石田弘「黒に染まりゃいいんだよ!」第5回

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2015.05.01
text by Ishida Hiroshi

 
GP京都参加された皆さん、お疲れ様でした!
国内初のレガシーGPは、大盛況の内に終わりましたね。
とても楽しいイベントで、もう一週間以上前のイベントの事になりますが、まだまだ余韻が残って興奮冷めやらぬといった所で御座います。この連載では、このレガシーGPに向けて、何度かレガシー特集を掲載してきました。
前回の記事では色々な黒いデッキを紹介したわけですが、自分自身も出てきましたよ、愛用のPOXリアニで!
そりゃ国内初のレガシーGPなんですから、勝ち負け以前に好きなデッキで出なければ嘘です!
その上......負けるとも思っていませんがね!!

デッキリストは以下になります。

 
ポックスリアニ2015
22land
4《沼/Swamp》
4《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
4《Bayou》
4《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
4《不毛の大地/Wasteland》
2《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》
6creature
1《グリセルブランド/Griselbrand》
1《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》
1《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》
1《墓所のタイタン/Grave Titan》
1《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
1《灰燼の乗り手/Ashen Rider》32spell
4《納墓/Entomb》
4《再活性/Reanimate》
4《動く死体/Animate Dead》
4《思考囲い/Thoughtseize》
4《暗黒の儀式/Dark Ritual》
4《小悪疫/Smallpox》
2《Hymn to Tourach》
1《突然の衰微/Abrupt Decay》
1《壌土からの生命/Life from the Loam》
4《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》sideboard
2《強迫/Duress》
2《仕組まれた疫病/Engineered Plague》
2《破滅的な行為/Pernicious Deed》
2《突然の衰微/Abrupt Decay》
2《外科的摘出/Surgical Extraction》
1《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2《無垢の血/Innocent Blood》
1《真髄の針/Pithing Needle》
1《Chains of Mephistopheles》
基本的には前回のリストと余り代わっていませんが、細かい調整でメインに衰微を取り、サイドボードを若干入れ替えました。
特定のデッキを強くメタったわけではなく、レガシーに存在する色々なデッキ相手にサイドインできるように多様性を重視してサイドボードを作っています。ずっと使ってきて、自分の中でもPOXリアニのプレイングというものがどんどんわかってきました。

基本的にはリアニメイトプランが最強なので、特に初戦ではマリガンを恐れずにしていくべきです。
サイド後も、あまりリアニメイトプランを崩さないほうが強いと思います。
例えば「エルフ」相手であっても、1:1で除去し続けていても相手のほうがアドバンテージを取ってしまうので先にこちらが息切れして負けてしまう事が多く、ならばリアニメイトで一気に制圧したほうが勝率は上がる印象です。
ただし、一定数存在するであろうデルバー系のデッキ相手にはそうそうリアニメイトカード(所謂「釣竿」)が通らないこと、またグダらせていけばそれだけで有利になることもあり、リアニメイトカードを減らして除去を増やしていくプランのほうが上手く行くことが多いです。

結局のところ、POXリアニもアンフェアデッキなのです。
ただし相手や初手によってプランの変更が出来るので、そこが強みですし、同時に見極めが必要です。

まぁぶっちゃけて言いますと、このオリジナルのデッキでいい結果を出して目立ちたい!あと記事にしたい!という思惑はありました(デーモン的笑みを浮かべながら)。
またBMの記事で紹介してもらったデッキだという事もあり、この大会はいわば総決算という意気込みもありました。

そんなに力んでいるわけではありませんし、まずは楽しみたいと思っての大会参加ですが、しかしやるからには勝つ!
0-3ドロップなんてしたら記事にも出来ません(笑)。

それでは初日9回戦、黒に染めてやるよ!!

●R1 バイ
●R2 バイ


●R3 赤単バーン ◯×◯
初戦から熱すぎる戦いです!
通常の「POX」ではかなり絶望的な相性差がありますが、「POXリアニ」ならば先にデカブツ叩きつければ勝てる!!

G1
こちら先手。初手は1マナカードこそありませんが、土地3枚に《小悪疫》《動く死体》《ワームとぐろエンジン》《灰塵の乗り手》とリアニに至るルートが見えるのでキープしました。
相手初動は山からの《ゴブリンの先達》、これでバーン系デッキであることは見当がつき、となると《小悪疫》も《ワームとぐろエンジン》もぶっ刺さります。

 


《小悪疫》で土地もゴブリンも倒し、順当にとぐろエンジンをリアニメイトして勝ちました。

 
サイドin
 
2《強迫/Duress》
2《無垢の血/Innocent Blood》
2《突然の衰微/Abrupt Decay》


サイドout
 
1《灰燼の乗り手/Ashen Rider》
1《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》
2《思考囲い/Thoughtseize》
1《再活性/Reanimate》
1《壌土からの生命/Life from the Loam》


とにかく序盤を捌くためのサイドボードをしました。
バーン相手には二の矢は必要なく、1枚釣り上げればそれだけで勝てますので、あまり有効ではないリアニメイト用生物は減らしていきます。
《思考囲い》は全て抜いてしまいたいですが、最悪の場合自分のハンドから生物を捨てる手段にもなるので少し残しました。

G2
初手は《エメリアの盾、イオナ》《再活性》《突然の衰微》《ヴェールのリリアナ》《沼》《ミシュラの工廠》《不毛の大地》。
墓地に落とす手段はありませんが、イオナは釣ってしまえばその時点でほぼ勝ち確定のスーパーカード。後手なので何もプレイせずにディスカードするプランでキープ。
相手は初手が《渋面の溶岩使い》。こいつはイオナを出しても本体を焼いてくる強者ですが、まぁ衰微もリリアナもあるし一回起動されるぐらいは大丈夫でしょう。
と思っていたら、2ターン目に《稲妻》と《Chain Lightning》、さらにアタックで残りライフ13。
2ターン目にイオナを《再活性》しましたが、そこにスタックで《火炎破》!残りライフ9だが、一度唱えた《再活性》は止まらない――!
というわけで黒らしいスーサイド死。この痛みが、黒使いの生きてる証拠だよ!!

G3
初手は《強迫》《思考囲い》《再活性》《墓所のタイタン》《Hymn to Tourach》《ヴェールのリリアナ》《新緑の地下墓地》。
土地は1枚しかありませんが、《思考囲い》で自分のタイタンを捨ててリアニメイトするプランがとれるのでキープ。
相手のハンドに墓所対策があるとご破算するので、まず《強迫》から入る。相手のハンドは《稲妻》《裂け目の稲妻》《火炎破》2と土地が3枚。
 


やや土地が多いですが《火炎破》2枚が現実的にキャストできそうな怖いハンド、ですが墓地対策はなかったので一安心。
《稲妻》を落とすと、相手1ターン目はトップした《渋面の溶岩使い》をキャスト。こちらのトップは《無垢の血》。ここで選択肢が浮き上がるのですが、自分は《無垢の血》での除去を選びました。次に土地を引いて《思考囲い》→《再活性》という動きのほうがロスが少ないですし、ターンを返すと溶岩使いに働かれてしまうのもマズイです。

 


溶岩使いを除去された相手は《裂け目の稲妻》を待機でエンド。こちらのドローは残念ながら土地ではなかったので、もう《思考囲い》を相手に撃つ意味は無いので自分に撃ってタイタンを捨てます。
幸運なことに返しでの相手の動きはなく、こちらはタイタンを釣りますがライフロスで残り8。つまり《火炎破》2枚でちょうど焼けてしまいます。
もちろんタイタンも相手を2ターンで倒せる超絶クロックですが、こうなると相手が土地を引いているかどうかの戦いになります......と思っていたら、トップから2枚目の《強迫》!!

 


これで《火炎破》をディスカードさせ(土地4枚目は引かれていました、危ない危ない!)、残りライフ4でギリギリの戦いをなんとか制しました。

●R4 「黒単POX」 ◯◯
2戦目にして早くも現れた、俺より黒い奴!!
関西では有名なPOX使いの方です。
こういう戦いがあるから、MTGは面白い!!

G1
こちら後手。相手ダブマリで、置いてくる土地が《不毛の大地》《ミシュラの工廠》の無色マナコンビという苦しそうな立ち上がりですが、それ以前にこちらのハンドが強く1ターン目《納墓》からの2ターン目《動く死体》で《グリセルブランド》降臨、そのまま勝利です。

相手が事故っていてスペルを全く見ていないので、サイドボードの仕様がありません。
土地2種類から想定されるのは「MUD」などの無色系や「POX」ですが、流石にここで絞ってサイドボードするのは愚行でしょう。
ただなんとなく置物はありそうだったので、イオナを抜いて衰微を1枚増やしました。

 
サイドin
 
1《突然の衰微/Abrupt Decay》


サイドout
 
1《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》


G2
相手初動が《暗黒の儀式》からの《苦花》。なんという黒さでしょう。
しかしこちらのハンドもテンパイで、《暗黒の儀式》から《納墓》→《グリセルブランド》へ《動く死体》。邪魔されることなくこれが通り、手札を補充する準備は整いました。

 


しかし相手もPOX
、《無垢の血》や《ヴェールのリリアナ》で《グリセルブランド》が除去されますが、補充されたハンドにはまだまだリアニメイト呪文がありしぶとく蘇ります。
ストーリーでは屈辱的なヤラれ方をしたグリセル様も、今回は《ミシュラの工廠》を生贄に捧げて布告を逃れ、リリアナに殴りかかって雪辱を晴らしました!

このマッチアップは両方ともこちらのハンドがとても強かったです。
こういう理不尽なリアニメイトの動きは、すぐにゲームを決めてしまうので結局は最強の動きと言えます。
これは通常「POX」にはない、「POXリアニ」の強みです。


●R5 MUD ◯◯

G1
相手先手で1ターン目に《雲上の座》、2ターン目に《虚空の杯》X=1と厳しい動き。

 


ですがこちらもそれにスタックで《納墓》をキャストし、リアニメイトの準備は整いました。残念ながら《再活性》は打ち消されてしまいますが《動く死体》さえ引けばいいし、とりあえず初手からある《不毛の大地》で相手の土地を割ればその時間も稼げる...と考えていたらすぐに《動く死体》を引いてグリセル様降臨。その能力で手札を補充しても《虚空の杯》によりデッキ内の大半のカードがプレイできないのですが、6/7飛行・絆魂は単独でもゲームを決めるには十分でした。

 
サイドin
 
2《無垢の血/Innocent Blood》
2《突然の衰微/Abrupt Decay》


サイドout
 
1《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》
1《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
1《Hymn to Tourach》
1《再活性/Reanimate》

まずは《金属細工師》が生き残ってしまうとそのまま負けてしまうので、それを除去出来るカードを入れていきます。衰微はとてもよいカードで、《金属細工師》《厳かなモノリス》《虚空の杯》とすべての脅威に対処できます。
「MUD」に効かないクリーチャーを減らし(特にイオナが空気に...)、後はスペースを作るために少しカードを抜きました。
「MUD」のリアニメイトへの妨害手段はかなり貧弱なので、強気にリアニメイトするプランが有力です。無色デッキには《安らかなる眠り》や《漁る軟泥》がありませんからね。
何度も言うように《虚空の杯》が非常に厄介ですが、そこは緑タッチしての《突然の衰微》の本領発揮です。

G2
今回も早期に《グリセルブランド》を釣り上げましたが、《虚空の杯》によってなかなか動けず、さらに《微光地》のせいで相手のライフが多くてグダり、《ワームとぐろエンジン》も出されてしまい殴り合いになりました。

 


《虚空の杯》X=1と2が両方並び、頼みの綱の衰微も既に《金属細工師》に撃ってしまっていたのでなかなか難しい場になっていきます。《鋼のヘルカイト》を《グリセルブランド》でブロックせざるをえず(攻撃を通すと能力で《動く死体》が破壊されてしまう)相打ちになるも、ほぼ唯一の《虚空の杯》をすり抜けられる呪文である《ヴェールのリリアナ》を何枚もプレイして相手のワームとぐろを始末します。
しかしここで相手がプレイしてきた《カルドーサの鍛冶場主》への除去が足りない!とりあえずグリセル様が残してくれた手札から《墓所のタイタン》を素出しして場を作りますが、鍛冶場主から《荒廃鋼の巨像》というフィニッシャーがサーチされ一点ピンチに。とりあえずゾンビトークンたちのブロックで即死は免れましたが、もう後がありません。

 


しかし、鍛冶場主のコストで《虚空の杯》が生贄にされたことで、多少呪文がプレイできるようになり《グリセルブランド》を動く死体でリアニメイト。手札には追加のリアニメイト呪文がありましたので、《灰塵の乗り手》か《納墓》を引いてそれをリアニすれば巨像も除去できる!と14枚カード引いてみるも...どちらも引けません。
《荒廃鋼の巨像》を必死にタイタンと《ミシュラの工廠》が食い止めれば耐え切れる計算なので、その隙に《グリセルブランド》が空から仕掛けるというものすごい場になります。
最後相手ライフ残り1まで詰めてから、実はこのゲームで一度も見せていない《小悪疫》でフィニッシュ!!...と思ったら相手が鍛冶場主を最後の起動、なんと出てきたのは《白金の天使》でありライフ0でも生き残ってしまいます!

 


.........などという延命・小細工を許すグリセルブランド様ではなく、ライフ14点払ってライブラリ残り数枚でようやく引き当てた2枚目の《小悪疫》で天使を除去し(グリセル様ご自身も消滅!)勝利しました。

ものすごくダイナミックな戦いで、レガシーでもそうそう見られない怪獣大決戦になりました。すごく面白かったです。

●R6 グリクシスデルバー ×◯× GP神戸TOP8で当たった方
ようやく当たったデルバー系デッキ、駆るのはGP神戸TOP8で当たった因縁の相手です!
こんなところで出会うなんて、お互い驚いていましたが、こんな出会いがありえるのもGPの魅力ですよね!お互い、和気藹々としたゲームになりました。

G1
こちら後手でマリガン。《納墓》と《動く死体》はあるのですが黒マナが出ないハンドをキープしました。しかし相手先手1ターン目の《死儀礼のシャーマン》に睨まれてしまいます。
さらに《不毛の大地》で土地を攻められ、シャーマンをずっと立たされて敗北。
下手にあがくとギミックがバレてしまうので、リアニメイト関係のスペルは何も見せず投了しました。

 
サイドin
 
2《無垢の血/Innocent Blood》
2《突然の衰微/Abrupt Decay》


サイドout
 
1《灰燼の乗り手/Ashen Rider》
1《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》
1《動く死体/Animate Dead》
1《納墓/Entomb》


クロックパーミッション相手には、本来はリアニメイトカードを大幅に減らすのですが、今回はリアニプランを見せていないので多く残しています。
他は除去を増やし、役に立たないリアニ生物を抜くといういつものサイドボードです。

G2
POXプランをメインとしたハンドでキープし、初動の死儀礼を《小悪疫》で潰し、Hymnで追い打ちをかけてリリアナでフタをする、理想のゲーム展開となります。
しかし《真髄の針》でリリアナが刺されてしまい戦いは「トップ勝負」に。
相手の《グルマグのアンコウ》を再活性で釣りたかったのですがライフが減りすぎるので、仕方なく《死儀礼のシャーマン》を釣り、《ミシュラの工廠》のクロックと合わせて削りきりました。

 
サイドin
 
1《強迫/Duress》
1《破滅的な行為/Pernicious Deed》 



サイドout
 
1《再活性/Reanimate》
1《納墓/Entomb》


本来の対デルバー用のサイドボードです。
カウンターに加え墓地対策まで取られてはリアニメイトプランで決めに行くのはかなり難しいので、除去とリリアナでグダらせていくのが理想となります。

G3
こちらマリガン。《Hymn to Tourach》《再活性》《墓所のタイタン》《ヴェールのリリアナ》《不毛の大地》《新緑の地下墓地》というなんとも言いづらいハンドですが、ダブマリするほどではないと判断してキープ。黒マナと《小悪疫》を引けばこちらのペースに持っていけるはず......
ですが、そう上手くは土地を引けず、その間に相手は《死儀礼のシャーマン》《若き紅蓮術士》《グルマグのアンコウ》と流れるようにプレイし、さらに最後のハンドは《目くらまし》という完璧な展開。

 


なすすべなく敗北となりました。

「神戸の雪辱を!」などとは考えてもおらず、以前の戦いと同様に非常にいい雰囲気でゲーム出来ました。
いやー、MTGって本当いいですね!

●R7 奇跡 ×◯◯ BM関係者
GPでは色々な人と再会できる楽しみがあると書きました、ここである意味R6以上の、文字通り「奇跡」のマッチアップ。
なんと、過去にBigwebの記事担当をしてもらっていた方(編:岩SHOWの前任者。関西では奇跡コントロールを愛することで有名)とまさかの大会でのマッチアップです。
その上、相手の使用デッキは「奇跡」!dds666の引き出しのすべてを知り尽くしている上に「POXリアニ」が最も苦手とするデッキを使うという相手との戦い......おお、なんと運命とは残酷なのか!

G1
マリガン後の初手は《小悪疫》《大修道士エリシュ・ノーン》《突然の衰微》《不毛の大地》2枚に《新緑の地下墓地》。クリーチャーデッキ相手なら問題なく、8枚ある釣り竿を引けば完封もあり得るハンドですが、ぶっちゃけ「奇跡」相手には有効牌がまったくありません。
大体の「奇跡」との戦いはこうなるという見本のような展開で、必死でリアニメイト呪文を通しても除去で流され、相殺独楽でフタをされてそのまま負け。

 


正直、「奇跡」相手にはハンデスも巨大生物も簡単に処分されてしまいます。便りになるのはリリアナと《ミシュラの工廠》ぐらいです!

・サイドボード
全てにおいて不利なマッチアップですが、だがdds666は諦めない!
もともと「POXリアニ」が誕生した時期は、「奇跡」が大流行のトップメタだった時代。大会に出れば参加プレイヤーの半分が「奇跡」というのも珍しくありませんでした。
もちろん相性は絶望的ですが勝った試合だってないわけではありません。
一見やけくそ気味なサイドボードもその時の経験によるものです。
ここまで来て、大人しく諦められるか!!

 
サイドin
  
2《突然の衰微/Abrupt Decay》
2《強迫/Duress》
2《破滅的な行為/Pernicious Deed》
2《外科的摘出/Surgical Extraction》
1《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
1《真髄の針/Pithing Needle》
1《Chains of Mephistopheles》



サイドout
  

3《小悪疫/Smallpox》
2《納墓/Entomb》
3《再活性/Reanimate》

1《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》
1《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》
1《動く死体/Animate Dead》


実に11枚ものサイドボードですが、《真髄の針》以外はそこまで有効というわけではないので全く安心出来ません。
プランとしては、リアニメイトはあまり信頼せず、ハンデス&《外科的摘出》で勝ち筋を奪うか、リリアナ&ミシュラン(《ミシュラの工廠》の愛称・略称。ミシュラランド→ミシュラン)で攻めきるかといった細いところです。

G2 初手は《暗黒の儀式》2枚にリリアナ、ミシュラン含む土地4。マナソースばかりで心細いですが、リリアナとミシュランがあるだけでキープ基準としては上等です。
1ターン目のリリアナは当然《Force of Will》され、あとはヤケクソ気味のミシュランアタックのみで削っていく展開になりました。《相殺》にスタックして《外科的摘出》を打ち込むと、幸運にもハンドにあった《Force of Will》も取り除くことが出来、また相手は除去を持っていないことがわかったのでこのままなんとかなるかもしれません!
引き当てた《納墓》では生物を落とすのではなく、《壌土からの生命》をサーチします。これは2枚目のミシュランを探す意味と、ミシュランを回収してアタッカーを途切れさせないためです。もちろん「奇跡」の除去は破壊ではなくリムーブ除去ばかりですが、スタックで《不毛の大地》をミシュランに使って破壊することによって無理矢理にサイクルさせます。これは「奇跡」戦での大事なテクニックです。

 


2枚目のミシュランも場に出ましたが、相手も《師範の占い独楽》を出していますので、《終末》をケアして1体だけで殴り続けます。相手は《瞬唱の魔道士》2体でミシュランをブロックする苦しい動きで「これは勝ったか」と思ったらついに《精神を刻む者、ジェイス》が登場。ここで相手のライフは7。プレイヤーかジェイスか___どちらを殴るかは非常に難しい場面です。
トップした《真髄の針》も、指定はジェイスか独楽かの選択があります。相手のハンドは0枚なので、ここで針で独楽を指定すれば、少なくともこのターンでの除去はありえないので、2体のミシュラでアタックが可能になりますから、プレイヤー本体に殴って残り3。
勝負をかけて、ジェイスを無視してプレイヤーを殴るプランを選ぶと、なんとか勝利することが出来ました!

G3
悪魔にだって奇跡はある......!
減らしたはずのリアニメイトカードなのですが、なんと初手から《暗黒の儀式》《思考囲い》《再活性》《納墓》と揃っている「最強・ドブン・テンパイ・ハンド」です。


いくら「奇跡」相手でも1ターン目に出た《グリセルブランド》は強力で、1パンしたあと除去されましたが十分すぎる仕事はしてくれました。
グリセル様に限界までライフを支払ってドローしまくり、ハンドにタップリと補充されたリリアナとミシュランで後詰して勝利です!

この3戦目は「奇跡」相手ということもあり残り10分しかなかったのですが、本当、よく勝てたものです。
もちろんこちらも急ぎましたが、対戦相手の方のプレイも早くて助かりました。
ドブンハンドのお陰ですが、「奇跡」に勝ったというのはデカイ!!

●R8 エルフ ◯×◯
「エルフ」は比較的有利(と言っても6:4もないとは思いますが)なマッチアップです。
お互いデカブツを出す必殺技をぶつけあう展開になるか、大量展開に対し除去で抑えこむか、というガップリ組み合ってのプロレス・マジック。
このマッチアップは何度かやっていますが、本当に面白いです。

G1
初手に《動く死体》と《納墓》と黒マナがあれば、それだけでキープしない理由がありません。
相手初動が《遺産のドルイド》ですのでこの時点でデッキ確定です。
となれば釣るのは《エメリアの盾、イオナ》で決まり。相手投了で、2ターンでゲーム終了です。

 
サイドin
 
2《無垢の血/Innocent Blood》
2《突然の衰微/Abrupt Decay》
2《仕組まれた疫病/Engineered Plague》
1《破滅的な行為/Pernicious Deed》


サイドout
 
1《灰燼の乗り手/Ashen Rider》
1《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
2《Hymn to Tourach》
1《壌土からの生命/Life from the Loam》
1《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》
1《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》


相手のドブンを阻害できるように除去を増やします。これは同時に、相手の墓地対策である《死儀礼のシャーマン》と《漁る軟泥》にもそのまま対抗できます。

 


「エルフ」戦で気をつけるべきは、相手はアドバンテージ獲得手段の多いデッキなので、POXプランでグダらせてもいずれリカバリーされてしまうという事です。なので、悠長なカードは減らします。
エリシュ・ノーンかイオナを釣ればほぼ勝ち確定となりますので、それを意識してプレイしていきます。

G2
こちらマリガン後、除去と《小悪疫》多めのハンドでキープ。あまり良くはありませんがまぁマリガン後ならこんなものかな、という感じです。
が、相手は3ターン目に自然の秩序からルーリク・サーを出してきました。こいつには衰微も効きませんし、生贄除去は周りのエルフが生贄にされるだけで全く間に合いません。
実質的に3キルで投了です。

G3
厳しくマリガンしてリアニメイトプランを探しに行きます。こちらが先手の場合は《死儀礼のシャーマン》も《漁る軟泥》も間に合わない速度でリアニメイトできるので、強気にマリガンすべきでしょう。
その甲斐あって1ターン目《納墓》、2ターン目《動く死体》でイオナを釣って勝ち。相手の初動は《死儀礼のシャーマン》だったので、先手後手が逆だったら負けていた可能性が高いです。このマッチアップは先手後手の差が顕著ですが、これは打ち消しを取っていないコンボ同士の戦いなので仕方ありません。先手とれたのは幸運でした。

このマッチ、3ゲーム合わせて実質7ターンでゲームが終わっています。
これもレガシーの面白さ、勝っても負けても笑って握手!

●R9 奇跡 ××
この試合は引きに恵まれず、両試合ともダブルマリガンでゲームになりませんでした。そして《暗黒の儀式》を3枚引きました。
一応ミシュランだけで残り8点までは削ったのですが、それだけで勝てるわけもなく。
やはり「奇跡」相手は厳しいです。

というわけで、ギリギリ7-2で初日抜けです。
サイドボードも全部使いましたし、かなり手応えあります。なにより引きも良く、デッキが応えてくれています。
これでとりあえず記事にしても恥ずかしくない程度の戦績ではありますが、もちろん2日目も勝ちを目指しますよ!

●R10 マナレスドレッジ ◯×◯
地元(名古屋)の大会でよく当たる方です。
スタンダードでは最近ティムールカラーを使っているので「カナスレかな?だったらキャラ守ってるよな~」などと勝手に考えてダイスロール、相手が勝ったので「カナスレだったらきっついな......」と思っていたら相手が後手宣言!
レガシーのデッキは数多くあれど、率先して後手を取るようなデッキは......あんまりない!

G1
というわけで当然の「ドレッジ」、後手取った相手のディスカードは《ゴルガリの墓トロール》。ですが返しで《グリセルブランド》をリアニメイトし、7枚ドローして初手からあったエリシュ・ノーンを捨て、次ターンにはそのエリシュ・ノーンもリアニメイトして完封。

 


エリシュ・ノーンで蓋をすればゾンビトークンもナルコメーバも場に残せませんから、殆どの場合勝てます。

さて相手は後手を取ってきたので、ドレッジの中でも特に尖りきった「マナレス・ドレッジ」と思われます。
「マナレス・ドレッジ」は後手ディスカードが初動になりますので、こちらも後手を取るようにすべきです。
こういう相手と当たるのが、レガシーは本当に面白い!

 
サイドin
 
2《外科的摘出/Surgical Extraction》
1《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2《強迫/Duress》
2《破滅的な行為/Pernicious Deed》


サイドout
 
1《灰燼の乗り手/Ashen Rider》
4《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
1《突然の衰微/Abrupt Decay》



墓地対策は当然として、他は少々特殊なサイドボーとなります。
まず《破滅的な行為》ですが、これはX=0でゾンビトークンを全滅させられるので有効です。《強迫》は一見役に立たないように思えるかもしれませんが、先手で《強迫》プレイして相手のハンドを落とせば、相手はディスカードフェイズのディスカードが出来なくなる(7枚しか手札がないので)ので、多大な損害を与えることが出来ます。
《ヴェールのリリアナ》は相手が得するだけなのでアウト。《小悪疫》も同様に役に立たないのですが、リリアナより軽いのと、一応ライフロスが役に立つかもしれないのでこちらを優先しました。

G2
マリガンすると《破滅的な行為》《動く死体》《暗黒の儀式》土地3といった緩めのハンドでキープ。
ですが、相手の戦場にゲーム前に《虚空の力線》が置かれてリアニプランは潰されます。しかしこれは初手を1枚使っているのでより初動は遅くなりますから、《破滅的な行為》で一度場を空にするプランを考えます。
しかし、更に相手はゲーム前《別館の大長》を公開!これでこちらは地味に動きにくくなってしまいます。

 


そして相手側の満を持してのディスカードは《変幻影魔》。これでハンドを全て捨て、次のターンには《イチョリッド》2体が襲いかかり、さらにゾンビをたっぷり出しながら《別館の大長》が《戦慄の復活》で釣り上げられます。こうなると頼みの綱の《破滅的な行為》も間に合わず敗北。
いや~、いいですよこの黒い感じ!GPに来た甲斐があります、すごくいい!

G3
勿論相手後手、こちら先手。
こちらマリガンしますが今度は《外科的摘出》《動く死体》《小悪疫》《墓所のタイタン》土地2と悪くはないハンドです。
と思っていたら、またしても《別館の大長》が公開され、さらに墓トロールがディスカードされます。

 


これに1マナ追加して《外科的摘出》をプレイしますが、悪霊サイクリングでかわされた上に(《通りの悪霊》のサイクリングのドローを発掘に置換して対象不適正にしてしまうプレイング)、バカバカ墓地が肥え、通常ドローでさらにドレッジされて墓地がとんでもないことになります。
《イチョリッド》2枚に、追加の墓トロールやインプ、さらに3枚の《黄泉からの橋》に......《欄干のスパイ》!!

 


ここで相手のデッキが完全に判明、「マナレス・ドレッジ」の中でもさらに尖った「ザ・スパイ」という瞬殺デッキでした!いや、たまらん!!
そして相手のターン、まず《イチョリッド》2枚に殴られ、更に相手メインで《ギタクシアの調査》でこちらのハンドが暴かれ......相手苦い顔。
相手のゾンビトークンたちによる戦闘力は十分ですが、幸運な事に《ナルコメーバ》が出ていないので《戦慄の復活》のフラッシュバックが出来ず、《陰謀団式療法》もありません!
とは言え場に出た6体のゾンビトークン、および《イチョリッド》の攻撃でこちらのライフは次ターンにはなくなってしまいます......
ここで考え、考え......ああああああああああ!

 


《動く死体》で相手の《欄干のスパイ》を釣り上げ、その効果の対象で相手を選択!当然ライブラリアウト!さらに《虚無の呪文爆弾》で墓地もすべて追放!
これで相手はドローフェイズにカードを引けず、ドレッジでも置換できないのでライブラリアウトです!相手の苦い顔、その答えはこれだったのです。

いや~熱い、いや黒い!
熱すぎる黒い戦いでした!
僅か3ターンですが、異常なほどに(本当に異常な対戦ですがw)濃厚なゲームでした。
ゲーム終わった後、どちらからともなく自然と握手していました。
こんな楽しいゲーム、滅多にない!
いや~、ほんとうに素晴らしいです!
(墓地にドレッジカードがあっても、山札が発掘能力で指定されている枚数に足りない場合、発掘は使えません。試合中は知らなかったのですが、《虚無の呪文爆弾》はオーバーキル(?)でした)。


●R11 エルフ ◯××

G1
後手ですが《暗黒の儀式》《ヴェールのリリアナ》《再活性》《墓所のタイタン》に土地3という好ハンド。
相手は初動《緑の太陽の頂点》からの《ドライアドの東屋》サーチで、この動きは「エルフ」か「マーヴェリック」か、どのみちリリアナもリアニメイトも効きそうな相手です。
リリアナで-2能力・布告から入り、次ターンには黒タイタンを出してハンドも削って勝利しました。

 
サイドin
 
2《無垢の血/Innocent Blood》
2《突然の衰微/Abrupt Decay》
2《仕組まれた疫病/Engineered Plague》
1《破滅的な行為/Pernicious Deed》



サイドout
 
1《灰燼の乗り手/Ashen Rider》
1《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
2《Hymn to Tourach》
1《壌土からの生命/Life from the Loam》
1《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》
1《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》


R8の「エルフ」相手と同じサイドボードです。
「エルフ」というデッキは殆どフリースロットもないので、戦い方は同じです。

G2
マリガン後、リアニプランはありませんが《小悪疫》や《無垢の血》など除去多めのハンドでキープ。
相手の死儀礼、《クウィリーオンのレインジャー》、東屋を順当にさばいた後に《思考囲い》を打つと......《遺産のドルイド》、《エルフの幻想家》2枚、《垣間見る自然》という強すぎるハンド!

 


こういうアドバンテージ重視の動きをされると、POXプランでは抑えきれません。
案の定数ターン後には物量差に押しつぶされ、《仕組まれた疫病》を張りましたが巨大な《漁る軟泥》の前に圧殺されました。

G3
マリガン後、《思考囲い》《墓所のタイタン》《再活性》土地3というハンド。
これ以上のマリガンは危険と判断しキープ、初手から自分に《思考囲い》を打ち込むブッパプランです。

 


これが通り2ターン目にタイタンが着地、無事にワンパンして残り10点まで追い込むのですが......
相手の3ターン目にエルフ側がコンボスタート、70点以上受けてこちらが先に死にました(笑)。

いやいや、でもレガシーはこういうゲームがいいんですよ!
お互いにコンボ止められないデッキなんですから、笑ってぶん殴られて負け。
こういうレガシーならではのゲームこそしたいんです、死して悔いなし!
それにしてもR8といい、疫病を貼ったゲームは全て落としています......「エルフ」恐るべし、ですね。


●R12 MUD ×◯×

G1
《ワームとぐろエンジン》《暗黒の儀式》2枚、《動く死体》土地2というなんとも言えないハンドを、しかし面白いのでキープ。
無事に《ワームとぐろエンジン》が2ターン目着地しましたが、しかし相手は大怪獣を擁する「MUD」。黒タイタンならまだしもワームでは心もとないです(笑)。
実際相手の《金属細工師》から出てきたワーム、ヘルカイト、《カルドーサの鍛冶場主》に圧倒され敗北。

 


う~ん、やっぱり無色のワームより黒いタイタンですね!

 
サイドin
 
2《無垢の血/Innocent Blood》
2《突然の衰微/Abrupt Decay》


サイドout
 
1《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》
1《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
1《Hymn to Tourach》
1《再活性/Reanimate》


R5同様、MUD用のサイドボードです。

G2
相手がマリガンしたところにさらにリリアナが追い打ちし場を制圧します。リリアナの能力で相手が捨てた《鋼のヘルカイト》をリアニメイトして勝利。
「MUD」相手は相手の墓地からでもデカブツが吊れるので、意識するといいですね。

G3
《思考囲い》スタートで相手のハンドを見ると、2マナランド3枚に《ファイレクシアの破棄者》《ワームとぐろエンジン》《鋼のヘルカイト》という中々ぶっ飛んだハンド。
こちらのハンドには《小悪疫》もありましたので、これで破棄者と土地を潰すプランでワームを落とします。《不毛の大地》と《小悪疫》で相手の動きはかなり遅らせられますし、これでリアニメイト呪文引けばほぼ勝ちでしょう。
と思っていたら10ターンほどひたすら引くのは土地ばかり。途中で《納墓》をプレイしてライブラリーサーチをしたら、その時のトップが《動く死体》という無情な裏目っぷりで、普通に相手の土地が並んでデカブツ連打されて負けました。
まぁこればっかりは仕方ないですね。気持ちを切り替えていきましょう!

●R13 No Show
説明しよう!
「ノーショー」とはショーテル(実物提示)系教育からショーテルを抜いた新機軸のデッキ......ではなく、ただ対戦相手が現れなかったという意味です(笑)。
まだまだ賞金の目がある順位なのに、勿体ないですね。


●R14 BUGデルバー ◯◯

G1
後手ながら《再活性》2枚に《動く死体》《納墓》《暗黒の儀式》土地2といい感じのハンド。
しかし相手の初動が《秘密を掘り下げる者》でしたので、これはカウンターに気をつけなければいけません。

 


今回のハンドでは納墓さえ通せばリアニ呪文3発もあるのでどれか通せるでしょう。
《目くらまし》をケアして1ターン目は動かず、2ターン目のエンドで《納墓》をプレイするとこれが通されます。
次に《動く死体》をキャストしますと、これは案の定《目くらまし》。
しかし慌てず次のターン、《暗黒の儀式》を絡めての《再活性》。1枚は《Force of Will》されますがもう1枚が通り、勝利しました。
《秘密を掘り下げる者》は確かにクロック最強ですが、それ1枚なら殴り切るのに数ターンかかります。「ライフは一点あればいい。」冷静に《目くらまし》をケアしていきましょう。

 
サイドin
 
2《無垢の血/Innocent Blood》
2《突然の衰微/Abrupt Decay》
1《強迫/Duress》


サイドout
 
1《灰燼の乗り手/Ashen Rider》
1《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》
1《動く死体/Animate Dead》
2《納墓/Entomb》


R6同様、デルバー系に対するサイドボードです。土地からBUGと判断しましたので若干の差異はあります。

G2
お互いにマリガン後キープ。こちらは《ヴェールのリリアナ》《突然の衰微》《新緑の地下墓地》《不毛の大地》2枚に《ミシュラの工廠》というしょうがなしの妥協キープです。
相手は初手から《墓掘りの檻》を置いてきましたが、こちらは速攻リアニが仕掛けられるようなハンドではないのでこれは咬み合いがよかったです。
こちらはとりあえず不毛を投げてゲームスタート、すると相手が土地1キープだったようで、土地が止まります。
その間にミシュランでひたすら殴り、リリアナも通って場を制圧していきます。相手が土地を引いてももう一枚不毛があるので抑えこみ、そのままミシュランだけで殴りきって勝利しました。
こういう勝ち方があるので、《ミシュラの工廠》はやっぱり強いと思いました。

●R15 BGWジャンク ×◯×
G1
こちら先手で初手は《暗黒の儀式》《納墓》《再活性》《思考囲い》のテンパイハンド!......ですがノーランドで泣く泣くマリガン。
さらにダブマリし、《不毛の大地》ぐらいしかできることのない貧弱ハンドでキープ。相手の動きが《死儀礼のシャーマン》《石鍛冶の神秘家》《思考囲い》ときたところでハンドを見せる前に投了です。

 
サイドin
 
2《無垢の血/Innocent Blood》
2《突然の衰微/Abrupt Decay》


サイドout
 
1《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》
1《灰燼の乗り手/Ashen Rider》
1《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》
1《Hymn to Tourach》


リアニプランがバレていないのでそのまま残し、クリーチャーデッキ相手に除去を残します。
相手はカウンターを持っていないので相性は良いはず!

G2 早期に《グリセルブランド》を釣り上げますが、《Karakas》でバウンスされます。しかし不毛で《Karakas》を破壊し再びグリセルリアニメイト......するも相手が《壌土からの生命》でまた《Karakas》を出してきました。
しかし14枚も引けば流石にハンド差は圧倒的で、黒タイタン、ワームとぐろエンジンをそれぞれ普通にプレイして殴り倒しました。

 
サイドin
 
2《無垢の血/Innocent Blood》
2《突然の衰微/Abrupt Decay》
1《破滅的な行為/Pernicious Deed》


サイドout
 
1《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》
1《灰燼の乗り手/Ashen Rider》
1《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》
1《Hymn to Tourach》
1《動く死体/Animate Dead》


相手の墓地対策が何かわかりませんが、自分から《タルモゴイフ》や《未練ある魂》を使う以上、《安らかなる眠り》ではないはず。

 


それなりにリアニメイトを極められると考え、リアニ関連の呪文を多く残しました。
相手の速度は早くないのでライフロスのリスクが低いこと、また衰微で割られてしまう点を考え《動く死体》を1枚減らしました。
相手のデッキに《未練ある魂》が入っていることがわかったのでノーンを残すか迷いましたが、まぁ他のクリーチャーでも十分圧倒できるでしょう。

G3
マリガン後のハンドが《墓所のタイタン》《思考囲い》《突然の衰微》不毛込みの土地3。
とりあえず除去でグダらせてタイタンを素出しするプランを見てキープします。
《思考囲い》で相手のハンドを覗くと、脅威になりそうなのは《闇の腹心》と《封じ込める僧侶》《石鍛冶の神秘家》で、リアニ対策は僧侶のみ。どれも衰微や、最初にドローした《小悪疫》で倒せるのでさほどの脅威にはなりえないと判断できます。とりあえずタイミングが一番面倒な僧侶をディスカードさせ、相手のメインでのアクションを誘います。
当然相手は《闇の腹心》を出してくるので返しで《小悪疫》を打ち込みますが、ここでの判断がとても迷いました。
もちろん最初は、素直に黒タイタンをディスカードする予定だったのですが、ここでドローしたのが《暗黒の儀式》。こうなると、《暗黒の儀式》から通常プレイを見越してタイタンをハンドに残すプランもありえます。
しかし《小悪疫》で土地が減ってしまうので、土地は2枚しか残せません(戦場と手札で)。こうなると《暗黒の儀式》2枚目を引くか、土地を2枚引く必要があります。

 


対してリアニメイトプランなら、デッキ内に入っている7枚のうち1枚引ければ勝てることになります。
結局は黒タイタンを捨てたのですが、これが正しいプレイだったのかどうかは、GP終わって一週間が経つ今でも悩んでいます。

結論としてはトップから連続で《暗黒の儀式》2枚と土地3枚を引くという壮絶なマナフラッドで負けてしまうのですが。これは結果論にすぎません。

自分としては、相手のデッキにはハンデスが多く儀式を抜かれてしまう可能性が高いこと、《ヴェールのリリアナ》をこの状況で出せば勝ちで、そのためにマナソースを残しておきたいこと、また相手のデッキに《不毛の大地》が数枚入っていますから、それで土地を攻められるとすべてご破算になってしまうリスクから、タイタンをディスカードする選択をしました。

ですが、相手が先に墓地対策を引いてしまうリスクや、最悪リアニメイト呪文を引いても相手の墓地から《闇の腹心》を釣り上げるプランが取れることを考えれば、タイタンをハンドに残したほうが良かったのかもしれません。

......それに少し考えていたんですよね。
「ここで《暗黒の儀式》連打からタイタンで勝ったらめっちゃカッコよくね!?」「それ記事にしたらすげー盛り上がるんじゃね!?」とか......。
逆に「いや、真剣勝負の場でこんな邪念は良くない。冷静に考えてもデッキ内に残り3枚の《暗黒の儀式》を引くより7枚のリアニメイトを引くほうが可能性は高い」と考え、よりリスクの少ない方を取ったのですが......

自分で考え、取った選択なので、後悔はありませんが......いや違う!  やっぱりカッコよさ重視で行くべきだったァァ――!
黒使いなんて厨二病でなんぼじゃねーか!!黒使いのくせに良識ぶってんじゃねーよ!邪念上等だよ!!むしろパワーだよ、デッキも応えてくれてたのによォォ!(ちょっと応えすぎです、こんなにマナあっても使いきれません)
くっそー!これで勝てたらめちゃくちゃドヤ顔できたのによぉォォ――!すっげえええ悔しいィィィィィ!!!
「過去の罪」だよ!あの時の俺を奈落の王の生贄に捧げてやりてェェェ!!!

 
というわけで最終成績は11-5の145位で、ギリギリ賞金ゲットならずでした。
悔しいといえば悔しいですが。それ以上に得たものはプライスレス。
どの試合もすごく面白くて、また対戦相手の方もいい方ばかりで本当に楽しい時間を過ごすことが出来ました。
それに自分が考えたオリジナルデッキで、ここまでの結果が出せれば十分手応えはありました(3回不戦勝ですが......)。
結果が全てとはいえ、2日目の負け試合はすべて1-2ですのでギリギリの鬩ぎ合いが多く、本当にあと一歩という感じでした。
そのあと一歩が届かないから悔しいわけですが、しかしだからこそ面白い!!
今後も「POXリアニ」は使い続けると思いますし、バージョンアップもしていこうと思います。会場ではこの連載記事で自分のことを知ってくれた方から声をかけられたり、「POXリアニ」を使ってくれている方とも何名かお会いしました。
デッキバレしてしまうリスクは有りますが(笑)、それでもこうして色々なプレイヤーに声をかけてもらえるのは本当に嬉しいです。
沢山の出会いをくれた、そして記事を書かせて頂いたBIG MAGICさんには改めて感謝です。

 
なんか最終回みたいな雰囲気になってきましたが全くそんなことはありません!
黒の深淵はまだまだ深い......まだまだ語りたいことはたくさんあります!
とりあえずレガシー編は今回で一旦幕を引こうと思いますが、まだまだ「くろそま」は続きます。というわけで次回も......黒に染まりゃいいんだよ!!