2014/03/13 罪を与えるもの - Card of the Day -今日の1枚-
タグ:Card of the Day, ジャッジメント, 罪を与えるもの罪を与えるもの/Guiltfeeder
まずはカードにまつわるお話から。この《罪を与えるもの》という訳は、少々語弊がある。「feeder」という言葉は「飼養者」つまりは「与えるもの」と訳すこともできるが、この怪物に関してのそれは「喰らうもの」という意味が、カードの設定的にも正しいだろう。
このクリーチャーは影に潜んでいて、通りすがりのプレイヤーにひっそりと忍び寄ると、触手を介して獲物の過去の記憶を探り出す。探られた記憶はこのfeederに食されるのだが、その際に自分が犯した罪の記憶が掘り起こされ、それによってプレイヤーはダメージを受ける、という寸法らしい。
そういう意味じゃ罪を与えているような気もするが、そもそも罪とは「与えられる」ものなのか?あくまで自分で犯すものであって…と国語タイムに突入しすぎてもアレなのでこの辺で。クリーチャー能力と設定が良く噛み合っている1枚だ。
カードとしても露骨に「黒激弱」だった「ジャッジメント」の中で、これはなかなか渋い輝きを放っていた。
「黒コントロール」のサイドに搭載され、黒が苦手とする《黒の防御円》《罠の橋》といった触れないカード達をものともしないフィニッシャーとして活躍した。
イラスト左側の人物はMarkさんの友人のJohnさんとのこと。この人物は《怒鳴りつけ》でもデッサンモデルとなっているなど、Markさんの創作に大きく貢献している人物だ。
僕はこのカードのイラストが大好きなのだが、Markさんは1つ納得いかないことがあるとのこと。それは、この頭だけのクリーチャーに不釣り合いなゴツい2本の脚。これはそもそも、イラストには描かれていなかったものなのだ。
そもそものこのクリーチャーは浮遊する脳ともイカともつかない幽霊・妖怪的なものとしてデザインされ、描かれている。
完成してイラストでは、このホラーは完全に浮遊しているように見える(または壁に後ろ足1つでへばりついているようにも見えるが、何らかの霊的な浮力が働いていることには違いない)。これを開発部は良しとしなかった。飛行を持たないクリーチャーがイラストで浮遊しているのは混乱を招く、というのが開発部の過去の経験に基づいたポリシーだったのだ。まあ、それはわかる。
逆にどう見ても飛んでないやつが飛行を持っていても困るし。上記の理由で、このイラストを浮遊していないものにする必要があったのだが…あろうことか、Markさんにイラストを一部変更する連絡なしに、このホラーには長い両脚が追加されてカード化されてしまったのだ。
この一点にはMarkさんも疑問でいっぱいのようだ。たしかに、イラストを見ているとこの脚と触手がまるで錯視を引き起こすトリックアートのような、違和感のある交差の仕方をしているのは気になっていたが、まさかそんな理由があったとは。
開発部が浮遊に関する連絡をしっかりとMarkさんにしていれば、例えば壁に張り付く触手を増やしたりなどもっと違和感のないものになっていたのではないかな。