2014/04/19 ヤヴィマヤの火 - Card of the Day -今日の1枚-
タグ:Card of the Day, インベイジョン, ヤヴィマヤの火, 英雄 vs 怪物ヤヴィマヤの火/Fires of Yavimaya
ダークホース。
どんな世界にも、それは潜んでいる。
想定外の実力を発揮し、下馬評を覆して一気に玉座へと上り詰める。
勝負の世界は、これがあるから面白い。
そして今度は追われるものになった王者が、並ばせまいと奮闘する姿もまた面白い。
頂点がある限り、この戦いの輪廻は続く。Endless War.
本日紹介する《ヤヴィマヤの火》はまさしく上記の道を駆け抜けていった漢の1枚である。
カードとしては、緑が加わりマルチカラーとなった《熱情》である。
3マナで自軍全体に速攻を付与する、効果範囲の広いカードではある。
しかし、付与されるのは速攻だけで、クリーチャーのサイズが上がるわけではない。
ただでさえ「元から速攻持ってるヤツばっかだから使わんよ」と言われた《熱情》がマルチカラーになってもその効果が同じとあっては…と、発売当時は思われていた。
一応、2枚目以降は腐ることがないように設計されている。
とは言え3マナ払って+2修正だけではね…とも言われていた。
しかしながら、「インベイジョン」が発売されるや否や、
このカードは「ネメシス」の賞味期限(消散)持ちの緑のカードとの相性を買われて赤緑ビートダウンで採用されまくったのだ。
《極楽鳥》《ラノワールのエルフ》からの2ターン目《ヤヴィマヤの火》、3ターン目《ブラストダーム》は驚異的な殺傷力を誇ったものだ。
マルチカラー復活がテーマであった、エキスパンションセットであり、始祖ドラゴン達などのインパクトの大きいレアカード達の影に隠れていたこのアンコモンこそ、「インベイジョン」後のメタゲームを決定づけた伏兵であった。
一気にスターダムにのし上がり、環境を「Fires」の赤緑2色に染め上げてしまった。
君臨したならば、次は迎え撃たれるが王者の宿命。
同型対決では、この《ヤヴィマヤの火》よりも盤面に触れられる有効牌を一枚でも多く引いた方が勝利するという方式が発見され、王者に牙を剥く「No Fires」なるデッキが、メタゲームにおいて本家よりも高い地位を確立した。
その状況は、僕が初めて目の当たりにしたRise and Fallだった。
「英雄vs怪物」において与えられたフレイバーテキストを読めば、この火で何故速攻を得られるのかがよくわかる。