2014/12/04 捨て身の儀式 - Card of the Day -今日の1枚-

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捨て身の儀式/Desperate Ritual

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 シーンは変わって、敵の本拠地。偉いヤツらは高台の上から見下ろしている。奥から幹部が出てきてそいつらに「どうだ?」と聴き「丁度良い所に」云々の話をして、下にいる階級が下の連中が何やら働いて装置が起動されたり・儀式が執り行われたり。

そうして実験ないし儀式は成功し、パワーの奔流が起こり、光の塊がバチバチいったりスパークして、そして何故か周囲の物がカタカタ鳴り出して吸い込まれたり吹き飛ばされたり…それが弾け飛んだかと思うと静けさの中、ボスキャラっぽいのが立っていて、上にいる幹部がニヤリ。

でもこのパッと見強そうなやつが、最初の戦闘ではやたらと強くても、二度目の遭遇ではアッサリ倒されて…。


以上、映画あるある。こういうのに近いシーンなのであろうカード《捨て身の儀式》について今日は語ろう。

ゴブリン(悪忌)達が何かの儀式を執り行った後なのだろうか。氷山の大地が裂け、その下を流れる溶岩が見える。そしてその溶岩の中から柱状の塊がズヌヌと立ち上がり、その先端には球状の塊と中心に光が見える。

そしてイラストから察するに、それは強烈な回転運動を行っている様だ。放射状に溶岩が拡がっていて危険さを物語っている。そして、逃げ遅れたのか・あるいは儀式がここまでの結果をもたらすことを知らなかったのか、悪忌が2体取り残され、絶体絶命の状況である。

岩にしがみついても引きずり落とされそうな姿ということは、現在進行形で大地が震動しているのかもしれない。何にせよかなり無茶な儀式を行ったもんだ。


ここまで命懸けな儀式ではあるが、その成果は「赤マナが1つ増える」という、それだけ聴くとなんだそんなもんかという印象を受けてしまう程度のものである。

イラストで暴れ回っているのは、赤マナ3つの塊なのであろう。このカードの先代というか、原型となったカードである《暗黒の儀式》も御大層なことをやってマナを増やしていた。儀式っていうのは大袈裟なぐらいが丁度いいのだろう。


黒がマナ加速という担当から外れて、湧き上がる炎とマグマの色である赤がそれを継ぐことになったのも、もう随分と前の話だ。時代の流れを感じつつ、当時始まったばかりのその系譜に名を連ねた《捨て身の儀式》を見て、最初の感想は「弱っ」というものだったのを覚えている。僕らは《暗黒の儀式》で1ターン目に《ファイレクシアの抹殺者》を着地させていた世代、その「ダリチュ」の下位互換にしか見えないこのカードは「ないわ」としか思えなかった。

これの前に「ミラディン」で《煮えたぎる歌》が登場し、3マナと重めながらも2マナ増えるという《暗黒の儀式》と同質のカードを見ているだけに、このショックは大きかったものだ。

何せ1ターン目に撃てるわけでもないのに1マナしか増えないのだ。「連繋」を絡めて…ということもまあ考えられるが、やっぱり単品でキリキリ働けるカードの方が良いじゃないかと。

その評価は後に大きく変わることとなった。赤くてマナを伸ばすことを良しとするデッキの、なんと増えたことか。「All in Red(デミゴッド・ストンピィ)」「青赤昇天」その他ストームやコンボなど…軽いカード1枚で1マナ増えれば、それだけで勝負を決めることが出来るカードが実に増えたものだ。

モダンでは他のマナブースト連中が禁止されたため、候補としては筆頭である。

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