村栄龍司「リュウジのバーン道場」 GP京都直前編

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2015.03.31 text by Murae Ryuji

 


1、前置き

グランプリ京都まであと一ヶ月を切りました。 『パーツが比較的安い』『モダンから流用できるパーツが多い』 この2点から、グランプリ京都でバーンを使用する人は一定数・・・ 全体で2000人なら、全体の2-3%、50人程度はいると予想しています。 というわけでお久しぶりです、村栄です。 記事はしばらくご無沙汰でしたが、久しぶりに書かせて頂くことになりました。 今回は標題通り『レガシーのバーンについて』の記事になります。



2、赤単の理由
レガシーのバーンは基本的に『赤単色』です。それには、レガシー特有のカード《不毛の大地》の存在が大きく影響しています。



バーンの土地は20枚程度ですが、《火炎破》や《硫黄の渦》の存在を考えると、最終的に3-4マナは必要になってきます。 バーンは《渦まく知識》をはじめとする軽量ドローが使用できず、《霊気の薬瓶》によるコスト踏み倒しも行えないため、レガシーにおいても土地20枚というのは数字以上に少ない部類です。 土地を破壊されてしまうと、他のデッキ以上にとても厳しいデッキなのです。 さらにレガシーまでカードプールが広がると、赤単色でも十分な火力を使うことができます。



デュアルランド等の特殊地形を入れた場合は《不毛の大地》の影に脅えなければいけないので、結局『色を足すメリットが、土地を破壊されるリスクを上回らなかった』というのが、レガシーのバーンが赤単である理由ではないでしょうか。 《蛮族のリング》を採用しているリストもちらほらみかけますが、同じ理由で僕はあまり採用をお勧めしません。





3、メタデッキとの戦いかた
SCG Legacy Open Indianapolis 2015-01-31 1st Place Cameron Ramsay

20land
11 《山/Mountain》
1 《乾燥台地/Arid Mesa》
4 《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
4 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》


11spell
4 《ゴブリンの先達/Goblin Guide》
4 《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》
3 《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》

29spell
4 《Chain Lightning》
4 《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《裂け目の稲妻/Rift Bolt》
4 《発展の代価/Price of Progress》
4 《火炎破/Fireblast》
3 《焼尽の猛火/Searing Blaze》
2 《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》

Sideboard
3 《罠の橋/Ensnaring Bridge》
3 《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》
1 《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》
2 《紅蓮破/Pyroblast》
3 《灼熱の血/Searing Blood》
3 《粉々/Smash to Smithereens》


最近のリストを調べると、フェッチランドの枚数、サイドボードの選択こそ差がありますが、メインボードはこのリストが主流のようです。 メインボードはこれをサンプルに、サイドボードはいくつかの候補を追加して、メタデッキとのゲームプランを書いていこうと思います。

・このリストに追加するサイドボード候補
《大祖始の遺産》《フェアリーの忌み者》《墓掘りの檻》《外科的摘出》
墓地対策枠。それぞれに特徴があるのでどれを選択してもいいと思いますが、《タルモゴイフ》を使用するデッキにも効果がある、《大祖始の遺産》が個人的にはおすすめです。 

火力でダメージを与えてから《大祖始の遺産》の2つ目の能力を起動すれば、手強い《タルモゴイフ》も簡単に対処出来てしまいます。

《真髄の針》 汎用性の高さは随一ですが、『「奇跡」の《師範の占い独楽》を止めたい』等、使いたい相手をはっきりと想定できている場合のみに採用しましょう。 サイドボードは15枚しか枠がないので、いくら「丸い」と言ってもとりあえず感覚で入れるのは早計です。「なんとなく」でサイドインしてしまうと、トップした時に「これがサイドアウトした火力だったら...」と思ってしまうことでしょう。 《難問の鎮め屋》 カウンター対策。《相殺》《虚空の杯》に対しては劇的な効果を発揮します。 《実物提示教育》のみが勝ち手段の「Omni-Tell」相手には《赤霊破》が実質確定カウンターになるため、これを場に出してカウンターを構えるのが現実的な対策になると思います。 《赤霊破》 《紅蓮破》と用途はほぼ同じ。今回はすべて《赤霊破》とします。 ここで注意。バーンにはドローカードが入っていないため、サイドボードに対策カードを1枚入れておいて、《渦まく知識》や《思案》で探すことはできません。用途の広い火力呪文と違ってある程度役割がはっきりした対策カードの場合は、複数枚採用する事をお勧めします。 ・各アーキタイプに対するゲームプラン ゲームプランの下に 優先度の高いカード 優先度の低いカード 有効なサイドボード という項目を記載していますが、基本的には左から順に重要度が高いものとなります。 「奇跡」 相殺独楽のハーフロックがあるので、速やかにゲームを決めたいマッチ。 この2枚を揃えられる前に、いかにライフを削れるかが勝負です。  
1マナ火力、特にソーサリーはこのロックを決められると完全に無駄になるので、優先的に使っていきましょう。サイド後の後手なら少し枚数を減らしてもいいです。 《終末》があるので、展開するクリーチャーは2枚程度に抑えます。 《硫黄の渦》が最も輝くマッチなので、カウンターを使わせてから蓋をしにいく事を意識しましょう。 基本地形が多いので《発展の代価》の効果は薄めですが、それでも場の全てが基本地形というパターンは少ないはず。2マナ4点でも十分なので、うまく《相殺》を出し抜きましょう。 ・相殺独楽が決まってしまった時はどうする? 相手のライフと相談です。こちらの場に土地以外のパーマネントがない状態では、残りライフを削るのは非常に難しくなるので、さっさと次のゲームに進むのもひとつの手段です。 あと一息!くらいのライフなら、手札を溜め込んで一気に削りに行くのがいいでしょう。 また、相殺独楽はあくまでハーフロック。《硫黄の渦》の3マナ、《火炎破》の6マナはデッキに入っている数も限られているので、決められてもチャンスはある、という事は覚えておきましょう。(具体的に3マナは《天使への願い》《ヴェンディリオン三人衆》《議会の採決》、6マナは《終末》。少ないが、かと言ってゼロという訳でもないのも事実) 手札を溜め込んで長期戦を仕掛ける場合は、プレイ速度に注意。相手も迂闊に動くことができないので、時間をかけがちになります。ドローゴーはできる限り時間をかけずに行い、引き分けにならないように注意しましょう。  
優先度の高いカード 《硫黄の渦》《ゴブリンの先達》《大歓楽の幻霊》《火炎破》 優先度の低いカード 《焼尽の猛火》《発展の代価》《溶岩の撃ち込み》
有効なサイドボード 《赤霊破》《難問の鎮め屋》《真髄の針》《粉々》 「ANT」

《大歓楽の幻霊》が輝くマッチ。 序盤の数ターンが勝負なので、《裂け目の稲妻》を待機させるよりも《溶岩の撃ち込み》をプレイした方が良い場面もあります。 コンボ相手にはできる事は少ないので、《むかつき》ルートを取られた時のために、目先のライフ優先でカードをプレイしましょう。

サイドボード後は無駄な《焼尽の猛火》や、序盤のダメージ効率がよくない《渋面の溶岩使い》《硫黄の渦》を減らしてドロースペルをカウンターできる《赤霊破》と、《炎の中の過去》ルートを防ぐ墓地対策も同時に入れましょう。  
優先度の高いカード 《大歓楽の幻霊》《ゴブリンの先達》《火炎破》 優先度の低いカード 《焼尽の猛火》《渋面の溶岩使い》《硫黄の渦》《発展の代価》 有効なサイドボード 墓地対策、《赤霊破》
「Omni-Tell」「SnT」

これといって有効な手立てもなく、メインボードの7枚(《発展の代価》《焼尽の猛火》)が腐るマッチです。 メインボードはとにかく速度勝負。妨害手段がないので、とにかく相手の事故・スロースタートを祈りましょう。

《実物提示教育》は確実にパーマネントを場に出せるので、《Force of Will》がありそうな場合は《大歓楽の幻霊》をそこで出すと良い場面があります。《グリセルブランド》や《騙し討ち》を出してくる「SnT」相手には無力ですが、《全知》からドロースペルを連打して勝利を目指す「Omni-Tell」には幻霊の能力が刺さる場合があります。 刺さる場合があると言っても、「Omni-Tell」はメタデッキのなかで抜群に相性が悪いので、ある程度諦めが肝心です。 負けてもさっさと切り替えて次に行きましょう。 《難問の鎮め屋》が出ている場合や、《赤霊破》を複数枚持っている場合は持久戦に持ち込む事もできますが、そうでない場合は基本的に不利な勝負です。 ただ「SnT」は《罠の橋》が明確な対策カードになり、2マナ土地や《Volcanic Island》の存在もあって《発展の代価》もそれなりに有効です。  

不利には変わりませんが、《古えの墳墓》のおかげで速度勝負も挑むことができるので、こちらは諦めずに頑張りましょう。

 
優先度の高いカード 《ゴブリンの先達》《大歓楽の幻霊》《火炎破》 優先度の低いカード 《焼尽の猛火》《硫黄の渦》《発展の代価》(Omni-Tell)《渋面の溶岩使い》 有効なサイドボード 《赤霊破》《罠の橋》《難問の鎮め屋》
「エルフ」

部族その1。『火をつけて根絶やし!』が合言葉です。《自然の秩序》による突然死があるのでとにかく頭数を減らしましょう。《大歓楽の幻霊》も有効ですが、対部族デッキでは、《渋面の溶岩使い》が何よりも優先されます。

土地が余る場合は《火炎破》で積極的に《渋面の溶岩使い》の餌にするなど、とにかく場にクリーチャーを残さないことを心がけましょう。 気をつけるべきカードは《自由なる者ルーリク・サー》《孔蹄のビヒモス》《漁る軟泥》の3枚。

《罠の橋》《墓掘りの檻》は《緑の太陽の頂点》や《自然の秩序》からの突然死を防いでくれるので、あればとりあえず入れておきましょう。

 
優先度の高いカード 《渋面の溶岩使い》《焼尽の猛火》《大歓楽の幻霊》 優先度の低いカード 《溶岩の撃ち込み》《発展の代価》《硫黄の渦》 有効なサイドボード 《灼熱の血》《墓掘りの檻》《罠の橋》
「マーフォーク」

部族その2。各種ロードにカウンター。さらに《梅澤の十手》《虚空の杯》と、厄介なカードが揃っています。

エルフと違って突然死は無いので、《渋面の溶岩使い》をプレイするときは必ず《目くらまし》をケアしましょう。 ロードを中心に除去していく事になりますが、《霊気の薬瓶》が出ているときは注意。 火力スタック薬瓶起動でロードが出てきそうなときは、除去を我慢する選択も時には必要です。 サイドボード後は赤霊破で単体除去を水増しできるので、比較的ラクに戦えるはず。  
《梅澤の十手》《虚空の杯》《霊気の薬瓶》と3種類あれば的には困らないので《粉々》を忘れずに。 また、《罠の橋》は文字通り『必殺』のカードになり得ます。 出した時に手札が3-4枚もあると意味が無いので、手札の枚数には注意しましょう。  
優先度の高いカード 《渋面の溶岩使い》《焼尽の猛火》 優先度の低いカード 《溶岩の撃ち込み》《発展の代価》《硫黄の渦》
有効なサイドボード 《赤霊破》《罠の橋》《粉々》《灼熱の血》 「ドレッジ」

バーンはメインから勝ちを狙えるデッキです。《黄泉からの橋》は能力が誘発してから自分のクリーチャーを除去しても、能力解決前に《黄泉からの橋》を取り除くことができるので、対戦相手はゾンビトークンを出すことができません。できる限り自分のクリーチャーを除去できるようにしておきましょう。《渋面の溶岩使い》はここでも便利です。

サイドボード後は墓地対策はもちろんですが、《赤霊破》もなかなか有効です。 「ANT」と同じように《打開》《入念な研究》等のドロースペルを積極的に打ち消しましょう。  
優先度の高いカード 《ゴブリンの先達》《渋面の溶岩使い》 優先度の低いカード 《硫黄の渦》《発展の代価》《溶岩の撃ち込み》 有効なサイドボード 墓地対策、《赤霊破》《灼熱の血》《罠の橋》
「Death & Taxes」

《ルーンの母》《スレイベンの守護者、サリア》に注意したいマッチ。 そこに手間をかけていると《ちらつき鬼火》や《石鍛冶の神秘家》にやられてしまうので、相性はあまりよくありません。《霊気の薬瓶》から出てくるこれらのクリーチャーには十分注意しましょう。

戦場で圧力をかけられるのがつらいので、サイドボード後は場に干渉できない《発展の代価》《溶岩の撃ち込み》をアウトし、《罠の橋》《粉々》等で応戦しましょう。 《リシャーダの港》で土地を縛られるので、土地は多い方がいいです。 1ランドキープが最も裏目に出安いマッチなので気をつけましょう。 最近は無視できない程度の数がいるアーキタイプなので、スペースが許すならタフネス1のクリーチャーを問答無用で一掃し、《スレイベンの守護者、サリア》の影響を受けない《硫黄の精霊》や、《ルーンの母》《リシャーダの港 》《霊気の薬瓶》を指定できる《真髄の針》を割く価値のある相手です。  
優先度の高いカード 《焼尽の猛火》《渋面の溶岩使い》 優先度の低いカード 《溶岩の撃ち込み》《発展の代価》《硫黄の渦》 有効なサイドボード 《粉々》《罠の橋》《灼熱の血》
「石鍛冶」系デッキ

ここでは。青白+αの《石鍛冶の神秘家》を使用しているデッキを指します。 赤や黒を足すのが一般的ですね。 序盤の《石鍛冶の神秘家》の対処は必須。3ターン目に《殴打頭蓋》が出てしまうと、それだけでゲームが終わってしまいます。

デッキの性質上、一定枚数のクリーチャーが入っているので《焼尽の猛火》は有効ですが、《真の名の宿敵》に《梅澤の十手》装備パターンには対処できないので注意が必要です。 特殊地形が多く入っているデッキが多いので《発展の代価》はそれなりに有効です。 ライフゲインを封じる《硫黄の渦》も同様です。 このマッチは《裂け目の稲妻》の使い方が大切です。サイドボード後の後手で、相手の場に干渉できるカードが《裂け目の稲妻》しかない場合、1ターン目にプレイするのは《ゴブリンの先達》ではなく、《裂け目の稲妻》待機が正解の場合もあります。待機してある火力に《石鍛冶の神秘家》を突っ込ませてカウンターで守る、ということはあまりされないはず。1ターン待たれればこちらが火力を引く可能性も高まるので、ハンドに対処法が無いときに、けん制の意味で待機を有効に使える場合があります。  
優先度の高いカード 《硫黄の渦》《焼尽の猛火》《ゴブリンの先達》 優先度の低いカード 《溶岩の撃ち込み》 有効なサイドボード 《粉々》《罠の橋》《赤霊破》《難問の鎮め屋》
「MUD」

《虚空の杯》X=1には十分注意。1マナのカードを優先して使用することだけ心がければ、《発展の代価》が致命的なダメージを稼いでくれるでしょう。 《焼尽の猛火》は《虚空の杯》が出た状態でも通りやすい、優秀な除去です。

サイドボードは速度勝負。《粉々》を1枚でも引ければかなりラクなマッチです。 展開される前に《厳かなモノリス》や《金属細工師》を叩き割ることができれば、手数の差でダメージレースを制する事ができるでしょう。  
優先度の高いカード 《発展の代価》《ゴブリンの先達》 優先度の低いカード 《溶岩の撃ち込み》 有効なサイドボード 《粉々》《罠の橋》《難問の鎮め屋》
「ジャンド」

《発展の代価》をカウンターされない三色デッキは基本的にかなり有利です。 《ヴェールのリリアナ》は少しやっかいですが、《死儀礼のシャーマン》と《タルモゴイフ》の連打に気をつければ比較的ラクな相手でしょう。 また、《硫黄の渦》を置けば《罰する火》を使い回せないというのは、しっかり覚えておきましょう。

 
優先度の高いカード 《ゴブリンの先達》《発展の代価》《焼尽の猛火》《硫黄の渦》 優先度の低いカード 《溶岩の撃ち込み》 有効なサイドボード 《大祖始の遺産》《罠の橋》《灼熱の血》
「リアニメイト」 《納墓》からの《再活性》でゲームが終わります。 基本的に《エメリアの盾、イオナ》をリアニメイトされると勝てないのですが、多くのライフを失う《再活性》は諸刃の剣。火力をうまく合わせられる事を祈りましょう。サイドボード後は墓地対策頼み。 《フェアリーの忌み者》《トーモッドの墓所》《外科的摘出》《大祖始の遺産》の順に有効です。《大祖始の遺産》の場合のみ1マナを立たせて動くことを強いられるので注意しましょう。  
優先度の高いカード 《ゴブリンの先達》《大歓楽の幻霊》《火炎破》 優先度の低いカード 《焼尽の猛火》《渋面の溶岩使い》 有効なサイドボード 墓地対策、《赤霊破》《罠の橋》
「デルバー」系デッキ

色によって特徴が異なりますが、共通点は『基本地形が(ほぼ)入っていない』ことです。 《発展の代価》は非常に有効ですが、どれもデルバーの軽さを生かしたテンポデッキ。 軽量カウンターや火力によるサポートを受けてガリガリライフを詰めてくるので、《硫黄の渦》などの重いカードは抜いてしまいましょう。   ・「UR Delver」 唯一《発展の代価》の有効性が低いマッチ。 バーンに性質が近いデッキですが、ダメージはクリーチャー依存度が高いデッキです。 除去を優先して、1枚ずつから受けるダメージを極力減らしましょう。《渋面の溶岩使い》は有効ですが、並べて《二股の稲妻》で1:2交換を取られないように注意。 黒をタッチしているタイプもありますが、基本的な対処方法は変わりません。  
優先度の高いカード 《焼尽の猛火》《渋面の溶岩使い》 優先度の低いカード 《発展の代価》《硫黄の渦》 有効なサイドボード 《赤霊破》《灼熱の血》《難問の鎮め屋》
・「BUG Delver」

《死儀礼のシャーマン》《タルモゴイフ》には注意しないといけませんが、火力が無い分、ライフに余裕を持ってゲームを進めることができます。そのため、デルバー系デッキのなかでは唯一《硫黄の渦》が有効なマッチでもあります。 《罠の橋》は《突然の衰微》の的になりますが、逆に言えばそれしか対処できるカードがありません。 長期戦を意識する場合は、《突然の衰微》を使わせてから出す、くらいの気持ちでいきましょう。  
優先度の高いカード 《発展の代価》《ゴブリンの先達》《焼尽の猛火》 優先度の低いカード 《溶岩の撃ち込み》 有効なサイドボード 《大祖始の遺産》《罠の橋》《赤霊破》《難問の鎮め屋》
・「RUG Delver」

火力のサポートを受けた《敏捷なマングース》と《タルモゴイフ 》は大きな脅威です。 《不毛の大地》は効果がありませんが、フェッチランドを使う以上、《もみ消し》はバーンにとっても脅威。《裂け目の稲妻》に対する確定カウンターになることも覚えておきましょう。 生物を除去しづらい分タイトなダメージレースになるので、UR Delverよりも《目くらまし》をケアしづらいマッチになります。基本的にはケアして動きたいカードですが、テンポ面との相談になります。『自分のライフが0になるターン』を見極めて動きましょう。 サイドボード後は《罠の橋》が非常に有効です。 また、《大祖始の遺産》も2種類のクリーチャーに効果があるので、サイドボードにある場合は忘れずにサイドインしましょう。  
優先度の高いカード 《発展の代価》《ゴブリンの先達》 優先度の低いカード 《硫黄の渦》《溶岩の撃ち込み》 有効なサイドボード 《赤霊破》《罠の橋》《大祖始の遺産》《難問の鎮め屋》
「バーン」

メインボードは《発展の代価》をどれだけ引かずに済むか、《焼尽の猛火》をどれだけ引けるかの勝負になります。つまるところ、なんとかできる部分が非常に少ないマッチアップです。 カード1枚ずつのダメージ効率で勝負することになるので、相手のクリーチャーから受けるダメージを極力減らす事を意識しましょう。  
お互いの《Chain Lightning》には注意。相手が2マナを準備できないタイミングでさっさと使いましょう。また、《Chain Lightning》はダメージを与えた後に、対象になったプレイヤーかクリーチャーのコントローラーがコピーを作るかどうかを選択します。とどめに使う分には相手にいくらマナがあっても関係ないので、処理の順番は把握しておきましょう。 サイドボード後は《焼尽の猛火》系カードをどれだけ採用しているかでゲームが変わります。 《発展の代価》はほとんど仕事をしないので、他に入れるカードがなければ、《大祖始の遺産》でも採用しましょう。サイドボードにクリーチャーが入れば、取りあえず入れて損は無いです。  
優先度の高いカード 《ゴブリンの先達》《渋面の溶岩使い》《焼尽の猛火》 優先度の低いカード 《発展の代価》《硫黄の渦》
有効なサイドボード 《灼熱の血》、クリーチャー、《大祖始の遺産》

4、プレイングの指針 ここではカード単位で注意すべき事柄や、ゲームを進めるうえで意識したいことをまとめています。

・対戦相手のデッキを判別する 対戦相手のデッキが判明している場合は上記の通りですが、メインボードは基本的にデッキの判別はつかないもの。 ですが、1T目《島》から《師範の占い独楽》なら「奇跡」、《思案》ならおおよそコンボ系・・・といったように、最初にプレイする土地やカードである程度の判別は可能です。  

共通するパーツも多いので判別が難しいこともありますが、おおよそのあたりをつけてゲームを進めていくことは大切です。ここで《ゴブリンの先達》の対戦相手のライブラリートップを公開する能力は大きな助けになります。

わかったからと言ってどうこうできるとは限りませんが、《相殺》《石鍛冶の神秘家》等、序盤の数ターンが勝負の分かれ目になるカードは存在するので、常に意識はしておきましょう。 ・《目くらまし》 《裂け目の稲妻》の待機や《渋面の溶岩使い》の能力の起動を最後の行動にすることで、《目くらまし》はケアできます。 マナを浮かせて呪文をプレイするだけで《目くらまし》はケアできますが、序盤の数ターンの動きは、バーンにとって非常に重要です。無理にケアするのもテンポを失うだけになるので、ある程度開き直ることも必要です。 2ターン目に《秘密を掘り下げる者》に使った《焼尽の猛火》が《目くらまし》されても、その後《罠の橋》が通れば問題ありません。 対戦相手の使うカウンター呪文全般に言えることですが、『相手のカウンターを、囮にした呪文に使わせる』ことができれば満点です。 ・《もみ消し》 まず大前提として、『フェッチランドを使用することでのデッキ圧縮効果は無いに等しい』という事を覚えておきましょう。 また、フェッチランドはどの種類からも青マナにアクセスできるため、相手が1ターン目にどれを置いていても《もみ消し》が飛んでくる可能性があります。  
後手の場合相手がフェッチランド又は青絡みのデュアルランドを置いてターンを終了した場合、絶対にフェッチランドよりも《山》を優先して場に出しましょう。 バーンに限った事ではありませんが、フェッチランドを起動した後にトップを見て、「起動していなければ勝っていた、有効牌を引いていた」等はただの結果論です。やめておきましょう。 『《渋面の溶岩使い》の能力を安定して起動するため』 『相手のターンにも《焼尽の猛火》の上陸を誘発させるため』

バーンがフェッチランドを採用している理由は上記の2点のみです。

ただ、前述した通り《もみ消し》は《裂け目の稲妻》の待機に対しては確定カウンターになります。 フェッチランドを《もみ消し》されても問題ない場合や、《渋面の溶岩使い》や《裂け目の稲妻》のために《もみ消し》を使用させたい場合は、カウンターしやすい場面で、あえてフェッチランドを起動することもあることは覚えておきましょう。 《もみ消し》は「デルバー」系デッキや「感染」が主に使用しています。 例外的に「UR Delver」での採用率は低いものの、その他では《目くらまし》とセットで使用されている場合が多いので、上述のように対戦相手のデッキを判別したのならば意識しておきましょう。 ・《火炎破》 他に選ぶものがない手札破壊のレスポンスや、召喚酔い中の《石鍛冶の神秘家》を除去できるのがこれしかない場合、必要な土地を犠牲にしてでもプレイした方が良いことがあります。 緊急回避的に使う場合は「いつまでに土地を何枚引けば良いのか」を、温存する場合も「他に何を引けば良いのか」ということを考えましょう。 ・《発展の代価》 特殊地形を多く使うデッキは、このカードを非常に警戒しています。 基本地形を優先してサーチしてきたり、《発展の代価》に対応して《不毛の大地》で自分の土地を破壊できるようにして、なんとかして被ダメージを減らしにかかるので、それをいかに掻い潜るかがポイントです。  
何の対策も無しに3枚以上殊地形を並べてくる相手は限られてくるので、基本的には4点あれば十分。このカードが致命傷になり得る「Lands」や「12Post」ですが、《Glacial Chasm》という、こちらに致命的なカードも存在するので、注意しておきましょう。  
3色以上のデッキには基本地形を入れづらいため、全部抜くことは少ないカードですが、警戒されやすいため、枚数を減らすことは検討しましょう。 相手が2色以下の場合は土地をよく視ましょう。基本的に抜いた方がいいことが多いのですが、2枚程度なら並ぶタイミングもあるにはあるので、1枚か2枚残しておくと気を抜いた相手を咎めることができるかもしれません。 大抵は《溶岩の撃ち込み》等の場に干渉できないカード内で比率を調整することになります。場に干渉するカードが多い場合はすんなり全部抜いてしまいましょう。 ・《硫黄の渦》 『毎ターンプレイヤーに2点ダメージ』 3マナのカードとしては、ダメージ効率がよくありません。 また、自分にもダメージが入るので、相手によっては諸刃の剣となります。 ただ、『対戦相手のライフゲインを防ぐ』『除去されにくい』という2点から、レガシーのバーンにおいて、『必殺』のカードになり得ます。 これが通れば《殴打頭蓋》もただの警戒のついた《タルモゴイフ》です(十分強い)。 有効な相手は前項に挙げているので、その相手には特に意識してプレイしましょう。  
5、おわりに いかがだったでしょうか。 今回は『バーンを使いたい』人向けの内容でした。 以前書いた記事では伝えたい事をほぼ書けなかったのですが、今回はある程度出すことができたかなと思います。結構な分量になりましたが、ゲームプランやサイドプラン等、参考になりそうな部分だけでも拾って頂ければ幸いです。それでは、またどこかの会場、動画、もしくは記事でお会いしましょう。bigweb特集ページはこちら(外部リンク)