2014/12/22 高射砲手 - Card of the Day -今日の1枚-
タグ:Card of the Day, ラヴニカへの回帰, 高射砲手高射砲手/Lobber Crew
一口に「リミテッド」と言っても、「ドラフト」と「シールド」は全く別のゲームだ。シールドにおいてプレイヤーは、与えられたカードプールの中からトーナメントで勝つために最善のデッキを組みあげることを目指す。よくプールが弱い、強いという話をするものだが、本当に強いプレイヤーはプールが弱いながらも最善を尽くしたデッキで勝ち抜くこともあるし、プールに所謂「ボムレア」3枚もあるわ~と胡坐をかいていたら盛大に組み間違えていて悲惨な結果に…という経験をするプレイヤーも決して少なくない。ドラフトはピックの段階でカードの取捨選択を迫られるが、シールドは「流れ」がないために何が正しいのかを自分で判断して組まなければならないという、別の難しさがある。ドラフトでは13手目のようなカードが、シールドではゲームスピードの違いから戦力として十分に機能したりする。マジックって本当に面白い。今週は先週の予告通り「シールド・ウィーク」をお送りしよう。
個人的に、シールドで本当に強いと感じたカードの1つが《高射砲手》だ。「ラヴニカへの回帰」の頃はPTQに出るためにシールドの練習を何度かしたものだ。その度に、このカードの渋い仕事に感動したのを覚えている。いざ本番でも、これのおかげでスイスラウンドを好成績で抜けることが出来た。プールを見て2枚いたりすると「おっ」と嬉しくなったり。このゴブリン・戦士は、その部族に似合わず防衛持ち、即ち壁である。3マナ0/4とサイズも平凡。しかしながら、本当に良い働きっぷりを見せてくれたんだよこれが。
タップすると対戦相手に1点のダメージを与える。これが「各対戦相手」であり、地味に多人数戦を想定しているのもなかなかにかわいらしいが、それは置いておこう。3マナで壁として登場し、地上戦力の基本線である2/2・3/3をキャッチしつつ、エンド前に本体1点。この動きが地味~にいやらしい。たかが1点、されど1点。3マナ1/4警戒&ブロックされないというスペックのクリーチャーと考えると、リミテッドならば悪くないじゃないかと思われることだろう。
そして真価を発揮するのは、多色の呪文が複数デッキに入っている場合。それらの呪文を唱えると、この砲手はキビキビと次の撃ち方の用意を始める。これによりダメージ→マルチ呪文→アンタップ→相手のエンド前ダメージ、という2点クロックへとサイズアップする。この動きは鉄板で、気が付けばブロッカーを出しているだけなのにダメージレースで勝っていた、なんてこともザラだった。
リソースが限られているシールド。それ故に、戦線が膠着することが世の常なのだが、そんな時にこういった直接ダメージを与えることが出来て防御に優れたクリーチャーがデッキに1、2枚入っていると、差をつけることが出来るだろう。長期戦に強いっていうのは、それだけでステータス。