2014/11/14 Drowned - Card of the Day -今日の1枚-
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「溺死体」。ド直球なネーミング、小細工なんていらんのですよ。
古いカードで青いゾンビというのも珍しい(今ではゲラルフ君が大量に増やしたのでそうでもないが)が、驚くことにマジックの歴史上「2枚目」のゾンビカードである。え?と思われるかもしれないが、「ザ・ダーク」まで《ゾンビ使い》は《スケイズ・ゾンビ》専門のロードだったのだ。
そう考えると、このカードが出て本当に良かったなぁと心から思う。「ザ・ダーク」はアーティストが「暗黒時代」から連想されるものをイラストにして、そこからそれに合うようにカードをデザインしているとのこと。
どうも全てのカードがそうだというわけではなさそうだが、仮にこの《Drowned》がその方式で作られたのだとしたら、Quintonさんには感謝してもしきれない。もしかしたらゾンビがメジャー部族じゃなかった可能性だって大いにあるのだから。
カードとしては青い《蠢く骸骨》・ゾンビバージョンの一言で説明が済んでしまう。2マナ1/1で再生持ち、典型的な壁専用生物である。再生の起動に用いるマナが黒マナと、自身と能力の色が違うという、これも古いカードでは珍しいというか、特殊なものである。
今ではありふれた能力だけども、当時はまだ所謂「ダメージランド」すらない環境でそんな簡単に多色は組めない時代である。故に、カード画像を掲載した昔の公式カード辞典(とてもじゃないがハンドブックとは呼べないデカさ)でも、存在感を強く放っていた。
部分欠損したり白目をむいたりといった「安易なゾンビ表現」に逃げずに、腐敗の進んだ者・海賊風の男・水夫・シャーマン風といった連中が揃っているのがリアリティがあって実に良い。
彼らの共通点は、この海で溺れ死んだということ・そして死にきれずに彷徨っているということだ。アマモのような海藻の中に立つ姿は、1980年代ホラー感溢れる構図で素晴らしい。これ映画で同じ構図取れたら最高なんだけど、難しいよなぁ。まず、浮いちゃうしね。ウェイトつけて、水中で落ちないメイクして、役者に息を我慢してもらって…あ、CGとか甘え手段は勿論ナシですよ!「サンゲリア」の海ゾンビは1体だけだったけど、これみたいにゾロゾロってのは本当に困難を極めそうだ。
記念すべき2体目のゾンビにして、《ゾンビ使い》の恩恵を大して受けない(再生能力をすでに持っている)辺りも、ゾンビ映画特有のなんじゃそら設定っぽくて素敵ではないか。