2014/12/10 リサイクル - Card of the Day -今日の1枚-
タグ:Card of the Day, テンペスト, リサイクルリサイクル/Recycle
Phil Foglio。「絵本ウィーク」と題しているのならば、彼のカードを紹介しないことはまあ有り得ない。元祖「かわいい」タッチと言っても良いだろう。
「レジェンド」から参入した彼は、マジックの「ファンタジー」世界として幅を大いに広げる活躍をした。コミカルでかわいらしい、それこそ子供向けの絵本で出てきそうな独特なイラストは、正反対のリアリティ書き込み系イラストに囲まれていると明らかに異質な存在ではあるのだが、そんな作品も内包して1つの世界を創り上げているのが「テンペスト」あたりまでのマジックだった。
Philさんは自身でコミック会社を立ち上げたり、紆余曲折を経てウィザーズに入社したりと、とにかくエネルギッシュなお方である。人物の持つ魅力が、その絵柄にも反映されているのだろう。
そんなPhilさんの代表作の1つ《リサイクル》が今日の1枚だ。「ウェザーライト・サーガ」の主人公であるジェラードと、彼の同僚であるゴブリンのスクイー。彼らのコミカルな表情が描かれているため、一目見ると忘れることが出来ない1枚だ。
フレイバーが存在しない為、詳細な情報はわからないが…スクイーが自信満々に料理をし、ジェラードがその犠牲となったのだろう。スクイー君、コック帽まで被ってものすごくゴキゲンだ。
さり気なく湯気が昇る寸胴鍋を小脇に抱えるという人間には出来ない離れ業をやってのけている当たり、さすが後の不死身のゴブリンだなといったところ。ジェラードは…まだまだお皿にはたっぷり入ってるからね。残しちゃだめだよ。
カードとしては、6マナというヘビー級のエンチャントで、これ自身はなにかをするわけではない。手札の上限が2枚になる&ドローステップを飛ばすという緑には非常に珍しいデメリットを代償にして、プレイヤーが何かを「プレイ」した際に1ドローをプレゼントするというエンジン系のカードである。
プレイという言葉は最近まず見なくなったルール用語だが、ここでは呪文を唱えることと土地を手札から戦場に出すことの両者をひっくるめた言葉として用いられている。
土地を出すことが出来ればとりあえず1ドロー、しかし例えば《原始のタイタン》で土地を出してもドローすることは出来ない。あくまでも「プレイ」である点に注意しよう。
各種フリースペル(実質0マナの呪文)やマナブーストを連打しているだけで、簡単にストーム数を伸ばすことが出来るだろう。ドローステップが消え去るのは辛いが、出したターンでチェーンコンボを始動してしまえば2つ持っているデメリットなどへのかっぱ。
弱点は手札破壊の類。設置してターンを返す→2枚しかない手札が精神腐敗を…なんてことになったら最早投了するしかあるまい。逆に《思考囲い》1枚程度なら土地さえ握っていれば大丈夫なので、相手によっては2枚の手札に残るカードをうまく調節しよう。