樹根スリヴァー/Root Sliver
タグ:Card of the Day, MTGシングル, Root Sliver, レギオン, 岩SHOW, 樹根スリヴァーCard of the Day -今日の1枚- 2013/07/10
樹根スリヴァー/Root Sliver
スリヴァーが打ち消されなくなる、戦場以外の部分で味方をアシストするスリヴァー。
能力はただそれだけのことなので、打消し呪文をたっぷり積んでいる相手でなければ効果は薄く、逆に刺さる相手にはあざ笑うかのような展開力を約束してくれる。
俗に言う「シルバーバレット戦略」向きの1枚(これをサーチする手段がそもそも打ち消されるという話は置いといて)。
まあそれだけのカードなのだが、話のタネは持っているクリーチャーである。
まず、樹上で鎌を構えるそのイラスト。
これは元々「すべてのスリヴァーは到達を得る」というデザインであった名残なのである。
後にこの能力は「時のらせん」でよりコンパクトになった子孫に引き継がれている。
そして、テキストについて。
カード画像では「スリヴァーのクリーチャー呪文は打ち消されない」となっている。
これが後に「スリヴァー呪文は打ち消されない」というスッキリしたテキストに変更された。
が、これが問題となった。「未来予知」にてカードタイプ:部族の呪文が登場し、続く「ローウィン」にて多相を持つ部族呪文が登場した。
これらが打ち消されなくなる、というのはこのカードのデザインからして当然なのだが、ここで想定外のことが起こった。
例えば《外身の交換》。
これを《樹根スリヴァー》をコントロールしながら対戦相手のクリーチャーに向かってキャスト→相手はスタックでこのクリーチャーにプロテクション白を与え、対象不適正となってこれは打ち消され...ないのである。
このスリヴァーの能力はルールによる打消しにまで干渉する、想定外のイレギュラーな存在となってしまった。シンプルな「打ち消されない」の一文が呼び起こした混乱である。
そこでエラッタにより現在は「呪文や能力によっては打ち消されない」という一文となっている。
マジックの歴史の中でも、稀有な事例の一つだ。