2014/09/13 夜のスピリット - Card of the Day -今日の1枚-

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夜のスピリット/Spirit of the Night

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 「ナイト・ウィーク」のトリを飾るのはこの存在しかあるまい。我らが《夜のスピリット》のお出ましだ。名前はそのまんま「夜」の「魂」であり、夜の持つ怪しさ・恐怖・暴力性を凝縮した「真っ黒」な1枚である。非常に多くの古参プレイヤーが、このカードのお世話になった。

 黒のトリプルシンボルを含む9マナという非常に重いマナコストながら、6/5飛行・速攻・トランプル・(攻撃時に)先制攻撃・プロテクション(黒)と能力盛り沢山。

超重量級のフィニッシャーとしてデザインされたこのスピリットは、そのマナを払われることはほとんどなく往々にして「リアニメイト」や各種「オース」といったデッキのフィニッシャーに設定され、コストを踏み倒されて呼ばれて飛び出て喉笛を掻き切る凶悪クリーチャーとして、原作中における暴虐の塊であるかのような強さを発揮していた。
一見、メリット能力に見えるプロテクション(黒)であるが、これは実は一種のデメリットとして設定されていた。そもそも黒いクリーチャーであるので、当時の基本的な除去であった《恐怖》はプロテクション以前に受け付けない。

この能力は、黒特有のクリーチャーサイズを上げるオーラや、《動く死体》のようなオーラとして運用するリアニメイト呪文などの恩恵を受けないように設計された(のだろう)。

ただし墓地にあるクリーチャーはプロテクションが適用されることはないので、《再活性》などで釣り上げることには何の問題もなかった。

 この黒に対するプロテクション、当初はデメリットだったにも関わらず、時代を進めれば進めるほどメリットの方が大きくなってくる。《喉首狙い》《英雄の破滅》のように、近年の黒い除去呪文は、ゲームバランスも考慮したうえで黒のクリーチャーも難なく除去することが出来るようになってきた。

となれば、スピリット様の持つプロテクションは純粋な除去耐性であり、同じ夜の眷属である《吸血鬼の夜鷲》に道を阻まれることもない、夜を支配する能力として機能するのだ。

 「ナイト・ウィーク」の象徴であり、「mtg  夜」と打ちこめば一番にヒットしそうな1枚ではあるが、実は最初につけられていた名前は《Spirit of the Nightstalkers》。

《アーボーグの豹》の能力により、3種類の「夜魔(Nightstalker)」を生け贄に捧げることで戦場に降臨するため、この名前が予定されていたが、黒のトリプルシンボルがスペースを圧迫し、結果短くNightと表記されるだけに留まった。

結果オーライ、これにより、最高にクールな名前になったことは喜ばしい。それに例の「後付設定」も…ね。これについては別の機会に話そう。

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