2014/12/03 二重の詠唱 - Card of the Day -今日の1枚-
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邪悪な存在に対して、森の住人が獣の群れを解き放つシーンって、ファンタジー物ではまさに「王道」である。エルフとかそういった種族や、あるいは獣と心を通わせる能力を持った子どもなんかがその扇動の役目を担うことになり、巨大な草食獣から牙を剥く食肉目、猿のような樹上生活者から小さなトカゲや昆虫の群れに至るまで、ワラワラと森の奥から飛び出してくる光景には胸が躍る。こうした映像を作製することが出来るようになったのは紛れもなくCGの発展のお蔭であり、古き良き特殊撮影を愛しCGを毛嫌いする映画ファンの気持ちもわからなくはないが、良い面だって山ほどあるということをあえて声を大にして言いたい。
まあそんな主張は置いといて、今日の1枚はまさにそんなシーンを描いたカード《二重の詠唱》である。これは圧倒的優位な邪悪な連中へのカウンターパンチとして、焦らしに焦らした末に魔法を発動させて大逆転、敵軍撤退~なシーンで、前半の山場だったりするんだろう。そしてエルフの女魔道士に「この森へようこそ」と案内されて皆で酒盛りして夜になって焚き火がパチパチ弾ける前に1人佇む主人公…までは軽く妄想できる。
カードとしてはイラストとカード名の通り、自軍のクリーチャーを倍増させる。戦場に出ているものと同名の1枚をライブラリーからサーチして戦場に出す。2体以上クリーチャーをコントロールしていればとりあえずアドバンテージは獲得出来る。そこから数が増えれば増えるほど、クリーチャーの質が高くなればなるほどこの呪文の殺傷能力は高まることになる。どうせなら、速攻を持っていたり戦場に出た時に誘発する能力を持った連中を増やして一気に勝負を決めたり美味しい思いをしたいものだ。増やしたい候補としては《永遠の証人》《酸のスライム》《森の始源体》《原始のタイタン》…と枚挙に遑がないが、まあ適当にクリーチャー増やせば勝てるでしょ。統率者戦ではゲームの本質的に何も為さないカードなので、そこの所だけが惜しい。
日本語版では同名カードとなっているが、持ってこれるのは正確にはクリーチャー・カードのみである。クリーチャー化した他種のパーマネントなんかが増えるわけではないので要注意。イリュージョントークンを出していて《空想/現実》が飛び出したりすることはないが、組立作業員トークンから《組立作業員》を呼び出すことは可能。そんな場面無いだろうけど、こういう知識で記憶容量を無駄遣いするのも万物の霊長である人類の特権ということで。