センギアの従臣/Sengir Autocrat
タグ:Card of the Day, MTGシングル, Sengir Autocrat, センギアの従臣, ホームランド, 岩SHOW, 時のらせん, 第5版, 第6版Card of the Day -今日の1枚- 2015/03/23
センギアの従臣/Sengir Autocrat
フライングになるが、明日3/24に掲載予定の記事にてこのカードに関係するコメントを書いたので今日の1枚はこれだ。どこに書いたかわからない、そんな可能性もあるのでここで皆さんにこのカードを知ってもらおうという保険である。オールドファンなら勿論ご存知かとは思うが、最近始めた方には馴染みのないカードだろう。
《センギアの従臣》は4マナしにて4体のクリーチャーを戦線に投下出来るという驚きの1枚。内訳は2/2が1体に0/1のトークンが3体。さすがに打撃力は《包囲攻撃の司令官》や《錯乱した隠遁者》には遠く及ばない。が、そんな彼らよりも軽い4マナでパーマネントを増やせる、というのが彼のアイデンティティ。
ゴブリンやリスと違って、出てくるトークン「農奴」はこのカードが唯一生み出すことの出来るクリーチャータイプであるため、部族としての恩恵を受けることは全くない。ないのだが、これが「黒」であることが重要。黒は、同色を支援したり、生け贄を要求するカードが多数ある。《不吉の月》で戦闘力を与えるのは序の口。《暗黒の凱歌》ではそのコストを払いつつ、打点を増すことが出来てさながら2枚コンボ。《汚染》でマナをロックするためのコストにしたり、《ファイレクシアの疫病王》の餌にして相手のクリーチャーを根絶やしにしたり。
なかでも最愛の友、とでも言うべき相方は《デルレイッチ》。《暗黒の儀式》経由で2ターン目に従臣を着地させ、すかさず農奴を全員捧げものとしてこのホラーの傑物を顕現させる。「強襲デルレイッチ」と呼ばれたこの一連のムーブは、例え《デルレイッチ》がすぐさま除去されてしまったとしても(実はなかなか除去することは難しかったのだが)、最低限この従臣本体・2点クロックが残るというのも売りだった。《神の怒り》?撃たれるまでにもう16点叩き込めているし、ハンデスで落としちゃえばいい。『ホームランド』初出のこのカードが、時を超えて相方と巡り合ったというのは感慨深い。
「従臣」と訳されているが、英名「Autocrat」の本来の意味は「独裁者」。かのセンギア男爵の領地内で、農奴たちを支配する階級ということだろう。領主である男爵を差し置いて独裁者の地位につくのもどうかな、ということで彼の従臣としての名前を授けられたのだろう。日本語と英語のニュアンスの違いって面白いね。3度の再録を経験した歴史あるカードであり、2種類あるフレイバーテキストにはそれぞれ男爵とエロンという『ホームランド』の重要人物2名が登場している。