2014/02/07 とどろく雷鳴 - Card of the Day -今日の1枚-

タグ:, ,

とどろく雷鳴/Rolling Thunder

今日の1枚のこのカードの購入ページはこちら

「X火力」という言葉は我々の世界ではごくごく一般的な言葉となっているが、どう足掻いても通常の会話では登場しようがない、専門用語である。最近は「爆アド」といった言葉も広く使われるようにはなってきたが、個人的には趣味の専門用語はその趣味の中から出したくはないなと思っている。どこかでブレーキをかけておかないと、そのうち「何それ、X=20級やんwww」とか言ってしまいそうで(いや、全くそんなことはない)。

改めてこのX火力というものを説明しよう。不特定マナがXで記されたこれらの呪文、Xはあなたが好きな値を設定してOK。Xマナ払ったら、大体はX点のダメージを飛ばしたり好きなように割り振ったりする。Xの値が小さくなるほど効果はしょぼくなり、大きくなればなるほど致死性が増す。ゲーム終盤では大いに効力を発揮する1枚となりうるが、デッキに4枚投入すると機能を果たさない序盤にお荷物となってしまう。そんなカード達だ。


これらは特にリミテッドではトドメの一撃として機能し、また20マナ以上ひねり出すことができるデッキではコンボのシメとして採用される。基本的には小回りが利かない上にオーバーキルであるとして構築では使用されないが、稀に《地震》《忌むべき者のかがり火》といった超高性能のカードが誕生し、暴れ回ることがある。


今回紹介する《とどろく雷鳴》は、どちらかと言えばリミテッド向けのカードだ。そして、そのリミテッドは鬼神の如き活躍をする、「レアより強いコモン」であった。マナが必要とはいえ、コモンでこうも簡単に1:複数交換を行ったりライフを掻っ攫っても良いものなのか?という疑問は当時遊ばれていたプレイヤーの皆さんの心に一度は去来したことがあるはずだ。

しかし「テンペスト以前もこんなん多かったし」という感覚で流されてしまうのであった。さすがにこの風習は今では廃れていて、コモンでの必殺性の高いX火力というものはしばらく収録されていない。


X火力のいいところに、「デッキに赤いカードないけどとりあえず山と土地サーチとこれだけ入れておくか」というタッチでの採用が楽だという点があげられる。これはX火力が往々にしてシングルシンボルなために起きる現象なのだが、さすがに複数に射撃できるような器用なカードはダブルシンボルになることが多いようだ。

この、X火力における赤マナシンボルのことを「種火」と表現することがある。「《とどろく雷鳴》は種火が重いからそのデッキにタッチするまでじゃない」みたいな使い方がされていた言葉だ。今では「ダブルシンボルだから」で済む話だが、ファンタジー世界らしいこういう趣のある専門用語もあったんだよというお話。

Card of the Day 過去のカード一覧(2015.11.19~)