2014/06/11 灰燼のグール - Card of the Day -今日の1枚-

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灰燼のグール/Ashen Ghoul

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「グール」という言葉は全くもって日本語ではないが、多くの日本人がこの単語を聞いて共通のものを思い浮かべることだろう。グールは、ファンタジー世界では屍を喰らう動く死体、ゾンビの亜種のようなポジションを与えられ、ゲーム・漫画問わず非常に多くの作品でその姿を目にすることができる。所謂「ファンタジー語」であるが、それが本来意味するものはなんなのだろうか。

グールとは、元々アラブ人の民話・伝承に登場する怪物である。その語源は、アラビア語で「掴む」「攫う」を意味する「ガーラ」であるとされる。ファンタジー世界のグローバル・スタンダードでは「実質ゾンビ」であるグールだが、本来は「怪物」の一種であり、決してアンデッドではないということだ。

ゾンビは現世の人間が死後に生まれ変わる(なんか矛盾したことを言ってるけども)ものだが、グールは妖怪や悪魔といった類の「未知の生物」と言った方がよく、これらは本質的な部分で異なる。グールは、砂漠に住まい人間やハイエナなどによく似た姿に化けることが出来る。墓を漁り死体を喰らい、時には旅行者や子どもを攫って食べてしまう危険極まりない怪物だ。日本でいうと「魍魎」なんかが近いのだろうか。

グールトークはここらにしといて、今日はマジックに存在するグールの中でも、グロさと強さの2つを兼ね備えた素晴らしい1枚を紹介しよう。

《灰燼のグール》は初登場時には勿論「グール」のタイプを持っていた。しかし、グールはコイツで打ち止め。しかも後に全てのグールがゾンビとなり、グールは絶滅することになった。「ゾンビ扱いされてたけど別物だったグールが滅んで、ゾンビとして蘇ったよ」何を言っているのか自分でもよくわからん。

《灰燼のグール》はいつまでもしつこく場に還ってくる能力を持っている。ちゃんと条件はあって、自分の上に3枚以上のクリーチャーカードが存在する場合オンリー。腹いっぱい腐肉を食べて仕事に戻るのだろう。未だにエターナル環境で墓地の順番を並べ替えてはいけないのは、コイツらのようなカードがいるからである。

その継戦能力の高さとパワー3速攻という打撃力は目を見張るものがある。スタンダードではコントロール殺しの「ベリード・アライブ」で、エクステンデッドでは驚異的なシナジーを形成しつつメインアタッカーとして「ワイルドゾンビ」にて鉄砲玉として大活躍。

後に《イチョリッド》というマナが不要で条件も緩い次世代機が登場し、その役目を譲ることとなった。しかしイラストのグロさでは負けていないため、僕がデッキを作る際にはイチョの方が強いのを分かっていながらつい入れたくなってしまう。いつかイチョと共存したデッキでレガシーのトーナメントを優勝するのが、密かな目標でもある。

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