岡本桂多のKill them All!~『マジック:ザ・ギャザリング|マーベルスパイダーマン』編~

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お久しぶりです!BIGWEB統率者戦担当の岡本桂多です!
皆さん楽しい統率者戦ライフをお過ごしでしょうか?


僕は前回の『久遠の終端』では

《ワイルドキャット隊長、サミ/Sami, Wildcat Captain》
《不動の副司令官、タヌーク/Tannuk, Steadfast Second》
《無限導線基地/Infinite Guideline Station》

この3つのデッキを組んで遊んでいました。

不動の副司令官、タヌーク
この中では不動の副司令官、タヌークが赤単ながらも明滅を始めとする様々な小テクが使える上、今後追加されるカード次第で伸び代も感じられる良い統率者だと感じました。

他にも《遠地点の頭脳、キロ》《世界播種、ハースハル》《起源の番人、ザーレル》など様々な統率者を見かけました!

さて、新セットの『マジック:ザ・ギャザリング|マーベルスパイダーマン』はMARVEL作品のスパイダーマンシリーズとのコラボセット。
僕自身は映画のスパイダーマン:ホームカミングまでは履修済みですが、コミックの方は未履修というちょっと中途半端な知識量のため、ガチ勢の方に比べるとイマイチ盛り上がりきれていません。

 

新規ギミックはウェブスリング、大混乱。

ウェブスリングはタップ状態のクリーチャーを手札に戻すことで代替コストによって唱える事を許可する能力。
挙動的には忍術に少し近いものがありますが、攻撃している状態のクリーチャーを戻せたりするわけではありません。

バネ葉の太鼓
戻すクリーチャーはタップ状態のものだけなので、無事に攻撃ができればいいものの、そうでない場合は《バネ葉の太鼓》などのコストでタップさせたり機体に搭乗させたり宇宙船に配備させたり、何かしら工夫が必要になってきます。
とはいえコストが基本的に本来のマナ総量よりも軽くなる傾向にあるため、シンプルに強力な能力です。

神経質な予見者、ヘルガ
ウェブスリングがついているクリーチャー次第にはなりますが、《月のクラーケン、ブリネリン》《災厄の占い師、グラルブ》《神経質な予見者、ヘルガ》などマナ総量が大きいクリーチャーを唱えたいが支払うマナは少なく抑えたいような統率者デッキでの活躍が考えられますね。

大混乱はマッドネスのリメイク版のような能力。
何かしらの方法でそのカードを捨てていたら、そのターン中墓地から大混乱コストで唱えてもいい、という能力です。
マッドネスとは異なりその瞬間に唱える必要がないため多少タイミングを自分で選べます。
その一方で唱えるタイミングのルールはしっかり適用されるため、対戦相手のターン中に大混乱コストでソーサリーを唱えるような事はできなくなっています。

侵攻の伝令、ローナ
《金線の打破者、アーミクス》《悪夢の達人、チェイナー》《オリジナル、アシエン・エメトセルク》《フェニックスのドミナント、ジョシュア》《侵攻の伝令、ローナ》など、何回かカードを捨てられる統率者での活躍が期待できます。

また、マッドネスとは異なり追放領域ではなく墓地から唱える事になります。
あまり数は多くないものの《ルーンナイト、セリス》《時間変造者、セヴィン》《大食の幼生、グリスト》《シブシグの勇者、コーティス》など墓地から唱える事でボーナスが得られる統率者も存在するため、意外なかみ合いを見せるカードが見つかるかもしれません。


新規ギミックではないものの、両面クリーチャーが多数収録されています。
これらはオモテでもウラでも唱えられるタイプの『カルドハイム』や『ストリクスヘイヴン:魔法学院』の時のような両面カードです。
ただ、オモテ面で唱えたあとにウラ面に変身するための能力を持っているため、当時の両面カードより柔軟性がありますね。
変身するといっても『イニストラード』の狼男系とは異なりオモテウラをクルクル変身するわけではなく、ウラになったらそのまま固定されるので結構運用しやすいデザインになっています。
統率者としてそういったクリーチャーを運用する場合、最初はウラ面で唱え、唱え直す時は比較的コストの軽いオモテ面から唱えて変身させるようなことも可能なので忘れないようにしたいですね。

統べるもの、ジョダー

続唱のルールが数年前に変わったので、《断片無き工作員》から《ピーター・パーカー》をめくり、ウラ面で唱えるようなズルはできませんが、似たような挙動の《統べるもの、ジョダー》であればそういった芸当が可能です。

 

それではいつも通り新セットの中身を見ていきましょう!

・注目カード5選
・注目統率者ピックアップ

 

・注目カード5選

5位《スパイダーマンの写真
スパイダーマンの写真

《自然との融和》のような緑によくあるクリーチャー補充用カード。
3マナのアーティファクトで戦場に出たときにライブラリーの一番上5枚の中から最大2枚を手札に加える事ができます。
探す範囲的には1マナの《自然との融和》と同じですが、2枚まで手札に加えられれば手札を増やせます。
ただ、5枚というのは多いようで少なく、外す可能性も低くない点には注意が必要です。
また、サーチカードとは使い勝手が異なるため、特定の1枚を探しにいきたいデッキでは使いにくいですね。

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一方《自然との融和》などとは異なり、アーティファクトであることを活用する事ができます。
アーティファクトシナジーを持つ《翠色のラジアン、アーチック》《戦闘DJ、ブラスター》《古代学者、メリア》《光輝の創造者、サヒーリ》のような統率者で使ったり、《太陽のタイタン》《セヴィンの再利用》などで回収したり、《彫り込み鋼》《ファイレクシアの変形者》などでコピーしたり、従来のカードとは異なる使い方が考えられますね。

起動型能力の方は1マナタップで生け贄に捧げると宝物トークンを1個生成できます。
地味ながらも一時的なマナ加速として使えますし、前述した《太陽のタイタン》などで回収する事を考えると能動的に墓地に落ちてくれるのもうれしいポイントですね。

総じて派手な活躍をするカードではないものの、いぶし銀な働きが期待できるカードです。

 

4位《コナーズの呪い、リザード
コナーズの呪い、リザード
緑単色の伝説のクリーチャー。
4マナ5/5トランプルと、昨今のクリーチャーとしては普通ですがマナレシオ的には十分強力な部類です。
戦場に出た時にクリーチャー最大1体を4/4にしつつ能力を失わせる、という誘発型能力を持っています。

王冠泥棒、オーコ

この誘発型能力は特にリザードが戦場を離れたりターンが終了したりしても解除される事がない点が非常に強力で、悪名高い王冠泥棒、オーコの+1能力とほぼ同等の効果となります。
統率者戦で使われるクリーチャーは基本的には能力が非常に強力なものだったりサイズがとんでもないものだったりしますが、リザードはそのどちらにも干渉する事が可能です。
《王冠泥棒、オーコ》もそうですが、対戦相手の統率者に対してリザードを出す事ができれば対戦相手からすると一度戦場を離れさせないと統率者の能力が使えなくなってしまうため非常に苦しい状態になります。

緑のクリーチャーかつ4マナというコストの軽さで対戦相手のクリーチャーに干渉できるのは非常に重要で、緑お得意の《俗世の教示者》《緑の太陽の頂点》《破滅の終焉》などのクリーチャーサーチから対処が困難なクリーチャーに対処できるようになります。

緑単色でももちろん強力ですが、他の色も絡むと様々なサポートが受けられます。
白は明滅、青はコピー(伝説なので普通は片方墓地に落ちます)、黒は墓地から再利用、赤は一時的なコピーと、デッキタイプによってはあまり使わないギミックもあるものの、リザードの能力を悪用しようと思えば簡単にできそうですね。

今後は緑系のデッキで、ある程度クリーチャーカードを使う場合は採用される事が多いクリーチャーになるでしょう。

 

3位《襲い来る電池、エレクトロ
襲い来る電池、エレクトロ

赤単色の伝説のクリーチャー。
3マナ2/3飛行と標準的なスペックに能力を3つ備えています。

力線の暴君

1つ目の能力は赤マナだけマナプールから勝手に消えないという力線の暴君のような常在型能力。
《力線の暴君》と異なりこういったシステムクリーチャーは本体のマナコストが軽い事が非常に重要なため、扱いやすいですね。
また、固有色赤でパワーが2のため、統率者として採用していない場合《帝国の徴募兵》によるサーチに対応している点も優秀です。

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2つ目の能力はインスタントかソーサリーを唱えると赤マナを加える、ダメージは飛ばないもののウラブラスクのような誘発型能力。
インスタントとソーサリーに関しては実質赤1マナ分軽減して唱えられるようになるため、赤マナを軽減する《ゴブリンの電術師》のような使い方が可能です。

3つ目の能力はエレクトロが戦場を離れた時にXマナを支払うとプレイヤー1人にX点ダメージを与えられるというもの。
この能力も《力線の暴君》と似たようなものですね。
ダメージを飛ばせる対象がプレイヤーだけという点はちょっと融通が利かないものの、使い道がないわけではない能力です。

イズマグナスのミジックス
イズマグナスのミジックスのような青赤系の統率者はインスタントやソーサリーを何度も唱えたい統率者が多く、他の統率者デッキでの活躍の機会がありそうです。

伝説のクリーチャーのため統率者にすることも可能です。
構造的には赤単という固有色も含めて《ウラブラスク》と似たような形になるでしょう。
あちらとは異なり、余った赤マナが使いきれずに消えてしまった・・・という事がないため、チェインコンボ系でよくある「見切り発車」をしても次のターン以降に再チャレンジしやすい点が長所と言えるでしょう。
《ウラブラスク》と異なり《反復》《煮えたぎる歌》からの無限マナでフィニッシュはできませんが、生け贄手段などでエレクトロの3つ目の能力を誘発させる事ができれば唱え直すことで強引なフィニッシュも可能です。


2位《スパイダーセンス
スパイダーセンス
新しい2マナの打ち消し呪文。

打ち消しの対象がインスタント、ソーサリー、誘発型能力という白鳥の歌がエンチャントの代わりに誘発型能力を打ち消せるようになったような特徴的な範囲。
《白鳥の歌》とも範囲が似ており、《白鳥の歌》の採用率を考えれば《スパイダーセンス》も十分採用圏内と言えるでしょう。

okamotoSPM 03-1.jpg《白鳥の歌》はクリーチャーを打ち消すことができず、タッサの神託者や《変幻の大男》などの致命的な能力を持つクリーチャーの前に無力なものの、《スパイダーセンス》は誘発型能力を打ち消す事で対処が可能になっているのは非常に魅力的です。

2マナというコストに関してもウェブスリングができれば1マナで唱える事ができます。
当たり前ですが打ち消しや除去などの受動的なカードは1マナか2マナかの差は非常に大きく、構えながら動く時の展開が大きく変わってきます。
もちろん2マナで唱えてもそこまで弱くはないものの、ウェブスリングで一切唱える可能性がない、クリーチャーが少ないデッキではあまり採用されないかもしれません。
自然とウェブスリングできるマナクリーチャーを採用できる青緑系の統率者での採用が期待できますね。

 

1位《ピーター・パーカーのカメラ
ピーター・パーカーのカメラ

3回だけ起動型か誘発型能力をコピーできるアーティファクト。

石成エンジン
起動型能力のコピーなら《ブライトハースの指輪》、誘発型能力のコピーなら《ストリオン共鳴体》、そして石成エンジンならどちらもそれぞれ回数制限なく使用できる先輩たちがいます。
それに比べると回数制限のある《ピーター・パーカーのカメラ》はどうしても無限コンボのパーツにもしづらいため今までにない動きというのはありません。

マナコストが1マナと非常に軽いのが他の能力コピーアーティファクトにはない強みです。

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ただ軽いからいいというだけでなく、粗石の魔道士《ウルザの物語》でのサーチに対応するようになったり、Iron Man, Titan of Innovation《再利用隔室》《オズワルド・フィドルベンダー》で宝物などのトークンからすぐにアクセスできたりする点も優秀です。

他の能力コピーカードと同様に固有色がないため、無限用のパーツでなくとも統率者の能力をコピーしたい場合は選択肢に入ってくるカードになるでしょう。

 

 

・注目統率者ピックアップ

ピーター・パーカー》/《アメイジング・スパイダーマン》
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白青緑の統率者候補。

オモテ面は2マナ0/1で戦場に出たときに2/1の蜘蛛トークンを生成する能力と、4マナで変身する能力を持ちます。
ウラ面のコストも4マナと軽めのため、オモテ側はどうしても到達持ちの蜘蛛トークンが欲しい時以外はあまり使う事はないでしょう。

ウラ面は4/4警戒到達としっかり目のスペック。
自分の有色の伝説呪文がウェブスリング3マナ(白青緑1マナずつ)を持つというコスト踏み倒し系能力。
デッキの組み甲斐のありそうな能力ですね!

安全にウェブスリングをするために軽いクリーチャーとそれをタップする手段を用意し、ウェブスリング元を用意しましょう。

 
《アヴァシンの巡礼者/Avacyn's Pilgrim》
《極楽鳥/Birds of Paradise》
《シタヌールの重鎮/Citanul Stalwart》
《喜ぶハーフリング/Delighted Halfling》
《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
《フィンドホーンのエルフ/Fyndhorn Elves》
《遺伝子送粉機/Gene Pollinator》
《金のガチョウ/Gilded Goose》
《ヤスペラの歩哨/Jaspera Sentinel》
《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
《壌土のドライアド/Loam Dryad》
《貴族の教主/Noble Hierarch》
《サルーリの世話人/Saruli Caretaker》
《硬化した屑鉄喰らい/Armored Scrapgorger》
《獣呼びの学者/Beastcaller Savant》
《バイオファガス/Biophagus》
《花を手入れする者/Bloom Tender》
《木苺の使い魔/Bramble Familiar》
《賢き長老、ブーゲンハーゲン/Bugenhagen, Wise Elder》
《献身のドルイド/Devoted Druid》
《ロナスの狂信者/Fanatic of Rhonas》
《培養ドルイド/Incubation Druid》
《ドーンハルトの殉教者、カティルダ/Katilda, Dawnhart Martyr》
《ベラドンナのドライアド/Nightshade Dryad》
《極楽の羽ばたき飛行機械/Ornithopter of Paradise》
《森の女人像/Sylvan Caryatid》
《耕作する高原導き/Tender Wildguide》
《痕跡追いの斥侯/Trailtracker Scout》
・・・タップする事でマナを加えられる、マナクリーチャー。
アメイジング・スパイダーマンを3ターン目に唱えられるとスムーズな展開ができるため、2マナ以下のものだけピックアップしています。
また、これ以外にも《ボリアルのドルイド》など無色マナしか加えられないクリーチャーもいくつかあります。
これらはアメイジング・スパイダーマンを3ターン目に唱える事の助けにはなりますが、それ以降のウェブスリングのためのマナに充てられないため今回は除外しました。

1マナのマナクリーチャーは緑の専売特許である1ターン目からのマナ加速を安定させるためにも是非採用したいところです。

シタヌールの重鎮
シタヌールの重鎮など、自身以外のカードをタップしてマナを加えられるものが複数枚あります。
これらは《ラノワールのエルフ》のようなマナクリーチャーに比べると他にクリーチャーを必要とするため最序盤に展開してもマナ加速にならない可能性があります。
ただ、他のクリーチャーをタップさせる事でどんなクリーチャーでも安全にウェブスリング元に出来るというこのデッキならではの強みもありますね。
また、これらのクリーチャーはコストでタップさせる他のクリーチャーは召喚酔いしていてもいいので、テンポロスしにくいのも評価できる点です。

2マナのマナクリーチャーは非常に数が多いため、マナを出す以外のオマケ能力やスペックが優秀なもののみピックアップしています。

獣呼びの学者
獣呼びの学者はクリーチャーにしか使えないマナを加えますが、そのマナはウェブスリング用のコストにももちろん充てる事ができますし、自身が速攻を持っているのでウェブスリング元として使ってもテンポロスしにくい優秀なカードです。
花を手入れする者は、このカードにしかできないコンボが可能です。

okamotoSPM 06-1.jpgタップするだけでウェブスリングコストに充てる事が出来るため、チャクラムの受け手と機体などのクリーチャーをタップする手段を用意すれば無限に唱え直し続ける事が可能になります。
《花を手入れするもの》が3マナを加え、他のクリーチャーをタップしつつ手札から伝説のクリーチャーをウェブスリング→《チャクラムの受け手》で《花を手入れするもの》をアンタップ→今唱えた伝説のクリーチャーをタップして《花を手入れするもの》が3マナを加え、別の伝説のクリーチャーをウェブスリング・・・と繰り返す事が可能になります。
必要なパーツが多い上に唱える伝説のクリーチャー次第では別にそのままゲームに勝てるわけでもないため、積極的にこのコンボを狙いにいく必要はありませんが、長期戦になった時の勝ち筋の一つとして覚えておくといいでしょう。

マナクリーチャーは安全にタップできるためウェブスリング元として優秀なものの、唱え直したら当然召喚酔いによって1ターンマナを加えられないというテンポロスがあります。
タップする手段は別に用意した上で、ウェブスリング元として相性のいいクリーチャーを探していきます。


《ボレアスの軍馬/Boreas Charger》
《騒々しい送り屋/Chittering Dispatcher》
《回路の修理屋/Circuit Mender》
《機械仕掛けの狐/Clockwork Fox》
《折り紙細工のおとり/Papercraft Decoy》
《サラカスの予見者/Thalakos Seer》
《夕暮れヒバリ/Vesperlark》
《明日の見張り/Watcher for Tomorrow》
《トレイリアの大魔導師、バリン/Barrin, Tolarian Archmage》
《陰気な港魔道士/Dour Port-Mage》
《未来を創る者、ゲンク/Genku, Future Shaper》
《サリー・スパロウ/Sally Sparrow》
《三本木の書記官/Three Tree Scribe》
・・・ウェブスリングをした時に能力が誘発するクリーチャー。
《サラカスの予見者》《明日の見張り》は唱え直すコストが2マナと軽く、ウェブスリングをするたびに手札を増やせる優秀なクリーチャー。

明日の見張り
特に明日の見張りはライブラリーの上から4枚のうち好きなカードを手札に加えられるのでドローの質も高まる上に本人がタップ状態で戦場に出るのですぐにウェブスリングできるというピーター・パーカーのためのクリーチャーと言っても過言ではないデザインをしています。

下の5枚に関しては他のクリーチャーをウェブスリングするたびに能力が誘発するのでこれも相性がいいクリーチャーたちです。
トレイリアの大魔導師、バリンは戦場に出たときの能力も十分強力なのでウェブスリング元としても使えますし、他のクリーチャーをウェブスリングで手札に戻したらドローも出来るので臨機応変に使えます。

okamotoSPM 07-1.jpgサリー・スパロウは調査を行うので追加のマナを支払わないとドローにつながらないものの無いよりは良いですし、もう一つのクリーチャー呪文に瞬速を持たせる能力もクリーチャーカード主体になりがちなこのデッキにおいては非常に重要になってくるでしょう。

 
《霊気の媒介者/Aether Channeler》
《占いフクロウ/Augury Owl》
《積み過ぎた空中要員/Burdened Aerialist》
《金属の急使/Chrome Courier》
《フェアリーの大群/Cloud of Faeries》
《雲族の予見者/Cloudkin Seer》
《とぐろ巻きの巫女/Coiling Oracle》
《竜亀/Dragon Turtle》
《タークスの新人、イリーナ/Elena, Turk Recruit》
《精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder》
《エルフの再生者/Elvish Rejuvenator》
《永遠の証人/Eternal Witness》
《フェアリーの予見者/Faerie Seer》
《彼方地のエルフ/Farhaven Elf》
《激情の共感者/Fierce Empath》
《ちらつき鬼火/Flickerwisp》
《邪悪の使者/Foul Emissary》
《絞首された処刑人/Hanged Executioner》
《侵略の大梟/Harrier Strix》
《氷牙のコアトル/Ice-Fang Coatl》
《イグニス・スキエンティア/Ignis Scientia》
《鼓舞する監視者/Inspiring Overseer》
《シヴァのドミナント、ジル/Jill, Shiva's Dominant》
《秋の騎士/Knight of Autumn》
《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》
《第三の道のロラン/Loran of the Third Path》
《ニューロックの透術士/Neurok Invisimancer》
《やっかい児/Pestermite》
《巡礼者の目/Pilgrim's Eye》
《再利用の賢者/Reclamation Sage》
《ピーマの改革派、リシュカー/Rishkar, Peema Renegade》
《屑鉄撃ち/Scrapshooter》
《海門の神官/Sea Gate Oracle》
《遠眼鏡のセイレーン/Spyglass Siren》
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》
・・・戦場に出たときに誘発する能力を持つクリーチャー。
出し直す事を考えてコストが軽いものをピックアップしています。
要件としては「能力が強力なもの」「自力でタップできる能力を持つもの」「攻撃しやすい=自力でタップしやすいもの」あたりの要素を持つものを中心に取捨選択していきます。
《宮廷の軽騎兵》など一部のシステムクリーチャーは警戒を持っているせいでウェブスリングの元にしづらく、残念ながら落選となったカードたちもいます。

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タークスの新人、イリーナは『ファイナルファンタジー』からの新規カードですが、序盤はタフネス4と比較的安全に攻撃に参加しやすく、ウェブスリングした後は墓地に落ちた伝説のクリーチャーの回収にも使え、更に他にウェブスリングで伝説のクリーチャーを唱えるたびに自身もサイズアップしていけると、中々デッキの動きに噛み合っていますね。

激情の共感者
激情の共感者は自力でタップこそしにくいものの、戦場に出るだけでウェブスリング先を探しにいけるため、他のタップ手段さえ用意してあげられれば安定した展開が見込めます。

 
《統制のオーラ/Aura of Dominion》
《釣り竿/Fishing Pole》
《抵抗者の居住地/Holdout Settlement》
《対立/Opposition》
《制圧の輝き/Glare of Subdual》
《犯行現場/Scene of the Crime》
《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》
《生存者の野営地/Survivors' Encampment》
《新生エオルゼア/A Realm Reborn》
《謎の石の儀式/Cryptolith Rite》
《大地の知識/Earthcraft》
《エルフの合唱/Elven Chorus》
《永劫の活力/Enduring Vitality》
《インガとエシカ/Inga and Esika》
《極楽のマントル/Paradise Mantle》
《模倣メカ/Imposter Mech》
《勢団の銀行破り/Reckoner Bankbuster》
《密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter》
《地底のスクーナー船/Subterranean Schooner》
・・・自力でタップできないクリーチャーを安全にタップさせる手段。
これは機体や宇宙船なども含めると膨大な量存在しますが、こればかり採用してもデッキのメインの動きにはそこまで寄与しないため、バランスを考えて採用していきたいですね。

エルフの合唱
エルフの合唱はタップ手段だけでなく、ライブラリーの一番上に伝説のクリーチャーがあればそれもウェブスリングで唱えられるため、《アメイジング・スパイダーマン》と非常に相性が良いカードです。

 
《アブソリュートヴァーチュー/Absolute Virtue》
《全能なる者アルカニス/Arcanis the Omnipotent》
《全てを見通す者、アテムシス/Atemsis, All-Seeing》
《希望の天使アヴァシン/Avacyn, Angel of Hope》
《乱伐者、ボニー・ポール/Bonny Pall, Clearcutter》
《月のクラーケン、ブリネリン/Brinelin, the Moon Kraken》
《龍王ドロモカ/Dragonlord Dromoka》
《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》
《ガルタとマーブレン/Ghalta and Mavren》
《暴走暴君、ガルタ/Ghalta, Stampede Tyrant》
《核の占い師、ジン=ギタクシアス/Jin-Gitaxias, Core Augur》
《東の樹の木霊/Kodama of the East Tree》
《巨大猿、コグラ/Kogla, the Titan Ape》
《星界の大蛇、コーマ/Koma, Cosmos Serpent》
《世界を喰らうもの、コーマ/Koma, World-Eater》
《原初の潮流、ネザール/Nezahal, Primal Tide》
《年老いた骨齧り/Old Gnawbone》
《首席議長ゼガーナ/Prime Speaker Zegana》
《セラの大天使、レイディアント/Radiant, Serra Archangel》
《黎明をもたらす者レイヤ/Reya Dawnbringer》
《スーラクと殺し爪/Surrak and Goreclaw》
《8代目ドクター/The Eighth Doctor》
《6代目ドクター/The Sixth Doctor》
《タラスク/The Tarrasque》
《ベナリアの建国者、トルステン/Torsten, Founder of Benalia》
《飢餓の声、ヴォリンクレックス/Vorinclex, Voice of Hunger》
《飢餓のドミヌス、ゾパンドレル/Zopandrel, Hunger Dominus》
・・・ウェブスリングで唱えたい、有色の伝説のクリーチャー。
せっかくコストを軽減して唱えられるので、6マナ以上の普段では唱えにくいクリーチャーを中心にピックアップしています。
《巨大猿、コグラ》は伝説のクリーチャーでありながら戦場に出た時に格闘でクリーチャーに、攻撃した時にアーティファクトやエンチャントに干渉できる優秀なクリーチャーで数々のデッキで活躍しています。

6代目ドクター
6代目ドクターはそれ自身をウェブスリングで出してもうれしいわけではありませんが、その後のウェブスリングの結果2体ずつ伝説のクリーチャーが現れるようになる強力なサポートカードですね。

 
《ピーター・パーカー》は踏み倒し系統率者になりました。
ウェブスリングという新しいギミックを活用するため今までとはちょっと異なる動き/サポートカードを要求されるため、昔からプレイされる方でも組んでみても新しい発見がありそうです。
また、昨今のMTGでは伝説のクリーチャーが非常に多く登場する傾向にあるため、将来性も期待できる、初心者にもオススメできる統率者といえるでしょう。

 

ミスターネガティブ
ミスターネガティブ
白黒の統率者候補。
7マナ5/5と非常に重いコストの割には控えめなスペックで、警戒と絆魂を持っています。

能力は、ミスターネガティブが戦場に出たときに対戦相手1人と自分のライフ総量を交換するという誘発型能力。
この能力で自分のライフが減った場合(=自分よりライフが少ない対戦相手と交換した場合)、その差の分カードを引けるというとんでもないオマケつきです。

まず思いつくのは能力の誘発前に自分のライフをギリギリまで削っておいて、対戦相手のライフと入れ替えるというもの。
対戦相手がよほどライフを支払っていない限り、入れ替えた後はまたライフが増えているのでその後の自分のライフ状況もよく、明滅カードなどを駆使すれば何度も対戦相手のライフを削る事が可能になります。

 
《アダントの先兵/Adanto Vanguard》
《特級贖罪者/Arco-Flagellant》
《血の執行司祭/Blood Celebrant》
《破滅を囁くもの/Doom Whisperer》
《殉教者の墳墓/Martyrs' Tomb》
《悪戯なポルターガイスト/Mischievous Poltergeist》
《ネクロポーテンス/Necropotence》
《悪夢の鞭/Nightmare Lash》
《魂の交感/Soul Channeling》
《魂飲み/Souldrinker》
《血の壁/Wall of Blood》
《アルゲールの断血/Arguel's Blood Fast》
《死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead》
《強欲/Greed》
《月の集会/Lunar Convocation》
《残忍な裏切り/Murderous Betrayal》
・・・任意の点数のライフを支払えるカード。
《むかつき》などの大量にライフを支払える単発のカードはありますが、ミスターネガティブが一度戦場に出ただけではゲームは終わらない事が多く、可能なら何度も起動できる起動型能力を持つパーマネントを採用していきたいところ。
また、追加のマナがかからないものの方が一気にライフをギリギリまで削れるので優先的に採用したいですね。

okamotoSPM 09-1.jpg破滅を囁くもの》《悪戯なポルターガイストは自分のライフを1か2まで削る事ができるクリーチャー。
ミスターネガティブによって対戦相手のライフを1か2にしてすぐにこれらの飛行持ちクリーチャーで攻撃すればすぐにフィニッシュに持ち込めるのが優秀ですね。
《アルゲールの断血》以降はマナがかかるためすぐに対戦相手のライフを削り切るためには使えないものの、継続的に起動ができてアドバンテージを得られるためある程度採用しておくといいでしょう。

想定通りに事が運べると対戦相手1人を脱落させる事は容易ですが、その後最大であと2人とライフを入れ替えていく必要があるため、《ミスターネガティブ》の能力をまた誘発させないといけません。

《軽業の妙技/Acrobatic Maneuver》
《万難を排して/Against All Odds》
《糾弾の天使/Angel of Condemnation》
《霊体の横滑り/Astral Drift》
《魅力的な王子/Charming Prince》
《雲隠れ/Cloudshift》
《妖術師の衣装部屋/Conjurer's Closet》
《奇妙な幕間/Eerie Interlude》
《儚い存在/Ephemerate》
《守護フェリダー/Felidar Guardian》
《ちらつき》
《運命のちらつき/Flicker of Fate》
《ちらつき鬼火/Flickerwisp》
《忠実な馬、フォーチュン/Fortune, Loyal Steed》
《逃走のまやかし/Getaway Glamer》
《霊の通り路/Ghostway》
《ドゥーネダインの保護者、ギルライン/Gilraen, Dunedain Protector》
《微光角の鹿/Glimmerpoint Stag》
《金色の大帆船/Golden Argosy》
《ギラプールの守護者/Guardian of Ghirapur》
《アイスウィンドの重鎮/Icewind Stalwart》
《大司法官の扉/Justiciar's Portal》
《ラエゼルの軽業/Lae'zel's Acrobatics》
《解放/Liberate》
《遥かなる旅路/Long Road Home》
《来世への旅/Otherworldly Journey》
《お別れの突風/Parting Gust》
《溌剌の牧羊犬、フィリア/Phelia, Exuberant Shepherd》
《仔馬の救出/Rescue the Foal》
《修復の天使/Restoration Angel》
《救済の白鳥/Salvation Swan》
《巻物変容/Scrollshift》
《学期の終わり/Semester's End》
《指輪嵌め/Slip On the Ring》
《敏捷な螺旋/Swift Spiral》
《テレポーテーション・サークル/Teleportation Circle》
《精霊界との接触/Touch the Spirit Realm》
《航海者の杖/Voyager Staff》
・・・ミスターネガティブを明滅させるカード。
白のお家芸と言う事もあり、非常に多く存在します。
前述した《破滅を囁くもの》《悪戯なポルターガイスト》と組み合わせる事を考えると、自分のライフをギリギリまで削る→ミスターネガティブを着地させて対戦相手1人とライフを入れ替え→また自分のライフをギリギリまで削る→明滅させる、という流れになるため、可能な限りコストが軽いものを採用していきたいですね。

okamotoSPM 10-1.jpg雲隠れ》《儚い存在の1マナで使える明滅カードはもちろん、《忠実な馬、フォーチュン》《金色の大帆船》《溌剌の牧羊犬、フィリア》といった、明滅させる前の段階に戦場に出ていれば明滅させる瞬間にはマナを必要としないカードも優先度が高くなるでしょう。

明滅カードはミスターネガティブとの相性がいいものの、こればかり採用していても序盤には特に使うアテがなくなってしまいます。《雲隠れ》などの使い捨てのカードはともかく《溌剌の牧羊犬、フィリア》《忠実な馬、フォーチュン》などは他にクリーチャーが戦場に出ていないといけないため、《薄暮軍団の盲信者》など戦場に出たときにライフを失いつつドローを進められるクリーチャーとセットで採用しておくと序盤中盤でも役割を持たせられるため、構成を偏らせるのもいいでしょう。

ライフを失うカードだけでなく、得るカードにも価値は十分あります。
例えば対戦相手1人よりもライフが5点多かった場合、ミスターネガティブは「7マナ5/5警戒絆魂、戦場に出たときに5点ライフ支払って5枚カードを引く」という字面だけ見たらとんでもない事が書いてあるカードとなります。
幸いにも白黒はライフを得るカードも、ライフを得る事とシナジーするカードも多く存在するため、幅広い選択肢があります。

最初は「ライフを得るカード」「ライフを得る事とシナジーするカード」で盤面と手札を整えていき、ミスターネガティブを一度戦場に出して自分のライフを削りつつ一気にドロー、その後前述したライフを失うカード+明滅カードでゲームを終わらせにかかるという流れを目指して構築していくのも良いでしょう。

 
《アルハマレットの書庫/Alhammarret's Archive》
《生命力の天使/Angel of Vitality》
《クレリック・クラス/Cleric Class》
《曙光の騎士/Knight of Dawn's Light》
《希望の力線/Leyline of Hope》
《風のクリスタル/The Wind Crystal》
・・・ライフを得る量を増やせるカード。
ライフを得てからミスターネガティブを出す場合、ライフの回復量がそのままドロー量に直結するため、こういったカードで回復量を増やしていくのもいいでしょう。

風のクリスタル
この中では風のクリスタルはミスターネガティブの唱えるコストを軽減もしてくれる優秀なカード。どうしても7マナという重いコストがネックになるので少しでもコストを軽減してくれるカードは重要になってきます。
また、明滅させるカードに関しても1マナのものを除くとコスト軽減の恩恵を受けられるため、そういった面でもこのカードに助けられる場面は多そうです。

 
《オグマの文書管理人/Archivist of Oghma》
《オーリオックのチャンピオン/Auriok Champion》
《領事の権限/Authority of the Consuls》
《盲従/Blind Obedience》
《血の長の昇天/Bloodchief Ascension》
《血に飢えた征服者/Bloodthirsty Conqueror》
《バントゥの碑/Bontu's Monument》
《巨大な鋤/Colossal Plow》
《墓所の怪異/Crypt Ghast》
《戦慄の存在/Dread Presence》
《極上の血/Exquisite Blood》
《墓地の侵入者/Graveyard Trespasser》
《配分の領事、カンバール/Kambal, Consul of Allocation》
《逆占い師/Misfortune Teller》
《パパリモ・トトリモ/Papalymo Totolymo》
《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》
《マルコフ家のソリン/Sorin of House Markov》
《陽焼の執政/Sunscorch Regent》
・・・ライフを得られるカード。
単純にライフを得るカードは絆魂持ちのクリーチャーなど多くの選択肢はありますが、単純にライフを得るだけのカードを使うよりは何かのついでにライフを得られるものを選ぶと良いでしょう。
もちろんライフを回復したらその分ミスターネガティブを出した時のドロー量に直結するため、単発のライフ回復カードを採用するのもアリかもしれませんね。

okamotoSPM 111.jpg領事の権限》《盲従のライフ回復量自体は微々たるものですが誘発させるチャンスは多く、更にどうしてもミスターネガティブのコストのせいで序盤もたついてしまうこのデッキにおいては常在型能力も助けになることでしょう。

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血に飢えた征服者》《極上の血を採用する場合は《血なまぐさい結合》《永劫の不屈》《ヴィズコーパのギルド魔道士》などのお手軽即死コンボも採用しておくと勝ち手段の一つとして狙いに行けます。

 

《エアリス・ゲインズブール/Aerith Gainsborough》
《アマリア・べナヴィデス・アギーレ/Amalia Benavides Aguirre》
《テューンの大天使/Archangel of Thune》
《猫を集める者/Cat Collector》
《活力の揺り篭/Cradle of Vitality》
《希望の夜明け/Dawn of Hope》
《エクスカリバーⅡ/Excalibur II》
《光の模範/Exemplar of Light》
《極悪なパンダ/Fiendish Panda》
《光に導かれし者、ハリーヤ/Haliya, Guided by Light》
《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》
《白魔導師、ミンウ/Minwu, White Mage》
《ニクソスの模範/Nykthos Paragon》
《黄昏をもたらす者、ロドルフ/Rodolf Duskbringer》
《血魔道の集会/Veinwitch Coven》
《失われし夢の井戸/Well of Lost Dreams》
・・・ライフを得るたびに誘発する能力を持つカード。
《アジャニの群れ仲間》のようにシンプルに自身だけ強化するカードもありますが、今回のデッキの動きにはかみ合っていないのであまりピックアップしていません。
これらのカードには《エアリス・ゲインズブール》《白魔導師、ミンウ》など自身が絆魂を持っているためライフ回復カードとしても運用できるのがいいですね。

ニクソスの模範
ニクソスの模範はコストこそ重いものの、ミスターネガティブで一気にライフを増やす事ができれば自分のクリーチャー全体を超巨大にできるいわゆるロマン砲なので是非狙ってみたいところです。

《ミスターネガティブ》はライフ回復ギミックを採用しつつ、ライフを支払うカードとセットで(ほぼ)即死コンボも狙える特徴的なデッキになりました。
どうしても7マナというマナコストの重さがついてまわること、それぞれのカードの方向性が少しバラついているため引きムラに左右されやすいことから、初心者にオススメとは言いづらいかもしれません。
その分うまく回った時の派手さはピカイチなので是非挑戦してみてほしい統率者ですね。

 

 

・《命を貪るもの、ヴェノム》
okamotoSPM 13.jpg

普通のブースターに収録されていない方のヴェノムは、黒緑の統率者候補。
4マナ4/4警戒威迫と優秀なスペックに加えて起動型能力を1つ持っています。
3マナで墓地のクリーチャーカードを1枚追放すると、シンビオート1体にそのクリーチャーのタフネス分の+1/+1カウンターを置く、というもの。

縞痕のヴァロルズ

固有色、能力ともに縞痕のヴァロルズを彷彿とさせるものがあります。
ヴァロルズの方が優れている点は3マナというマナコストが軽い点、再生を持っている点、起動型能力のコストが固定ではないため《死の影》《ファイレクシアン・ドレッドノート》など一部のクリーチャーカードを運用する際はヴァロルズの方が軽いコストで起動できる点、+1/+1カウンターを置く先のクリーチャーの自由度が高い点があげられます。

ヴェノムの方が優れている点はヴェノム自身を強化する際は最初から警戒威迫と攻める際に必要になってくるキーワード能力を最初から持っている点、起動型能力のコストが固定のため《動じない大ワーム》のようにシンプルに巨大なクリーチャーをコストにする際はヴェノムの方が軽いコストで起動できる点、インスタントタイミングで起動できる点、対戦相手の墓地も対象に取れるため墓地対策としても運用できる点があげられます。

どちらも似たようなデッキにはなりますが、十分差別化はできているでしょう。


ヴァロルズの勝ち手段の一つとして《墨蛾の生息地》などの感染持ちクリーチャーに《死の影
》などを活用して+1/+1カウンターを大量に置いて即死級のクリーチャーにするものがありましたが、ヴェノムの場合は+1/+1カウンターを乗せる先がシンビオートだけという縛りがあるためこのプランは取れません。
一応《エイリアン共生体》や《仮面林の結節点》を使ってシンビオートのクリーチャータイプを付与したり、《変わり身ののけ者》などの多相クリーチャーを使ったりもできますが、基本的にはヴェノム自身を強化して統率者ダメージを狙いにいくのが分かりやすいでしょう。


《アゴナサウルス・レックス/Agonasaur Rex》
《三度呼ばれ、アルタナク/Altanak, the Thrice-Called》
《死の影/Death's Shadow》
《気前のよいエント/Generous Ent》
《大いなるサンドワーム/Greater Sandwurm》
《ハンドルーグ/Hundroog》
《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》
《ファイレクシアの魂喰らい/Phyrexian Soulgorger》
《棘林のアルマジロ/Spinewoods Armadillo》
《タイタノス・レックス/Titanoth Rex》
《虚空を招くもの/Void Beckoner》
《歪んだ大牙獣/Warped Tusker》
・・・自力で墓地に行ってくれる、タフネスが7以上のクリーチャー。
ヴェノムに+1/+1カウンターを7個乗せる事ができればパワーが11となり、統率者ダメージ21点以上を2回の攻撃もしくは二段攻撃付与で達成できるため、タフネスが7以上というのは1つの判断基準となります。

タイタノス・レックス
この中ではタイタノス・レックスがヴェノムに足りないトランプルも付与してくれるため特に重要になりそうです。

 
《生き埋め/Buried Alive》
《燃えルーンの悪魔/Burning-Rune Demon》
《死体の鑑定人/Corpse Connoisseur》
《納墓/Entomb》
《最後の別れ/Final Parting》
《ギックスの信奉者/Disciples of Gix》
《墓破りのラミア/Gravebreaker Lamia》
《ジャラドの命令》
《陽気な哀歌/Lively Dirge》
《オリークの伝承魔道士/Oriq Loremage》
《無名の墓/Unmarked Grave》
《不快な納墓役/Vile Entomber》
・・・ライブラリーから直接クリーチャーカードを墓地に置けるカード。
タフネスが大きいクリーチャーを引いていなくともこれらのカードもセットで運用することで、安定してヴェノムの能力の弾を用意する事ができますね。


《屍体屋の脅威/Corpsejack Menace》
《倍増の季節/Doubling Season》
《亭主の才能/Innkeeper's Talent》
《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス/Vorinclex, Monstrous Raider》
《枝分かれの進化/Branching Evolution》
《荷役区域/Loading Zone》
《空想小僧、ピール/Pir, Imaginative Rascal》
《土のクリスタル/The Earth Crystal》
・・・+1/+1カウンターが置かれる量を倍にしてくれるカード。
+1/+1カウンターを置く回数自体は多くないため、《硬化した鱗》のような+1個置くタイプのカードはあまり強く使えません。
多少コストが重くともこれらの「置く個数を2倍にする」カードを使った方がヴェノムデッキにおいては強く運用できますね。


《戦線クルショク/Battlefront Krushok》
《薄暮殻の這うもの/Duskshell Crawler》
《鼓舞する呼び声/Inspiring Call》
《西の樹の木霊/Kodama of the West Tree》
《ライオンの陰影/Lion Umbra》
《忘却の飢え/Oblivion's Hunger》
《絹鎧/Silkguard》
《スフィア盤/Sphere Grid》
《胞子背のトロール》
《惑星共生/Terrasymbiosis》
《ヤサンの墓番/Yathan Tombguard》
・・・+1/+1カウンターや改善されているクリーチャーサポートカード。
《薄暮殻の這うもの》のようにトランプルを付与するカードは他にも無数にあるため、ピックアップしきれていません。

戦線クルショク
戦線クルショクは2体以上ではブロックされなくする、逆威迫のような能力を付与してくれます。
これと威迫を両方持っているクリーチャーはブロックされなくなるためヴェノムと非常に相性がいいですね。
似たようなブロック制限カードは他にも《狼乗りの鞍》などありますが、ただ単にブロックされない状態にするだけであれば《シルバー・シュラウドの衣装》《こそ泥の兜》《先駆者の長靴》などの方が軽いことが多いため、オマケ能力がないなら無理に採用する必要はなさそうです。

惑星共生
惑星共生は『久遠の終端』からの新人ですが、ヴェノムであれば一度に大量の+1/+1カウンターを置けるうえに(マナがあれば)対戦相手のターンにも置けるという事で非常に相性がよく、必ず採用したいカードになっています。

 

《霊気式増幅器/Aetheric Amplifier》
《ギャレンブリグの宮廷/Court of Garenbrig》
《カロニアの牙/Fangs of Kalonia》
《フラクタルの装具/Fractal Harness》
《ハイドラの成長/Hydra's Growth》
《活性化のうねり/Invigorating Surge》
《カロニアのハイドラ/Kalonian Hydra》
《気性の荒いタンブルワグ/Ornery Tumblewagg》
《サッズ・カッツロイ/Sazh Katzroy》
《英雄たちの結束/Solidarity of Heroes》
《威圧の光景/Visions of Dominance》
・・・ヴェノムの上に置いた+1/+1カウンターを倍増させるカード。
1回の能力起動だけで十分にサイズアップできずともこれらのカードの後押しがあれば容易にトンデモサイズにすることが可能でしょう。

okamotoSPM 14-1.jpg活性化のうねり》《英雄たちの結束は特にインスタントのため奇襲性も高くオススメです。

 
《力線の斧/Leyline Axe》
《炎叫びの杖/Fireshrieker》
《源氏の小手/Genji Glove》
《武器を選択せよ/Choose Your Weapon》
《永遠神ロナス/God-Eternal Rhonas》
《強靭形態の調和者/Mightform Harmonizer》
《髑髏胞子の結節点/The Skullspore Nexus》
《不自然な成長/Unnatural Growth》
・・・二段攻撃やそれと同等の打点上昇を狙えるカード。
前述の通り、+1/+1カウンターを7個以上乗せることができればあとは二段攻撃を持たせたりダメージを2倍にしたりしてあげれば統率者ダメージ21点以上を狙えるため、これらのカードも重要になってきます。
源氏の小手はコストこそ重いものの二段攻撃だけでなく黒緑に欠けている追加戦闘(赤の追加戦闘フェイズや青の追加ターン)ももたらしてくれるキーパーツです。
髑髏胞子の結節点はあまり見かけないカードですがヴェノムであれば簡単に2マナで唱える事ができ、更に2マナでヴェノムのパワーを倍に出来るので打点向上系のカードの中では相当コストが軽い部類と言えるでしょう。

 

《命を貪るもの、ヴェノム》は分かりやすく統率者ダメージによる勝利を目指す統率者になりました。

マナこそかかるものの対戦相手の墓地対策を最初から備えられているため墓地利用統率者に対して強く出られる面も見逃せません。
ただ、統率者が墓地対策できるという事は墓地利用統率者からは目の敵にされますし、他のプレイヤーからすると「ヴェノムが墓地利用統率者ににらみを利かせている間に漁夫の利を得よう」という動きにもなってしまうため、交渉/政治力も必要になってきます。

固有色的にもクリーチャーを強化する手段や+1/+1カウンターを活用する手段が豊富なため、自身の能力以外の打点向上や回避能力付与の仕方は好みに応じて色々と組み替えていけそうです。
統率者ダメージを狙う統率者の入門用としても十分に扱えるレベルなので、ここから統率者戦に飛び込むのもオススメです。

 

以上で『マジック:ザ・ギャザリング|マーベルスパイダーマン』編の記事は終了です。

今回は統率者デッキがないので短めの記事となりました!

今回の記事で紹介しきれなかった統率者や、特定のデッキで非常に強力な助っ人となるサポートカードなどまだまだいっぱいあります。
皆さんも是非新しい統率者を組んでみたり、カードリストをもう一度眺めて自分の統率者に合いそうなカードを探してみたりしてください!

 
最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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