魂売り/Spiritmonger
タグ:Card of the Day, MTGシングル, Spiritmonger, アポカリプス, 岩SHOW, 魂売りCard of the Day -今日の1枚- 2013/11/15
魂売り/Spiritmonger
クリーチャーの進化の歴史には、いくつかのステップが存在する。
突然変異とでも言おうか、突如出現したクリーチャーが、クリーチャー全体のランクを塗り替えてしまうことがある。
それは地球の生命の歴史において最初に脊椎を手に入れたもの・最初に上陸したもの・最初に2足歩行や飛行に至ったもののように、それまで存在したものを過去にする強さを持っている。
「アポカリプス」でも、他の多くの生物のランクを1つ下げることになる生物が誕生した。それが《魂売り》だ。
5マナ6/6という優れたサイズに、能力を3つも備えている。マルチカラー、それも対抗色の組み合わせなために大盤振る舞いだ。
第1の能力は、所謂「吸血」能力でマジックの初期には黒の吸血鬼が多く所持していた能力だ。
しかし、吸血鬼達はその犠牲者を破壊しなければ血の恩恵が得られなかったのに対し《魂売り》は相手にダメージさえ与えれば破壊していなくても成長することが出来る。
再生持ちなどに粘られても、サイズを増すことでそれを片付けた時に致死性の一発をお見舞いできるようになるというわけだ。
第2の能力は、シンプルに「再生」。これがシンプルにして強力。何せたったの1マナで良いのだから構えながらキャストすることも苦にならない。
第1の能力と合わさることで、どれだけクリーチャーで壁を作っても何れは突破されてしまうという状況になる。これを除去できる《終止》や《神の怒り》は大切に使わねばならなかったのだ。
第3の能力は、自身の色を変更する「カメレオン」能力とでも言おうか。
一見、盤面には大きく影響しない能力に見えるが、当時はこれが無視できなかった。
各種《防御円》と《物語の円》を無視し、《ヴォーディリアのゾンビ》にチャンプされることはなく《冬眠》《殺戮》も回避する。環境に色対策が多かったからこそ、輝いた能力だ。
このスーパーエリートクリーチャーを使うためだけに、緑と黒を使用したデッキが多く組まれた。
「カウンターモンガー」「ダークファイアーズ」そして「The Rock」「PT Junk」といった、今でもその系譜を残す名デッキ達だ。
ちなみに、「時のらせん」のタイムシフトに再録するという話が上がっていたそうだ。
そしてテストプレイを行った開発陣は一言「アカン」。
新カードがかすんでしまう支配力を発揮したそうだ。もしこれから先再録されることがあれば、どうなるだろうか...なんとも楽しみである。
さらに余談ではあるが、《飛行》のイラストに登場して飛んだこともある。Over Kill!!