2014/11/28 屍肉吠え - Card of the Day -今日の1枚-
タグ:Card of the Day, ラヴニカ, 屍肉吠え屍肉吠え/Carrion Howler
昔、まだ僕が小学校低学年…1年か2年くらいか。下校中、友達とも別れて一人歩いていた時だ。駅からやや離れた場所に広い駐輪所があって、その時はなんとなくその中を抜けて帰ろうと思った。駐輪所と言っても、その実態はアスファルトで固められた地面と水色の鉄柵で囲まれただけのスペースで、管理人などもおらず皆思い思いに自転車を停めている。この時はまだこういうスペースがそこかしこにあったので、停まっている自転車もまばらだ。そんな空間を、なんとなく歩きたくなったのだ。時間にすれば子どもの脚でも2分ほどで出口に達するくらい。
その出口に差し掛かった時、入り口付近で渋滞している自転車の間からヌッと出てくる影が1つ。もう随分と前に見た光景なのに、僕の脳裏には焼き付いていて今でもアリアリと思い出せる。口からよだれか何かわからない粘液を滴らせ、耳は折れ、毛が所々抜け落ちてねずみ色の皮膚が剥き出しになっている。その眼は、明らかな殺意を持って僕に向けられていた…野良犬だ。漫画なんかに出てくる、あのステレオタイプの「アブナイ野良犬」って実際にいるもんなんですよ。最も原始的な恐怖を味わったこのエンカウントの顛末は、またどこかでお話ししましょう。
そんな「思い出の狂犬」を思い出させる1枚がこの《屍肉吠え》。ゾンビ・狼という熱い組み合わせのクリーチャータイプと、納得のイラスト。こんなんがうろついているラヴニカの夜の街なんて絶対繰り出したくないね。お家で寝るのが一番。カードとしては4マナ2/2で、ライフを1点支払うと+2/-1修正を受けるという「流動石」っぽいスーサイド系能力を持っている。普通に考えれば、1点のライフを払ってようやく同マナ域の連中と相討ちできる程度の生物というのはちょっと、弱い方に入るんじゃないかなぁ…と思ってしまうが、そこはほら、工夫のし甲斐があるってことよ。タフネスの減少値は1なのだから、タフネスを1つ上げるごとに起動回数が1回増える。同じ「ラヴニカ:ギルドの都」でのドラフトでよく見たのは《腐れ蔦の外套》との組み合わせ。こんなん「スルーで」って言えるわけないやん!他にはシミックの「移植」持ちや相討ちしてからの《死後剛直》などで+1/+1カウンターを乗っけてというプランも。まあ、回避能力しっかりつければ4マナパワー4は確定してるので十分に使えるカードだった。
ライフを糧に大きくなるという点は、《憎悪》で育ったスーサイド大好き世代にはたまらない。