岡本桂多のKill them All!~『ダスクモーン:戦慄の館』編・前編~

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お久しぶりです!BIGWEB統率者戦担当の岡本桂多です!
皆さん楽しい統率者戦ライフをお過ごしでしょうか?


僕は前回の『ブルームバロウ』では

《渦巻く精神、ウィック/Wick, the Whorled Mind》
《刈り手、ベイレン/Baylen, the Haymaker》
《風冠の者、ケストラル/Kastral, the Windcrested》
《マリーゴールドの騎士、アーサー/Arthur, Marigold Knight》

この4つのデッキを組んで遊んでいました。

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この中では《マリーゴールドの騎士、アーサー》が中々使い勝手よく、久しぶりに《荒廃鋼の巨像》をしっかりと使えて爽快でした!
他にも《全てを喰らうもの、イグラ》《神経質な予見者、ヘルガ》《情け知らずのヴレン》《悪名高い残虐爪》《渓間の声、ジニア》など、普段よりも多く新統率者を見かけました!

さて、『ダスクモーン:戦慄の館』では新たな次元に来訪して、おどろおどろしい世界観になっていますね。
新規ギミックは兆候、違和感、生存、部屋で、再録(アレンジ込み)ギミックは戦慄予示、昂揚。

兆候は各色の大主が持つ能力で、待機と似たような能力ですね。
唱えたときにだけ時間カウンターが置かれて、指定のターン数経過するまでクリーチャーではなくエンチャントとして扱われるというもの。

okamotoDSK 02.jpgあまり多くはありませんが、カウンターを取り除く《吸血鬼の呪詛術士》《呪詛の寄生虫》を使えば素早く「解凍」できますし、《厳粛》があれば最初から時間カウンターが無い状態で戦場に出す事ができます。

また、一旦戦場に出たあと明滅させれば時間カウンターが無い状態で戦場に戻す事ができます。
《永遠王、ブレイゴ》《溌剌の牧羊犬、フィリア》《空を放浪するもの、ヨーリオン》などは統率者としてだけでなくシンプルに明滅カードとしても十分強力なので、戦場に出たとき能力が強い統率者で大主とセットで採用しておくと良い働きを見せてくれそうです。

違和感は星座と似たような誘発型能力なので実質アレンジ再録能力と言ってもいいかもしれません。
部屋を開放した時にも誘発しますが、統率者戦ではやはり「エンチャントが戦場に出たとき」の方が誘発タイミングは多いでしょう。
エンチャント中心の統率者《雪花石を率いる者、ブルーナ》《運命に導かれし者、ケイリクス》《蘇りしダクソス》《秘儀の織り手、ゲン》《耕作者、ケスティア》《収穫の手、サイシス》《現実の設計者、タメシ》《結界師ズアー》などなど、昔から定期的に登場しており非常に種類が多いですね。

okamotoDSK 03.jpg《蘇りしダクソス》《秘儀の織り手、ゲン》など自身の能力で比較的簡単にエンチャントを戦場に出せる=違和感能力を誘発させられる統率者は特に強く違和感カードを扱えますね。


生存は第2メインフェイズ開始時にそのクリーチャーがタップ状態であれば誘発する能力。
普通に使うと戦闘時にタップしてその戦闘生き残れば誘発するというものですね。
この能力を持っているクリーチャーのスペック次第にはなりますが、ブロッカーが潤沢になってくる中盤~終盤では中々安定して誘発させるのは難しいでしょう。

カパロクティ・サンボーン》《コーヴェクダル、エラダムリー》《殺戮の歌姫、キット・カント》のような、能力のコストとしてクリーチャーをタップさせる統率者での活躍がまず考えられますね。

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あまり数は多くないものの、《刃を持つ者、アスター》《天才操縦士、コトリ》《模範操縦士、デパラ》《大牙勢団の総長、脂牙》のような機体を使う統率者でも搭乗させれば安全にクリーチャーをタップさせる事が出来るので安定して仕事をしてくれるでしょう。

部屋は新たなエンチャントタイプ。
分割カードの亜種ですが、片方の部屋を開放した状態で戦場に出して、後々追加でコストを支払えばもう一つの部屋の能力も使えるというもの。
エンチャントなのでエンチャント中心のデッキでの活躍が考えられますが、《秘儀の織り手、ゲン》のように唱えずに戦場に出した場合はどちらの部屋も開放されていない状態になるので、改めて開放コストを支払う必要がある点に注意が必要です。

戦慄予示は予示のアレンジ版。
普通の予示はライブラリーの一番上だけを予示でしたが、今回は2枚見て片方を予示して片方を墓地に置くというもの。
上手いこと狙ったクリーチャーを予示できれば明滅などと組み合わせてコスト踏み倒しができましたが、戦慄予示は1枚でなく2枚から選べるので前回よりも狙ったクリーチャーを予示しやすくなりました。

okamotoDSK 06.jpg《祖先の残響、アブエロ》《永遠王、ブレイゴ》《祝福されたエミエル》《隠された領域のローン》《深海住まいのタッサ》など明滅能力を持つ統率者で戦慄予示を行えるカードを採用しておくと大型クリーチャーのコスト踏み倒し戦略が安定しますね。


昂揚は再録ギミックですが、今回は4種類だけでなくそれ以上墓地に落ちていたらその分参照するカードがいくつかあります。
ここ最近ではバトルという新しいカードタイプも増えましたし、《ウルザの物語》のような土地・エンチャントや今回また種類が増えたクリーチャー・エンチャントなど、複数のカードタイプを持つカードも増えてきたため、昂揚の種類数を稼ぎやすくなりました。

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ただ、特に昂揚を意識していないデッキの場合はそれでも墓地に安定して4種類以上をため込む事は難しいです。
ゲームが長期化した場合は自然と昂揚をしている事もありますが、安定して運用する場合はやはり《死に微笑むもの、アリーシャ》《湖に潜む者、エムリー》《幽霊の酋長、カラドール》のような墓地利用統率者や《ギサとゲラルフ》《森の轟き、ルムラ》《血の暴君、シディシ》《黄金牙、タシグル》のような切削能力を活用する統率者で使うのが良いでしょう。

 

それではいつも通り新セットの中身を見ていきましょう!

・注目カード5選
・注目統率者ピックアップ
・統率者デッキを強化しよう!(後編にて掲載)


・注目カード5選


5位《収納室+忘れられた地下室/Walk-In Closet+Forgotten Cellar
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緑単色の部屋カードは《世界のるつぼ》と《ヨーグモスの意志》を1枚にくっつけたようなカード。
どちらも統率者戦ではよく見かけるカードで見た目通りの強さとなりちょっとコメントしづらいですね(笑)
どちらもエンチャントというカードタイプでこういった能力は珍しいので、エンチャントシナジーのデッキで新たなアドバンテージ確保手段としての活躍が見込めます。

《忘れられた地下室》の方はちょっと特殊で、《ヨーグモスの意志》は大体プレイしたら追放されてしまうので使いきりでしたが、これの場合はエンチャントとして戦場に残るので手札に戻したりして再度使い回しが出来るという利点があります。
開放した時にすぐに墓地のカードを含めて何かしらの無限コンボが出来るというのであれば関係ありませんが、ちょっと強い《永遠の証人》のようなカードとしてゲーム中盤に雑に開放し、またゲームが進んでから再利用して今度はフィニッシュするために開放するなど、長期戦を見据えた使い方が可能です。

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《葬儀人、コーラム》《大食の幼生、グリスト》《ゴルガリの死者の王、ジャラド》《幽霊の酋長、カラドール》《墓場波、ムルドローサ》《血の暴君、シディシ》《六番》《ウィンドグレイスの魂》などなど、固有色緑を含む墓地利用の統率者は非常に多く、そういったデッキに雑に放り込んでおいても良いでしょう。
そういったデッキであれば基本的にはエンチャントの《世界のるつぼ》として扱っておけば最低限の仕事はしてくれますし、ゲームが長引いて消耗戦になった所での《忘れられた地下室》はシンプルに強力でしょう。

 

4位《永劫の好奇心/Enduring Curiosity
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《沿岸の海賊行為》を内蔵しているクリーチャー。
今回はオリジナルと同様、戦闘ダメージを与えたクリーチャーの数だけドローが出来る仕様なため、トークンデッキや部族デッキなどのクリーチャーを横並べするデッキでのドローソースとして重宝するでしょう。
ここ最近似たような能力を持つカードは種類が多くなってきているため、こればっかり採用するとスムーズな展開ができなくなります。
デッキや採用枠数にあわせて取捨選択するといいでしょう。

《永劫の好奇心》はクリーチャーでもあるため、固有色に緑を含む統率者でクリーチャーサーチからアクセスしやすいというメリットがあります。
緑が絡むと今度は似たようなクリーチャーで《秘密を知るもの、トスキ》がいますが、あちらとは異なり死亡したあとにエンチャントとして仕事をし続けられる除去耐性の面でメリットがあります。
《秘密を知るもの、トスキ》は破壊不能を持つので一定の除去耐性はあるものの、統率者戦でよく使われる全体除去として《毒の濁流》が採用される事が多く、これでは簡単に処理されるため、除去耐性の面では《永劫の好奇心》に軍配が上がるでしょう。

 

3位《呪われた録画/Cursed Recording
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赤お得意のインスタントやソーサリーをコピーするカード。
今回はちょっと癖のある制限付きのコピーカードとしてデザインされています。
4マナのアーティファクトと少しマナ総量は重いものの、実際にコピーする際はこのアーティファクトをタップするだけでコピーできるという優れもの。
デメリットとして、インスタントやソーサリーを唱えるたびに時間カウンターが乗っていき、7個以上になるとカウンターを全て取り除いて自分に20点ダメージを与えるという制限がついています。

タップするだけでインスタントやソーサリーをコピーできるのは非常に破格なので、この7個以上という制限をどうにかして乗り越える方法を考えてみましょう。

1つ目は《呪われた録画》というアーティファクトそのものをどうにかする方法。

okamotoDSK 12-1.jpg赤お得意の《ゴブリンの溶接工》《屑鉄の学者、ダレッティ》などの墓地と戦場のアーティファクトを入れ替えるカードを使う事で、生け贄に捧げつつ別のアーティファクトを戦場に戻してリソースを減らさずに戦場からどかす事ができます。
それらを活用すれば、一度墓地に落とした《呪われた録画》を再度戦場に戻して時間カウンターをリセットする事が可能なので、再利用という点でも優秀な使い道でしょう。

2つ目は時間カウンターをどうにかする方法。
固有色赤単ではちょっと難しいですが、大主の時と同様の手段を使えます。
《吸血鬼の呪詛術士》《呪詛の寄生虫》《厳粛》を使えばカウンターを取り除けますし、《永遠王、ブレイゴ》《溌剌の牧羊犬、フィリア》《空を放浪するもの、ヨーリオン》を使えばカウンターをリセットできます。

3つ目は開き直って20点のダメージをまともに受ける方法。
通常のフォーマットとは異なり統率者戦では初期ライフが40あるので、下手にダメージをもらわなければ一度は「7回」という制限を超えても耐える事が可能です。

okamotoDSK 13.jpg固有色に赤を含む統率者だと、《豪腕のブライオン》《ファイアソングとサンスピーカー》《移り気のピルー》《原初の災厄、ザカマ》あたりがしっかりとライフを確保できるので、二度目の7回制限を超えても生き延びられそうな統率者でしょうか。
この中では《ファイアソングとサンスピーカー》がデッキコンセプト的にもインスタントやソーサリーが多くなり、《呪われた録画》の能力自体もちゃんと使いこなせそうですね。
変わり種としては《黄金夜の刃、ギセラ》で自分に与える20点のダメージを半減させて10点にするという荒業も面白いですね。


時間カウンターが置かれるのはインスタントやソーサリーを唱えたときだけで、コピーした時には置かれない点も見逃せません。

okamotoDSK 13-1.jpg《破天荒、ステラ・リー》の時にも使った無限コンボですが、《劇的な逆転》などの《呪われた録画》をアンタップできるインスタントやソーサリーをコピーし、コピーを先に解決して更に《呪われた録画》をコピーする事が可能です。
これによってオリジナルが解決する前にコピーを任意の回数生成し続ける事ができますが、このコピーは唱えているわけではないので7回制限を無視できます。
更に《劇的な逆転》を使った場合は《呪われた録画》以外の土地でないパーマネントも一緒にアンタップできるので、《秘儀の印鑑》などのマナアーティファクトがあればお手軽無限マナコンボの完成というわけです。
《破天荒、ステラ・リー》デッキで、統率者が集中砲火されて使い物にならない場合でも無限マナルートとして採用しておくのも良いですし、他のインスタントやソーサリーメインのデッキで採用するのも良いでしょう。

 

2位《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス/Valgavoth, Terror Eater
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今回のストーリーの主役となるエルダーデーモンは久しぶりにド派手なマナ総量とそれに見合った能力を備えています。

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9マナ9/9飛行絆魂というスペックは統率者戦で禁止の《グリセルブランド》を彷彿とさせますね。
戦場に出て戦闘ができればライフの心配はなくなる事でしょう。
護法は土地でないパーマネント3つ生け贄というコスト。
土地でなくともトークンであればコストに出来てしまうため、宝物トークンなどで賄えることを考えると少し除去耐性としては心もとない印象を受けますが、全くないよりはいいですね。

これらに加えて置換効果が1つと常在型能力が1つあります。

置換効果は対戦相手の墓地にカードが置かれるなら代わりに追放される、《ダウスィーの虚空歩き》のような能力。
自身の常在型能力とリンクしているのでそれ目当ての能力にはなりますが、それでなくとも無限頑強などの墓地対策が出来るため、苦労して《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》を出したけどその返しに無限頑強コンボを決められて負け、というようなしょっぱい幕引きにはならないのはうれしいですね。

常在型能力はこのクリーチャーのメインと言ってもいい能力。
自身の置換効果によって追放した対戦相手のカードを今度は自分でプレイしてもよくなります。
しかもマナに関しては代わりにライフを支払う事で賄う事ができるため、ライフが潤沢な統率者戦では非常に強力な能力です。
注意したい点として、自分のターン中にしかプレイする事ができないため、自身の能力で打ち消し呪文や妨害呪文を追放していたとしても相手のターン中にプレイしての妨害ができない点があります。

okamotoDSK 14-2.jpg統率者として構築する場合、似たような能力や構成になる《恐怖の神、ターグリッド》が競合相手として存在します。
《恐怖の神、ターグリッド》の方がマナ総量が軽く扱いやすいものの、《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》はパーマネントカードでなくとも奪う事ができるという大きな強みがありますし、優秀な本体スペックのおかげで仮にリソース差を付ける事が出来ずともそのままフィニッシャーとしても扱える点でも差別化が可能ですね。

まずはとんでもないマナ総量をどうにかする所から構築はスタートするでしょう。
マナアーティファクトを始めとしてマナ加速を大量に詰め込むことになりますね。
黒お得意の《暗黒の儀式》《陰謀団の儀式》などの一時的なマナ加速はアドバンテージを失うので採用しない事もありますが、今回は一度戦場に出てしまえば(対戦相手のカードとはいえ)リソースを取り戻せるので是非採用したいですね。
黒単デッキでだけ強く使える《陰謀団の貴重品室》《陰謀団の要塞》《貴重品室の大魔術師》《墓所の怪異》《ニルカーナの亡霊》といったマナ加速カードも採用してしっかりとマナを捻出しましょう。

一度戦場に出たあとは対戦相手の墓地にカードを落とさせて自分のリソースとして活用していきましょう。
黒お得意のクリーチャー除去でも良いですが、手札破壊や切削カードを使って普段よりも多く追放させていきましょう。

手札破壊であれば《抑圧》《悪ふざけの名人、ランクル》《底なしの奈落》《ネクロゴイフ》のような継続的な手札破壊、《往時軍の覚醒》《闇取引》《狂乱病のもつれ》《精神の掻き寄せ》のような単発の手札破壊などから選択すると良いでしょう。
その際対戦相手が複数人いるので、「各対戦相手」「各プレイヤー」に影響を及ぼす手札破壊をしっかりと選んで使いたいですね。

切削であれば《研磨基地》《催眠の宝珠》《侵略樹、次元壊し》《肉体と精神の剣》などがオススメです。
特に《研磨基地》は対戦相手のライブラリーからアーティファクトが切削されればそれを統率者の能力で唱え、《研磨基地》がアンタップされるので更に切削させる事ができます。アーティファクトが多めに採用されているデッキ相手であれば一気に切削しきる事も夢ではないでしょう。

okamotoDSK 14-4.jpg少し高額なカードになりますが、《Helm of Obedience》との即死コンボも強力です。
いわゆる「ヘルムヴォイド」と呼ばれる昔ながらのコンボで、《Helm of Obedience》は対象の対戦相手に「クリーチャーカードか、カードがX枚墓地に置かれるまで切削」させますが、墓地にカードが置かれる代わりに追放される=カードが墓地に置かれていないと判断され、ライブラリーがなくなるまで切削させてしまうというコンボです。
統率者とカード1枚だけでプレイヤーを即死させられるコンボなので、資産的に余裕があれば是非採用したいカードですね。


《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》は統率者だけでなく、普通に他の統率者デッキに大型クリーチャー枠として採用する事も十分考えられます。
まともにマナを支払って唱えるのではなく、コスト踏み倒し系のデッキでの採用になるでしょう。
《汚らわしき者バルソー》《狂気を操る者チェイナー》《クロクサとクノロス》《飢饉の祖、シルゲンガー》《スライムフットとスクイー》など、昔からお馴染みの統率者から最近の統率者まで数多く存在します。
やはり黒を含むので墓地から戦場に戻すタイプの踏み倒しが多いですね。
こういったタイプのデッキでは墓地に目当ての大型クリーチャーを落とすために自分も含め各プレイヤーに手札を捨てさせるカードや各プレイヤーのライブラリーを切削するカードを採用する事が多いですが、そういったカードは言わずもがな《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》が戦場に出たあとも意味のあるカードになってくるので良いかみ合いを見せてくれます。

 

1位《人形作家の店+陶磁器ギャラリー/Dollmaker's Shop+Porcelain Gallery
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白単色の部屋カードはトークンデッキなど横並べ戦略サポートのカード。

《人形作家の店》は2マナで、玩具でないクリーチャーが攻撃するたびに1/1の玩具クリーチャートークンを生成するというもの。
自力でトークンを生成できるというわけではない事、攻撃したクリーチャーが生き残らないと頭数が変わらない事など使いにくい点はあります。
ただ、2マナという非常に軽いコストで継続的にトークンを生成できるのは破格の性能です。
更に、テキストの書き方からプレイヤー複数人に攻撃するとその防御プレイヤーの数だけ生成できるので、4人でプレイしていれば一度の戦闘で最大3体生成する事ができます。

《陶磁器ギャラリー》は6マナと大分コストが重いものの、自分のクリーチャーの基本のパワータフネスを底上げするというとんでもない能力。
《人形作家の店》で頭数を増やし、《陶磁器ギャラリー》で全体のサイズアップを図るという自己完結している良いデザインですね。

トークンデッキに必要な要素は「数を並べる」「全体強化をする」の2要素になりますが、このカードは高いレベルでこの2要素をカバーしてくれます。
白を含むトークンデッキ用統率者が多数存在します。

okamotoDSK 15-1.jpg《エドガー・マルコフ》《宴の結節点、ジェトミア》《混沌の造り手、ヤン・ヤンセン》《風の憤怒、カイカ》《マルネウス・カルガー》《栄光のドミヌス、モンドラク》《最深の基盤、オヘル・タク》《ルアダッハの女王オーリナル》など、相性が良さそうな統率者は多く存在しますね。
特に《混沌の造り手、ヤン・ヤンセン》は普段はトークンでガンガン攻撃していく構成にはなりにくいものの、流石に《陶磁器ギャラリー》ぐらいの勢いで全体強化が出来ればライフを攻められるため新たな勝ち筋となるでしょう。
また、《人形作家の店》で生成されるトークンがアーティファクトでもあるため《混沌の造り手、ヤン・ヤンセン》の能力のコストにも使える点も見逃せません。
この《混沌の造り手、ヤン・ヤンセン》のようにアーティファクトを継続的に生成できる点を見込んで《エーテリウム造物師、ブレイヤ》のようなアーティファクトシナジーデッキに採用する事も考えられますね。

一つ注意したいのは《輝かしい聖戦士、エーデリン》のような「トークンを攻撃している状態で生成する」、《軍団のまとめ役、ウィノータ》のような「クリーチャーカードを攻撃している状態で戦場に出す」能力によって戦場に出したクリーチャーでは《人形作家の店》は誘発しない点です。
特に《輝かしい聖戦士、エーデリン》は一度に各対戦相手に攻撃してくれるので一見相性良さそうだったのでちょっと残念ですね。

 


・注目統率者ピックアップ

猛打者、タイヴァー/Tyvar, the Pummeler
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プレインズウォーカー形態も含めると4度目のカード化となるタイヴァー、今回は緑単色の統率者候補。
3マナ3/3と標準的なスペックに起動型能力を2つ持っています。

1つ目の起動型能力は、自身以外のクリーチャーをタップすると破壊不能を得てタップするという除去耐性。
マナクリーチャーなどのシステムクリーチャー、トークンを活用すれば簡単に破壊不能という大分信頼のおける除去耐性を持たせられるので、非常に優秀です。

統率者戦での除去は普通の破壊やダメージ以外にも《毒の濁流/Toxic Deluge》などのマイナス修整、《剣を鍬に》などの追放除去、《サイクロンの裂け目》などのバウンス、《金粉のドレイク》などのコントロール奪取と、破壊不能では防げない除去も多数使われています。
この中でも《毒の濁流》《サイクロンの裂け目》(超過)を避けるのは非常に困難なため、せめて他の単体除去は避けられるようにある程度統率者を守るカードを採用しておくといいでしょう。


《顕在的防御/Blossoming Defense》
《蛇皮のヴェール/Snakeskin Veil》
《夏の帳/Veil of Summer》
《集団的防衛/Collective Resistance》
《ガイアの贈り物/Gaea's Gift》
《守護の増強者/Guardian Augmenter》
《英雄的介入/Heroic Intervention》
《過剰防衛/Overprotect》
《タイヴァーの抵抗/Tyvar's Stand》
《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
・・・インスタントで単体除去を避けられるカード。
どれも大体オマケ能力はついているものの、こればっかり採用していても攻めるタイミングで攻めきれなくなる可能性があります。
ある程度デッキ全体のバランスを考えて採用したいですね。

okamotoDSK 16-1.jpgこの中では《守護の増強者》は継続的に呪禁を付与してくれる上に修整も与えてくれます。
統率者に修整を与えておくと後述する2つ目の起動型能力の威力が上がるため、特にオススメの1枚ですね。

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統率者の2つ目の起動型能力は、《圧倒する暴走》相当の修整を与えられる、中々に強力な能力。
この起動型能力を活用して戦っていくのが基本的な《猛打者、タイヴァー》デッキの流れになるでしょう。
統率者以外に大型クリーチャーがいればその分修整値もグッと上がるので、《収穫の魂》《明けの林の主》《包囲ビヒモス》のような大型システムクリーチャーを活用するのも手ですね。


デッキの構成としては大きく分けて2種類考えられます。
1つ目は統率者を強化して統率者ダメージを狙う構成、2つ目はクリーチャーを横並べして起動型能力の合計修整値を上げて圧殺する構成です。

1つ目の構成の場合は、とにかく統率者を強化するカードを採用していく事です。

統率者の2つ目の起動型能力を起動する前にパワーの最大値をあげれば、その分修整値も上がります。
もちろんこの起動型能力を何度も起動すれば、3/3→6/6→12/12→24/24とサイズがぐんぐん上がっていきますが、流石にそこまでのマナを用意するのは厳しいでしょう。
また、他のカードで修整を与えた後にこの起動型能力を起動したいので、軽いコストでしっかり修正値を上げられるものを選別したいですね。
基準値となるのはやはり1マナでパワーを3上げられる《巨大化》でしょうか。

《ハイドラの血/Aspect of Hydra》
《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》
《長所食い/Eater of Virtue》
《地うねり/Groundswell》
《英雄の刃/Hero's Blade》
《激励/Invigorate》
《気宇壮大/Larger Than Life》
《古きクローサの力/Might of Old Krosa》
《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
《大薙刀/O-Naginata》
《植生噴出/Phytoburst》
《捕食者の一撃/Predator's Strike》
《力の印章/Seal of Strength》
《圧倒的巨体/Staggering Size》
《選ばれしものの剣/Sword of the Chosen》
《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》
《雷足のベイロス/Thunderfoot Baloth》
《ウルフィーの銀心/Wolfir Silverheart》
《ハンド・オヴ・ヴェクナ/Hand of Vecna》
《融合する武具/Grafted Wargear》
《ベルト・オヴ・ジャイアント・ストレングス/Belt of Giant Strength》
・・・コストが軽かったり、オマケが強力だったり、継続的に修整を与えられるようなカードたち。
緑お得意の一時的に修整を与えるカードは効率が良いものの、そのターンを過ぎるとまた育て直す必要があるため、採用枚数はちゃんと考えたいですね。
一時的な修整カードであれば《激励》は0マナで+4/+4修整という非常に高効率になるためオススメの1枚です。
代替コストの3点ライフゲインも統率者ダメージでフィニッシュする場合は関係ありませんし、この修整を与えた後に起動型能力を起動すれば3点ライフなど一瞬で消し飛ばす事ができるでしょう。

okamotoDSK 17.jpgベルト・オヴ・ジャイアント・ストレングス》は装備コストが非常に重いように見えますが、他の効果などを使って装備対象のパワーを10以上にしてしまえば装備コストは0マナになります。
そして基本のパワーとタフネスを書き換えてくれるため、装備したターン以降のターンも一回の起動型能力で20/20までサイズアップできるようになる、非常に相性のいい装備品ですね。

 
《一歩上へ/Get a Leg Up》
《大群の力/Might of the Masses》
《再鍛の黒き剣/Blackblade Reforged》
《原初の怒声/Primal Bellow》
《冒険者の装具/Adventuring Gear》
《スカイクレイブの鶴嘴/Skyclave Pick-Axe》
《ルーン唱えの長槍/Runechanter's Pike》
《ティタニアの杖/Staff of Titania》
《スランの魔力鎧/Thran Power Suit》
《ストロングバック/Strong Back》
《ミラディンの血気/Mirran Mettle》
・・・デッキの構成を少し考える必要はありますが、条件次第では高効率な修整カード。
特にマナクリーチャーなどのシステムクリーチャーを多用する場合は《一歩上へ》《大群の力》はとんでもない修整値を叩き出してくれる事でしょう。


統率者ダメージを狙うための打点はある程度簡単に用意する事はできるでしょう。
次は統率者ダメージを通すための回避能力を付与していきたいですね。

《サイキックペーパー/Psychic Paper》
《教団の正装/Brotherhood Regalia》
《こそ泥の兜/Prowler's Helm》
《先駆者の長靴/Trailblazer's Boots》
・・・比較的使いやすい、ブロックされなくするカード。

《無鉄砲/Audacity》
《活力のカルトーシュ/Cartouche of Strength》
《狩人の才能/Hunter's Talent》
《怨恨/Rancor》
《ヴォラックの戦角/Vorrac Battlehorns》
・・・トランプルを付与するカード。
回避能力としては一歩劣るものの、オマケがうれしいものがいくつかあるのでピックアップしています。
《狩人の才能》はレベルアップにそこそこマナは必要になりますが、レベル3までいけばある程度安定したドローソースにもなるため、オススメの1枚です。


ここまでで統率者ダメージを狙うためのカードはある程度揃ったかと思います。
《猛打者、タイヴァー》は除去耐性や打点アップは得意としますが、手札が枯渇して息切れしてしまうと途端にやる事がなくなってしまいます。
特に《激励》などの一時的な修整カードは打点サポートとしては優秀ですが基本的に手札が減っていってしまうカードです。
普段以上にドロー手段は厚めに取っておくと良いでしょう。


《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》
《狩人の眼識/Hunter's Insight》
《狩人の勇気/Hunter's Prowess》
《野生語りの帰還/Return of the Wildspeaker》
《リシュカーの巧技/Rishkar's Expertise》
《集会の季節/Season of Gathering》
《魂の威厳/Soul's Majesty》
《茂みの最奥/Thickest in the Thicket》
・・・パワーが大きいクリーチャーがいれば大量にドロー出来るカードたち。
必然的にコストが重いものも含まれるので、こればっかり引いた時に身動きが取れなくなる危険性もありますが、息切れした時の暇具合を考えると減らすのも考え物。

okamotoDSK 18.jpg狩人の勇気》《集会の季節》など、パワー修整を与えつつドローにつながるカードは攻める時にも使いやすいので是非採用しておきたいですね。

これで1つ目の「統率者を強化して統率者ダメージを狙う構成」に必要なカードは集まったかと思います。

2つ目の「クリーチャーを横並べ」する構成に必要なカードを見ていきましょう。
緑単でクリーチャーを並べるならエルフで固めるのが簡単ですね。


《葉冠の幻想家/Leaf-Crowned Visionary》
《リス・アラナの狩りの達人/Lys Alana Huntmaster》
《エルフの戦練者/Elvish Warmaster》
《ワイアウッドの養虫人/Wirewood Hivemaster》
《清廉潔白な判事/Immaculate Magistrate》
《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf》
《鋸歯傷の射手/Jagged-Scar Archers》
《養育者、マーウィン/Marwyn, the Nurturer》
《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》
《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》
《樺の知識のレインジャー/Birchlore Rangers》
《遺産のドルイド/Heritage Druid》
《ワイアウッドの媒介者/Wirewood Channeler》
・・・エルフシナジーカード。
エルフデッキは昔から種類も多く人気の部族で、エルフを参照するカードは非常に多岐に渡ります。
特にこのあたりのカードは今回の統率者デッキの動きにかみ合いそうなのでピックアップしています。

ワイアウッドの養虫人》は生成されるトークンこそエルフではありませんが、とにかく横に並べる事で統率者の起動型能力の合計打点が上がるため、特にオススメのカードですね。
《養育者、マーウィン》はエルフを展開していくだけですぐに統率者よりも大きくサイズアップしてくれます。そうすると起動型能力の修整値も大きくなりますし、そもそも《養育者、マーウィン》から加えられるマナも多くなるので複数回能力を起動する事も狙えるのでこれもまた優秀なサポートカードです。

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この他にもエルフカードは多く存在するので、《背教の主導者、エズーリ》デッキのリストなどを参考にして採用していくといいでしょう。

統率者の起動型能力のコストも含めてマナは見た目以上に大量に必要になってくるため、そもそも《ラノワールのエルフ》などのマナクリーチャーを多く採用すると必然的にエルフクリーチャーが多くなります。
《ティタニアの僧侶》《エルフの大ドルイド》など一部のエルフだけを採用しつつ「統率者を強化して統率者ダメージを狙う構成」にするハイブリッド型も構成の一可能性として考えられますね。
他にも植物トークン、エルドラージトークン、苗木トークンを活用したトークンデッキにする構成も考えられますし、《猛打者、タイヴァー》は自由度のあるオススメ統率者の1枚です。

 

希望の光、ニコ/Niko, Light of Hope
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2回目の登場となるニコは白青の統率者候補になりました。

4マナ3/4と標準的なスペックで、戦場に出たときに破片トークンを2つ生成します。
このトークンは手掛かりトークンのようなドローが出来るものですが、今回は起動型能力のために必要になるのであまり生け贄に捧げる事はないでしょう。

起動型能力は自分のクリーチャー1体をターン終了時まで明滅させて、その間破片がそのクリーチャーのコピーになる、という中々に強力なもの。

この起動型能力を活用して一時的にクリーチャーをコピーしたり、戦場に出たとき/戦場を離れたときの能力を持つクリーチャーを明滅させたりしてアドバンテージ差をつけていくデッキになりそうです。


戦場に出たときの破片トークン2個だけでは心もとないので、可能な限り破片トークンを増やすのが先決です。
とはいえ破片トークンを生成できるのは現在《希望の光、ニコ》と《ニコ・アリス》のみ。
もちろん《ニコ・アリス》も採用するとしても他に増やす方法が欲しいところです。
先述した戦場に出たとき/戦場を離れたときの能力を持つクリーチャーを採用していく事を考えると、統率者の能力以外にも明滅カードを採用しておくとそれらの能力も活用できるようになりますし、統率者自身を明滅させて破片トークンを増やす事にも繋がります。


《祖先の残響、アブエロ/Abuelo, Ancestral Echo》
《永遠王、ブレイゴ/Brago, King Eternal》
《妖術師の衣装部屋/Conjurer's Closet》
《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer》
《異邦人/Far Traveler》
《突風粉の魔道士/Galepowder Mage》
《ドゥーネダインの保護者、ギルライン/Gilraen, Dunedain Protector》
《救いの疾翼、メネルドール/Meneldor, Swift Savior》
《ミストメドウの魔女/Mistmeadow Witch》
《ネファリアの密輸人/Nephalia Smuggler》
《溌剌の牧羊犬、フィリア/Phelia, Exuberant Shepherd》
《魂寄せ/Soulherder》
《テレポーテーション・サークル/Teleportation Circle》
《深海住まいのタッサ/Thassa, Deep-Dwelling》
・・・継続的に明滅させられるカード。

okamotoDSK 21.jpg突風粉の魔道士》《魂寄せ》は破片でコピーして仕事が出来るので、破片を増やしたのはいいもののコピーするものがない・・・という悲しい状況を回避できます。


《魅力的な王子/Charming Prince》
《守護フェリダー/Felidar Guardian》
《ちらつき鬼火/Flickerwisp》
《微光角の鹿/Glimmerpoint Stag》
《ギラプールの守護者/Guardian of Ghirapur》
《アイスウィンドの重鎮/Icewind Stalwart》
《修復の天使/Restoration Angel》
《救済の白鳥/Salvation Swan》
《真珠三叉矛の歩哨/Sentinel of the Pearl Trident》
《飛び跳ねる二人組/Skyskipper Duo》
《たなびき織りの天使/Wispweaver Angel》
・・・戦場に出たときに明滅が誘発するクリーチャー。
これらのクリーチャーは戦場に出た時に統率者を明滅させられますし、統率者の起動型能力で明滅させるとターン終了時に戦場に戻ってきて、その時更に統率者を明滅させられるため一気に破片の数を増やす事が可能で、特に今回の統率者と相性が良いですね。

すぐに戦場に戻せる《守護フェリダー》《アイスウィンドの重鎮》《修復の天使》《たなびき織りの天使》は2枚戦場にあるとお互いを明滅させ続ける事で無限明滅が可能です(《修復の天使》は天使を明滅させられないので《たなびき織りの天使》との組み合わせだけ不可能)。
これだけではすぐにゲームを終わらせる事が出来ず、白青という固有色では《魂の管理人》のような無限ライフは可能ですが、《鍛冶の神、パーフォロス》のような簡単なフィニッシュ手段は多くありません。
《光輝のソーラー》は無限ダンジョン探索が可能で数少ないすぐに勝利につながるカードですが、次点が《聖戦士の進軍》《黄金夜の指揮官》《アクロスでの武勇》による無限パンプアップで戦闘を介する必要があります。
どれも《希望の光、ニコ》の基本的な戦術とは特別に相性が良いわけでもないので、無理に採用する必要はありませんがどうしても無限コンボを採用したければ忍ばせておくのも一興です。


明滅は白青の得意とするところのため、他にも《お別れの突風》《水飛沫の門》など単発で明滅させるカードは非常に多く存在します。
ただ、これらのカードばかりを採用していても破片を増やすだけになってしまうのでバランスを考えて追加採用していく方がいいでしょう。

okamotoDSK 22.jpgまた、明滅させるカードではありませんが数少ない明滅シナジーカードとして《消失師、プレストン》《陰気な港魔道士》《未来を創る者、ゲンク》《サリー・スパロウ》もオススメカードです。

続いて明滅させてうれしいクリーチャーをいくつか見ていきましょう。
例えば戦場に出たときに1枚カードを引くだけのような比較的地味な能力を持つクリーチャーは多数います。
これらを明滅させて地道にアドバンテージを稼いでいくのも良いのですが、大抵軽量でこういったクリーチャーはスペックが低く、破片でコピーしても特に旨味がない事が多いので普段よりもカードの選別が難しいですね。

《霊気撃ち/AEthersnipe》
《熟考漂い/Mulldrifter》
《虚構漂い/Nulldrifter》
《孤独/Solitude》
・・・想起クリーチャーなどの、長生きできないクリーチャー。
普通に唱えるよりも想起コストの方が軽いものをピックアップしています。
これらは大抵一度明滅させてあげればすぐに生け贄に捧げるなどの寿命の設定を消せるため明滅と非常に相性が良いですね。

《見えざるものの熟達/Mastery of the Unseen》
《始源の霧/Primordial Mist》
《運命の巻物/Scroll of Fate》
・・・予示するカード。
大型クリーチャーを予示できればそれらは表向きで戦場に戻ってくれるのでマナコスト踏み倒しが可能です。
明滅させたときに破片でコピーしてもバニラクリーチャーになってしまうものの、大型クリーチャーを着地させる事が出来てそれを更に次のターンに破片でコピーしてあげればそのデメリットを補えるでしょう。

okamotoDSK 23.jpg特に《運命の巻物》は手札から予示が出来るので狙ったクリーチャーを予示しやすいのでオススメです。

次に明滅して嬉しいというよりは破片でコピーして嬉しいクリーチャーを見ていきましょう。
攻撃した時や戦闘ダメージをプレイヤーに与えた時に誘発する能力を持つクリーチャーがオススメです。
破片が戦場に出たターンでなければ、コピーしてすぐに攻撃宣言が可能なので、疑似的な速攻を持たせる事ができて強力なためです。
疑似的な速攻は付与できるものの回避能力を付与できるわけではなく、戦闘で破片が死亡してしまうと次のターン以降のコピー量が減ってしまうため、回避能力も持っているクリーチャーや生半可なブロックでは死亡しないサイズのクリーチャーを優先的に採用したいですね。

《全知の調停者/All-Seeing Arbiter》
《夢さらい/Dream Trawler》
《炎まといの猛士/Firemane Commando》
《聖域の番人/Sanctuary Warden》
《潮掬い/Tide Skimmer》
《リトヤラのタイタン/Titan of Littjara》
《風読みのスフィンクス/Windreader Sphinx》
《エインシャント・シルヴァー・ドラゴン/Ancient Silver Dragon》
《好奇の造り手/Curiosity Crafter》
《研究泥棒/Research Thief》
・・・ドローなど手札を増やせるカード。
okamotoDSK 24.jpg
風読みのスフィンクス》《好奇の造り手》《研究泥棒》は1体につきそれぞれが誘発するので、例えば破片2枚でコピーした場合最大4枚カードを引けます。シンプルにドローできるクリーチャー2体だと2枚ドローだけですが、乗算でドロー枚数が増えていくのは強力ですね。


《バーラ・ゲドを滅ぼすもの/Bane of Bala Ged》
《創造の破壊者/Breaker of Creation》
《ウラモグの破壊者/Ulamog's Crusher》
《天駆ける恐喝者/Aerial Extortionist》
《ブレードグリフの試作品/Bladegriff Prototype》
・・・除去が可能なカード。
滅殺を持つエルドラージはマナ総量がどれも重いものの、破片2枚でコピーするだけでも結構な被害をもたらす事が出来ますし、もし破片を増やせていればそのままゲームを終わらせる事も可能でしょう。


《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》
《レオニンの戦導者/Leonin Warleader》
《銀翼の戦隊/Silverwing Squadron》
《天空射の士官/Skystrike Officer》
《荘厳な大天使/Sublime Archangel》
《タリオンの伝書使/Talion's Messenger》
《巣穴の戦導者/Warren Warleader》
《エインシャント・ゴールド・ドラゴン/Ancient Gold Dragon》
《破片撒きのスフィンクス/Sharding Sphinx》
《産卵するクラーケン/Spawning Kraken》
・・・クリーチャートークンやサイズアップなど、打点につながる能力を持つカード。
荘厳な大天使》の付与する賛美は一見破片たくさんでコピーしても微妙に見えますが、破片それぞれが《荘厳な大天使》の能力を持つので結構なサイズになります。
例えば破片2枚と統率者だけの最低限の盤面でも破片A、破片B、統率者が賛美を2つ持つため、単体で攻撃すると+6/+6修整になります。
仮に統率者を1回明滅させて破片が4枚あるとすると、破片A~破片Dと統率者が賛美を4つ持つため、単体で攻撃すると+20/+20修整に一気に膨れ上がります。

okamotoDSK 25.jpg破片撒きのスフィンクス》《産卵するクラーケン》は「ドローなど手札を増やせるカード」の項目で紹介したカードと同様に、複数体いればその分誘発するため、破片でコピーすると生成量も一気に増える強力なカードです。

 
運命の天使/Angel of Destiny
okamotoDSK 25-3.jpg
・・・特殊勝利のためのカード。
これも複数体いると平常時よりも誘発する回数が一気に増えるため、特殊勝利(特殊敗北?)が一気に近づきます。
破片2枚でコピーして2枚とも攻撃が通った場合、先制攻撃のタイミングで2点回復が2体分、2回誘発します(破片Aが戦闘ダメージを与えて破片AとBが誘発、破片Bが戦闘ダメージを与えて破片AとBが誘発)。
その後通常の戦闘ダメージのタイミングで同じく誘発するため、最終的に16点回復する事になります。
対戦相手もその分回復するので一度の戦闘で特殊敗北させる事ができないと《運命の天使》が除去された場合後々大変な事にはなりますが、16点回復は破格の性能といえるでしょう。

《希望の光、ニコ》は明滅、トークン、コピーなど色々な要素を含んだ能力を持つ統率者です。
固有色が白青と対戦相手への妨害カード、統率者を守るカードが豊富な組み合わせのため、汎用カードとギミック用のカードのバランス調整が重要ですね。
今後も明滅カード、トークンサポートカード、コピーしてうれしいクリーチャー、明滅させてうれしいクリーチャーはどんどん増えていくので将来性も抜群に良い統率者と言えるでしょう。

 


(後編へ続く)

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