的な警戒を持たせる事も可能ですが、それよりは起動にタップが必要な能力を持つ統率者で採用する方が強く使えるでしょう。
《貴族の印章》に固有色がないのが非常に使いやすく、《野生の心、セルヴァラ》《鉤爪のジィーリィーラン》など、相性が良い統率者を探し始めるとキリがないぐらいです。
今後もそういった統率者は間違いなく増えていくので今は使っていなくとも確保しておいた方が良いカードですね。
・背景選択と背景
・背景選択+背景デッキ案
に関してはちょっと長くなるので後編にて解説します!