岡本桂多のKill them All!~『ファウンデーションズ』編・前編~

タグ:, , , , , ,

 


お久しぶりです!BIGWEB統率者戦担当の岡本桂多です!
皆さん楽しい統率者戦ライフをお過ごしでしょうか?


僕は前回の『ダスクモーン:戦慄の館』では

希望の光、ニコ/Niko, Light of Hope
魂の鋤引き、ヴァルガヴォス/Valgavoth, Harrower of Souls
okamotofdn 01.jpg

少なめですがこの2つのデッキを組んで遊んでいました。

《希望の光、ニコ》は想定以上に破片トークンによるコピーが強力で、コピーして強力なクリーチャーは今後も増える事は確実なので、伸びしろもある良い統率者でした!
他にも《マリーナ・ヴェンドレル》《猛打者、タイヴァー》《鍵の主》《軋む巣、引き裂き口》など、様々な統率者を見かけました!


今回の新エキスパンション『ファウンデーションズ』は久しぶりの基本セットで、新規ギミックはありません。

また、だいぶ久しぶりとなる統率者デッキがない通常エキスパンションとなります。
代わりに『ファウンデーションズジャンプスタート』に統率者戦で活躍しそうな新規カードが多数収録されています。

今回は前編として『ファウンデーションズ(通常ブースター)』、後編として『ファウンデーションズジャンプスタート』で、それぞれ注目カード5選と注目統率者ピックアップという内容にしていきます。

『ファウンデーションズ』
・注目カード5選
・注目統率者ピックアップ


・注目カード5選

5位《冒涜的布告/Blasphemous Edict
okamotofdn 02.jpg

黒の新たな全体除去枠。
5マナの全体除去は《命運の核心》のような使い方次第では一方的になるものや、《死人に口無し》のようなオマケ付きのものが一般的です。
また、《冒涜の行動》のようにクリーチャーの数が多いとコストが軽減される効果もついています。あちらほど自由度は高くありませんが、多人数戦であれば1マナで唱える場面も少なくはないでしょう。

今回の全体除去は13体クリーチャーを生け贄に捧げる、ということで、《招待制》の数が13に固定されたような効果です。
普通の統率者戦では14体以上クリーチャーが並ぶことは大分うまいこと展開できたトークンデッキでもなければ中々ないため、ほとんどの場合全体除去とみなして問題ないでしょう。
生け贄は《毒の濁流》などのマイナス修整、《告別》などの追放と同じぐらい回避する事が難しい除去効果で、破壊不能を無視できるのは中々強力ですね。

okamotofdn 03.jpg

黒の全体除去で今最も使われている《毒の濁流》と比べると、条件を満たせないと5マナというコストが重い点、14体以上並ばれた時に処理しきれないという除去範囲に不安が残る点がデメリットとして考えられます。
メリットとしては条件を満たしたときの1マナというコストが軽い点、大型クリーチャーを処理する場合の追加コストのライフの支払いを考えなくていい点が考えられます。

完全に《毒の濁流》の枠を入れ替えるとまでは言えませんが、《毒の濁流》の次に採用する場合は《滅び》よりも《冒涜的布告》を優先した方が良いかもしれませんね。

 

4位《力線の斧/Leyline Axe
okamotofdn 04.jpg

「力線」特有の、初手にあったら戦場に出した状態でゲームを始めて良いという特徴的な能力を持っている装備品。
残念ながらデッキ枚数が普通の構築戦に比べると多い統率者戦ではこの能力を発揮させる事は難しいでしょう。

okamotofdn 05.jpg

普通に使う事を考えると、マナ総量4、装備コスト3と少し重めではありますが、《エンバレスの宝剣》と同じ効果と考えると妥当なラインと言えます。

固有色を問わずに二段攻撃を付与する手段は実はあまり多くなく、古より使われてきた《炎叫びの杖》が未だに選択肢に上がるほどでした。
今回は《炎叫びの杖》よりも総コストが一回り重い代わりに、修整値とトランプルがつくようになります。
修整値は+1/+1と一見非常に小さく見えますが、二段攻撃を付与するので合計打点は2倍になるので軽視できません。

合計打点をしっかりと上げつつトランプルも付与してくれるため、特に統率者ダメージを狙う場合は必要な攻撃回数が一気に変わりますね。

okamotofdn 05-1.jpg他にも《アヴリーン・ドゥ・グランプレ》《命狙いの逃亡者、エトラータ》《牙持ち、フィン》《エルフの刃、ラスリル》のような、戦闘ダメージをプレイヤーに与えるたびに誘発する能力を活用する統率者デッキでも採用が考えられます。
今後も固有色的に二段攻撃を付与しにくい青黒緑系の統率者での活躍が見込まれますね。

 

3位《針羽の大ワーム/Quilled Greatwurm
okamotofdn 06.jpg
毎度おなじみの緑の大型クリーチャー神話レア枠。
今回も6マナ7/7トランプルとしっかりしたスペックと能力を2つ備えています。

okamotofdn 07.jpg

1つ目の誘発型能力は《死滅都市の執政》のように戦闘ダメージを与えたクリーチャーを強化するというもの。
あちらとは異なり、プレイヤーだけでなくクリーチャーやプレインズウォーカーに戦闘ダメージを与えても誘発する点が非常に優秀です。
戦闘ダメージを解決した後に+1/+1カウンターが乗るので相討ちしてしまうと+1/+1カウンターを乗せる事はできない点に注意が必要です。
1回目の戦闘時は特に修整はないものの、そこで生き残りさえすれば倍々ゲームで自分のクリーチャーのサイズが上がっていくので、2ターンも生き残れば圧倒的な盤面が作り上げられているでしょう。

2つ目の能力は、墓地からこのクリーチャーを唱えられるという強力なもの。
自身のマナコストに加えて、自分のクリーチャーの上からカウンターを合計6個取り除くという特徴的な条件があります。
このカード単体で見るならば、自身の1つ目の誘発型能力で強化したクリーチャーから+1/+1カウンターを取り除いて唱え直すような使い方になりますね。
合計6個取り除かないといけないのが少し難しいものの、-1/-1カウンターや最終カウンターなどのデメリットカウンター、変わり種では《ホーントウッドの大主》《迷えるオーラ術師》のカウンターを取り除く手伝いをする使い方も面白そうですね。

 

2位《溌剌とした探検家、おたから/Loot, Exuberant Explorer
okamotofdn 08.jpg
ストーリー的にも重要なキャラクターが2回目のカード化。
今回は3マナ1/4とシステムクリーチャーとしては頼もしいサイズ。

okamotofdn 09.jpg

1つ目の能力は《迷える探求者、梓》に比べると枚数は少ないものの、追加で土地をプレイできるようにルールを変更する効果。
古くは《踏査》などから始まったこういった能力をもつカードはいくつかありますが安定して運用するにはまだまだ枚数が少ないので、純粋に水増しとしてうれしいですね。

2つ目の能力はコストこそ重いものの、ライブラリーの上6枚を見てクリーチャーカードを1枚選んで戦場に出すという中々に強力な起動型能力。

緑絡みの統率者デッキ、特に土地枚数を稼ぐいわゆる「ターボランド」と呼ばれる構成のデッキでの活躍が考えられます。
そういったデッキでは土地=マナを一気に伸ばして《起源の波》などのコストが重く強力なカードをプレイして一気にアドバンテージを稼ぐような戦い方になります。
《溌剌とした探検家、おたから》は土地を伸ばす事にも一役買いますし、土地を伸ばした後にコストが重いカードを引けないガス欠状態も解消できるのでいつ引いてもうれしいカードと言えるでしょう。

伝説のクリーチャーなので、統率者としての活躍が考えられます。
まずは1つ目の能力を活用して土地をどんどんプレイしてマナを増やしていく事になるでしょう。

《迷える探求者、梓/Azusa, Lost but Seeking》
《密室の温室の事件/Case of the Locked Hothouse》
《ドルイド・クラス/Druid Class》
《イリーシア木立のドライアド/Dryad of the Ilysian Grove》
《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》
《むら気な長剣歯/Wayward Swordtooth》
・・・土地のプレイ回数を増やせるカード。
自身の2つ目の能力のために土地カードをたくさん戦場に出しておきたいので、こういったカードの力も借りてどんどんプレイ回数を増やしたいですね。
密室の温室の事件》は条件を満たせば土地以外のカードもライブラリーの一番上からプレイできるようになるため、シンプルにリソースを増やすカードとしても強力です。

《古の緑守り/Ancient Greenwarden》
《世界の導管/Conduit of Worlds》
《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》
《常緑のビヒモス/Perennial Behemoth》
《ラムナプの採掘者/Ramunap Excavator》
《収納室+忘れられた地下室/Walk-In Closet+Forgotten Cellar》
《秋の占い師/Augur of Autumn》
《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
・・・手札以外からの土地もプレイできるようになるカード。
手札にある土地だけだとすぐに枯渇してしまうので、他の領域からプレイできるようにしましょう。

okamotofdn 10.jpg秋の占い師》はライブラリーの一番上から土地をプレイできますが、集会条件を達成すればクリーチャーもプレイできるようになります。
《溌剌とした探検家、おたから》がパワー1、《秋の占い師》がパワー2なのであと1体異なるパワーがいるだけで条件を満たせるため、リソースを増やすカードとして優秀ですね。
墓地から土地をプレイできるカードは、《緑探し》《未知な領域》《春の儀式》など能動的に墓地に土地を送れるカードと併用したいですね。

 

《ニッサの勝利/Nissa's Triumph》
《ナイレアの介入/Nylea's Intervention》
《地平の探求/Seek the Horizon》
《芽吹くツタ/Sprouting Vines》
《ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder》
《君は林に差し掛かった/You Happen On a Glade》
・・・土地を探すカード。
これらのカードは普通に使うと土地を探す効率自体は良いものの、戦場に出せるわけではないのであまり使われないカードです。
ただ、《溌剌とした探検家、おたから》を始めとして土地のプレイ枚数を増やせるこのデッキであればそのデメリットは気になりません。
むしろ手札に土地がなくて土地のプレイ回数が余るような状況もあり得るので、こういったカードを活用して土地カードを集めていきたいですね。

《石成エンジン/Lithoform Engine》
《幻術師の篭手/Illusionist's Bracers》
《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》
・・・起動型能力をコピーするカード。
起動型能力はコストが重くタップも必要になるため、こういったカードを使って起動回数を増やしていく事が重要になります。
起動するたびの6マナを捻出することが簡単であれば《賦活》《教術師の石/Magewright's Stone》《千年霊薬》《殺人人形、マーヴィン》などを使う事も考えられますが、2回起動するためには最低12マナ必要になる点には注意しましょう。

《頂点のアルティサウルス/Apex Altisaur》
《忍耐の元型/Archetype of Endurance》
《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》
《終末の祟りの先陣/End-Raze Forerunners》
《ランブルウィード/Rumbleweed》
《石蹄獣の酋長/Stonehoof Chieftain》
《テラストドン/Terastodon》
《飢餓の声、ヴォリンクレックス/Vorinclex, Voice of Hunger》
《森滅ぼしの最長老/Woodfall Primus》
《世界棘のワーム/Worldspine Wurm》
《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》
《軍団を破壊するもの/Breaker of Armies》
《背くもの/It That Betrays》
《ウラモグの戦慄祖/Ulamog's Dreadsire》
《虚空の選別者/Void Winnower》
・・・大型クリーチャー。
起動型能力を何度も起動してこのような「アタリ」クリーチャーを展開して盤面を制圧していく事が分かりやすい勝ち手段になるでしょう。

《溌剌とした探検家、おたから》統率者デッキはターボランド系統率者の一種として構築ができますが、自身の能力で大量のマナの使い道も自前で用意できている点が非常に優秀です。
同じ緑単の統率者だと《迷える探求者、梓》の方が土地のプレイ回数的には多く、速度差を感じる事はあるものの、起動型能力というマナの使い道も自前で用意できているため、安定性の面では《溌剌とした探検家、おたから》に分があります。

1位《親族旗/Banner of Kinship
okamotofdn 11.jpg

部族デッキサポート用のカード。

1つ目の能力により、戦場に出るに際し、選んだクリーチャータイプのクリーチャーの数だけ仲間カウンターという特殊なカウンターが置かれた状態で戦場に出ます。

2つ目の能力でその仲間カウンターを参照し、選んだクリーチャーがそのカウンターの分修整を受けるという非常に強力なもの。

部族デッキサポート用の少しコスト重めのアーティファクトだと《旗印》《運命の扉》《ウルドのオベリスク》《勝者の戦旗》などがあります。

okamotofdn 12.jpgこの中だと先出ししてもあまり強力ではないという点で《旗印》が競合相手としてあります。
《旗印》は一度プレイした後、該当するクリーチャーの数が変われば修整値も変わるという違いがあります。
後からクリーチャーを展開すればその分修整値が上がるという利点とも、クリーチャーの数を減らされたらその分修整値が下がるという欠点とも言えますね。
また、《旗印》は対戦相手にも影響が及んでしまうこともあり、今回の《親族旗》の方が総合的には使いやすいでしょう。

一度戦場に出してしまうと修整値は固定されてしまうため、可能な限り同一部族のクリーチャーが並んでいる状態でプレイしたいカードです。
緑の《踏み荒らし》《孔蹄のビヒモス》系のカードと同じ使い勝手になるでしょう。
そういったカードとは異なり修整のみでトランプルなどは付与されませんが、次のターン以降も修整値が受け継がれる点が非常に優秀です。

群衆の親分、クレンコ》《エルフの刃、ラスリル》《エドガー・マルコフ》《リスの将軍、サワギバ》など、特に統率者の能力で特定の部族のクリーチャーの数を増やせるデッキで最も強力に扱えるでしょう。

okamotofdn 14.jpg

他にも、仲間カウンターを参照する都合上、増殖をすることで無理やり修整値を上げるような使い方も考えられます。
《法務官の声、アトラクサ》《オレスコスの破滅、ブリマーズ》《高名な装置技師、ケイス》《尋問のドミヌス、テクータル》《育殻組のヴォレル》などは仲間カウンターの数を増やす事が可能です。
部族統一する事は少し難しいかもしれませんが、統率者を含めてある程度同じようなクリーチャータイプに寄せる事ができれば新たな勝ち手段として活用できますね。


部族デッキ、部族統率者は人気テーマの一つのため、今後も様々な部族デッキが登場する事が予想されます。
特に《踏み荒らし》系に乏しい青黒系の部族デッキでのフィニッシャーとして今後も活躍していく事でしょう。

 

・注目統率者ピックアップ

先見者、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Visionary
okamotofdn 15.jpg
まさかの7回目のカード化となるニヴ=ミゼット。
2色のニヴ=ミゼットはドローしたらダメージ、もしくはダメージを与えたらドローの能力を持ちますが、今回は後者、ダメージを与えたらドローの能力を持ちます。

誘発型能力は、対戦相手に戦闘ダメージでないダメージを与えるたび、その点数分カードを引く、というもの。
戦闘ダメージでないダメージは赤の十八番で、各対戦相手にダメージを与えられるようなカードを使うとそれだけで大量ドローが可能になる、非常に強力な能力です。
また、手札の上限がなくなるという能力も持っているため手札が溢れかえって使いきれない!というような状況もカバーしてくれます。

okamotofdn 15-1.jpg

今回のニヴ=ミゼットは、過去の「ドローしたらダメージ」のニヴ=ミゼット(《火想者ニヴ=ミゼット》《パルン、ニヴ=ミゼット》)と組み合わせると、ライブラリーが続く限りお互いの能力が誘発してダメージを飛ばし続けられるコンボができます。

どちらも6マナのクリーチャーなので揃えるのに一苦労しますが、統率者とあと1枚だけで成立する即死コンボは非常に強力なため、採用しておくと良いでしょう。

あとは戦闘ダメージでないダメージを与える手段を見ていきましょう。

《酸性土/Acidic Soil》
《落盤/Cave-In》
《地震/Earthquake》
《金屑の嵐/Slagstorm》
《火炎崩れ/Flamebreak》
《火炎の裂け目/Flame Rift》
《焦熱の合流点/Fiery Confluence》
・・・インスタントやソーサリーで各対戦相手にダメージを一気に与えられるカード。
使い切りのカードとはいえ効率が良いものは是非採用したいですね。

okamotofdn 16.jpg特に《火炎の裂け目》は非常に効率がよく、2マナで対戦相手3人に4点ダメージを与えると合計12点与えられて12枚カードを引く、《Ancestral Recall》もびっくりなドロー効率になります。

《火傷吐きグレムリン/Blisterspit Gremlin》
《光輝の魔道士/Coruscation Mage》
《静電場/Electrostatic Field》
《エレボール山の炎鍛冶/Erebor Flamesmith》
《ティーンチの高貴なるフレイマー/Exalted Flamer of Tzeentch》
《灼熱の銘/Fiery Inscription》
《火付け射手/Firebrand Archer》
《どぶ潜み/Guttersnipe》
《ケッシグの炎吹き/Kessig Flamebreather》
《ラムホルトの講談家/Lambholt Raconteur》
《鋸刃の餓鬼/Sawblade Scamp》
《熱錬金術師/Thermo-Alchemist》
《物騒なカタパルト/Unruly Catapult》
《無情の碑出告/Heartless Hidetsugu》
《槍播き/Spear Spewer》
《燃えさし爪の使い魔、ケディス/Kediss, Emberclaw Familiar》
《衝撃の震え/Impact Tremors》
《溶鉄の門番/Molten Gatekeeper》
《鍛冶の神、パーフォロス/Purphoros, God of the Forge》
《機知ある怨怒取り/Witty Roastmaster》
・・・継続的に戦闘ダメージでないダメージを飛ばせるパーマネント。
赤は「インスタントやソーサリー」もしくは「クリーチャーでない呪文」をプレイするたびにダメージを飛ばせるカードが多くあります。
こればっかりを採用しているとそのパーマネントばかりを固めて引いて、肝心のインスタントやソーサリーがない!というような状況になりかねないため、ある程度バランスを考える必要があります。

okamotofdn 17.jpg起動型能力でダメージを飛ばせるクリーチャーも数多くありますが、ここで挙げている《無情の碑出告》は最も期待値が高く、対戦相手が仮に初期ライフから変わっていなかった場合は合計60点与えて60枚ドローできるトンデモカードになります!
《衝撃の震え》以降のカードはクリーチャーが戦場に出るたびに対戦相手にダメージを飛ばせる、トークンデッキ御用達カード。
これらを出しておいてから《先見者、ニヴ=ミゼット》を展開するだけでもとりあえず3枚以上のドローが保証されるため、このデッキであればトークンを活用せずとも採用したいカードになります。


これらのカードを活用すれば大量ドローができますが、ここからのフィニッシュ手段はいくつか考えられます。

ライブラリーの残り枚数に注意しつつ《火想者ニヴ=ミゼット》《パルン、ニヴ=ミゼット》のコンボにつなぐのがシンプルでしょうか。
ライブラリー修復手段として《無限に廻るもの、ウラモグ》などのエルドラージを採用したり、ここもインスタントやソーサリーで固めるために《精神純化》などを使ったりしてもいいですね。

okamotofdn 18.jpg

ある程度クリーチャーを用意できる構成ならば、大量の手札を使って《入門の儀式》で大量打点を目論んでもいいかもしれません。
この場合は、《衝撃の震え》系のカードを強く使うためにもトークン生成カードを活用していくといいでしょう。

この他には《空夢想士、アランドラ》《ハンド・オヴ・ヴェクナ》《浄火の板金鎧》《突撃の地鳴り》《プロフトの映像記憶》などは大量の手札、ドローをそのままフィニッシュに持ち込めるカードですね。


今までの2色のニヴ=ミゼットは《好奇心》とのコンボが有名な《火想者ニヴ=ミゼット》《パルン、ニヴ=ミゼット》がメインでした。
今回のニヴ=ミゼットは青赤というよりは赤の火力を軸として、大量ドローを狙う夢のある統率者です。

 

薄暮の聖人、エレンダ/Elenda, Saint of Dusk
okamotofdn 19.jpg
単体では2回目の登場となる《薄暮薔薇、エレンダ》。
前回は自身を含めてクリーチャーを戦場と墓地を行き来させて吸血鬼トークンを増やしたりするガチャガチャギミック系の統率者でしたね。

今回は4マナ4/4、絆魂、インスタントからの呪禁と最初からガッチリしたスペックをしています。
能力は自分のライフ総量が初期値よりも多いとどんどんサイズアップしていく大分アグレッシブな能力。
まず1点でも初期値よりも多ければ+1/+1と威迫、10点以上多ければ更に+5/+5修整入るので、最大で10/10、威迫、絆魂、インスタントからの呪禁というマッシブなクリーチャーとなります。

基本的には自分のライフ総量を高めていって条件を達成し、そのまま統率者ダメージを狙っていく構成になるでしょう。

条件を達成するためとはいえ、ライフを得るだけのカードを採用すると、条件を達成したあとそれらのカードが無駄になってしまうのであまりオススメできません。
せっかく統率者が絆魂を持っているので、攻撃しやすいように打点サポートしてあげてその絆魂によってライフを得て条件を達成していくほうが、条件を達成したあともそれらのカードを活用できるのでオススメです。


《熟達した戦い/Battle Mastery》
《決闘者の遺産/Duelist's Heritage》
《炎叫びの杖/Fireshrieker》
《燃える拳/Flaming Fist》
《ホーリィ・アヴェンジャー/Holy Avenger》
《銀刃の聖騎士/Silverblade Paladin》
・・・継続的に二段攻撃を付与できるカード。
固有色に白があるおかげで選択肢が多いのは良いですね。
統率者が二段攻撃を持っていると、先制攻撃のタイミングで絆魂によってライフを得て条件を達成できれば通常のダメージのタイミングで強化された状態で戦闘ダメージを与えられるので、他の打点サポート系よりも優先して採用したいですね。
もちろんファウンデーションズで登場した(そして注目カードでもピックアップした)《力線の斧》と《双刃の祝福》も選択肢に入ってきます。
二段攻撃は相性がいいものの、2つ以上付与しても全く意味がなく無駄カードになってしまう懸念点があるため、採用枚数には注意しましょう。

統率者が条件を満たした後、二段攻撃を付与すると10/10二段攻撃になり、ギリギリ統率者ダメージに1点足りない状態になります。
パワーを増やすカードもある程度採用しておきたいですね。

 
《天使の祝祷/Angelic Benediction》
《戦の大聖堂/Cathedral of War》
《模範の騎士/Knight Exemplar》
《勇敢な騎士/Valiant Knight》
《エースの野球バット/Ace's Baseball Bat》
《勇者の兜/Champion's Helm》
《悪魔の抱擁/Demonic Embrace》
《飛行の羽/Feather of Flight》
《グリフの加護/Gryff's Boon》
《英雄の家宝/Hero's Heirloom》
《フックブレード/Hookblade》
《帆凧/Kitesail》
《スカイクレイブの大鎚/Maul of the Skyclaves》
《大薙刀/O-Naginata》
《鴉の翼/Raven Wings》
《聖域の刃/Sanctuary Blade》
《霊魂のマントル/Spirit Mantle》
《執念の剣/Sword of Vengeance》
《サンダーの投げ縄/Thunder Lasso》
・・・パワー修整を与えられるカード。
パワーを増やすカードは無数に存在するので、一部のみピックアップしています。
採用基準としては、パワーの修正値は1あれば大体十分で、オマケ効果として回避能力や除去耐性を持たせたり、使い回しがしやすかったり、コストが軽かったりということに注目しています。
統率者が吸血鬼・騎士なのでそれぞれの部族シナジーカードも存在はしますが、どれも横並びしたときに強いものばかりです。

okamotofdn 20.jpg模範の騎士》《勇敢な騎士》はその中でも今回の統率者と相性がよく、どちらもパワー修整を与えつつ《模範の騎士》は破壊不能という非常に攻撃の際に有利になる除去耐性、《勇敢な騎士》は二段攻撃をそれぞれ付与できるので他に騎士がなくとも十分採用圏内です。
また、統率者が威迫を持てるので、《天使の祝祷》《サンダーの投げ縄》のようなブロッカーを1体タップするだけのカードであっても相手のブロッカーの計算を狂わせられるので強力ですね。

統率者の能力の条件達成の際、およびその後の戦闘の際にどんどんライフを得る事になります。
白と黒は特に「ライフを得るたび」に誘発する能力やライフがたくさんあると嬉しいカードがあるため、そういったカードをピックアップしていきましょう。
《老いざる苦行者、アローロ》などと異なり、こまめに小さいライフ回復を繰り返すわけではないため、ライフを得るたびに誘発する能力を持っていても強く使えない場合があるので、ちゃんと選別していきたいですね。

《テューンの大天使/Archangel of Thune》
《活力の揺り篭/Cradle of Vitality》
《果敢な血王/Defiant Bloodlord》
《永劫の不屈/Enduring Tenacity》
《リッチの熟達/Lich's Mastery》
《約束の光/Light of Promise》
《ニクソスの模範/Nykthos Paragon》
《血なまぐさい結合/Sanguine Bond》
《陽絆/Sunbond》
《薄暮薔薇の棘、ヴィト/Vito, Thorn of the Dusk Rose》
《ヴィズコーパのギルド魔道士/Vizkopa Guildmage》
《失われし夢の井戸/Well of Lost Dreams》
・・・ライフを得るたびに誘発する能力を持つカード。
基本的にどれもたくさんライフを得たらその分ボーナスも大きくなるようなものばかりです。

okamotofdn 21.jpg永劫の不屈》などの「ライフを得たらその分対戦相手がライフを失う」系のカードは統率者ダメージで対戦相手1人を退場させつつ、別の対戦相手のライフを直接狙いにいくことで一気に勝利に近づける重要なカードですね。

《冠毛の陽馬/Crested Sunmare》
《グリフィンの高楼/Griffin Aerie》
《最強の大鷲、グワイヒア/Gwaihir, Greatest of the Eagles》
《月の集会/Lunar Convocation》
《マルコフの浄化師/Markov Purifier》
《輝かしい天使/Resplendent Angel》
《銀打ちのグール/Silversmote Ghoul》
《高貴なる行いの書/The Book of Exalted Deeds》
《とっつぁん/The Gaffer》
《暗影の召喚士、ティヴァシュ/Tivash, Gloom Summoner》
《ヘルメスの杖、カドゥケウス/Caduceus, Staff of Hermes》
《星界の霊薬/Cosmos Elixir》
《運命の天使/Angel of Destiny》
・・・ライフを得ているとボーナスがあるカード。
大体はトークンを生成したり、ドローしたりといったボーナスです。
構成上統率者はほぼ毎ターン攻撃に参加しているのでライフを得られるとはいえ防御面が手薄になりがちで、ブロッカーを用意できるようになるのはシンプルにうれしいですね。
特に、条件達成のために攻撃→返しの攻撃で条件以下のライフまで減らされる、というような展開だけは避けたいですね。
この中では《最強の大鷲、グワイヒア》が中々強力で、3/3飛行というしっかりしたサイズのブロッカーを用意しつつ、一緒に攻撃すれば統率者に飛行という回避能力を付与できることから強力な相棒になりそうです。

okamotofdn 22.jpg運命の天使》は特殊勝利カード。統率者がしっかりと機能していれば《運命の天使》の条件を達成するのは簡単な事、統率者ダメージを狙うにはどうしても時間がかかる事から別筋の勝ち手段として採用しておくと良いでしょう。


《薄暮の聖人、エレンダ》はライフを得ながら攻撃をするという非常にシンプルな構成になりました。
コンボデッキに比べると分かりやすく、ライフを得やすいので普通のダメージレースで優位に立ちやすいため初心者の方にはオススメできる統率者です。
まずはこのデッキで統率者戦、多人数戦における戦闘について学んでいくのにピッタリな統率者といえるでしょう。

 
以上で『ファウンデーションズ(通常ブースター)』編の記事は終了です。
冒頭で述べた通り、後編は『ファウンデーションズジャンプスタート』の記事になります!

カードゲーム通販BIGWEB

↑↑『ファウンデーションズ』シングルカードのご購入はカードゲーム通販「BIGWEB」MTGショッピングページで!!↑↑

カードゲーム通販BIGWEB

↑↑カードゲーム通販「BIGWEB」でのお買い物はこちらをクリック!!↑↑