苦花/Bitterblossom
タグ:Bitterblossom, Card of the Day, MTGシングル, モーニングタイド, 岩SHOW, 苦花Card of the Day -今日の1枚- 2013/11/14
苦花/Bitterblossom
2ターンキル。「ベルチャー」「ハルクフラッシュ」といったデッキ達があらゆるものをかなぐり捨てて、厳選され研磨された末にたどり着いた境地。
これらのデッキがいかにスピードに特化しているとはいえ、その2ターンキルも絶対的な確率で行えるわけではない。
一人回しはまだしも、実際のゲームでは全力で生き残ろうとする対戦相手がいる訳で、往々にしてコンボが決まるのは3ターン目以降になったりする。
これらのデッキは「理論上」2ターンキル出来るというのが重要なのだ。
それら「理論上」集団を差し置いて「事実上」2ターンキルを決めてしまうデッキが、かつてスタンダードに存在した。
「UBフェアリー」。コントロールやクロックパーミッションに分類されるこのデッキ、比較的ゆったりとゲームを展開していくこのデッキが、2ターンキル?と思われるのも無理はない。
これはあくまで「事実上」の2キルなのだ。それが意味するところは、2ターン目に設置された《苦花》が、最終的に勝因となるということだ。
《苦花》は1点のライフと引き換えに、1/1飛行の小さな妖精を提供してくれる。
命を削り、攻め手を獲得していくこのカードは、実に黒い。
この取引は毎ターン必ず行われ、止める手段がないという点も、実に黒い。
《ファイレクシアの闘技場》の亜種とも言える。
ライフ1点とアドバンテージの交換が、クリーチャー固定になった代わりに1マナ安くなった。
どちらも一長一短ではあるが、「ハズレ」を引くことがない点では《苦花》が勝っている。
生まれ出たトークンはクロックとして攻めるもよし、チャンプブロッカーとして時間稼ぎするもよし。
とくにトークンをチャンプに回している時は、一見ジリ貧で弱い動きに見えるかもしれないが、たかだか1点の損失でそれ以上の3点や5点のダメージを軽減していることは脅威のディフェンス能力と言う他なく、なかなか他のカードに出来る芸当ではない。
時間さえ稼げば各種除去・《霧縛りの徒党》・《謎めいた命令》が解決してくれるデッキなのだ。
結局、2ターン目の《苦花》がそれらに至るまでの流れを作っているため「実質2ターン目に決着がついている」というように言われたのだ。
フェアリー同系なら、言うまでもなく2ターン目にこれを貼った方が断然有利となる。
青と黒にはエンチャントを破壊する手段がないし、以降の後手に回ったアクションは《呪文づまりのスプライト》などのカウンターで捌かれて為す術もなく負けることになってしまう。
しかし、当時本当に強かったプレイヤー達は、こんな絶望的状況でも細い細い勝ち筋を見つけ出し、それをものにして勝利していたのだ。
カードの性能ばかりにも頼っていられない、練習あるのみじゃ。