2014/12/18 ボロスの怒りの盾 - Card of the Day -今日の1枚-

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ボロスの怒りの盾/Boros Fury-Shield

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 なんとなく「ランボー/怒りの脱出」っぽく聞こえるのは気のせいだろうか。《ボロスの怒りの盾》。直球ネーミングだ。怒っている割に大ハンマーやチェーンソウではなく盾、というところが警察・自警軍的存在のボロスらしい。同じようにラクドスがキレたらドリルを持ち出しそう。アゾリウスは法律書か、角の所でドーンと。それはさておき、怒りを護るための防具に込めるのは感情のコントロールとして素晴らしい。

 しかしカードとしてはどうか。盾と名がつくからにはそういった挙動をするのだろう、イラストもそんな感じだし…とプレイヤーの予測を裏切らない=直観的にプレイ出来るという現在のマジックの信念に沿ったデザインが為されているか…Yes!《ボロスの怒りの盾》はその名の通りダメージ軽減呪文だ。ただ、使用する際にはちょっとした注意が必要な1枚である。

 これまでの「盾」系呪文は、あなたやあなたのクリーチャーをダメージから護るために使用されるものが主であった。「次にAにダメージが与えられる場合、~軽減する」といったように、盾で護られるもの・盾の内側をその呪文の主としていた。これに対して、ボロスが用意した盾は、その外側・即ち危害を加えんとするクリーチャーを対象にする呪文である。いずれにせよ、護ってくれるんならそれで良いよ、と思ってしまいがちだが、そういうわけにはいかない。この両者は明確に違うものである。

前者である、一般的な盾系呪文は、プレイヤーやクリーチャーがダメージを受ける際に、それを軽減して0にするという文字通りの盾を発生させる。これを戦闘中に用いた場合、基本的に対戦相手側は為す術がない。これらの呪文は、ダメージ軽減の盾を作るもので対象をとらない。これに対して怒りの盾は、対戦相手のクリーチャーを対象にとり、それから戦闘ダメージを与えるという能力を奪ってしまうという呪文だ。対戦相手は、これを《レインジャーの悪知恵》なんかで弾くことが出来る。結果としてほぼ同様の役割を果たす呪文でも、その過程は全く違うことがある。気を付けてゲームをしたいものだ。

 さて、この怒りの盾が何故そのような別種の呪文になったのか。それはこのカードの「怒り」の部分を示すオマケにある。「向上呪文」という、「ラヴニカ:ギルドの都」で登場したサイクルは、単色の呪文でありながら、それを唱えるための不特定マナコストを特定の色で支払った場合にボーナスが付与されるというカード群である。この怒りの盾は、唱える際に赤マナが支払われていると、対象にとったクリーチャーのパワー分のダメージをそのオーナーに跳ね返すことが出来る。これは往々にして予想外の一撃となり、勝負を決めることも多々あるだろう。ドラフトではコモンでありながら非常に有用な呪文であり、注意が必要だ。ただし先述したように対象をとるため、被覆や呪禁・プロテクションにより弾かれやすいのが欠点であり、またそこがバランスをうまく保っている。

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