分裂するスライム/Mitotic Slime

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Card of the Day -今日の1枚- 2016/04/07

分裂するスライム/Mitotic Slime

分裂するスライム/Mitotic Slime
分裂するスライム/Mitotic Slime
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ヘンテコなトークンを生み出すカードを紹介する「特殊トークン・ウィーク」。今日紹介するトークンはウーズ。ウーズ...なら、『イニストラードを覆う影』でも《容赦無い泥塊》が生み出すトークンがあるし、しょっちゅういるわけではないが、特段珍しいものでもないぞ、という声もあるだろう。では、能力を持ったものは?今日紹介する《分裂するスライム》は、バニラではないウーズを生み出す、実に面白い1枚だ。

『基本セット2011』に収録されたこのカード。基本セットらしくファンタジーでは定番のクリーチャーであるスライムをフィーチャーしたものとなっている。日本では各種RPGの雑魚敵で定番のスライムだが、マジックにおいてはそれほどが数が存在しない、どちらかと言えば希少種族(ウーズという広い括りで見れば、それなりに数はいる)。スライムと言えば、軟体・不定の怪物。打撃や斬撃ではダメージを与えられず、むしろ分裂を促してしまう...そんなフレイバーを完璧に再現したデザインとなっている。このスライムが死亡すると、それは分裂して2体のトークンを生み出す。4/4が半分になり、2/2が2体だ。そしてこのトークンは、前述のように能力を有している。このトークンが死亡したら、今度は1/1のウーズが2体に分裂する。これは面白い。1体のクリーチャーが、最大4体にまで分裂する。それまでも『オンスロート』の共生クリーチャーのように、死して忘れ形見のトークンを残すしぶといクリーチャーはいたが、ここまでしぶといものは初めて見た。

除去耐性があるのも勿論のこと、相手のクリーチャーと相打ち上等でズンズンと攻撃にも行けるし、壁として立たせておいてもいやらしい。また、その分裂を前提としたシナジー、コンボを狙ってデッキに投入するのも良いだろう。同時期のスタンダードには《エルドラージの碑》を軸とした緑のビートデッキが存在した。《エルドラージの碑》が要求する生け贄のコストはこのスライムで払うと良い。分裂するたびに、碑によって強化されるクリーチャーの頭数が増えて打撃力が増す、というのはなかなか面白い。《繰り返す悪夢》や《墓穴への契約》など、生け贄関連のカードと組ませればアドバンテージをゴリゴリ稼げる、ナイスクリーチャーである。

イラストでは、人の手のようなものがその頭頂部(?)から見えており、何らかのヒューマノイドを捕食しているのがわかる。これが分裂した2/2トークンは羽を持った生物を、1/1トークンは蟲を捕食している姿が描かれており、どんどんとサイズを落としていくスケールが伝わるものとなっている。スライムが捕食?と驚くかもしれないが、僕らの住むこの世界にも他の生物を捕食する粘菌なんかが生息している。緑マナに溢れた多元宇宙では、これぐらいかわいい方、というのも恐ろしい話だな。

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