BIG MAGIC所属プロが選ぶ『イクサラン』注目カード
タグ:BIG MAGIC所属プロ, MTGシングル, TOP5, イクサラン, プレビュー, 井上徹, 川崎慧太, 松本友樹, 読み物BIGsのレビューが終わったら・・・そう、今度はプロの時間だ!
『イクサラン』発売前にプロが注目するカードをピックアップしてもらうこのシリーズ、今回から新たにシルバーレベルとなった川崎慧太選手も参戦!
今回は新たな試みとして、『イクサラン』の主要テーマである各部族を所属プロに割り振って、その部族達はプロから見てどう映るのか?その上で注目カードはあるのか?そのあたりをそれぞれのスタイルで書いてもらうという形式のレビューとなっている。
このレビューが皆さんの冒険のガイドブックにならんことを...それでは、早速いってみよう!
・井上徹の見る「白黒・吸血鬼」
text by 井上徹
『イクサラン』の吸血鬼ですが、構築・リミテッド共に他の部族と比べると少々カードが不足している感は否めません。
特に構築では、《ゲトの裏切り者、カリタス》などの強力な吸血鬼が複数存在したゼンディカー・イニストラード両ブロックが同時に落ちることもあり、
部族単体でのシナジーを意識したトーナメントクラスのデッキを作るのは、まだ厳しそうな印象を受けます。
リミテッドでも、部族としてのシナジーは少なめです。
ですが、数を並べる事に関しては他の部族よりも長けているため、
次ブロックでその点を生かすカードが出てくれば、一気に強力なアーキタイプに成り得るでしょう。
ここでは部族シナジーよりも、単体でのカードパワーに注目してカードを紹介していこうと思います。
空いている1マナ圏を埋めつつ後半の息切れを回避してくれるので、
新環境での白黒トークンデッキにとっては待望のカードだと思います。
トークン戦略以外のデッキでの1/1絆魂は少々物足りない感があるかもしれませんが、
変身後が強力なカードなので、あくまで変身させる為の数合わせと考えれば十分ではないでしょうか。
《つむじ風の巨匠》のような1/1トークンを量産してくるカードは苦手ですが、それ以外の相手にはひたすら殴り続けて打点を稼いでくれるでしょう。
ライフを攻め難いコントロールデッキからすると、まさに悪夢のようなカード。
マナを消費せずに何度でもライフを支払えるため、
何らかのコンボ要員として使用されることもありそうです。
《マガーンの鏖殺者、ヴォーナ/Vona, Butcher of Magan》
『イクサラン』で一番期待しているのがこのカード。
タフネスが4なので《栄光をもたらすもの》や《反逆の先導者、チャンドラ》には弱いものの、
一度動き出すと自身の能力でブロッカーを除去しながら殴ってくるため、手が付けられません。
能力起動のための7点はかなり痛いですが、絆魂により自身が攻撃できる状況であれば実質3点のライフで済むため
意外と使いやすい能力かも?と思っています。
それでも単体での運用には不安が残るため、何らかのライフ回復手段と併用したいところです。
《オケチラ最後の慈悲》なんかは良い相棒になるかもしれません。
・川崎慧太の見る「赤緑白・恐竜」
text by 川崎慧太
『イクサラン』の部族は4種類ということで今回のプレビューは各部族を所属プロの面々で割り振った形になっています。
僕の担当は皆大好き恐竜!ということで、今回は3枚ほどピックアップしてみました。それではさっそくいってみましょう!
《焼熱の太陽の化身/Burning Sun's Avatar》
まずは恐竜らしくデカいカードから1枚。デカい恐竜というと《殺戮の暴君》や《太陽の化身、ギシャス》が話題ですが、個人的な注目株はこちらの赤いヤツ。
戦場に出た際の誘発型能力で相手のクリーチャーやプレインズウォーカーにプレッシャーをかけつつ6/6を展開できる為、盤面の制圧力が高く、展開するまでに費やした手数を取り返せるカードです(テキスト読みおじ)
恐竜に割り振られたキーワード能力"激昂"持ちからはこちら。
4マナ4/5というサイズは《反逆の先導者、チャンドラ》や《栄光をもたらすもの》でも1枚では除去されず、裏目のないカードとして期待しています。
青系のコントロールは青赤が頻繁に見る組み合わせでしたが、このクリーチャーや《殺戮の暴君》が加わったことで、ダメージ呪文ではない除去を用いる青黒や青白にシフトしていくのでは。
最後に恐竜とシナジーを持ったカードとしてこちら。このカードを最大限使う為には、デッキ内にある程度の枚数恐竜が必要となるので、構築に制限はかかります。が、動きが大振りになりやすい恐竜の弱点を補完しつつ、激昂のトリガーにも最適で恐竜デッキの良い相棒になってくれるのではないでしょうか
プロツアー『イクサラン』でこれらのカードが活躍することを期待しつつ、それじゃまた今度!
・松本友樹の見た「青緑・マーフォーク」
text by 松本友樹
マーフォーク担当の松本です。
マーフォークと言えば私、私と言えばマーフォーク。
かつて学生時代、《珊瑚マーフォーク》にそっくりですね!と言われた事も1度や2度ではない私が、「イクサランの注目マーフォーク」ランキングトップ3を発表します!
それでは早速見ていきましょう。
1位マーフォーク: 《波を司る者、コパラ/Kopala, Warden of Waves》
「モダンで活躍するマーフォークNo.1」の名声をほしいままにしているイクサラン・マーフォーク、コパラさんです。
《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》の枠に入れ替わるだろうと期待されていますね。
能力の差を見てみると、綺羅は「飛行」「絶対に除去を2枚使わせることができる」という2点で優れています。
対してコパラは、除去耐性だけを見るなら綺羅が上回る為、「マーフォークであるためロードの恩恵を受ける事ができる」という一点のみの差しか持ちません。
しかしながら、マーフォークデッキならばその一点こそが何よりも重要でしょう。
飛行が生きるポイントもありますが、タフネス上昇により《コジレックの帰還》を乗り越え、時に島渡りで《タルモゴイフ》を無視して殴る事のできる「マーフォークである」という一点は、何よりも勝ります。
沢山は必要ありませんが、2~3枚は確保しておきたいですね。
2位マーフォーク:《轟く声、ティシャーナ/Tishana, Voice of Thunder》
「統率者戦で活躍するマーフォークNo.1」の名声をほしいままにしているイクサラン・マーフォーク、ティシャーナさんです。
統率者戦において、青緑のマーフォークは群雄割拠。
コンボ会の女王たる《主席議長ゼガーナ》、怪しさNo.1の《育殻組のヴォレル》、青緑だけど青緑じゃない《トリトンの英雄、トラシオス》とどれをとっても強力無比。
しかして新たに加わった期待の新戦力は、彼ら・彼女らと渡り合っていけるだけの戦闘力を持っています。
青緑が使えるデッキにドロー要員として適当に入れても強いのですが、やはり彼女を統率者としてデッキを組みたいところ。
本当はここにデッキリストを載せたいのですが、カード名を書くだけで100行になってしまうので、文字数を優にオーバーするため割愛します。
とりあえずマナクリーチャー・《トレストの密偵長、エドリック》・《クローン》系のカード・追加ターン呪文を入れられるだけ詰め込みましょう。
イラストも文句なしに美しいので、是非FOILをゲットしてみてください。
3位名誉マーフォーク:《溢れ出る洞察/Overflowing Insight》
「大いなる川の流れのように、現実がクメーナの脳裡に流れ込んできた。敵を秘密の都市に近づけないためには、その力を自ら用いるしかない。」
カードイラストにでかでかとアップでマーフォークが移っている神話レア。
これを語らないわけにはいかないので語っちゃいます。
まずこのクメーナとは何者なのか。
《呪文貫き》とこの《溢れ出る洞察》にフレーバーテキストで登場しています。
しかしそれ以上の情報はありません。
Magic Storyにも未だ登場していないクメーナは謎に包まれています。
一体どういう人物なのか。このシーンは一体どのような場面なのか。
このカードにはいくつものキーワードがちりばめられています。
まず最も目を引くのは"秘密の都市"。
"敵"とは誰でしょうか?
"その力"とは一体?
・・・想像を掻き立てられる素晴らしいフレーバーテキストです。
秘密の都市とはオラーズカで、敵とはブラスカで、その力とはオラーズカの何かしらの力なのでしょうか。
もしかしたら全くの別物で、秘密の都市とは水没遺跡アズカンタで、敵とは海賊たちで、その力とはアズカンタに秘められた数多くの知識、なのかもしれませんね。
あまりに情報が足りないので想像して楽しむほかありませんが、Magic Storyが更新されていくにつれ、その謎は明らかになるでしょう。
注目のストーリーに期待して待ちましょう!
プロそれぞれのスタイルで好きなようにレビューしてもらったが、それぞれの特色が出てカード以上に選手のキャラクターが伝わったかも?なんて思わせてくれる内容になったと思う。
彼らが参加予定のプロツアー『イクサラン』では、どの部族が活躍するのだろう。ドラフト、スタンダード両ラウンドに注目だ。
その際にはBIG MAGIC所属プロの応援を、よろしくお願いいたします!
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