2014/07/05 Frankenstein's Monster - Card of the Day -今日の1枚-

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Frankenstein's Monster

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「モンスター」という単語は、今でこそ各種ファンタジーや各種モンスターゲームのブームにより、「ポジティブ」な意味合いを受け取りやすい言葉となっているが、その本質は「悲哀」に満ちたものであると僕は思う。

主人公と一緒に旅をする、不思議な生き物…最近のモンスターは子ども達に受け入れられている存在である。

これに対して、モンスターという言葉を全世界に広めたであろう小説及び映画「フランケンシュタイン」に登場する「フランケンシュタインの怪物(モンスター)」は、不気味で拒絶される悲しい存在として描かれている。可哀そうなんだけど怖い、という独特の感情を呼び起こすもの。怪物の背負いし宿命に、人はある種の「美」を見つける。


マジックにおける「モンスター」も不遇な存在である。『おいおいこのゲームではモンスターなんて単語は使わねえぜ。クリーチャーって呼んでるんだ、人間だっているわけだからな』こんな説明をされたこと、マジックを始めたばかりの時に受けたことがある人もいるだろう。

マジックの世界に「モンスターはいない」。いや、いたのだ。いたのだが、彼らも怪物ならではの苦しみを持って生まれてきた。

「レジェンド」「ザ・ダーク」と立て続けに2体登場した後「メルカディアン・マスクス」でさらに2体が現れる。そこから、数が増えることもなく、彼らに共通点などもなく。そして無慈悲な「大編成」にて、怪物達は袂を分かつ。モンスターは「絶滅種族」となった。滅びゆく者達は美しい。


そのモンスターの中でも、最も「モンスターらしさ」を放っていた1枚が《Frankenstein's Monster》だ。

先にあげた「フランケンシュタインの怪物」そのままである。元となった作中では、フランケンシュタイン博士が理想の人間を作るために墓を暴いて死体を集め、つぎはぎして造りだした新しい生命である。

この設定に基づいて、マジックのこの名も無き怪物も、墓地にあるクリーチャーカードを繋ぎ合わせて誕生する。場に出るに際し、X枚のクリーチャーカードを取り除く。取り除かれた枚数1枚につき、+2/+0・+1/+1・+0/+2カウンターを好きな組み合わせで配置する。

X=3で5マナでバランス良く配置して3/3。ちょっと割高だが、マナを注げば・墓地を食わせれば食わせるほど、肥大化する「ロマン」に溢れた怪物だ。


場に出るに際し、墓地のクリーチャーの数がXを下回っていると場に出ることなく墓に眠る。このようなデメリットを持つ割に、トランプルなどを持っていないため非常に使いにくいカードである。

しかし、この不遇な怪物をベースに《縫合グール》という名カードが生まれており、彼の悲しみに満ちた誕生も無駄にはならなかったことはハッピーエンドと言って良いだろう。

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