停止スイッチ/Kill Switch
タグ:Card of the Day, Kill Switch, MTGシングル, ネメシス, 停止スイッチ, 岩SHOWCard of the Day -今日の1枚- 2015/03/12
停止スイッチ/Kill Switch
「殺す」ということにまつわるカードを紹介する一週間なのに、関係のない1枚が急に出てきたって?安心してくれ、この《停止スイッチ》の英名は「Kill Switch」。直訳すれば殺人スイッチなわけだ。実際にはこのカード名と同じく、停止スイッチの意味で用いられる。燃料や電力などがエンジンに入っていくのを遮断して、緊急停止させる。エンジンという心臓を止めてしまう、機械にとっての殺人スイッチっちゅうわけだね。洒落た言葉じゃないか。
《停止スイッチ》のカード自体も、勿論「機械殺し」なものに仕上がっている。スイッチを起動すると、他の全てのアーティファクトをタップ状態にしてしまう。電力(マナ?)の供給を断たれたアーティファクト達は、スイッチが解除されるまではタップしっぱなしで、アンタップされることはない。所謂、ロック状態に持ち込むことが可能。これが戦場に出てしまえば、もうアーティファクト・クリーチャーからの攻撃を受けるということはほぼないだろう。毎ターン2マナを注ぎ続けなければならないが、それで身の安全を確保できるのならば安いものだ。
そもそもこのカードが『ネメシス』に収録されたのは、おそらくはウルザ・ブロックで増長してしまったアーティファクト系のデッキに対する牽制だろう。《厳かなモノリス》《スランの発電機》というマナブースト、《マスティコア》《ファイレクシアの処理装置》などの強烈なフィニッシャー、《通電式キー》《ミシュラのらせん》などといった強烈なサポート・妨害手段...いずれも同ブロックで生まれ、無色であることを売りにあらゆるデッキで幅を利かせていた。こりゃ、ダメだろ。何か致命的なものを投下しなくちゃ。たぶん、こんな感じで登場したんじゃないかな。あるいは、ここにこれを持ってくることありきで強烈なアーティファクトを作ったのか...卵かニワトリか。
《マイコシンスの格子》と組み合わせると、完全ロックが成立する...かに見えるが、これは実はかなり難しい。何故ならば、アーティファクトになった自身のパーマネントが自身の《停止スイッチ》の影響を受けた場合、あなたのアンタップ・ステップに起き上がるパーマネントは、この《停止スイッチ》とその能力起動後に戦場に出たパーマネントのみである。これがアンタップ状態でアンタップ・ステップを迎えて、やっとアーティファクト達は機能し始める。同時に起きる、ということはないので、この組み合わせは1ターン相手を縛って、次ターンは無防備な状態を晒すという無意味極まるものである。これが統率者戦なんかだと、わざわざ皆の反感買ってからタコ殴りにされにいくっていうね...パーマネントをタップしたりせずに2マナ生み出す方法を編み出したのならば、完全ロックも目の前。