岡本桂多のKill them All!~『タルキール:龍嵐録』編・前編~
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お久しぶりです!BIGWEB統率者戦担当の岡本桂多です!
皆さん楽しい統率者戦ライフをお過ごしでしょうか?
僕は前回の『霊気走破』では
《ルクサの体現、サブ=スネン/Sab-Sunen, Luxa Embodied》
《世界魂の代弁者、ニッサ/Nissa, Worldsoul Speaker》
《スピードデーモン/The Speed Demon》
この3つのデッキを組んで遊んでいました。
この中では《ルクサの体現、サブ=スネン》が、カウンターの供給にさえ気を使って構築すれば思っていた以上に安定して毎ターン追加2ドロー+強力なスペックで戦闘が行える中々に強力な統率者でした!
他にも《ナクタムンの意志、テムメト》《スカラベの拳、ハシャトン》《翠色のラジアン、アーチック》《開拓者、おたから》など様々な統率者を見かけました!
さて、『タルキール:龍嵐録』では実に10年ぶりにタルキール次元に再訪するエキスパンションとなります。
新規ギミックは闘魂、疾風、相続、応召、調和、前兆、後見。
このうち疾風と後見は過去にもあった能力を分かりやすくまとめたものなのでどちらかというと再録ギミックですね。
この中では応召と調和が統率者ではちょっとアツい可能性を感じさせます。
応召(数字)は、その能力を持つクリーチャーが攻撃した時にその数字分の1/1のクリーチャートークンをタップ・攻撃している状態で戦場に出し、次の終了ステップ開始時にそれらを生け贄に捧げるという誘発型能力。
これ単体で見るとシンプルにその応召の数字分打点が増えるような使い方になります。
統率者戦での悪用方法はたくさんあります。
・攻撃するたびに誘発する→追加戦闘フェイズ(《戦導者オレリア》等)で更に増やせる(トークンに速攻を持たせないとそれらは攻撃できない点に注意)
・クリーチャートークンが出る→クリーチャーが戦場に出たときに誘発する能力(《鍛冶の神、パーフォロス》《聖戦士の進軍》等)を誘発させる
・攻撃している状態で出る→クリーチャー全体を強化する能力(《黄金のたてがみのジャザル》等)で更に打点アップ
・攻撃対象はトークンごとに選べる→戦闘ダメージをプレイヤーに与えたときに誘発する能力(《沿岸の海賊行為》《顔壊しのプロ》等)を誘発させやすい
・戦闘後メインフェイズでも戦場に残る→コストとして生け贄に捧げる(《頭蓋骨絞め》《ゴブリンの砲撃》《ファイレクシアの供犠台》等)
・最終的に生け贄に捧げる→クリーチャーが死亡したときに誘発する能力(《ズーラポートの殺し屋》《墓穴までの契約》等)を誘発させる
等々、能力を見ただけでもこれだけ考えられます。
この能力がマッチする統率者もいくらでもいそうですね。
調和(コスト)はフラッシュバックの強化版で、墓地から調和コストで唱える時にクリーチャーをタップするとコストを軽減できるというオマケがついています。
特殊な使い方はそこまでありませんが、シンプルに1枚のカードを2回プレイできるのでアドバンテージを稼ぎやすく、しかも場合によっては調和で唱えた方が支払うマナが少なく済む事もあるでしょう。
物によっては最初は手札から唱えずに何かのコストで捨てたり、切削で墓地に落としたりしてから調和だけで唱えるような使い方もありそうですね。
調和を持つカード次第にはなりますが、墓地利用統率者、手札を捨てる能力を持つ統率者、インスタントやソーサリーを唱える枚数を増やしたい統率者等々、採用を検討できる統率者は数多く存在するでしょう。
それではいつも通り新セットの中身を見ていきましょう!
・注目カード5選
・注目統率者ピックアップ
・統率者デッキを強化しよう!(後編にて掲載)
・注目カード5選
5位《自然の律動》
緑の新たなクリーチャーサーチ呪文。
サーチできる範囲・効率的には《破滅の終焉》と同程度の効率。
墓地から戻せない/マナをつぎ込んでフィニッシャーにできないという点からまだまだ《破滅の終焉》の立場を脅かす所まではいけませんが、調和を持っているのでカード1枚から2枚クリーチャーを持ってくる事が可能です。
任意のクリーチャーを2枚持ってくる事が出来れば、大抵の場合は何かしらの即死コンボや無限コンボを成立させる事が可能になります。
《歯と爪》が双呪込み9マナでそれが実現できますが、このカードもそれに近しいコストで似たような事ができる点は見逃せません。
色拘束は大分濃いものの、クリーチャーベースのデッキ、緑が濃い《迷える探求者、梓》《溌剌とした探検家、おたから》《略奪の母、汁婆》《咆哮する予言者、ロシーン》などのマナランプ系のデッキでの追加のフィニッシャーサーチカードとしての採用が十分に考えられますね。
4位《群れの家宝》
2マナのアーティファクトで2つの起動型能力を持ちます。
1つ目の起動型能力は、クリーチャーにしか使えないものの好きな色マナを1つ加えるというもの。
よくある《秘儀の印鑑》などのマナアーティファクトと同効率なものの、クリーチャー呪文にしか使えないので、他のマナ加速と比べるとちょっと不安は残ります。
2つ目の起動型能力は、パワー4以上のクリーチャーにトランプルと《第六感》能力を付与するというもの。
《第六感》に比べるとオーラではないので除去に強く、能力を付与する対象を適宜変えられる点が優秀です。
統率者ダメージを狙う統率者で、追加の回避能力付与手段として活用できそうですね。
特にパワー修整は与えないため、《マナの座、オムナス》《数多のラフィーク》《地震土竜、アンズラグ》《五足のフェリクス》など、素のスペックでしっかりと打点を確保できている統率者で用いると地味ながらも良い働きを見せてくれそうです。
他にもある程度大型クリーチャーが確保できるようなデッキ、例えば《始祖ドラゴン》《棘持つ暴走者、スリンザ》などの大型クリーチャー部族デッキでの活躍も期待できますね。
どちらか片方の能力だけだとカード1枚分の働きをしているか怪しい所ですが、2マナというコストの軽さにこの2つの能力がセットになっていると考えれば十分採用を考えてもいいレベルの地味ツヨカードです。
3位《降霜断崖の包囲》
3マナの青赤のエンチャントで、戦場に出たときにモードを1つ選べます。
ジェスカイは、疑似的な《沿岸の海賊行為》能力。テキスト的に複数体で1人に戦闘ダメージを与えても1枚しかカードを引けませんが、複数人に1体ずつ戦闘ダメージを与えればその防御プレイヤーの人数分カードを引けます。
本家に比べるとドロー量は少ないものの、3マナという他の類似カードに比べると1マナ軽いコストともう1つのモードも選べる柔軟性を考えれば妥当な所です。
今回のキーワード能力である応召を活用すれば防御の手薄なプレイヤーに攻撃をすり抜けさせる事もできるでしょう。
ティムールは、パワー修整+トランプル、速攻付与と《ヤヴィマヤの火》に比べると大盤振る舞いな能力。
特殊な使い方というよりはシンプルに全体強化カードとして使うのが良いでしょう。
パワー修整は些細なため、こちらの能力をアテにして採用する場合はクリーチャーを細かく展開する《飛翔する風、アキーム》《風の憤怒、カイカ》のようなトークンデッキよりも《暗闇の君主、ベ=ラコール》《統べるもの、ジョダー》《歩哨竜、ミーリム》のようなある程度素のスペックが担保されているクリーチャーを展開していくデッキで使った方が強く使えそうですね。
2位《ケルゥの黄金守り》
青黒緑の4マナ3/3飛行のクリーチャーで、誘発型能力と相続能力を1つずつ持ちます。
採用する際のメインとなる誘発型能力は、自分のターン中にカードが墓地を離れるたびに宝物トークンを1つ生成するというもの。
最近の宝物トークンは変なコンボを警戒してよくタップ状態で生成されていましたがこのクリーチャーはそういった余計な一言は書いていません。
これのおかげで《拷問生活》があればクリーチャー2枚を手札と墓地を行き来させる事が可能です。
これだけだと特に何も生み出さないのでコンボにはなりませんが、《骨たかりの守銭奴》《墓所呼びの戦車》《チョーク・アウトライン》《冒涜された墓所》《陰湿な根》《冒涜する者、トーモッド》で無限トークン、《神秘の編集》で無限切削、《浚渫機の洞察》で無限ライフ、《厳格な者、コンラッド卿》で無限ダメージが出来ます。
また、宝物トークンが生成されては消えを繰り返すため、《双子唱者、アドリックスとネヴ》《倍増の季節》で無限マナ、《鉄の玉座の工作員》《マリオネットの見習い》《マリオネットの達人》で無限ライフルーズが出来ます。
難点としては青黒緑という固有色ゆえの汎用性の低さ。
一応この固有色は墓地利用する統率者が多く、《永遠の頂点、ブロコス》《墓場波、ムルドローサ》《血の暴君、シディシ》《賢きモスマン》などのデッキで採用可能です。
特に《墓場波、ムルドローサ》は能力で墓地からカードを唱えるたびに宝物トークンが生成できるようになるので、無限コンボできていない時でも無駄になりにくく、この新たなドラゴンを採用して更なる無限コンボルートを増やすのも現実的でしょう。
1位《ぬかるみの執政、シディシ》
3度目のカード化となるシディシ、今回は2回目の登場時と同様の黒単色のゾンビです。
2マナ1/3とシステムクリーチャーとして十分なスペックで、起動型能力を1つだけ持ちます。
自分のクリーチャーを生け贄に捧げるとそのクリーチャーのマナコスト+1マナのクリーチャーを墓地から戦場に戻す、という《出産の殻》《首席議長ヴァニファール》の墓地から探す版というようなデザイン。
本家はクリーチャーサーチでしたが、今回は墓地利用カードです。
黒は墓地利用統率者が非常に多く、このカードを採用できるデッキは多く存在します。
《運命を笑う者、アリーシャ》《金線の打破者、アーミクス》《王国の未亡人、アヤーラ》《幽霊の酋長、カラドール》《厳格な者、コンラッド卿》等の墓地利用、統率者や墓地に能動的にカードを送り込める統率者、また《ぬかるみの執政、シディシ》自身がゾンビということもあり、《ギサとゲラルフ》のようなゾンビ統率者デッキは特に相性がいいですね。
《出産の殻》とは異なり、最速でこのクリーチャーをポンっと出しても墓地が肥えていないと特に仕事をしてくれない点に注意が必要です。
そういう点で言えば上記の中では《ギサとゲラルフ》が4枚だけとはいえ自力で切削でき、コストとして必要なクリーチャーもゾンビであれば《ギサとゲラルフ》の能力で供給できるので相性は抜群です。
伝説のクリーチャーなので統率者としてデッキを組む事も可能です。
自身がタップを含む起動型能力を持つため、アンタップできると何度も利用できるようになるのでアンタップ手段を採用したいところ。
《棘噛みの杖/Thornbite Staff》
《教術師の石/Magewright's Stone》
《移動駐屯所/Mobile Garrison》
《貴族の印章/Patriar's Seal》
《威圧の杖/Staff of Domination》
《パルンズの剣/Sword of the Paruns》
《千年霊薬/Thousand-Year Elixir》
《暗黒のマントル/Umbral Mantle》
・・・固有色黒単色ではクリーチャーをアンタップさせる手段はアーティファクトに頼るしかないのが歯がゆい所ですが十分サポートカードはあります。
この中では《棘噛みの杖》が最強です。
統率者の能力を起動したときにクリーチャーが死亡するため、《棘嚙みの杖》のアンタップ能力が誘発して更に統率者の能力を起動できるようになります。
つまり、墓地のマナコストさえそろっていれば軽いコストのクリーチャーから順番にクリーチャーを出していって最終的には大型クリーチャーに到達させる事も可能です。
もちろんその途中のクリーチャーたちの戦場に出たとき能力や死亡したとき能力も誘発するので、デッキに採用するクリーチャーさえしっかり選別しておけば一気にリソースを取り返す事が可能です。
最終的な勝ち手段はやはりクリーチャー絡みの無限コンボが揃えやすく、有名どころといえば《不浄なる者、ミケウス》+《トリスケリオン》のコンボが挙げられます。
途中に《ファイレクシアの発掘者》を挟む事で
4マナのクリーチャーから《ファイレクシアの発掘者》
↓
墓地から4マナのクリーチャーを戻す
↓
《ファイレクシアの発掘者》から《不浄なる者、ミケウス》
↓
4マナのクリーチャーから5マナのクリーチャー、そこから《トリスケリオン》
と1枚でコンボパーツを揃えにいく事が可能です。
墓地に該当カードがあり、《棘噛みの杖》が装備されていればすぐにコンボを成立させることができますね。
ここまでの動き、コンボを成立させるためにはしっかりと墓地を肥やしておく必要があります。
1つ目の手段は手札を捨てるカードを使って、手札に来たクリーチャーカードを墓地に置く方法です。
《沼の妖術使い/Bog Witch》
《墓所破り/Cryptbreaker》
《スカージの使い魔/Skirge Familiar》
《系図の石板》
《墳墓荒らし/Tomb Robber》
《拷問生活/Tortured Existence》
《取引仲介機/Deal Broker》
《ラフィーンの口封じ/Raffine's Silencer》
《微風のブーツ/Zephyr Boots》
《蒐集家の保管庫/Collector's Vault》
《闇取引/Dark Deal》
《来世への門/Gate to the Afterlife》
《大いなる扉、マツァラントリ/Matzalantli, the Great Door》
《記憶の壺/Memory Jar》
《古生物学者のツルハシ/Paleontologist's Pick-Axe》
《ピップボーイ3000/Pip-Boy 3000》
《密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter》
・・・コストとして手札を捨てるカード。
マナを加えたりドローができたり、効果は様々です。
《ラフィーンの口封じ》は普段はあまり見かけませんが、死亡した時にささやかながら除去が可能でなおかつ1枚ドロー&ディスカードができるため、地味ながらも活躍が期待できるクリーチャーですね。
2つ目は全体に影響を及ぼすような手札破壊を使う方法です。
《往時軍の覚醒/Awaken the Erstwhile》
《底なしの奈落/Bottomless Pit》
《忍び寄る驚怖/Creeping Dread》
《狡猾な忘術士/Cunning Lethemancer》
《死の雲/Death Cloud》
《狂乱病のもつれ/Delirium Skeins》
《惨劇の刻の狂信者/Fanatic of the Harrowing》
《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
《異端の癒し手、リリアナ/Liliana, Heretical Healer》
《精神の掻き寄せ/Mind Rake》
《精神を刻むもの/Mindslicer》
《屍気の霧/Necrogen Mists》
《ネクロゴイフ/Necrogoyf》
《抑圧/Oppression》
《悪疫/Pox》
《ランクルのいたずら/Rankle's Prank》
《悪ふざけの名人、ランクル/Rankle, Master of Pranks》
《朽ちゆくネズミ/Rotting Rats》
《小悪疫/Smallpox》
《チビボネの加入/Tinybones Joins Up》
・・・自分も含め手札破壊が可能なカード。
《異端の癒し手、リリアナ》はクリーチャーカードでありながらプレインズウォーカーになれるカード。
墓地から統率者の能力で戻す事も出来ますし、他のクリーチャーを生け贄に捧げれば簡単に変身条件を満たす事が可能で、変身後はディスカード手段と墓地利用が可能な優秀なカードとなります。
普段の統率者戦ではプレインズウォーカーは継続的かつ明確にアドバンテージを稼げるため他のプレイヤーから狙われやすく、あまり長生きできません。
今回はオモテ面がクリーチャーなので統率者の能力で戦場に戻しやすく、継続的に能力を起動できることでしょう。
3つ目は切削を活用する方法です。
《狂気の祭壇/Altar of Dementia》
《バロウゴイフ/Barrowgoyf》
《荒廃のタイタン/Blight Titan》
《墓所細工/Cemetery Tampering》
《戦慄の猟犬/Dreadhound》
《丸砥石/Grindstone》
《催眠の宝珠/Mesmeric Orb》
《ネクロン・デスマーク/Necron Deathmark》
《墳墓からの脱出/Out of the Tombs》
《ベイルマークの大主/Overlord of the Balemurk》
《不死のさざ波/Ripples of Undeath》
《清掃人の才能/Scavenger's Talent》
《縫い師への供給者/Stitcher's Supplier》
《アンデッドの執事/Undead Butler》
《生き埋め/Buried Alive》
《死体の鑑定人/Corpse Connoisseur》
《ギックスの信奉者/Disciples of Gix》
《納墓/Entomb》
《墓破りのラミア/Gravebreaker Lamia》
《陽気な哀歌/Lively Dirge》
《オリークの伝承魔道士/Oriq Loremage》
《無名の墓/Unmarked Grave》
《不快な納墓役/Vile Entomber》
・・・切削が出来るカード。
これ以外にもたくさんありますが、これらはオマケ能力が強力だったり切削効率が良かったりするのでピックアップしました。
《縫い師への供給者》はゾンビなどのクリーチャートークンからも引っ張って来られる1マナ、戦場に出た時とコストで生け贄に捧げた時にも切削してくれる効率の良さからこの統率者では毎回使っていきたいエースクリーチャーとなるでしょう。
《生き埋め》以降のカードは切削ではなくピンポイントでカードを墓地に置けるカード。
切削だけだとどうしてもランダム要素が生まれてしまうので、これらのカード、特に《生き埋め》を使って墓地にコンボパーツを埋める動きが分かりやすい勝ち手段になりそうですね。
《ぬかるみの執政、シディシ》は新たな墓地利用統率者としても、黒絡みの墓地利用統率者のデッキに採用するにしても活躍してくれそうな優秀なクリーチャーと言えるでしょう。
・注目統率者ピックアップ
《嵐の中心、ネリーヴ》
白黒赤の統率者。
4マナ4/5飛行と比較的大きめなスペックと、置換効果を1つ持ちます。
「このターンに戦場に出たクリーチャー」がダメージを2倍与えられる、という非常に特徴的な能力ですね。
普通のクリーチャーは召喚酔いの影響で戦場に出たターンには攻撃できないので工夫する必要があります。
速攻を付与する事で攻撃に関しては簡単に解決はできますが、1回だけ2倍の戦闘ダメージを与えるだけでゲームが大きく動くようなクリーチャーはあまり多くありません。
《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》
《肉食いインプ/Flesh-Eater Imp》
《生体融合外骨格/Grafted Exoskeleton》
《ファイレクシアの巨大戦車/Phyrexian Juggernaut》
《荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragon》
・・・感染関連カード。
戦闘ダメージが倍入って一番勝ちに近づくのは感染持ちクリーチャーですね。
今回は戦場に出たターンにしか倍にならないため、スペックの小さめな感染クリーチャーはピックアップしていません。
この勝ち手段を軸に据えるなら《疫病のとげ刺し》《ファイレクシアの十字軍》などのスペックは小さいものの戦闘ダメージを通しやすい感染クリーチャーを追加で採用していくといいでしょう。
《荒廃鋼の巨像》は明らかに普通に唱える事の出来ないマナコストを持っているため、後述する《騙し討ち》などのコスト踏み倒しカードとのセットで採用しましょう。
ちなみに統率者がいる状態で《荒廃鋼の巨像》が攻撃してブロックされた場合、ブロッククリーチャーに一旦致死ダメージ分を割り振り、その後残りのダメージをプレイヤーに割り振り、最後に全部のダメージが2倍、という処理になります。
ダメージが2倍になるから22点を割り振る=タフネス合計13以上無いと即死というわけではなく、実際はタフネス合計7点あれば即死はしない点に注意が必要ですね。
《害霊/Malignus》
《荒廃の下僕/Minion of the Wastes》
・・・単体でプレイヤーを即死させられる可能性を秘めたクリーチャー。
どちらも回避能力を持たないためお手軽とは言えないものの、戦闘ダメージを通す工夫のしがいがあるカードですね。
統率者の能力を活用しやすいのは、戦場に出たときにどこかしらにダメージを与える能力を持つクリーチャーでしょう。
《怒りの大天使/Archangel of Wrath》
《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》
《焼熱の太陽の化身/Burning Sun's Avatar》
《焼却の機械巨人/Combustible Gearhulk》
《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》
《激情/Fury》
《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》
《業火のタイタン/Inferno Titan》
《オークの弓使い/Orcish Bowmasters》
《ボイラービルジの大主/Overlord of the Boilerbilges》
《火の怒りのタイタン、フレージ/Phlage, Titan of Fire's Fury》
《パイロゴイフ/Pyrogoyf》
《熾火魔道士、スコア/Skoa, Embermage》
《トラクシーズの落とし子/Spawn of Thraxes》
《雷のドラゴン/Thunder Dragon》
・・・戦場に出たときにダメージを飛ばせるクリーチャー。
統率者の能力は戦闘ダメージに限らないため、こういったクリーチャーの火力を倍増させる事も可能です。
どれも本体のスペックもしっかりしたものが多いため、これらに速攻を付与して相手のクリーチャーを除去しながら攻撃するだけでも結構な打点を稼ぐことができるでしょう。
《焼却の機械巨人》は相手依存の能力なので安定した運用は難しいものの、3枚ドローでも十分に強力で、踏み倒しカードが多くなりがちなこのデッキでは3枚切削+合計マナ総量×2のダメージも強力です。
《電撃力/Electropotence》
《憎悪縛りの剥ぎ取り/Flayer of the Hatebound》
《戦嵐のうねり/Warstorm Surge》
・・・どれも一癖あるものの自分のクリーチャーが出たときにダメージを飛ばせるようになるカード。
《電撃力》は唱えるコストこそ軽いもののダメージを飛ばすために3マナという少なくないコストが必要経費としてかかってきます。
《憎悪縛りの剝ぎ取り》は墓地から戦場に出たクリーチャーだけなので、後述する《死体のダンス》などの墓地利用カードを多めに採用する場合のみ扱えます。
《戦嵐のうねり》は特に条件はないかわりに6マナと非常に重いコストがネックです。
似たようなカードで《峰の恐怖》などがありますが、これはダメージの発生源が《峰の恐怖》であってそのターンに戦場に出たクリーチャーではない点に注意が必要です。しっかりとテキストを読んでダメージの発生源がどこなのかをチェックしましょう。
一応《峰の恐怖》自体は《峰の恐怖》を出したターン中に他のクリーチャーを戦場に出せればしっかりと統率者の能力の恩恵を受けられます。《ナヒリの決意》《軍団の戦略》などで一度にクリーチャーを戦場に出すギミックとセットで運用すれば一瞬にしてライフを消し飛ばす事も可能でしょう。
クリーチャー自体は揃ってきたところで、実際に速攻を付与する手段はどのようなものがあるか見てみましょう。
《憤怒/Anger》
《ブーツ・オヴ・スピード/Boots of Speed》
《勝利の戦車/Chariot of Victory》
《永劫の勇気/Enduring Courage》
《炎族の村/Flamekin Village》
《パーフォロスの槌/Hammer of Purphoros》
《ハンウィアーの要塞/Hanweir Battlements》
《憑依の外套/Haunted Cloak》
《戦の只中/In the Web of War》
《溶岩拍車のブーツ/Lavaspur Boots》
《軍団の戦略/Legion's Initiative》
《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
《ナヒリの決意/Nahiri's Resolve》
《オーガの戦駆り/Ogre Battledriver》
《戦争に向かう者、オリヴィア/Olivia, Mobilized for War》
《青銅血のパーフォロス/Purphoros, Bronze-Blooded》
《無謀な嵐探し/Reckless Stormseeker》
《日の出とともに/Rising of the Day》
《速足のブーツ/Swiftfoot Boots》
《隠れしウラブラスク/Urabrask the Hidden》
・・・シンプルに速攻を付与するカード。
どのような手段で戦場に出しても速攻を付与できるように、また繰り返し使えるようなものをピックアップしています。
《永劫の勇気》《戦の只中》《オーガの戦駆り》は速攻だけでなく+2/+0と少なくない修整値も付与してくれるのでオススメです。
《軍団の戦略》は一回しか速攻を付与できませんが自分のクリーチャー全体を一旦明滅させる事ができるカード。
相手から飛んでくる除去などを回避しつつ返しのターンで自軍全体が速攻持ちで戻って来るので、これだけでゲームを終わらせる事も夢ではありません。
《ナヒリの決意》は《軍団の戦略》とは異なり任意のタイミングで明滅させる事はできませんが、毎ターン統率者の恩恵を受けられるようにしてくれるため非常に相性が良いですね。
《魂の焚きつけ屋、カドリック/Cadric, Soul Kindler》
《呪われた鏡/Cursed Mirror》
《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》
《第三の道のフェルドン/Feldon of the Third Path》
《悪魔の皮の魂結び/Felhide Spiritbinder》
《炎駆の乗り手/Flamerush Rider》
《炎影の妖術/Flameshadow Conjuring》
《多勢の兜/Helm of the Host》
《トラブルメーカー、ジャクシス/Jaxis, the Troublemaker》
《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》
《ミミックの大桶/Mimic Vat》
《下僕の反射鏡/Minion Reflector》
《ラバブリンクの英雄、オーシオン/Orthion, Hero of Lavabrink》
《欠片の双子/Splinter Twin》
・・・コピーを生成するカード。
赤のカードでコピーを生成する場合は大抵速攻を持っている代わりにターン終了時に生け贄/追放されるようなデザインがメインとなります。
統率者の能力の恩恵を受けられるのは戦場に出たターンだけのため、次のターン以降戦場に残せないというデメリットは気になりません。
《鏡割りのキキジキ》《欠片の双子》など無限コンボのパーツになるカードもこのデッキであれば単体でそこそこの仕事をしてくれるため、片割れである《士気溢れる徴集兵》と共に採用して無限コンボのルートも用意しつつ、統率者の能力を活かせるカードとして運用していくといいでしょう。
《大釜のダンス/Cauldron Dance》
《死体のダンス/Corpse Dance》
《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》
《騙し討ち/Sneak Attack》
《ネクロマンサーの弟子/Apprentice Necromancer》
《鉄頭のアーニ/Arni Metalbrow》
《我々の刃/Blade of Selves》
《早駆ける業火、カラミティ/Calamity, Galloping Inferno》
《アルダー・レイヴンガード大公爵/Duke Ulder Ravengard》
《猪の祟神、イルハグ/Ilharg, the Raze-Boar》
《真紅の花嫁、オリヴィア/Olivia, Crimson Bride》
《エレボスの鞭/Whip of Erebos》
・・・その他コスト踏み倒し、攻撃している状態で戦場に出すなどのカード。
《騙し討ち》は類似カードが既に紹介した《青銅血のパーフォロス》くらいしかない強力なカードで、《荒廃鋼の巨像》を射出するギミックは古から語り継がれています。
たった1マナで誰でも射出できるため、このカードを引けているかどうかでゲームスピードが段違いに変わる事でしょう。
《大釜のダンス》は6マナと重い上に使い切りのカードですが、墓地から戻したカードは手札に戻る、再利用カードとしても使えます。
《騙し討ち》などで墓地にいったカードもすぐに再利用できるため、オススメのカードです(個人的に好きなカードというのもあって紹介しました!)。
クリーチャーが統率者の能力の恩恵を受けられるのは戦場に出たターンだけなので、その後戦場に残っていても特別な使い方はできません。
例えば《激情》は戦場に出た時に合計で8点のダメージを割り振りつつ、速攻を付与出来ていれば合計12点の戦闘ダメージを与えられるものすごいクリーチャーですが、次のターンからはただの3/3二段攻撃のクリーチャーに成り下がってしまいます。
手札に戻したり明滅したり、何かしらの手段でまた統率者の能力の恩恵を受けられる工夫をしたいですね。
《変わり身の狂戦士/Changeling Berserker》
《冷蔵室/Cold Storage》
《妖術師の衣装部屋/Conjurer's Closet》
《塵の精霊/Dust Elemental》
《奇妙な幕間/Eerie Interlude》
《儚い存在/Ephemerate》
《移ろいの門/Erratic Portal》
《本質の聖遺/Essence Reliquary》
《異邦人/Far Traveler》
《守護フェリダー/Felidar Guardian》
《悪鬼の狩人/Fiend Hunter》
《霊の通り路/Ghostway》
《金色の大帆船/Golden Argosy》
《アイスウィンドの重鎮/Icewind Stalwart》
《ラエゼルの軽業/Lae'zel's Acrobatics》
《ミラー・オヴ・ライフ・トラッピング/Mirror of Life Trapping》
《修復の天使/Restoration Angel》
《嵐前線の乗り手/Stormfront Riders》
《家庭と故郷の剣/Sword of Hearth and Home》
《テレポーテーション・サークル/Teleportation Circle》
・・・手札に戻したり明滅したりできるカード。
コスト踏み倒し系のカードと明滅カードは特に相性が良いです。
「ターン終了時に生け贄/追放する」「死亡する場合代わりに追放する」など期限が設けられているものに関しては明滅してしまえばそういった期限が無くなるためです。
従って、《騙し討ち》や《エレボスの鞭》などを多めに採用する場合は明滅カードもしっかり採用していきたいですね。
カードによっては戦闘フェイズが終わってから明滅させるようなものもあり、そういったカードで戦闘ダメージを与えたいクリーチャー(《害霊》など)を明滅させても意味がないので、自分の構成に合わせたカード選択をしていきましょう。
《嵐の中心、ネリーヴ》はコンボ要素を秘めた爆発力が魅力的なデッキになりました。
昨今はクリーチャーカードの性能が徐々に上がっており、戦場に出たときにダメージを飛ばすカード、速攻持ちのクリーチャーなどこのデッキに採用できそうなカードは増えていくので、将来性も十分にあります。
難点としては自身の力で手札や盤面のリソースを増やす事ができない点が考えられます。
特に今回は「戦場に出たときにダメージを飛ばすカード」「速攻を付与するカード」「コストを踏み倒すカード」「明滅カード」など、それぞれ固有の役割を持つカードを詰め込む形になり、それらをバランスよく引かないといけない構成になっています。
明滅カードだけ引く、速攻付与カードだけ引くといった最悪の状況にならないよう、ドロー&サーチ手段は普段よりも意識して採用していった方がいいでしょう。