岡本桂多のKill them All!~『イクサラン:失われし洞窟』編・前編~
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お久しぶりです!BIGWEB統率者戦担当の岡本桂多です!
皆さん楽しい統率者戦ライフをお過ごしでしょうか?
前回の記事で紹介した『エルドレインの森』もそうですが、構築済みデッキだけだったので記事で紹介しなかった『ドクター・フー』も結構組みがいのある統率者が多く、僕は様々なデッキを組んでは崩してを繰り返していました!
ドクター・フーでは《ウォードクター》《アリステア准将》がお気に入りです!
さて、今回の『イクサラン:失われし洞窟』はイクサランの次元に再訪するエキスパンション。
海賊、恐竜、マーフォーク、吸血鬼と前回同様各部族のカードが多く収録されています。
新しい統率者もそうですが、《太陽の化身、ギシャス》《エドガー・マルコフ》などの過去の部族デッキ統率者も強化されているので、過去に使っていた/今使っているプレイヤーは要チェックです!
新ギミックは作製、落魄、発見、地図トークン。
どれも単体でデッキコンセプトになるようなものではありませんが、便利なものが多いです。
作製は指定されたパーマネントを盤面もしくは墓地から追放する事で変身する能力。
作製を持つカードによってコストとなるカードの属性が変わりますが、墓地を肥やせる《湖に潜む者、エムリー》《ギサとゲラルフ》《雑食するもの、グロルナク》デッキなどで使うとスムーズに作製できます。
落魄はパーマネントカードが墓地に一定数以上あるとボーナスが得られる能力。
これも墓地を肥やせるデッキでの採用ですが、特に《血の暴君、シディシ》《修羅のドミヌス、ドリヴノッド》《ゴルガリの死者の王、ジャラド》など、クリーチャーカードを墓地に送る事が多いデッキでより強く扱えます。
発見は続唱のような能力。
続唱に比べるとプレイしたくないカードがめくれてしまっても手札に入るのはうれしい調整ですね。
特に《英雄的介入》《テフェリーの防御》や各種打ち消し呪文、無限コンボのパーツなど「雑に唱えたいわけではないが、クリティカルなタイミングで欲しい」カードが多い統率者戦ではこの調整は非常に優秀。
更に《戦慄の狼の伝令官、ファルドーン》《再鍛の刃、ラエリア》《秘本に縛られし者、プロスパー》など、追放領域に関係する統率者も強化されそうです。
地図トークンはクリーチャー1体に探検をさせるアーティファクトトークン。
トークンを生成するカード次第にはなりますが、アーティファクトトークンを作るので《綱投げ、アキリ》《エーテリウム造物師、ブレイヤ》などのアーティファクトを参照する統率者、探検の結果+1/+1カウンターが乗るので《精霊の魂、アニマー》《シルバークイルの牙、フェリーサ》などの+1/+1カウンターを活用する統率者等々、地味ながらも活躍する統率者は多岐に渡るでしょう。
それでは早速いつも通り新セットの中身を見ていきましょう!
目次
・注目カード5選
・注目統率者ピックアップ
・統率者デッキを強化しよう!(後編にて掲載)
・注目カード5選
5位《タリアンの魂断ち/Tarrian's Soulcleaver》
1マナの伝説の装備品。
アーティファクトかクリーチャーが戦場から墓地に置かれるたびに装備しているクリーチャーに+1/+1カウンターが置かれるという中々強力な能力を持っています。
対戦相手のアーティファクトやクリーチャーにも反応するので、《歩行バリスタ》に装備できるとさながら《ゴブリンの名手》のようにタフネス1のクリーチャーを殲滅する兵器と化します。
昨今の統率者戦では《波止場の恐喝者》《息詰まる徴税》など宝物トークンが使われる事が多く、その宝物トークンが使われる/自分で使うたびに+1/+1カウンターがどんどん乗っていきます。
もちろん+1/+1カウンターを参照する《野生の意志、マラス》《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》などのデッキで使う事が考えられますが、シンプルに統率者ダメージを狙うデッキでの統率者強化手段としても十分採用できるでしょう。
1マナの装備品なので《石鍛冶の神秘家》だけでなく《粗石の魔道士》や《ウルザの物語》から探せるというアクセスの良さ、オマケの警戒付与も見逃せないですね。
4位《千年暦/The Millennium Calendar》
新たな勝利条件カード。
自然とカウンターを乗せて1000個達成させるのは流石に現実的ではないので、自身の起動型能力を活用するのが良いでしょう。
また、《ブライトハースの指輪》《石成エンジン》《ウルザの弟子、タウノス》などの起動型能力をコピーするカード、《育殻組のヴォレル》《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》などのカウンターを倍増させる統率者デッキでの活用が考えられます。
固有色的な縛りもなく、1マナのアーティファクトという事でアーティファクトシナジーのデッキに忍ばせておくと意外な勝ち手段として光る場面もありそうです。
3位《マラメトの模範、クチル/Kutzil, Malamet Exemplar》
白緑の伝説の猫戦士。
1つ目の常在型能力は対戦相手の妨害呪文をシャットアウトする能力。
白緑は《堂々たる撤廃者》《沈黙》を始めとして打ち消し対策や妨害対策が豊富な色ではありますが、3マナ3/3という良質なスペックに備わっているのはうれしいですね。
《堂々たる撤廃者》とは異なり緑が入っているため、《緑の太陽の頂点》でのサーチが可能な点は非常に優秀です。
誘発型能力の方はある程度工夫が必要にはなりますが、装備品、オーラ、+1/+1カウンターなどで強化したクリーチャーがあればドローを進める事が出来ます。
そういった強化手段が全くないデッキであればもちろん意味のない能力にはなりますが、少しでもドロー出来る可能性があるならドロー出来るチャンスを見逃さないようにしたいですね。
統率者としてもデッキが作れそうです。
統率者の場合はこのドロー能力を活用できるように、《歩行バリスタ》など+1/+1カウンターが乗った状態で戦場に出るクリーチャーを採用したり、軽い装備品を多く採用してどんどんドローを進めるような構成にするといいでしょう。
注意したいのは、戦闘ダメージを与えた該当するクリーチャーの数だけドロー出来るわけではなく、該当するクリーチャーで戦闘ダメージを与えたプレイヤーの分だけドローが出来ます。4人卓の場合は1回の戦闘で最大3枚しか引けない点に注意が必要です。
ただ、二段攻撃を付与すれば1回の戦闘で1人につき2枚引けるようになるので、《裁きの木槌》《ケイヤの猛攻》などの二段攻撃を付与するカードは重要ですね。
2位《うろつく玉座/Roaming Throne》
クリーチャータイプを指定できる《調和の神童》。
《パンハモニコン》などと異なり、戦場に出たときの誘発型能力に限らないため相性の良い統率者、統率者デッキは無数にあります。
例えば《養育者、マーウィン》を始めとするエルフデッキでは統率者の誘発型能力ももちろん、《エルフの幻想家》《葉冠の幻想家》など誘発型能力を持つ優秀なエルフは無数に存在するので何かしらとかみ合うクリーチャーとして活躍するでしょう。
クリーチャータイプを指定するということで部族デッキだけでの活躍かと思いきや、強力な誘発型能力を持つ統率者のお供として採用するだけでも十分活躍するでしょう。
《原初の征服者、エターリ》《秘密売り、ティヴィット》のような強力な誘発型能力であればこのクリーチャーを予め出しておいても十分お釣りが来るほどのリターンが得られますね。
もちろん今後も強力な誘発型能力を持つ統率者や部族デッキは増えていきますし、無色のカードなのでどの固有色のデッキにも採用できる柔軟性の高さも相まって、必ず確保しておきたいカードの1枚でしょう。
1位《魅惑の悪漢、マルコム》
新たな《鋭い目の航海士、マルコム》。
前回は宝物トークン=マナに関する能力を持っていましたが、今回は手札に関する能力を持っています。
最初の3回はただのドロー&ディスカードですが、4回目以降は捨てたカードをタダで唱えるという大分強力な能力に変わります。
そもそも本体が2マナと軽く飛行を持っているため誘発させやすく、シンプルにドロー&ディスカードによってドローの質を高めたり墓地利用目当てで採用する事も十分ありえます。
また、統率者としてデッキを組んでも面白いですね。
青単色なので採用できるカードに限りはありますが、《全知》や《真実の解体者、コジレック》などの超大型スペルをタダで唱える豪快なデッキが組めそうです。
《真実の解体者、コジレック》《無限に廻るもの、ウラモグ》は墓地に落ちるとライブラリーに戻る能力が誘発しますが、《魅惑の悪漢、マルコム》の能力が先に解決されるのでライブラリーに戻る前に墓地からスタック上に移動する事が出来ます。
大型クリーチャーとして活躍できそうな《荒廃鋼の巨像》は似たような能力を持っていますが、誘発型能力ではなく置換効果で墓地に落ちる事なくライブラリーに戻ってしまうため悪用する事は出来ない点に注意しましょう。
・注目統率者ピックアップ
赤単色の神統率者。
オモテ面は4マナ4/4トランプルと平均的なスペック。
置換効果が非常に特徴的で、対戦相手に戦闘ダメージ以外のダメージ(いわゆる火力)を与えるならこのクリーチャーのパワーまで打点を引き上げるというもの。
素の状態だと《ショック》をプレイヤーに撃つと1マナ4点火力になるという事で、火力呪文が多い赤では様々な悪用が考えられます。
統率者が死亡するとウラ面に変身し、火力を4点以上与えたターン中にオモテ面に戻れるという土地になります。
除去耐性と呼ぶには元に戻るまでが少し悠長なので、盤面・手札の状況によっては変身させずに統率領域に戻す選択肢もあります。
基本的にはオモテ面の置換効果を活かしてデッキを組む事になるでしょう。
インスタントやソーサリーなど単発の火力呪文を使うのは少し効率が悪いので、パーマネントで継続的に火力を飛ばせるカードをピックアップしています。
《火傷吐きグレムリン/Blisterspit Gremlin》
《燃えがらの紅蓮術士/Cinder Pyromancer》
《光り角の海賊/Glint-Horn Buccaneer》
《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》
《鋸刃の餓鬼/Sawblade Scamp》
《槍播き/Spear Spewer》
《熱錬金術師/Thermo-Alchemist》
《物騒なカタパルト/Unruly Catapult》
・・・起動型能力でダメージを飛ばせるクリーチャー。
一度に複数対象に飛ばせたり、連続してダメージを飛ばせるようなものを中心にピックアップしています。
もし足りないようであれば《狡猾な火花魔道士》《ゴブリンの投火師》など他にも多数いるので追加で採用すると良いでしょう。
《灰口のドラゴン/Ashmouth Dragon》(《くすぶる卵》のウラ面)
《無作法な挑発者/Brash Taunter》
《墓所の門番/Cemetery Gatekeeper》
《本能を穢すもの/Defiler of Instinct》
《静電場/Electrostatic Field》
《燃えさし鍛冶/Embersmith》
《エレボール山の炎鍛冶/Erebor Flamesmith》
《火付け射手/Firebrand Archer》
《どぶ潜み/Guttersnipe》
《面晶体の起爆屋/Hedron Detonator》
《ケッシグの炎吹き/Kessig Flamebreather》
《無謀な炎織り/Reckless Fireweaver》
《ウラブラスク/Urabrask》
《灰の盲信者/Ash Zealot》
《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》
《焼身のシャーマン/Immolation Shaman》
《打破数を競う者、ギムリ/Gimli, Counter of Kills》
《過酷な指導者/Harsh Mentor》
《暴れ回るフェロキドン/Rampaging Ferocidon》
《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》
・・・誘発型能力でダメージを飛ばせるクリーチャー。
枚数が多いですが、「(特定のカードタイプ)をプレイするたび」にダメージを飛ばせるカードがほとんどなので、そのカードタイプに寄せた構築にする必要があるため、構築に合わせて取捨選択しましょう。
また、リストの後半は対戦相手の行動に反応してダメージを飛ばすクリーチャーです。卓によってはほとんど機能しない事もあるので何も考えずに採用はしない方がいいでしょう。
《上天の一刺し/AEther Sting》
《燃え立つ大地/Burning Earth》
《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》
《灼熱の銘/Fiery Inscription》
《稲妻の力線/Leyline of Lightning》
《魔力のとげ/Manabarbs》
《溶鉄の生育場/Molten Nursery》
《紅蓮光電の柱/Pyrostatic Pillar》
《乱動する渦/Roiling Vortex》
《呪文ショック/Spellshock》
《ヴァラクートの探検/Valakut Exploration》
・・・ダメージを飛ばせるクリーチャーでないパーマネント。
《燃え立つ大地》《魔力のとげ》は自分への影響もありますが、マナを出した土地1枚につき1点ダメージを飛ばすカードなので、統率者がいると出したマナ×4点ものダメージを飛ばす凶悪カードと化します。
ここでも《溶鉄の生育場》などデッキ構成を寄せる必要があるカードがいくつかあるので、実際の構築に合わせて取捨選択していきましょう。
《チャンドラの焼却者/Chandra's Incinerator》
《チャンドラの吐火/Chandra's Spitfire》
《勇気の徳目/Virtue of Courage》
・・・あまり数は多くないですが火力カードとシナジーするカード。
《勇気の徳目》は序盤は2マナ2点の火力呪文として使え、エンチャントとして出せればその後大量に衝動的ドローが出来るようになるため一気に展開を後押ししてくれる強力なカードです。
火力カードは重要ですが、統率者の置換効果の威力を更に上げるために、統率者のパワーを上げるカードも採用しておくと良いでしょう。
今回の構築では統率者ダメージを狙うわけではないので、コストや採用枚数に注意したいですね。
《統率者の板金鎧/Commander's Plate》
《ミラディンの悪断/Mirran Banesplitter》
《英雄の刃/Hero's Blade》
《下劣なエンブレム/Leering Emblem》
《大薙刀/O-Naginata》
《逆落としの突撃/Downhill Charge》
《猛火の群れ/Blazing Shoal》
・・・永続的に修整を与えられる装備品と、マナがかからず唱えられるインスタントをピックアップしました。
《逆落としの突撃》はインスタントですがかかるコストに対して修整値が非常に大きく、火力を何回でも打てそうなターンにこれを使えればフィニッシャーとして活躍してくれるでしょう。
他のデッキ構成としては《ドラゴンの餌》《軍族童の突発》などのトークンを生成するカードを採用し、トークンサポートカードを活用する構成が考えられます。
《鍛冶の神、パーフォロス/Purphoros, God of the Forge》
《衝撃の震え/Impact Tremors》
《峰の恐怖/Terror of the Peaks》
《機知ある怨怒取り/Witty Roastmaster》
《ゴブリンの砲撃/Goblin Bombardment》
《災厄の行進/Cavalcade of Calamity》
《略奪の爆撃/Raid Bombardment》
《地獄乗り/Hellrider》
《前哨地の包囲/Outpost Siege》
・・・これらは全てサイズが小さい代わりに数を展開できるトークンと相性が良いカードです。
どれもトークンが戦場に出たり、攻撃したりといった行動に反応して火力を飛ばしてくれますが、統率者がいればそれらのダメージが全て4点以上になるので、うまくかみ合えば一瞬にしてライフ40点を削る事も可能です。
また、《擾乱のドミヌス、ソルフィム》などのダメージ倍化系のカードは一見統率者と相性が良さそうですが注意が必要です。
《最深の力、オヘル・アショニル》の置換効果と「ダメージを2倍にする」置換効果が同時に作用した時、影響を受ける対戦相手がどちらを先に適用するか選べてしまいます。
大抵の場合は「ダメージを2倍にする」を適用した後で《最深の力、オヘル・アショニル》の置換効果を適用されてしまい、結局4点になるだけとなってしまいます。
《最深の力、オヘル・アショニル》は火力呪文を活用した赤らしいデッキになりました。
統率者が戦場に出ていないと小さいダメージを飛ばすだけのカードばかりの貧弱なになってしまうため、統率者を盤面に定着させる工夫が必要です。
また、あまり戦闘を行わないのであれば《罠の橋》などで攻撃を防いでゲームスピードを遅らせる構成も一考の余地がありますね。
赤単色という事もあり、対戦相手への干渉能力が少し低くコンボデッキなどには苦労しそうです。
上手い事《魔力のとげ》《紅蓮光電の柱》などの妨害カードを噛み合わせてプレイしていきましょう。
《君臨するもの、インドミナス・レックス/Indominus Rex, Alpha》
ジュラシックワールドから来た青黒緑の恐竜統率者。
5マナ6/6と良好なスペックに、戦場に出る際の置換効果と出た時の誘発型能力があります。
置換効果の方はクリーチャーカードを捨てる事によってそのクリーチャーカードのキーワード能力をカウンターの形で受け継ぐことが出来るというもの。
付与の仕方は違うものの《最初に堕ちし者、ラヤミ》のようにキーワード能力をモリモリに乗せて最強の恐竜を作ろう!という能力。
固有色的に二段攻撃を素で持っているクリーチャーがいないので二段攻撃を付与することができないのが非常に歯がゆいものの、好きなようにキーワード能力を詰め込めるので十分強力です。
戦場に出た時の誘発型能力は、統率者に乗っているカウンター1個につき1ドローが出来るというもの。
特に工夫しなければ、置換効果によって乗せたキーワード能力の分ドローが出来るデザインです。
クリーチャーカードを捨ててしまいますが、その分すぐに手札補充をしてくれる非常に強力な能力です。
置換効果で捨ててオイシイクリーチャーカードを探していきましょう。
欲しいキーワード能力に加えて、他のキーワード能力を1つ以上持っているクリーチャーを優先的に採用したいですね。
統率者に何よりも重要な除去耐性をまずは付与したいところ。
《夜帷の捕食者/Nightveil Predator》
《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》
《岩山鎧のベイロス/Cragplate Baloth》
《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death》
・・・呪禁を持つクリーチャー。
《夜帷の捕食者》は合計3個のキーワード能力を持っているので非常に相性が良いですね。
《栄光の神バントゥ/Bontu the Glorified》
《周到の神ケフネト/Kefnet the Mindful》
《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》
《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable》
《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea》
・・・破壊不能を持つクリーチャー。
最初の3枚は破壊不能に加えてキーワード能力を追加で1つ持っています。
下の2枚は破壊不能だけですが、捨てるのではなく普通に唱える場合にもしっかりと仕事を果たせるのでピックアップしています。
《不屈の神ロナス》は統率者に足りていない打点向上をカバーしてくれますし、《海の神、タッサ》はブロックされないという最強の回避能力もそうですが、デッキ的に「置換効果で捨てたいクリーチャーカード」という統率者を出す時以外は不要なカードが多くなってしまうため、毎ターンの占術でドローの質を高められるのは見逃せない強みです。
統率者戦では、全体除去が《毒の濁流》だったり、そもそも単体除去が《剣を鍬に》などの追放除去、《金粉のドレイク》などのコントロール奪取だったりと破壊不能が活きてこない時もあるため、除去耐性として過信しないようにしましょう。
ここまでピックアップした呪禁か破壊不能持ちのクリーチャーを採用すると、飛行を持つクリーチャーカードはいくつかありますが、他のキーワード能力に関しては持っていない事が多いので、そこをカバーできるように他のクリーチャーを採用すると無駄になりにくいですね。
《廃物製の喧嘩屋/Scavenged Brawler》
・・・数少ないキーワード能力を4つ持つクリーチャー。
能力はどれもダメージレースにおいて非常に優位に立てるものになるので、呪禁や破壊不能で除去耐性を持たせてあげれば最強のフィニッシャーになる事間違いなしの必須カードでしょう。
《雨ざらしの番兵/Weathered Sentinels》
《長老ガーガロス/Elder Gargaroth》
《ラムナプのハイドラ/Ramunap Hydra》
・・・到達、トランプル、警戒を持つクリーチャー。
除去耐性クリーチャーとほぼ被らないキーワード能力を3つも持っているので、一気に統率者を強化できます。
《嘆きの天使/Weeping Angel》
《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》
《グリッサ・サンスレイヤー/Glissa Sunslayer》
《呪われたミリー/Mirri the Cursed》
《夜のスピリット/Spirit of the Night》
《終末の祟りの先陣/End-Raze Forerunners》
《探索する獣/Questing Beast》
・・・その他キーワード能力を複数持っていたり、普通にプレイしてもある程度仕事をしてくれるクリーチャー。
先制攻撃と接死を持っていると戦闘においてはほぼ無敵な事、接死とトランプルを持っているとブロッククリーチャー1体につき1点ずつだけ割り振れば後はプレイヤーにダメージを通せる事は基本的ではありますが重要なルールなので意識してこの組み合わせを持たせられると良いでしょう。
続いて戦場に出た時の誘発型能力に注目してカードをピックアップしていきます。
この誘発型能力はキーワード能力カウンターだけでなく、+1/+1カウンターも数えてくれます。
つまり誘発型能力が解決する前に+1/+1カウンターを乗せてあげるとその分も数えてドロー枚数を増やす事ができます。
《戦旗皮のクルショク/Bannerhide Krushok》
《心優しきハイドラ/Benevolent Hydra》
《練達の生術師/Master Biomancer》
《バイオファガス/Biophagus》
《ギルド魔道士の広場/Guildmages' Forum》
《ビヒモス呼び、ルナーディ/Runadi, Behemoth Caller》
《強き者の発現/Mighty Emergence》
《ラノワールの再生地/Llanowar Reborn》
《粘体投げの小蛙/Plaxcaster Frogling》
《英雄の鍛錬所/Forge of Heroes》
《オパールの宮殿/Opal Palace》
《古えの憎しみ/Ancient Animus》
《豊穣の碑文/Inscription of Abundance》
《活性化のうねり/Invigorating Surge》
《凶暴な召喚/Savage Summoning》
《予想外の牙/Unexpected Fangs》
・・・誘発型能力が解決する前に統率者に+1/+1カウンターを乗せられるカード。
+1/+1カウンターを乗せるだけなら他にも選択肢はありますが、オマケ能力が優秀だったりコストが軽いものを中心にピックアップしています。
コストに関しては特に重要で、誘発型能力がスタックに乗っているという事は少なくとも5マナ支払って統率者を唱えているタイミングという事なので、あまり余分なマナが無い事が多いためです。
《空想小僧、ピール/Pir, Imaginative Rascal》
《巻きつき蛇/Winding Constrictor》
《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス/Vorinclex, Monstrous Raider》
《倍増の季節/Doubling Season》
《育殻組のヴォレル/Vorel of the Hull Clade》
《実験的占い/Experimental Augury》
《血清の罠/Serum Snare》
《ドロスの囁き/Whisper of the Dross》
・・・カウンターの量を増やせるカード。
本来であればキーワード能力カウンターは2個目以降が乗ったところで特に何も起きませんが、《君臨するもの、インドミナス・レックス》の場合はドロー量が増えるので話は別。
カウンターの量を増やしたり、乗せる量を1個増やしたりすると、ドロー枚数が2倍に増えるため、非常に重要ですね。
《君臨するもの、インドミナス・レックス》は自身の能力で最強の恐竜になりつつ、ドロー能力で妨害カードなどを補充し、統率者ダメージを狙うデッキになりました。
プレイする上で注意したい点として、2回目以降戦場に出る際、1回目に出たときのキーワード能力はもちろん引き継げません。
除去耐性が重要だという事にも繋がりますが、打ち消し呪文などでしっかりと統率者を守れるような構造にしたり、出し直しの際にもちゃんとクリーチャーカードを用意出来るようにクリーチャー回収手段を仕込むなどしておきたいですね。
各種妨害カードが強力な青と黒、クリーチャーサーチが強力な緑と、サポートカードが非常に優秀な固有色である点も強さの一端を担っています。
干渉能力を高めるための妨害カード、安定性を高めるためのドローやサーチカード、統率者ダメージを効率的に稼ぐための打点サポートカードなど、採用したいカードはいくらでもあるのでデッキを100枚に収めるのが難しく、使用者のセンスが問われる統率者と言えるでしょう。
《君主のオキネク・アハウ/Sovereign Okinec Ahau》
白緑の猫統率者。
本体のスペックは4マナ3/4護法2マナとそこまで攻撃的なものではありませんが、特徴的な能力を持っています。
統率者が攻撃したとき、「基本のパワーよりもパワーが大きいクリーチャー」それぞれに対して「基本のパワーと今のパワーの差の値」分の+1/+1カウンターを乗せるというもの。
一回誘発すると、二回目以降は一回目の時に乗った+1/+1カウンターを参照します。したがって二回目以降サイズが膨れ上がっていくので、すぐに手が付けられないほどのサイズになることでしょう。
例えば特に何もいじっていない《トリスケリオン》であれば、「基本のパワーよりもパワーが大きいクリーチャー」に該当して、「基本のパワーと今のパワーの差の値」は3。
統率者が攻撃すると3個の+1/+1カウンターが乗る事になります。
また、緑お得意《巨大化》など一時的に強化する呪文を使ってからこの能力を解決すると、一時的強化の分が永続的な強化になります。
この能力はもちろん統率者自身にも影響を及ぼす事、カウンターを乗せるクリーチャーは攻撃している必要が無い事が注目ポイントと言えます。
統率者のサイズを簡単に強化出来るので、統率者ダメージを狙うデッキになるでしょう。
まずは統率者を強化出来るカードを探していきます。
基本的に《巨大化》が1マナで+3、《力強い跳躍》のような回避能力付与が2マナで+2なので、これを越える効率のものを採用していきたいですね。
《古きクローサの力/Might of Old Krosa》
《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
《植生噴出/Phytoburst》
《餌食の復讐/Prey's Vengeance》
《強大化/Become Immense》
《激励/Invigorate》
《冒険者の装具/Adventuring Gear》
《地うねり/Groundswell》
《スカイクレイブの鶴嘴/Skyclave Pick-Axe》
・・・一時的ながらマナ効率のいい強化カード。
《変異原性の成長》《激励》はマナがかからず=隙を作らずに強化出来るので、相性の良いカードですね。
《再鍛の黒き剣/Blackblade Reforged》
《浄火の鎧/Empyrial Armor》
《浄火の板金鎧/Empyrial Plate》
《裁きの木槌/Gavel of the Righteous》
《ハンド・オヴ・ヴェクナ/Hand of Vecna》
《獅子の飾緒/Lion Sash》
《怨恨/Rancor》
《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》
《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable》
《エースの野球バット/Ace's Baseball Bat》
《天使の運命/Angelic Destiny》
《逆刺の戦具/Barbed Battlegear》
《征服者のフレイル/Conqueror's Flail》
《真理と正義の剣/Sword of Truth and Justice》
《勇者の兜/Champion's Helm》
《統率者の板金鎧/Commander's Plate》
《守護の増強者/Guardian Augmenter》
《拠点の守備兵/Bastion Protector》
《ナザーンの槌/Hammer of Nazahn》
《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》
・・・継続的に強化出来るカード。
白緑という固有色はクリーチャー強化手段が豊富なので、ここでは紹介しきれません。
統率者は護法を持っているとはいえ微々たるもの。回避能力や除去耐性を付与できるようなオマケ能力つきを中心に採用していきましょう。
統率者の強化手段としては他にも多岐に渡ります。
《下劣なエンブレム》《達人の巻物》《白の乗り手、ガンダルフ》のような呪文をたくさん唱える一見白緑らしくない戦い方を軸に据えた構成、《きらきらするすべて》《イラクサ嚢胞》のようなアーティファクトやオーラで強化していく構成、《大群の力》《万戦の幻霊》《武勇の印章》のようなクリーチャーを横に並べる事で高効率で統率者を強化する構成などなど。
どの構成も強みと弱みがあるので、自分の好みに合わせてデッキを組み替えてみると良いですね。
+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出るクリーチャーは、この統率者と非常に相性が良いですね。
特にカウンターを乗せるクリーチャーは攻撃している必要が無い事から、+1/+1カウンターを活用したシステムクリーチャーとの相性も見逃せません。
《心優しきハイドラ/Benevolent Hydra》
《植物の喧嘩屋/Botanical Brawler》
《カロニアのハイドラ/Kalonian Hydra》
《収穫の祝賀者、クルビス/Kurbis, Harvest Celebrant》
《愚鈍な自動人形/Mindless Automaton》
《刻まれた巫女/Etched Oracle》
《鉄の弟子/Iron Apprentice》
《たかり猫猿/Scrounging Bandar》
《鱗の召使い/Servant of the Scale》
《優秀な学徒/Star Pupil》
《モノスケリオン/Monoskelion》
《トリスケリオン/Triskelion》
《歩行バリスタ/Walking Ballista》
《水晶の這行器/Crystalline Crawler》
《役馬/Workhorse》
《円環の賢者/Gyre Sage》
《ファーティリド/Fertilid》
《ピュアストレイン・ジーンスティーラー/Purestrain Genestealer》
・・・+1/+1カウンターを活用するクリーチャー。
《モノスケリオン》《トリスケリオン》《歩行バリスタ》は一度統率者が機能し始めると対戦相手のサイズの小さいクリーチャーは軒並み処理していけるので、一方的な盤面が作れるでしょう。
《愚鈍な自動人形》《刻まれた巫女》はちゃんとしたドローエンジンとして活躍するまでは少し手間がかかりますが、一度機能し始めるとこの色に不足しがちなドロー力を補ってくれる優秀なカードです。
《君主のオキネク・アハウ》は白緑らしい、+1/+1カウンターを活用しながらガンガン攻撃していく非常にアグレッシブなデッキになりました。
ただ単に統率者を強化するだけでなく、脇を固めるカードも一工夫する事でしっかりと特色を出していく事が出来るので、一見普通の統率者ダメージ狙いのデッキに見えつつ、独特の動きもこなせる面白いデッキが組めそうです。