黒焦げ/Char
タグ:Card of the Day, Char, MTGシングル, ラヴニカ, 岩SHOW, 黒焦げCard of the Day -今日の1枚- 2013/08/29
黒焦げ/Char
4マナ4点火力《電撃破》。
稲妻と比べると割高なコストに思えるが、ライフの5分の1を掻っ攫えるのは馬鹿にならないし、4マナ以上払って出したクリーチャーをそれより安いマナで焼かれたりするのは割に合わないだろう。
では、3マナで4点火力はどうだろう?これがノーリスクであれば許しがたいだろう、ということで使用者自身にもダメージが飛ぶように調整されたのが《黒焦げ》だ。
調整...正しくは青の《心霊破》を本来の色にリメイクし直したというべきか。
ファイレクシア・マナが2点のペイライフで1マナに置き換えていたことを考えると、適正コストであるともいえるカードだろう。
このような火力を積むデッキは往々にして前のめりであり相手より早く攻め立てることが前提なので、2点のダメージはほとんど気にならない。
むしろ土地を削った構成の中、3枚の土地で相手の邪魔なクリーチャーをどかし、追い詰められた本体を焼き切るのに使えるのだから言うことなしのお買い得品である。
勿論、当時のスタンダードでは「ZOO」「グルールビート」「ボロスビート」などのデッキで3マナ域の鉄板として、そこら中でプレイヤー達を真っ黒焦げにしていたものだ。
特に同期の《稲妻のらせん》があればライフの損失リスクも軽減でき、ビート同士の激しい殴り合いにおいても無理なく運用出来、強固な火力のタッグチームを形成していた。
このタッグが最高に輝いたのが、プロツアーホノルル06。
準決勝の最終戦、お互いのライフは3対7。
盤面は完全に支配されていた「ZOO」側は、意を決して相手のエンドに最後の手札であるこの《黒焦げ》を本体に放つ。
これでライフは1:3.そしてトップに手をかけたところで、対戦相手が「(引いたカードを)見るな!叩きつけろ!」と声をかけ、促されるままに叩きつけたトップが《稲妻のらせん》!マジックの歴史に残るトップデッキ名場面だ。
以上のエピソードや、このプロツアー優勝デッキ「グルールビート」に積まれていたこともあり、この年を代表する1枚に選ばれたのは納得である。