岡本桂多のKill them All!~『エルドレインの森』編・後編~
タグ:MTGシングル, エルドレインの森, 岡本桂多, 岡本桂多のKill them All!, 統率者, 統率者戦, 読み物前編の記事はこちら
・統率者デッキを強化しよう!
今回も『エルドレインの森』の統率者デッキから統率者戦を始める方向けにオススメの統率者候補、そしてそこからどういう道筋で改良していけばいいかを解説していきます!
簡単なIN-OUT例も提示していますので第一歩として参考にしていただければ幸いです。
(※第一歩ということであまり高額なカードはなるべく避けてピックアップしています)
デッキリストは公式サイトからご確認いただけます。
・美徳と武勇
白緑の統率者デッキで、統率者候補は《僻境宮廷のエリヴェア》と《配役の監督、ギルウェイン》。
どちらも役割トークンを活用した統率者です。
《僻境宮廷のエリヴェア》は聖者役割トークンという、《天上の鎧》のような修整値を与えるオーラをつけてくれます。
これはエンチャントに寄せた構築にすればすぐに無視できない打点に膨れさせることが出来るため、シンプルに強めのクリーチャーとエンチャントを入れるだけでもデッキになりそうです。
《配役の監督、ギルウェイン》は自分のトークンでないクリーチャーが戦場に出るたびに3種類の役割トークンのうちどれかを自動的に生成してくれます。
この役割トークンだけだとゲームを勝ちきるまでの打点向上は見込めないため、他のギミックやコンセプトをしっかりと練る必要があります。
今回は《僻境宮廷のエリヴェア》を統率者にしてデッキを構築する事を考えてみましょう。
《僻境宮廷のエリヴェア/Ellivere of the Wild Court》
4マナ4/4という標準的なスペックを持つ統率者です。
聖者トークンは自身にエンチャントする事は出来ないので、このスペックと能力だけで統率者ダメージを狙うのは中々に困難。
1つ目の能力は統率者が戦場に出るか攻撃するたびに聖者トークンを生成してくれるというもの。
戦場に出た時にもう聖者トークンを生成してくれるので、統率者を出すまでに強化して嬉しいクリーチャーを展開しておけるとスムーズに攻勢に移れます。
2つ目の能力はオーラがついているクリーチャーに《鋭い感覚》能力を持たせます。
この能力のおかげで相手に「聖者トークンがついているからチャンプブロックになってしまうが、それを嫌って攻撃を通してもドローされてしまう」というジレンマを抱えさせることが出来ます。
後述しますが、回避能力を持たせれば簡単に安定したドローエンジンに出来るため非常に強力な能力です。
《エイヴンの陽光弾手/Aven Sunstriker》
《空狩人の散兵/Skyhunter Skirmisher》
《ドーンハルトの殉教者、カティルダ/Katilda, Dawnhart Martyr》
《小さきものの呼び手、カディラ/Cadira, Caller of the Small》
《新ベナリアの光、ダニサ/Danitha, New Benalia's Light》
《マナ喰らいのハイドラ/Managorger Hydra》
《落とし悶え/Spawnwrithe》
《緑葉のレゴラス/Legolas Greenleaf》
《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》
・・・飛行、トランプルなどの回避能力を持つクリーチャー。
回避能力を持っていれば聖者トークンによって上がった打点をストレートに叩き込めますし、統率者の2つ目の能力でドローを進める事も出来るので、非常に重要です。
単に飛行を持つだけ等だと候補が無数にいるので、ここでピックアップしたのはオマケ能力が強力であったり、打点向上に役立ったりするクリーチャー。
特に《マナ喰らいのハイドラ》は全てのプレイヤーが唱える呪文に反応するため、聖者トークンが無くともすぐに二桁のパワー/タフネスになる強力なクリーチャー。除去耐性こそありませんが、逆に言うと除去がないプレイヤーは一瞬で撃沈させる事が出来るでしょう。
《小さきものの呼び手、カディラ》はあまり見かけないクリーチャーですが、誘発型能力は聖者トークンも参照して兎トークンを生成してくれるため、一瞬にして盤面を兎の群れで埋め尽くす事が出来るでしょう。
既に構築済みデッキに入っている《万戦の幻霊》のように大量の兎を活用できるカードも組み込めるとより強力に扱えます。
《鷺刃の精鋭/Heronblade Elite》
《養育者、マーウィン/Marwyn, the Nurturer》
《ヴィリジアンの社交家/Viridian Joiner》
《運命に導かれし者、ケイリクス/Calix, Guided by Fate》
《樹海の自然主義者/Jukai Naturalist》
《命の恵みのアルセイド/Alseid of Life's Bounty》
・・・回避能力を持つわけではありませんが統率者と相性が良く、統率者より先に戦場に出しておけるクリーチャー。
《鷺刃の精鋭》《養育者、マーウィン》《ヴィリジアンの社交家》はマナの量を飛躍的に増やしてくれるスゴいクリーチャー。
どれも統率者を唱えるターンを早めてくれるわけではないマナクリーチャーですが、その後の自分の展開力を上げてくれるため、是非とも採用しておきたいですね。
統率者を1ターンでも早く唱えるためにマナクリーチャーを使うと良いでしょう。
タップでマナを加えるタイプだと統率者を唱えた後、攻撃するか展開するかで悩むシーンはありますが、それでも統率者を唱えたターンに聖者トークンを何にも付けられないという状況よりはマシです。
《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》
《忠実な軍用犬/Loyal Warhound》
《巣の侵略者/Nest Invader》
《裕福な亭主/Prosperous Innkeeper》
《イリーシアの女像樹/Ilysian Caryatid》
《荒野の囁く者/Whisperer of the Wilds》
・・・いつもの《ラノワールのエルフ》などももちろん強力ですが、それ以外の所からピックアップ。
最初の2枚は白によくある「後手だと強い」カードたちで、その下の2枚は緑の一時的なマナ加速。
どれも1ターン早く統率者を唱える事に寄与してくれますし、その後も基本的にはそれ自身がマナを加えるわけではないので悩む必要もなく攻撃に参加してくれます。
《イリーシアの女像樹》《荒野の囁く者》はパワーが4以上のクリーチャーがいると2マナ加えられるようになりますが、統率者がそもそもパワー4以上なので統率者を唱えた後の展開が非常にテンポがよくなるでしょう。
その他統率者と相性の良いカードをピックアップしていきます。
《狩猟の神、ナイレア/Nylea, God of the Hunt》
《ガラクの蜂起/Garruk's Uprising》
《気高き獲物/Noble Quarry》
《霊魂のマントル/Spirit Mantle》
・・・聖者トークンで強化したクリーチャーの攻撃を通しやすくするカード。
《気高き獲物》は小さいクリーチャーに授与して《寄せ餌》として使うもよし、既に聖者トークンをエンチャントされているクリーチャーに授与したり自身に聖者トークンをエンチャントして相手のクリーチャーを殲滅するもよしの中々に厄介なクリーチャー。
自身がエンチャントなので聖者トークンで打点カウントしてくれるのもポイントが高いですね。
《きらきらするすべて/All That Glitters》
《神々の兜/Helm of the Gods》
・・・聖者トークンの打点を2倍にしてくれるカードたち。
聖者トークンを毎ターン安定して生成するためには統率者が無傷で戦闘から戻って来る必要があるので、これらで統率者を強化してあげると良いでしょう。
すぐにめちゃくちゃな打点になるので、これらがあれば統率者ダメージを狙う事も容易です。
《収穫守りのアルセイド/Harvestguard Alseids》
《空封じ/Skybind》
・・・統率者を安全に攻撃させるためのカード。
《空封じ》は自分のエンチャントを明滅させて悪用する事は出来ませんが、ブロッカーを一時的にどかすために使う分には十分活用できます。
唱えて統率者が攻撃するだけでもブロッカー2体までを明滅させられるため、防御プレイヤーの計算を大きく狂わせることが出来ますね。
IN 20
《エイヴンの陽光弾手/Aven Sunstriker》
《空狩人の散兵/Skyhunter Skirmisher》
《小さきものの呼び手、カディラ/Cadira, Caller of the Small》
《マナ喰らいのハイドラ/Managorger Hydra》
《シラナの岩礁渡り/Silhana Ledgewalker》
《鷺刃の精鋭/Heronblade Elite》
《養育者、マーウィン/Marwyn, the Nurturer》
《ヴィリジアンの社交家/Viridian Joiner》
《運命に導かれし者、ケイリクス/Calix, Guided by Fate》
《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》
《忠実な軍用犬/Loyal Warhound》
《巣の侵略者/Nest Invader》
《裕福な亭主/Prosperous Innkeeper》
《イリーシアの女像樹/Ilysian Caryatid》
《荒野の囁く者/Whisperer of the Wilds》
《狩猟の神、ナイレア/Nylea, God of the Hunt》
《ガラクの蜂起/Garruk's Uprising》
《気高き獲物/Noble Quarry》
《きらきらするすべて/All That Glitters》
《空封じ/Skybind》
OUT 20
《アーデンベイル城/Castle Ardenvale》
《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi, the City-Tree》
《配役の監督、ギルウェイン/Gylwain, Casting Director》
《アジャニに選ばれし者/Ajani's Chosen》
《解放された家畜/Liberated Livestock》
《雄牛曳き/Ox Drover》
《小間物のアウフ/Knickknack Ouphe》
《木製の聖騎士/Timber Paladin》
《コーの精霊の踊り手/Kor Spiritdancer》
《王国まといの巨人/Realm-Cloaked Giant》
《救世主、アーモント卿/Syr Armont, the Redeemer》
《歌鳥の祝福/Songbirds' Blessing》
《巨人の遺伝/Giant Inheritance》
《再拘束/Retether》
《大力無双/Indomitable Might》
《新緑の抱擁/Verdant Embrace》
《霊体の鋼/Spectral Steel》
《入念な栽培/Careful Cultivation》
《蛇の陰影/Snake Umbra》
《花粉光の羽/Pollenbright Wings》
《僻境宮廷のエリヴェア》は聖者トークンを生成してガンガン殴る、シンプルなデッキになりました。
今回はオーラカードをあまり大量に採用しておらず、聖者トークン本来の能力で打点向上させる方向で構築していきました。
今後の構成を考える際も、なるべくただのクリーチャーよりもクリーチャーエンチャント、アーティファクトよりもエンチャントを優先的に採用していくとより聖者トークンを活かす事ができるでしょう。
今後の方向性としては、エンチャント関連のカードをよりブラッシュアップさせていくと良いでしょう。
エンチャントを唱える事が多いのであれば《万神殿の伝令》《シュタルンハイムの駿馬》などでコストを軽減し、《収穫の手、サイシス》などでドローを進めるのも良いですね。
また、高額カードになりますが《セラの聖域》も展開力が段違いに上がるので将来的には採用したいところです。
また、構成をちょっと変えて《スレイベンの守護者、サリア》《ガドック・ティーグ》《溜め込み屋のアウフ》などの嫌がらせ能力を持った軽いクリーチャー、いわゆる「ヘイトベア」を大量に投入するのもアリです。
それらのクリーチャーは単体のスペックはそこまで高くないため、ある程度の時間は稼げても結局そのまま押し切られることが多くなりがちです。
《僻境宮廷のエリヴェア》デッキの場合は自分がそれらの能力に引っかからないような構成にする事は容易で、統率者を出すまでに展開しておけるクリーチャーが多く、打点不足は聖者トークンで簡単に補えて、更にドロー能力のおかげで更なるヘイトベアを探しに行って更にきつくロックをかけていく事が可能になります。
この場合は状況に応じたヘイトベアを探したいので《俗世の教示者》など緑のクリーチャーサーチを採用するとより安定するでしょう。
《僻境宮廷のエリヴェア》デッキは今回はシンプルな構成にしてみましたが、将来性もあり、ここから始めるのにオススメな統率者です。
・フェイの領土
青黒の統率者デッキで、統率者候補は《壮麗公爵、テグウィル》と《狡猾な征服者、アリーラ》。
《壮麗公爵、テグウィル》はフェアリー全体強化能力と、フェアリーが死亡した時にドローができる、比較的シンプルなフェアリーロード。
《狡猾な征服者、アリーラ》は対戦相手のターン中に呪文を唱えることでフェアリートークンを生成し、フェアリートークンの攻撃が通れば使嗾する事が出来る、トリッキーな能力を持つ統率者。
どちらもフェアリーを活用した統率者になりますが、少し方向性の異なる統率者なので両方とも見ていきましょう。
・《壮麗公爵、テグウィル/Tegwyll, Duke of Splendor》
こちらは前述した通りシンプルなフェアリーロード統率者。
1つ目の能力はフェアリー全体を強化する常在型能力。
フェアリーは横並べしやすいもののスペックは貧弱なものが多く、+1/+1修正とはいえ最終的な打点の上がり方は無視できません。
2つ目の能力は統率者以外のフェアリー限定の《闇の予言》。
フェアリーが除去されてしまってもリソースを確保して更なる展開が可能なため、「フェアリーを並べて殴る!」というコンセプトをバックアップしてくれますね。
一応注意点としてこの能力は強制的に発動するため、ライフが残り少ない時にこの能力によって敗北する可能性があります。
全体除去はしっかりと打ち消したり、その前に統率者だけ生け贄に捧げてあえて誘発させないようにするなど事前のケアはしっかりとしておきましょう。
まずは構築済みデッキに採用されていないフェアリーカードをピックアップしていきます。
《苦花/Bitterblossom》
《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
《ムーンシェイのピクシー/Moonshae Pixie》
《冬のエラドリン/Winter Eladrin》
《フェアリーの黒幕/Faerie Mastermind》
《重力の変容/Gravitational Shift》
《イーヴォ島の管理人/Warden of Evos Isle》
《軍事情報/Military Intelligence》
《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》
《沿岸の海賊行為/Coastal Piracy》
《フェイワイルドの訪問者/Feywild Visitor》
《窃盗/Larceny》
《悪名高き群れ/Notorious Throng》
《フェイ隠し/Stolen by the Fae》
・・・大部分は記事の前編の《夢見る決闘者、オビラ》の項目でピックアップしたカードたちの再掲です。
《悪名高き群れ》はフェアリーではなくならず者参照のカードですが、ローウィンブロックのフェアリーはならず者でもある事が多く、徘徊コストで唱える事が出来れば一気に勝利が近づく強力なフィニッシュ手段です。
フェアリーに限らず、部族デッキに採用可能なカードも見ていきましょう。
《アフェット式底ざらい/Aphetto Dredging》
《絶滅からの帰還/Return from Extinction》
《旗印/Coat of Arms》
《今田の旗印/Konda's Banner》
《運命の扉/Door of Destinies》
《ウルドのオベリスク/Obelisk of Urd》
《英雄たちの送り火/Pyre of Heroes》
《リトヤラのタイタン/Titan of Littjara》
・・・特定のクリーチャータイプの部族デッキで採用可能なカード。
《運命の扉》は更なる打点向上に一役買うので、少しタイムラグがある+展開した後から引いても弱い点もありますが是非採用したいですね。
《英雄たちの送り火》は統率者の2つ目の能力を能動的に誘発させられる事も高評価です。
統率者の2つ目の能力のために、フェアリーを生け贄に捧げられるカードをある程度採用しておくと良いでしょう。
《漸減/Attrition》
《爆破基地/Blasting Station》
《荒涼とした心のエレボス/Erebos, Bleak-Hearted》
《占有の兜/Helm of Possession》
《吸血の儀式/Vampiric Rites》
・・・除去やドローが出来る生け贄手段。
今回のデッキは展開したフェアリーで攻撃する事がメインの構成なので、この項目のカードはそこまでたくさん採用しなくても良いかもしれません。
他にも対戦相手のターン中に打ち消しなどの妨害カードを使いたい場合は《ファイレクシアの供犠台》《アシュノッドの供犠台》を採用してマナを加えられるようにするのもいいでしょう。
IN 20
《苦花/Bitterblossom》
《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
《ムーンシェイのピクシー/Moonshae Pixie》
《フェアリーの黒幕/Faerie Mastermind》
《重力の変容/Gravitational Shift》
《イーヴォ島の管理人/Warden of Evos Isle》
《軍事情報/Military Intelligence》
《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》
《沿岸の海賊行為/Coastal Piracy》
《フェイワイルドの訪問者/Feywild Visitor》
《窃盗/Larceny》
《悪名高き群れ/Notorious Throng》
《フェイ隠し/Stolen by the Fae》
《アフェット式底ざらい/Aphetto Dredging》
《絶滅からの帰還/Return from Extinction》
《運命の扉/Door of Destinies》
《ウルドのオベリスク/Obelisk of Urd》
《英雄たちの送り火/Pyre of Heroes》
《漸減/Attrition》
《吸血の儀式/Vampiric Rites》
OUT 20
《荒廃翼の山賊/Blightwing Bandit》
《船砕きの怪物/Hullbreaker Horror》
《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》
《ウーナのトリックスター、ニムリス/Nymris, Oona's Trickster》
《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》
《呪文嘲りの集会/Spellscorn Coven》
《紛らわしい道標/Misleading Signpost》
《時を越えた探索/Dig Through Time》
《幻術師の計略/Illusionist's Gambit》
《真夜中の時計/Midnight Clock》
《難解な試験/Perplexing Test》
《理論上の複製/Theoretical Duplication》
《呪文どもり/Spell Stutter》
《考慮/Consider》
《嘘か真か/Fact or Fiction》
《大あわての捜索/Frantic Search》
《選択/Opt》
《排撃/Repulse》
《共に逃走/Run Away Together》
《無謀な悪意/Reckless Spite》
《壮麗公爵、テグウィル》デッキは比較的シンプルなフェアリー部族デッキに仕上がりました。
ここから発展させていく場合、よりフェアリーの攻撃でフィニッシュさせるために《時間のねじれ》などの追加ターンを加えていったり、フェアリーカードを増やすために《鱗粉の変わり身》や《変わり身ののけ者》などの多相クリーチャーも採用していくと良いでしょう。
また、統率者の2つ目の能力に着目して、《修羅のドミヌス、ドリヴノッド》《ズーラポートの殺し屋》などを採用してより生け贄ギミックを多めに採用する構成も考えられますね。
能力に癖が少ない分、構成を自由に変えられるため、使用者の構築センスが問われる玄人好みな統率者と言えるでしょう。
・《狡猾な征服者、アリーラ/Alela, Cunning Conqueror》
《狡猾な征服者、アリーラ》の1つ目の誘発型能力は、対戦相手のターン中に呪文を唱えるとフェアリートークンを生成するというもの。
青黒の得意とする妨害系のインスタントや瞬速持ちのカードを多めに採用して誘発チャンスを増やしましょう。
《狡賢い夜眷者/Cunning Nightbonder》
《神秘の指導/Mystical Teachings》
《滑りかすれ/Slitherwisp》
・・・瞬速シナジーという珍しいカテゴリーのカード。
《滑りかすれ》は特に瞬速でデッキ内を固められると非常に強力なカードで、今回はこれを軸に据えた構築を考えてカードをピックアップしています。
《神秘の指導》で探す事も出来ますし、必要なら《当惑》などの専用のサーチカードを採用しても良いレベルですね。
《復活したアーテイ/Ertai Resurrected》
《エレボスの指図/Dictate of Erebos》
《アショクの消去/Ashiok's Erasure》
《ミジウムの干渉者/Mizzium Meddler》
《神秘の制圧/Mystic Subdual》
《ネクロン・デスマーク/Necron Deathmark》
《過充電縫合体/Overcharged Amalgam》
《シルムガルの魔術師/Silumgar Sorcerer》
《シスター・オヴ・サイレンス/Sister of Silence》
《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》
《虚空魔道士の沈黙者/Voidmage Husher》
・・・瞬速を持ち、各種妨害が可能なカード。
統率者の1つ目の能力のおかげでフェアリートークンが生成されるので、《エレボスの指図》は盤面制圧力が非常に高くオススメです。
また、今回も《呪文づまりのスプライト》は瞬速を持っていますし、1つ目の能力のおかげでフェアリーの数は十分稼げるため、しっかりと活躍してくれることでしょう。
《狡猾な巾着切り/Crafty Cutpurse》
《激しい叱責/Dress Down》
《概念泥棒/Notion Thief》
《敵対工作員/Opposition Agent》
・・・瞬速を持ち、特定条件で妨害をしてくれるカード。
《長魚の陰影/Eel Umbra》
《ミスリルの胴着/Mithril Coat》
・・・瞬速を持ち、統率者を守れるカード。
他にも《安全の揺り籠》《サイバの暗号術師》など一時的に除去耐性を持たせる事で対戦相手の除去カードを実質的に打ち消せるカードを追加で採用するのも、統率者だけでなく《滑りかすれ》も守れるので良いかもしれません。
《フェアリーの黒幕/Faerie Mastermind》
《海の神のお告げ/Omen of the Sea》
《海駆けダコ/Sea-Dasher Octopus》
・・・瞬速を持ち、ドローを進められるカード。
《海駆けダコ》は対戦相手のターンに唱えてもあまり奇襲性がなく旨味はありませんが、フェアリートークンに変容すれば攻撃を通しやすいのでピックアップしています。
《ロベリア・サックビル=バギンズ/Lobelia Sackville-Baggins》
《精神接合器/Mindsplice Apparatus》
・・・瞬速を持ち、マナに関わるカード。
《精神接合器》はインスタントやソーサリーのコストを軽減させるので、今回の瞬速寄せの構築だと微妙ですが、インスタント寄せの構築にする場合は是非採用するべきカードですね。
《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》
・・・瞬速を持たせるカード。
他にも《予期の力線》《ウルザの空戦艇、リベレーター号》《ヴィダルケンの宇宙儀》など似たような効果を持つカードはありますが、これらは「瞬速を持つかのように唱えてもよい」であって、《ザルファーの魔道士、テフェリー》のように「瞬速を持つ」とは異なり、《滑りかすれ》の恩恵を受けられない点に注意が必要です。
もちろん瞬速寄せの構築にしない場合はこれらのカードを採用して「実質瞬速」によって対戦相手のターン中に動ける幅を広げるのも悪くないでしょう。
統率者の2つ目の能力はフェアリーの攻撃が通ったプレイヤーのクリーチャーを1体使嗾するというもの。
この能力はプレイヤー1人に対して2体以上のフェアリーが戦闘ダメージを与えても1体しか使嗾できませんが、複数人に対して戦闘ダメージを与えればその対戦相手それぞれのクリーチャーを1体ずつ使嗾する事ができます。
従ってフェアリーで攻撃する際は各対戦相手に満遍なく攻撃するようにしましょう。
使嗾はどうしても対戦相手のクリーチャーの質と量に依存してしまうため、この能力をアテにしたカードの採用は少し難しいですね。
《川の殺し屋、シグ/Sygg, River Cutthroat》
・・・各ターンの終了時に誘発するため、対戦相手同士でライフの削り合いが起これば漁夫の利を得られます。
もちろん自分のターン終了時にも誘発するので、飛行トークンを生成しやすいこのデッキであれば自分のターン終了時にドローする事も容易でしょう。
《不和蒔き/Sower of Discord》
・・・プレイヤー同士でのライフの削り合いを加速させるデーモン。これ単体では選ばれたプレイヤーの矛先がこちらに向くだけになりがちですが、そのプレイヤーのクリーチャーを使嗾してあげる事で一気に自分に有利なゲーム展開になります。
《報復したミラディン/Mirrodin Avenged》
《お前はもう死んでいる/You Are Already Dead》
・・・最近の黒お得意の「ちょっとでもダメージ受けたクリーチャーを破壊」系のカード。
あまり統率者戦で使われる事はありませんが、使嗾が絡んでくると話は変わってきます。
使嗾されたクリーチャーがそのまま誰にもブロックされなければ対戦相手同士でライフの削り合いになってくれます。
ブロックされた結果、チャンプアタックやチャンプブロックになってしまった場合、本来であれば一方的な戦闘になりますが、これらのカードを用いれば「対戦相手のクリーチャー同士で勝手に相討ちしてくれた」状況に持ち込む事ができ、盤面的に非常に有利になるでしょう。
他にもいくつか《狡猾な征服者、アリーラ》と相性の良いカードがあるので紹介しておきます。
《忘却の偶像/Idol of Oblivion》
《均整のマトリックス/Symmetry Matrix》
《波破りの海馬/Wavebreak Hippocamp》
・・・統率者の1つ目の能力と相性の良いカード。
《忘却の偶像》は自身をタップする必要があるのでターン1周につき1枚しか引けませんが、少しでも手数が必要なので1枚とはいえ追加のドローはありがたいですね。
《均整のマトリックス》の方はマナさえ追加で支払う事が出来れば、トークンが生成されるたびにドローが出来るので手札に困ることはないでしょう。もちろんその分のマナはしっかりと用意する必要があるので、後述する《勝利の鐘》などとセットで採用するのがオススメです。
《波破りの海馬》は使い勝手としてはこの2枚の中間ぐらい。両者に比べるとクリーチャーのため除去されやすいという欠点はありますが、マナがかからないのは優秀です。
《隠れた入り江のナイアード/Naiad of Hidden Coves》
《勝利の鐘/Victory Chimes》
《有刺カサゴ/Stinging Lionfish》
・・・対戦相手のターン中に動く時に必要なマナをサポートしてくれるカード。
どうしても各ターンに行動を起こす事を考えるとどれも採用したいですね。
IN 20
《狡賢い夜眷者/Cunning Nightbonder》
《神秘の指導/Mystical Teachings》
《滑りかすれ/Slitherwisp》
《復活したアーテイ/Ertai Resurrected》
《エレボスの指図/Dictate of Erebos》
《アショクの消去/Ashiok's Erasure》
《神秘の制圧/Mystic Subdual》
《過充電縫合体/Overcharged Amalgam》
《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》
《フェアリーの黒幕/Faerie Mastermind》
《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》
《川の殺し屋、シグ/Sygg, River Cutthroat》
《不和蒔き/Sower of Discord》
《報復したミラディン/Mirrodin Avenged》
《お前はもう死んでいる/You Are Already Dead》
《波破りの海馬/Wavebreak Hippocamp》
《隠れた入り江のナイアード/Naiad of Hidden Coves》
《勝利の鐘/Victory Chimes》
《有刺カサゴ/Stinging Lionfish》
OUT 20
《こだまの大魔導師/Archmage of Echoes》
《フェアリーの刃造り/Faerie Bladecrafter》
《フェアリーの陣形/Faerie Formation》
《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》
《悪ふざけの名人、ランクル/Rankle, Master of Pranks》
《エレンドラ谷のしもべ/Glen Elendra Liege》
《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》
《呪文嘲りの集会/Spellscorn Coven》
《フェアリーの大群/Cloud of Faeries》
《フェアリーの予見者/Faerie Seer》
《惑乱スプライト/Hypnotic Sprite》
《夜帷のスプライト/Nightveil Sprite》
《光素を漁る者/Halo Forager》
《紛らわしい道標/Misleading Signpost》
《幻術師の計略/Illusionist's Gambit》
《難解な試験/Perplexing Test》
《リトヤラの反射/Reflections of Littjara》
《理論上の複製/Theoretical Duplication》
《同族の支配/Kindred Dominance》
《遠くの旋律/Distant Melody》
《狡猾な征服者、アリーラ》は瞬速カードをうまく活用して対戦相手を撹乱しつつ、使嗾で戦闘を優位に進め、ゆっくりと勝ちに近づいていく長期戦を見据えたタイプのデッキになりました。
この方向性で進めていく場合、より対戦相手のターン中に動けるように妨害カードの種類を選別していくと良いでしょう。
特にマナを用意するのが難しいのでマナ総量の小さいインスタントや瞬速カードで固めたり、マナアーティファクトを増やして安定してマナ加速をしていくのは重要です。
統率者を絡めた無限コンボや即死コンボなどの分かりやすい到達点が無い分、プレイングが勝敗を大きく左右するのでこちらも玄人好みのデッキと言えます。
『エルドレインの森』編の記事は以上で終了となります。
紹介しきれなかったカードの中には「この統率者デッキに入れる時だけエース級!」というようなカードもありますし、実は統率者で組んでみると面白いというような統率者もあるでしょう。
皆さんもぜひ統率者戦目線、「自分が持っている統率者に入れるなら」目線でもう一回カードリストを見直してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました!