リム=ドゥールの櫃/Lim-Dul's Vault
タグ:Card of the Day, Lim-Dul's Vault, MTGシングル, アライアンス, リム=ドゥールの櫃, 岩SHOW, 統率者2013Card of the Day -今日の1枚- 2015/04/23
リム=ドゥールの櫃/Lim-Dul's Vault
青と黒の組み合わせは、正義じゃない。「俺にとってのジャスティス」とかそういうのは抜きにして(抜きにしてね)、世界観的にはあまり正義の側に立つ組み合わせではないのだ。『ラヴニカ:ギルドの都』の頃は、青黒のギルド・ディミーアが事件を起こした。『運命再編』でも同色の龍、シルムガルがカン達を襲撃し彼らの歴史を終わらせた。裏切りのアンデッドの王、ドラルヌ卿も青黒。《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス》もこの2色を持ち、彼の工作員も青黒のプレインズウォーカーだ。狡猾で邪悪なる、知的な悪役。青黒に与えられた役割である。めちゃくちゃ納得できる。色だけ見ても、クールでダークなカラーの組み合わせ。主人公側でないのは一目瞭然ではないか。
リム=ドゥールもそうしたマジック界の悪役の一人だ。彼は黒と赤の要素を強く持っているがため「屍術師」となったそうだが、彼の名を聞くと真っ先に思い浮かぶこの《リム=ドゥールの櫃》が、どうしても彼を青黒メインのキャラクターだと思わせる。それだけ、このカードは印象が強い存在なのである。
青黒の2マナのインスタントで、ライブラリーを上から5枚見て並べ替えることが出来る。手札は増えない。これだけだと、ハッキリ言って相当に弱い。勿論、マルチカラーのカードがこれで終わるようでは問題だ。そこはしっかりと、更なる効果が付随している。捲った5枚が気に入らない...土地が無かったり、むしろ土地オンリーだったり。そんな時は1点のライフを支払って、この5枚を無かったことにしてOK。これらをボトムに送って、トップからお気に入りの5枚の組み合わせがみつかるまでは同じ動作を繰り返してOK!そこまで大きなライフを支払わずとも、ライブラリーを全部見てしまうことも可能なのだ。お気に入りの5枚が決まったら、それ以外はシャッフルして、この5枚を望む順番でトップに置く。
《吸血の教示者》の複数枚バージョンと捉えることも出来るだろう。4点以内の支払いで欲しい2枚を好きな順で積むことが出来れば相当にお得感がある。というわけで、2枚以上のパーツを要求するコンボのサポートなんかにはピッタリな1枚だ。相手の2ターン目エンド時に《入念な研究》《グリセルブランド》《動く死体》《Force of Will》《目くらまし》みたいな5枚を積み込みできればもう勝ちでしょ。
プレイヤーをまあまあ試してくる1枚でもある。君はどこまで割り切れるか?どこまでも貪欲になれるのか?実に青黒らしい1枚だよまったく。