2014/03/15 混沌の掌握 - Card of the Day -今日の1枚-

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混沌の掌握/Grip of Chaos

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訳の分からないもの。真の混沌をもたらすもの。
秩序・調和、そういったものに真っ向からアゲインストし突き破るもの。

赤のレアにはそういったカードが多い。

それらの凄いところは、相手の動きを阻害したり自分が爆発的な恩恵を受けたりすることがあるものの、 基本的には「勝利に向かうカード」ではなく「ゲームをめちゃくちゃにするカード」に過ぎない点だ。

相手を妨害したいのなら他に有効なカードが赤には沢山ある。

それでも、そんなカード達を押しのけてこの《混沌の掌握》のようなカードをデッキにいれるということの意味は1つしかない。

「メチャクチャにしたい」はっきり言ってテロリストだ。

しかしマジックは、そういうやつが1人はいないとつまらない。ガチでやっても勝てないのなら、暴れて楽しんでナンボ。

この姿勢は、マジックが如何に競技性が高いとはいえゲームであり続ける限り、正しいものだと僕は思っている。


《混沌の掌握》は文字通りゲームに混沌をもたらす。 これが訪れた後は、呪文も能力もその対象が全て「オ-トランダム」となってしまうのだ。

《巨大化》は相手のクリーチャーを大きくし、《名誉回復》は自分の《精神を刻む者、ジェイス》を叩き割る。 逆に自分めがけて《空虚への扉》が開かれたが、それに飲み込まれていったのは扉の持ち主だった。

こんなゲーム、競技としてみればグダりの極みかもしれないが、 ピザなんかを食べながら友達とワイワイやる統率者戦なんかだとこれ以上ないほどに面白くてしょうがない。

マジックはトーナメントとエンターテイメントが同居する、素晴らしいゲームだと僕は思う。 こういうカードを、レア枠の無駄遣いと言わずにこれからも用意してやってほしい。そうであってこその赤なのだ。


このイラストも素晴らしいものだ。

いつもはアクリルガッシュをメインで用いるMarkさんが、 この作品は珍しくデジタルで描いている。

この作品、中央に居る炎族のような物はもともとは普通の魔法使いの人間の女性を描いていたらしい。 そこに開発側から、彼女を「スカージ」の他のウィザードのように、液状に変化した人物にしてくれないか、との依頼があり、その要望通りの変更を加えられ、この作品は完成した。

しかし、この液状の人間は青のものとなり、そのウィザードが赤いこの呪文を唱えているのはおかしいということになった。 そのため、アートディレクターからの依頼を受けて、Markさんはこの人物を赤に相応しいものに変更したものを作成したのだそうだ。


このイラストの原題は「Blindness」。「向こう見ず」な混沌の魔法は時空を乱れさせる。
カードの上部をよくみれば、Markさんが過去にイラストを手掛けた《テトラバス》と《Dark Sphere》が時空を超えてやって来た姿を見ることが出来る。

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